実機レビュー ドラレコにも使えるおもしろナイトビジョンカメラ「Duovox Mate」の評価

※2021年9月18日更新:実機レビューを追記しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

先日Lammodoのナイトビジョンシステム「Vast Pro」のテストを実施したばかりですが、現在他のメーカーさんから「Vast Pro」とはまた違ったコンセプトの暗視ドラレコの情報が出てきました。

正確にはドラレコではなく暗視に特化したマルチユースに対応したナイトビジョンカメラなのですが、それがこちらのクラウドファンディングで展開予定の「Duovox Mate」です。

■ 夜間をまるで昼間のように!2Kフルカラーナイトビジョンカメラ

■ Duovox Mate の操作ヒント

「Duovox Mate」の特徴

「Duovox Mate」がどんなカメラなのかはこの動画を見て頂くと分かり易いかと思います。

この動画を見る限り、おそらく…なのですが、「Vast Pro」と同様にSONYの暗視チップが使われているのではないかと推察されますが、プロモーション動画を見る限りでは「Vast Pro」の更に上を行く暗視能力のように感じられます。

まあ、上の映像はどのような明るさでどのドラレコと比べたのかが分からないので絶対的な明るさは不明ですが、「Vast Pro」と同等以上の明るさではないかと推察されます。

「Duovox Mate」のスペック

「Duovox Mate」のハードウェアスペックの概要はこちらの通りとなっています。

デザインはこのようなデジカメタイプですが

こちらのマウントを使う事でドライブレコーダーとしても使用が可能との事。

解像度は「2560×1440」となっていますが、仕様表には500万画素と記載されていますので、IMX335辺りのセンサーを使っていると予測します。

また、ドラレコ専用品ではないのでイベント録画やドラレコ方式のファイルの自動上書きモードなどに対応していない可能性もあるのですが(いずれも対応しているそう)、この製品自体がどちらかというとユーザー側で使い方を考えてくれ、的な新カテゴリーのガジェットなのではないかと思います。

一応、開発者側では夜間のアウトドア向けのナイトビジョンカメラとして、このような用途を提案していますが…

夜間に色んな場所にこのカメラを持ち込んで「この暗視能力すげー!」と、オモチャとして楽しむものではないかと思います。

因みに先日思うところがあり、大人になってからでは初となるキャンプに行きましたが、こういうシーンがどれだけ明るく映るのか試してみたくなりますね!

ドラレコ機能が思ったより優秀であれば、夜間の駐車監視モデルとしても実用的かも知れませんが、今の段階では「お前らでこの暗視カメラの遊び方を考えろ!」的な製品かも知れません。

セット内容とデザイン

Duovoxさんからサンプル提供頂きましたのでレビューを追記します。

こちらは開発中サンプルという事ですので、今後若干の内容が変わる可能性がありますが、今回お送り頂いたセット内容はこちらの通りです。

・カメラ筐体
・三脚
・USB A to Type Cケーブル
・32GBのmicroSD
・吸盤マウント
・ストラップ
・カードリーダー

カメラ筐体

こちらは事前に思い浮かべていたよりもやや大きめで、どうにか掌に収まるかどうかと言ったサイズ感です。

レンズF値は0.9で、狭角の望遠らしき特性の為か、レンズ部分がこのように飛び出しており

中央には3段階で明るさ調整が可能なLEDライトが装備されています。

正面には3インチのタッチパネルディスプレイ、上側面には6つの操作ボタンが配置されています。

筐体左右にストラップホルダー、右側面にはmicroSDカードスロットとTypeC端子

下側面にはM6(説明書転載)のマウントネジ穴が開いています。

※この穴は厳密にはM6ではないのでは?というコメントを頂いています。

寸法は非常によく似ていますが ユニファイ並目ネジ1/4インチです。

写真関係商社 エツミのHPより引用。「三脚用のネジには一般的な1/4インチサイズ(小ネジ・細ネジ・1/4-20UNC・国際規格)と大型の3/8インチサイズ(大ネジ・太ネジ・3/8-16UNC・ドイツネジ)があります。
現在市販されている一般的なカメラの三脚ネジは1/4インチです。一部大型の機材や三脚と雲台を繋ぐためにより太くて強固な3/8インチネジを使われる場合があります。

※1/4-20UNCとは?外径1/4インチ(6.35mm)で1インチ辺り20山、UNCはユニファイ並目ネジという規格を表します。

三脚とマウント

三脚はこちらの小型タイプ

マウントは吸盤タイプが付いてきました。

※マウント用のネジ穴は汎用性の高いM6なので、車外品のマウント類はいくらでも使えるものがあります。

操作系について

電源は電源ボタンの長押しでON/OFFの操作を行います。

その他の操作に関しては6つのボタンをタッチパネルの両方から行う事が出来ますが、電源のON/OFF以外はタッチパネルでの操作が可能ですので、ボタンはほとんど使わなくてもOKです。

タッチパネルからダイレクトで可能な操作はこちらの通り。

・録画の開始/終了
・ファイルロック
・LEDの点灯(3段階調整)
・液晶の明るさ調整
・カラー/モノクロ切り替え
・再生モード切替
・WiFiの起動/終了
・録画設定
・システム設定

押さえておいた方が良い重要な設定項目はこちらの通りです。

・高速ビデオ:電源ONでの録画開始スタートのON/OFF(ドラレコで使います)
・ビットレート:低/中/高
・タイムラプス:ON/OFF
・動体検知:ON/OFF
・ループ録画:3/5/10分(ドラレコで使います)
・Gセンサー:低/中/高(ドラレコで使います)

WiFiアプリでもライブビューの視聴、動画の再生、スマホへのダウンロード、各種設定の変更が可能ですが、メニュー項目は本体仕様との整合性が取れていないものもありますので、まだ調整中のように見受けられます。

 

動画ファイルはMP4形式で保存されますので、パソコンの汎用プレイヤーでの再生も可能です。

撮影画角について

本製品のセールスポイントは夜間の並外れた暗視能力ですが、まずはカメラの基本仕様について押さえておきます。

iPhone SEと比べてみた結果、Duovox mateの録画視野角は水平34°程度でした。

・Duovox mate:水平34°
・iPhone SE 動画:水平69°
・iPhone SE 静止画:水平75°

手振れ補正について

Duovox mateは原則としては付属の三脚に固定して使用する事を前提としているような気がしますので、手振れ補正は機能ありません。

また、狭角の望遠レンズのようなカメラ特性ですので自撮り棒との組み合わせは最悪で三脚を使わない場合には手で直接持ってゆっくり動かす方法がおすすめです。

なお、レンズの焦点距離が長い為、3mを切るような近距離ではピントが合わない事がありますので、この製品は望遠特性の暗視カメラである点を理解して使いましょう。

夜間の映像について

夜間の明るさは、この製品の最大で唯一のセールスポイントになりますが、過去にテストしたナイトビジョンカメラの状況から予測したものを上回るレベルで、特に街灯も何もないような肉眼では真っ暗な場所を撮影した時には驚異的な暗視能力を発揮します。

iPhone SEが肉眼に近い見え方ですが、これと比べた映像を見て頂けるとそのとてつもない明るさが伝わり易いと思います。

この製品をテストする前の段階で最も暗視能力が高いと評価していた、車載用のナイトビジョンシステムのLanmodo「Vast Pro」も相当な暗視能力を誇る製品ですが、Duovox mateは更にそれを上回る明るさとなっています。

肉眼では全く意識する事すらできない、飛行機のヘッドライトもこの通りです。

※ライン状のノイズは仕様だそうで、暗視が最大に効いている状態ではこのラインが出現するようです。

なお、「Duovox Mate」は、周囲が暗くなればなるほど、小さい自然光を増幅して明るく見せる機能が強く働きますので、視界に街灯や家屋の光が全くないような山の中などで最もその力を発揮してくれる事でしょう。

残念ながら私はそこまで田舎には住んでいないので、今回はそのような状況下でのテストは出来ませんでしたが、冬の澄み切った星空をタイムラプス撮影してみたいものです。(今は月の入りが22:00くらいなので月も撮影できず)

ドライブレコーダーとしての画質について

ドラレコとして使う場合には付属のマウントは大き過ぎてカメラの位置が下がり、運転の邪魔になりますので…

今回は手元にあった汎用のドラレコ用マウントを使用しています。

これなら他にドラレコなどが付いていない状態であれば、どうにかミラー裏に隠せそうです。

ドライブレコーダーとして使う場合には次の3つの設定をアクティブにします。

・高速ビデオ:電源ONでの録画開始スタートのON/OFF
・ループ録画:3/5/10分
・Gセンサー:低/中/高

本機はUSBからの給電に連動して電源が入りますので、エンジンをONにすると自動で録画が開始されますが、USBからの給電がカットされても電源は落ちませんので、車を降りる際には手動で電源をOFFにする必要があります。

ドラレコフリー映像

ドラレコで撮影したフリー映像はこちらです。

ドラレコ画質の比較

一般的なドラレコとの画質の比較は、ケンウッドの「DRV-350」と行いました。

比較ポイントはこちらの通りです。

・録画視野角
・逆光補正能力(白飛び・黒つぶれ)
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ

なお、ドラレコ機能を使う際には、サンプルではメニューと録画映像の天地が反転してしまいましたが、これは製品版では調整ファームウェアが実装されるとの事です。

録画視野角について

録画視野角はiPhone SEとの比較の際にも説明していますが、水平34°程度で一般的なドラレコと比べると極端に狭くなっていますので、ドラレコとして使用する際には他社の製品との併用をおすすめします。

逆光補正能力について

昼間のトンネル内や屋根付き駐車場などでは、視野角が狭い事が有利に働いている部分もありますが、白飛び・黒潰れは良く抑えられています。

ナンバー読み取り精度について

こちらは録画視野角が極端に狭く、解像度も2.5Kと高めですので、映っている範囲においてのナンバー認識精度は驚異的に高く、一般的なドラレコでは視認不能な距離でもナンバーの読み取りが可能です。

夜間についてもヘッドライトの反射にはやや弱いものの、射程距離が長い為に他のドラレコよりもナンバー読み取りチャンスも多く、接近するまでのどこかのタイミングで読み取りが可能です。

夜間の明るさについて

夜間の明るさは市街地、街灯が少ない場所のいずれにおいても、一般的なドラレコと比べると非常に明るめとなっています。

ヘッドライトを消すと暗視モードに入り、圧倒的な明るさとなります。

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている再生ソフトでの再生も可能でした。

microSDでの録画時間について

Duovox「Mate」のmicroSDカードのサポート範囲は128GBまでとなっていますが、以下の256GBのカードは使用出来ました。

1時間当たりのデータ使用量は16GB程度です。

※以下512GBはフォーマット不可でした。

「Duovox Mate」の総評

最後に「Duovox Mate」の総評ですが、この製品の暗視能力は私が過去にテストしたどの製品よりも高く、肉眼で捉えきれない微細な光を最大限に増幅して明るくするものです。

例えば夜景の撮影においては、従来は暗い空と明るい照明の対比が美しいと捉えるのが一般的でしたが、「Duovox Mate」では肉眼や従来のカメラでは決して捉える事が出来なかった、ある意味不思議で現実離れした映像を撮影する事が出来ます。

私自身もこの短期間では星空の撮影やキャンプ映像の撮影など、「Duovox Mate」を最大限に使い切る事は出来ませんでしたが、アウトドアが趣味の方であれば「Duovox Mate」を使って楽しめるシチュエーションも多いのではないかと思います。

動体検知やタイムラプスモードなど、機能的にも多彩ですので、興味のある方は是非試して見て下さい。

■ 夜間をまるで昼間のように!2Kフルカラーナイトビジョンカメラ

■ Duovox Mate の操作ヒント

コメント

  1. 松尾 より:

    ドライブレコーダー購入検討で、記事を参考にさせて貰っています。

    すみません。 この記事にも記してあるのですが カメラ下部のネジ穴はM6(メートルネジ6mm)ではありません。
    寸法は非常によく似ていますが ユニファイ並目ネジ1/4インチです。

    写真関係商社 エツミのHPより引用。「三脚用のネジには一般的な1/4インチサイズ(小ネジ・細ネジ・1/4-20UNC・国際規格)と大型の3/8インチサイズ(大ネジ・太ネジ・3/8-16UNC・ドイツネジ)があります。
    現在市販されている一般的なカメラの三脚ネジは1/4インチです。一部大型の機材や三脚と雲台を繋ぐためにより太くて強固な3/8インチネジを使われる場合があります。

    ※1/4-20UNCとは?外径1/4インチ(6.35mm)で1インチ辺り20山、UNCはユニファイ並目ネジという規格を表します。

    ご確認よろしくお願いいたします。

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