※2025年5月13日更新:実機レビューを追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
このところ、日本メーカーの2カメラドライブレコーダーは各社ともこなれた価格でそこそこ高画質な製品に集約されているように見受けられ、モデル更新のスパンも長くなっています。
2025年1月に発売されたセルスターの「CS-364FH」についても、この流れの中で先代の「CS-361FHT」「CS-363FH」にマイナーチェンジ施した製品のようですが、プロモーション動画を見る限り弱点だった逆光時の白飛びを抑えているように見受けられます。
CS-364FH |
---|
25.01発売 |
前:1920×1080/30ps 中:1920×1080/30ps |
LED信号対応 |
前:188°×102° 中:188°×102° |
microSD付属64GB/最大128GB |
フォーマット不要 |
GPS内蔵 |
駐車監視モード |
常時録画のみ 常時録画+衝撃検知 動体検知のみ 動体検知+衝撃検知 |
専用ケーブル GDO-41 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
「CS-363FH」についてはLaBoon!!では未テストですが、「CS-361FHT」のリアカメラをOP扱いにし、既設のバックカメラの映像を入力出来るようにした点以外は、「CS-361FHT」と同様のように見受けられ、「CS-364FH」では世代が進んだ印象です。
【CS-363FH】
【CS-364FH】
「CS-364FH」については、後日リアカメラOPが用意されたモデルが出て来る可能性が高いと考えられますが、4~5月のレビューを前提に「CS-364FH」の特徴を見て行きます。
「CS-364FH」のスペックと特徴
「CS-364FH」のスペックは以下の表の通りです。
仕様上では先代の「CS-361FHT」「CS-363FH」とほとんど同じです。
イメージセンサーも変わらずに「IMX307」のままですが、従来機では夜間の明るさに定評があったものの、その弊害でトンネル内での逆光補正、や夜間のヘッドライトが反射したナンバーの読み取りが苦手でした。
おそらく本作では、この辺りのバランスの調整が実施されているものと予測しています。
セット内容とデザイン
今回は「CS-364FH」を購入し、VANTRUEの360°モデルである「E360」との画質の比較を中心に実機テスト行いました。
セット内容はこちらの通りとなります。
・リアカメラ
・GPS内蔵マウント
・フロントマウントバー(長・短)
・シガー電源ケーブル(DCプラグ)
・32GBのmicroSDカード
・取扱説明書
フロントカメラ筐体
フロントカメラ筐体はスタンダードな箱型ドラレコと比べるとやや横幅が大きいですが、360°ドラレコの中ではコンパクトな部類に入ります。
ボタン類は正面右端に3つ、左側のインナーレンズの周りには4灯の赤外線LEDが装備されています。
右サイドのスロットには32GBのmicroSDカードが挿入されていました。
筐体上部には左からAV出力端子、GPS端子、電源端子が装備されています。
通常の場合、ドラレコの操作ボタンは4つ以上がスタンダードで、①決定、②キャンセル、③カーソル上移動、④カーソル下移動、と言ったものが多いですが、3ボタンになると長押し操作を要求されるので操作が分かりにくくなります。
液晶も1.44型と最小クラスなので操作性は最悪の部類に入ります。
GPS内蔵マウント
GPSは先代と同様に日本のメーカーとしては珍しい分離型で、マウントに内蔵されています。
マウントのバーは長短2種類が付属しますので、フロントガラスの傾斜やルームミラーの位置に応じて使い分けが可能です。
電源ケーブル
電源ケーブルはDC端子のシガープラグタイプです。
車内への取付けについて
今回はアクアに「CS-364FH」の取り付けを行いました。
最終的にはこの位置に設置したのですが、前後2カメラの360°モデルは取り付け場所に迷います。
運転席側だと邪魔ですし、助手席側はワイパーの拭き取り範囲から外れます。
以下、先代の「CS-361FHT」を運転席側に設置し他事例ですが、運転の邪魔です。
レンズが左側に付いていますので、この位置が指定席かと思いますが車種によっては考え物ですね。
なお、一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は20秒程度と、2カメラドライブレコーダーとしては遅めです。
操作系のボタンは全て正面の1.4型液晶の右側に配置されており、液晶が小さい上にボタンの数が少ない為に長押しの操作が要求されますので、視認性・操作性については最悪の部類に入ります。
メニューツリーは分かりにくくはないですが、キャンセル操作が「ボタン長押し」など、ストレスなく使いこなすには慣れが必要です。
ドライブレコーダーとしての画質について
ドライブレコーダー画質は、以下のポイントについて、VANTRUE「E360」と比較しました。
比較ポイントはこちらの4つの項目です。
本機には明るさを3段階で調整する設定項目である「HDRナイトクリア」がありますが、こちらは第一段階のHDRナイトクリア1に設定しています。
※ナイトクリアのレベルを上げると、明るくはなるものの白飛びが出易くなります。
録画視野角について
「CS-364FH」の録画視野角は、先代の「CS-361FHT」と同様に、水平180°と360°ドラレコとしては必要充分なものとなっています。
この様に必要なエリアは全て視野に入ります。
逆光補正能力について
「CS-364FH」の画質は、プロモーション動画を見る限りでは先代よりもかなりHDR補正が強化さていると感じていました。
ところがこのプロモーション動画は、夜間撮影に特化したナイトクリアをオフにした設定と見受けられ、ナイトクリア1では以前と変わらない白飛びの多さでした。
プロモーション動画では、昼間はナイトクリアオフ、夜間はナイトオンで撮影しているようですが、実際にそのような使い方をするユーザーはいないと思われますので、誤解を招きやすい販促であると感じました。
「E360」と比べると昼間の逆光補正能力は雲泥の差です。
ナンバー読み取り精度について
「CS-364FH」の有効画素数は2つのレンズ分を合わせて414万画素です。
撮影範囲の広さを考慮すると画素数が少ない為、一般的なフルハイビジョンのドライブレコーダーと比べるとナンバー認識精度はかなり低くなっています。
先代の「CS-361FHT」と比べると同クラスの精度で、先行車の停車時のナンバーはどうにか読み取り可能と言ったレベルです。
夜間のヘッドライトが反射した状態のナンバー読み取り精度は、絶望的に低いレベルでした。
夜間の明るさについて
昼間は白飛びが出易い印象でしたが、夜間は最近のドラレコの中でもまずまず明るい方でした。
ただし、先代の「CS-361FT」と比べるとかなり明るさは絞られているように感じました。
初代の「CS-360FH」と比べてもやや暗めです。
無料再生ソフトのVLCで補正を掛けてようやく先代に近い明るさとなりました。
動画ファイルの再生方法について
動画の再生については以下の4つの方法をテストしました。
・PC専用ビュワーでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生
ドラレコ液晶での再生について
ドラレコ液晶での再生は、液晶が極端に小さく動画の視認性は最悪です。
PC専用ビュワーでの再生について
PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード可能です。
専用のPCビュワーでは基本はこのように視点の切り替えが可能なVR表示を含む、2パターンの表示方法から選ぶ事が出来ます。
機能的には以下のようにスタンダードなものとなっています。
・地図への走行軌跡の表示
・速度の表示
・Gセンサーグラフの表示
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されているソフトウェアでの再生も可能でした。
その場合には、このように縦長の上下分割方式で「1920×2160」の解像度のファイルとして再生されます。
西日本LED信号の見え方について
「CS-364FH」の録画フレームレートは29fpsですので全国のLED信号も同期することなくしっかり映る筈です。

駐車監視について
「CS-364FH」の駐車監視については別途専用ベージを作り、解説しています。

microSDでの録画時間について
「CS-364FH」の録画データサイズは、1時間当たり13GB程度となります。
128GBのmicroSDカードでは、常時録画・イベント録画・駐車監視録画の合計で8時間程度の録画データが保存できる計算です。
地デジへのノイズの影響について
「CS-364FH」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。
ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

「CS-364FH」の総評
最後に「CS-364FH」の総評です。
先代「CS-361FHT」と先々代の「CS-360FH」と比べると、夜間の明るさが落ちた印象で、その分白飛びに強くなったかと言えばそうでもないように思います。
日本メーカー製ならではの3年保証は魅力ですが、画質面ではVANTRUE「E360」に完敗と言う結果でしたので、全方位を撮影できる360°モデルで日本メーカー製を探している方は、カーメイトの「DC4000R」辺りをおすすめしたいところです。

中華メーカーなら「N5」も良いでしょう。

コメント