※2021年8月16日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
ポータブルナビはスマホの無料カーナビアプリの普及に合わせて販売台数が激減していると言われて久しく、その間にパイオニアなどのいくつかのプレイヤーが退場しています。
また、直近2年位の間に従来は市場シェアが1位だったユピテルもそのシェアを大きく落とし、パナソニックのゴリラがシェアNo.1となっている状態から、2021年は新たなプレイヤーとしてケンウッドが市場に参入して来ました。
ポータブルナビはインダッシュナビとは異なり、メーカーごとの機能面やサービスの差が大きいカテゴリーですので、この記事ではポータブルナビの主要3社の製品の他、中小で人気のあるメーカー数社を加えて2021年のおすすめポータブルナビを目的別にご紹介します。
まずはスマホの無料ナビアプリが絶対にNGなのか検討すべき
冒頭でも説明しましたように、ポータブルナビがここまで売れなくなった最大の理由はスマホの無料ナビアプリの普及です。
わざわざポータブルナビを探しに来てこの記事に辿り着いた方に、ポータブルナビ以外の製品をおすすめするのもどうかと思いますが、かつてポータブルナビに流れていた相当数のユーザーが無料ナビアプリに移行している事を考え合わせると、既にスマホを使用している方は次の2つの無料カーナビアプリを試してみると良いかも知れません。
自分にはスマホナビアプリが合わない、と感じる方のほとんどは、おそらく次の2つの理由からではないかと思います。
ここで「どちらの理由も該当するよ!」という方は、既存のポータブルナビを選んだ方が良さそうですが、画面の小ささや操作系が問題なのであれば、以下のスマートディスプレイというカテゴリーを検討する余地が生まれます。
スマホのアプリが使用出来るスマートディスプレイ
こちらのスマートディスプレイというカテゴリーは最近出てきたもので、オンダッシュ型のCarPlay、Android Auto対応ガジェットになります。
CarPlay、Android Autoとは、スマホと車載のガジェットを連動させるシステムで、スマホのカーナビアプリや音楽配信アプリを対応ガジェット側に出力させつつ、ガジェット側からの操作も可能にするものです。
従来からこのようなインダッシュ型のオーディオに組み込まれたいたシステムですが
最近ではこちらのようにオンダッシュモニターに組み込まれた「スマートディスプレイ」タイプも出て来ています。
こちらを使用すれば液晶サイズの小ささに由来する画面の見にくさ、操作のしにくさは解消されるでしょう。
こちらの「スマートディスプレイ」については、以下記事で詳細を解説しています。
やはりポータブルナビが良い!という方に、メーカーごとの特徴を解説
ここからは「やはり従来の使い慣れたポータブルナビ以外には考えられない」という方向けに、各メーカーの製品の特長を解説しますが、ここでピックアップするのは次の6つの主要メーカーです。
ナビ機能を重視するならパナソニック「ゴリラ」がおすすめ
ナビ機能を重視する場合には、インダッシュナビメーカーでもあるパナソニックとケンウッドの2つのメーカーの製品が視野に入ってきますが、カーナビとしての案内能力や地図更新などの面を考え合わせると、おすすめはパナソニックのゴリラ最上位「CN-G1500VD」になります。
主な機能構成はこちらの通りで、特に黄色の付箋の部分はケンウッド製品に対する大きな差別化ポイントになっています。
インダッシュナビに準ずる高い案内精度以外の面でも、地図の無料更新にも対応していますので、価格帯も考えて長く使いたい方にはパナソニックのゴリラ「CN-G1500VD」がおすすめです。
大画面とAV機能で選ぶならケンウッド
2021年から新規にポータブルナビ市場に参入してきたケンウッドですが、ガチの競合メーカーであるパナソニックのゴリラとは以下のような相違点があります。
※赤が優れている点、青が劣っている点
価格帯を考えると地図が出来ないのは少々痛い気がしますが、操作性と大画面での地デジ視聴に惹かれる方はケンウッド製品がおすすめです。
※どうもこのシリーズはバックカメラがリバースギアに連動しない謎仕様なので、バックカメラ機能には期待しない方が良いようです。
価格と機能のバランスに優れるロードクエスト
ロードクエストはタクシーなどの法人向けにポータブルナビを開発していたメーカーで、10年以上前から携帯電話向けのナビアプリの開発実績もありますが、2021年時点では個人向けに7型/8型の2つの製品を販売しています。
パナソニックやケンウッド製品とは異なり、ジャイロセンサーを搭載していないのでお店の駐車場などで自車の方位を見失い易いという弱点がありますが、上記2社と同様に16GBの地図ソフトを採用し、VICSオンデマンド、フルセグ視聴、バックカメラにも対応するなど、機能面では充実している上に、価格が非常に安くコスパに優れた製品と言えるでしょう。
また、地図更新にも有料で対応しています。(9,000円くらい)
大画面とトラックモードがセールスポイントのドリームメーカー
ドリームメーカーはカー用品量販店向けのポータブルナビを開発しているメーカーですが、9型の大画面とフルセグ対応、トラックモードの3つが同社製品の主なセールスポイントとなっています。
基本機能的にはロードクエストのナビからVICSオンデマンドを外したような形となっていますが、トラックモードの有無でグレードが分かれているような形となっており、一般向けのトラックモードなしの下位グレードでは地図アプリが8GBとなってしまいます。
従ってロードクエストのナビが存在している以上、ドリームメーカーの特性はトラック専門と言えそうです。
機能は最小限、価格がセールスポイントのTDP(ROOMMATE)
TDPは聞き慣れないブランドかと思いますが、こちらは日本のIT企業である「ROOMMATE(ダイアモンドヘッド株式会社)」が展開するブランドで、7型/9型の2機種を他社の半額程度の価格帯で展開しています。
ポータブルナビとしての主な仕様はこちらの通りです。
ポータブルナビとしては必要最小限の機能構成となっていますが、機能的には大して変わらないユピテルのもうすぐ型落ちになる2020年の半額以下ですので、コスパは非常に高いと言えます。
ただし、案内や測位の精度には多少の問題がある可能性はあります。(amazonのレビューにもそのような指摘アリ)
とは言え、おそらくこのメーカーはamazonのレビューにサクラなどは使っていないように見えるにも関わらず、トータルの評価は★3.5とまずまず高いものとなっていますので、価格以上の価値を認めた方が多いと言えそうです。
かつてのポータブルナビ王、ユピテルの立ち位置は微妙
かつてはポータブルナビとしてはシェアNo.1を誇っていたユピテルですが、売上減少から年々展開モデルが絞られ、2021年モデルでは5型/7型の2系統のみとなっています。
7型モデルでも機能的には絞られており、他社製品と比べるともはや無い無い尽くしでキリがない状態です。
10年近く同じような構成の製品を売っていればこうなるのは仕方がないところでしょうか?
同じ価格帯でより機能を追求するならロードクエスト、同じ機能でより価格の安さを追求するならTDPがおすすめになりますので、2021年現在ではユピテルのポータブルナビをおすすめする理由がほとんど見当たりません。
まとめ
以上、2021年モデルのポータブルナビについて、目的別におすすめモデルをご紹介しました。
各社とも独自の特徴がありますが、機能と価格のバランスを考えておすすめ2社を挙げるなら、①パナソニック、②ロードクエストとなりそうです。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
はじめまして、ほんとうに参考になる情報を事細かくいつもありがとうございます。
該当URLの文面の説明でCN-G1200VDに対して『OBDⅡ対応』とありましたが、この機種から非対応のようです。オプションOBDⅡBluetoothアダプターも廃版になっているようです。
1100では対応だったので使用してトンネル内など少しでも精度を上げたい目的として使用て便利と感じていましたが、このモデルの機能一覧では対応表からはずされています。
これが本当なら非常に残念としか言えません。
私が思うパナソニックポータブルのメリットは他にはないバックカメラ連動接続や、Bluetoothオプションにより車速が拾えたり、ジャイロ装備など安価ポータブルにはない使いやすさが魅力だったのが少しづつ他車と似てくると価格が安いほうに移りがちになってしまいます。
メーカー確認していないので確かな事は言えませんが表記やオプションを探すと販売終了になっている店舗が多い事から参考にしている方々が戸惑うかもしれないと思いました。
間違っていたらご容赦ください。
たかはし様
ご指摘ありがとうございます。
確かに以前はあったOBD2に関する表記がなくなっていますね。
説明書の方にも1200VDからOBDの表記が消えていましたので、記述を修正しました。
今後とも何かありましたらお知らせ頂けると幸いです。
カーナビ・ポータブルナビ業界はかなりの縮小市場になりつつありますし、パナソニックも法人相手のOEMにはかなり注力しているようなので、あまり儲からない事はやらないようになるのかも知れませんね…。
おそらく、今後はandroid OSを搭載した中華ナビやポータブルナビがこれに代わる様な感じになるのかと(笑)