こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
今回はパイオニアのディスプレイオーディオ「DMH-SF700」でCarPlayを使ってみましたので、「DMH-SF700」というよりもCarPlayの使用感をレビューします。
カーナビ・オーディオの機種ごとに起動方法や接続方法は違いますが、CarPlay起動後はどの製品も同じインターフェイスになります。
日本では普及が遅れたCarPlay
CarPlayとAndroid Autoはほとんど同時期の6年くらい前に開発され、日本国内のアフターパーツカーナビにも採用されていましたが、ほとんど普及はしていませんでした。
主な理由としては以下の3点が考えられます。
②今ほど音楽配信アプリなどが広い年代に浸透していなかった
③従来型のカーナビソフトとGoogle mapなどの無料カーナビアプリでは使い勝手が大きく異なる
私自身は以前から興味はあったものの、世の中の関心の低さや、取付け車両がないなどの個人的な事情があったので対応モデルの購入を見送っていましたが、今回はパイオニアが社命を懸けてこのカテゴリーを攻めてきていますので、その流れに乗っかる事にしました。
今回のパイオニアの仕掛けは何年か後にアフターパーツのカーナビ市場のターニングポイントのきっかけとなった、と言われるかも知れません。(自動車メーカー純正カーナビも対応モデルが増えてますし)
CarPlayの対応アプリ
前振りが長くなってしまいましたが、先にCarPlayの機能を簡単に説明しておきます。
CarPlayはiPhoneにインストールされたアプリをカーナビ・オーディオのディスプレイで操作・使用するシステムです。
ただし、iPhoneにインストールされているアプリであれば何でもかんでも使用出来る訳ではなく、主に安全面などへの配慮からAppleが認めた上で、アプリ自体がCarPlay用のプログラムを含んだものだけになります。
CarPlayのコンセプトは、AppleのCarPlay公式サイトにもあるように運転中に安全にiPhoneを使う事です。
運転中にiPhoneを使うための、より優れた、より安全な方法。それがCarPlayです。
従って操作可能なアプリは、電話やSMS、LINEなどのメッセージアプリ、カーナビアプリ、音楽・音声の配信アプリなどに限られます。
2020年9月の時点でAppleによって公開されている日本向けの対応アプリはこちらの通りです。(海外向けは海外のAppleアカウントが必要)
※これ以外にもApple Map、Apple Musicも使えます。
CarPlayの使い方
CarPlayの起動方法は出力側の端末によって異なり、USBによる有線接続とBluetoothによる無線接続があります。
今回テストした「DMH-SF700」では、筐体との接続がUSB Type Cケーブルとなっている為、CをAに変換する付属アダプタを併用します。
このアダプタから先は通常のLightningケーブルを使い、iPhoneと接続します。(今回はiPhone 7を使用)
左下の「Apple CarPlay」の緑のアイコンが点灯状態になるのでこちらをタップするとCarPlayが起動します。
CarPlayのインターフェイス
CarPlayのインターフェイスはこちらの3画面の切り替え式となります。
デスクトップ
デスクトップは起動時に表示されるスマホのデスクトップのような、アプリの起動アイコンが並んだ画面です。
スマホと同じ様にフリックで画面を送る事で右側の2ページ目以降が表示されます。
左側の画面をフリックで呼び出すか、または右下のメニューアイコンをタップする事で、3つのウィジェットが並んだダッシュボード画面を呼び出す事が出来ます。
アプリのアイコンの並べ替えは、CarPlayをアクティブにした状態でスマホ側から以下手順にて行います。
アイコンを動かす度に連携先の端末のアイコン配置も入れ替わります。
ダッシュボードとアプリ展開画面
ダッシュボードはこちらの3つのウィジェットと右側の操作履歴、メニューアイコンで構成されています。
こちらで試した限りではぞれぞれのウィジェットの仕様はこの通りでした。
②音楽・音声アプリの表示と操作ウィジェット
③ナビアプリのメイン表示ウィジェット
それぞれのウィジェットをタップすると、該当アプリの全画面表示に切り替わります。
①③~カーナビアプリのウィジェットをタップした場合
②音楽・音声アプリの表示ウィジェットをタップした場合
ダッシュボードの右下のメニューアイコンをタップするとデスクトップ画面に戻ります。
なお、各ウィジェットへの対応状況はアプリに依存しており、アプリによってはウィジェットに反映されないものもありました。(何かの不具合の可能性もあり?)
バックグラウンドでのCarPlayアプリの動作について
CarPlayの使い方としてメインになるだろうと考えられるのが、以下の2つではないかと思います。
・カーナビアプリ+ラジオやBTオーディオ、HDMI入力などのCarPlay以外のメディア再生
カーナビアプリ+音楽・音声配信アプリの2つのアプリの同時起動については、CarPlay内のプログラムで完結する動作ですので、先に説明した通りダッシュボード上に表示され、相互にバックグラウンドでの再生が行われます。
一方でラジオやBluetoothオーディオ、HDMI入力などのCarPlay外のオーディオユニットのAV機能についてもCarPlay画面を前出ししている状態でバックグラウンド再生され、これらのAV画面を全面に出した状態ではCarPlayのナビアプリの音声案内がバックグラウンドで機能します。
当たり前の話ですが、オーディオのAV機能とCarPlayの音声・音楽再生アプリは同時起動は出来ず、後から操作した方が優先して再生されます。
例えばこの状態でもナビの音声案内はバックグラウンドで行われるという事です。
音楽・音声配信アプリの使い勝手
音楽・音声配信アプリはどれも似たような操作メニューとなっており、予めスマホで作成したプレイリストやアプリのレコメンド機能などが使用可能です。
どれも車載での使用に最適化された見易いインターフェイスになっており、慣れればストレスなく使い倒す事が出来そうです。
なお、これらのアプリに共通しているのは楽曲や番組を探して聞く事はできるものの、安全面に配慮してプレイリストの編集は出来ないという点です。
Siriを使って出来ること
CarPlay使用中はオーディオ側の音声認識ボタン、または「Hey Siri」のボイスコマンドでSiriを呼び出す事が出来ますが、Siriを使って何でも出来る…という訳ではありません。
・メッセージ系のアプリ起動や電話~メッセージの読み上げや発信が可能だが、名前の認識精度が悪くアドレス帳のカナ表記などに誤りがないかなども見直す必要があります。
私は運転中にわざわざメッセー系のアプリを使ったり、電話を掛けようとは思いません。危ないので車を停めます。
・Apple Music内の楽曲再生とApple Mapによる目的地設定は問題なく可能でした。
・Google Mapは開くところまではいけましたが、目的地の設定は出来ませんでした。
※Google Mapは使用の際にスマホのアプリを先に起動させておけば、目的地提案まで可能でした。
なお、カーナビアプリの使い勝手については奥が深いので、それぞれのアプリを個別記事にてレビュー予定です。
■ CarPlayでのGoogle Mapの使い方とレビュー
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)



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