※2022年12月29日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
ドライブレコーダーは、そのカメラ数に関わらず、ここ数年の間に業界全体でコンパクト化が進んでいますが、最近ではルームミラーの裏に隠せる程度のサイズ感の製品が主流となっています。
以下は最近のモデルとしては最もスタンダードなサイズ感のコムテック「ZDR035」の画像です。
この画像の通り、スタンダードな製品であっても取り付け場所によっては運転の邪魔になるような事はなく、更に筐体をコンパクトにするとそれに伴ってディスプレイサイズも小さくなってしまうというデメリットもありますので、ドラレコ業界全体ではこのサイズ感がスタンダードとなっている訳です。
従ってこれ以上のコンパクト化は実用性の面というよりも、個々のユーザーの嗜好に合わせるという意味合いが強く、LaBoon!!としても「コンパクトだからおすすめ」と言った評価はしていません。
しかしながら、車種特有の事情があったり、ドラレコのデザインにもこだわりたい方も少なからずいらっしゃる事と思いますので、そのような方向けにこの記事では2023年向けにコンパクトでデザインが凝っている2カメラ以上のドラレコについていくつかご紹介します。
「Y-400di」日本メーカーのコンパクトと言えばユピテルのWiFiモデルは外せない
最近では海外メーカーの製品にコンパクトモデルが多く見受けられますが、ユピテルはドラレコが一般化する2014年以前からWiFi対応のコンパクトモデルを展開している、「ザ・コンパクトドラレコ」の老舗メーカーです。
2023年向けのこの系統の製品は、液晶を搭載しない、WiFi対応のスタイリッシュな円筒型モデルである「Y-400di」「SN-TW90di」の2機種(販路違いの同一モデル)となっています。
ユピテルのハイエンドクラスのドライブレコーダーは2018年から、①夜間の明るさ特化のSTARVISセンサー搭載、②超広角の録画視野角、の2つが基本コンセプトとして共通しており、「Y-400di」「SN-TW90di」についてもこの流れの延長線上にある特性となっています。
主な特徴はこちらの通りです。
「47Z」グローバルな知名度と信頼度は最高、デザインもピリリと辛いGarmin
Garminは軍事利用の実績もあるアメリカのGPS機器の超有名メーカーですが、ドライブレコーダーについても数年前から継続的に新製品を開発し続けています。
同社の製品もユピテルと同様に全体的にコンパクトな点が特徴ですが、最新モデルの「47Z」もコンパクトな小型液晶のフロント筐体と、業界最小クラスのリアカメラを組み合わせた、WiFi・Bluetooth対応の最大4カメラのネットワークが組める異色のドラレコです。
主な特徴はこちらの通りです。
WiFi+クラウド対応のネットワークモデルの為に操作方法が特殊ですので、万人向けとは言えませんが、総合評価は高い製品です。
「A139」画質面では最強のノウハウを持った中華メーカーVIOFO
VIOFOは中華メーカーとしては最も画質補正の技術が高いと評価されているドラレコ専門メーカーです。
同社の「A139」は液晶なしの平型筐体に2つのサブカメラを接続可能なWiFi対応の3カメラモデルで、フロントカメラでは2.5Kでの高解像と録画に対応した、3カメラSTARVIS対応モデルです。
主な特徴はこちらの通りです。
現行のドラレコの中では最高のスペック、画質となっているハイエンドモデルですが、日本向けのローカライズがイマイチな為、マニア向けの特殊モデルと言った位置付けになっています。
「A139 Pro」VIOFOの4K最新旗艦モデル WiFi対応の3CH
「A139 Pro」は、2023年以降のVIOFOのフラッグシップモデルとなるフロント4K録画に対応した3CHモデルです。
4Kモデルはその解像度の高さによる精細感ばかりが注目されがちですが、フルハイビジョンセンサーと比べると光を取り込む能力が大きく劣りますので、夜間の撮影能力に問題が出る事が多いのですが、本機に関してはイメージセンサーを1/1.8インチ(標準的なドラレコの2.4倍程度の大きさ)としています。
これにより、従来の4Kモデルの弱点であった、夜間撮影能力の低さを克服しているものと考えられます。
加えて3CH対応と言う事で、広範囲の状況証拠を捉える能力も高くなっていますので、総合力では2023年の最高評価となる可能性を秘めた製品です。
「A129 Duo Pro」4K対応で景色撮影能力が最強中華メーカーVIOFO
VIOFOの「A129 Duo Pro」は現行ドラレコとしては最高の解像度に対応したフロント4K+リアフルハイビジョンモデルです。
こちらも筐体はWiFi対応の平型コンパクトですが、スタンダードサイズのディスプレイも併せ持っている為にディスプレイでの操作も可能となっています。
主な特徴はこちらの通りです。
こちらも前述にの「A139」と同様に現行のドラレコの中では最高のスペック、画質となっているハイエンドモデルですが、日本向けのローカライズがイマイチな為、マニア向けの特殊モデルと言った位置付けになっています
VANTRUE「S2」液晶を搭載した2ピースセパレートモデル
VANTRUEもVIOFOと同様にグローバル向けに製品を展開しているドライブレコーダー専業メーカーで、何れも世界的な認知度は高い似たようなイメージのメーカーです。
過去数年の商品構成を見ていると、ハードウェアの限界まで攻めるVIOFOに対して、同一モデルを長く販売し続けながら安定性や機能面をブラッシュアップして行くのがVANTRUEで、攻めのVIOFO、守りのVANTRUEと言った印象を受けます。
これまでに他社に先駆けて3カメラモデル「N4」を販売し続けて来た同社が、2022年8月に新たにラインナップに加えたのが、フロント筐体のほとんどの部分をミラー裏に隠せるWiFi対応の「S2」です。
「N4」と同じくフロント筐体に前後2カメラを搭載するものの、インナーカメラが筐体下部に設置されるなど、ルームミラーを回避し易い構造となっており、取付の際の汎用性では一定の改善が見られます。
画質面ではフロント、インナーカメラはほぼ「N4」と同等、リアカメラは明るさの面で「N4」に劣ります。
3カメラとしての括りの中での画質面での総合力は、僅差ではあるものの、「A139 Pro」>「N4」>「A139」>「S2」と言った印象です。
クラウド対応で遠隔駐車監視が可能 BlackVue「DR750X Plus」
BlackVueはドラレコ先進国の韓国から、グローバル向けにWiFi対応ドラレコを専門に販売している特化型メーカーです。(韓国内ではほとんど売っていない)
「DR750X Plus」は前後にSONYのSTARVIS技術に対応したイメージセンサーを搭載した夜間特化型モデルで、前後の視野角は水平110~120°と標準+アルファの広さとなっています。
また、WiFi以外にもアクセスポイントを経由したクラウド遠隔操作・監視にも対応しており、OPのLTEモジュールやインナーカメラを追加する事で、3カメラでの録画とアクセスポイントなしでの遠隔監視もサポート可能になる、防犯・当て逃げ目的での駐車監視にも特化した製品です。
少し変わった特性ですが、遠隔監視に興味がある方はこちらを検討されると良いでしょう。
まとめ
以上、コンパクトで目立たないスタイリッシュな2カメラドライブレコーダーをいくつか機種ご紹介しました。
最近では全方位が撮影できる360°タイプや3カメラモデルが人気となっていますが、その中でもWiFi対応での3ピースセパレートのVIOFOの製品は、画質・デザイン面のいずれにおいても評価が高いものが多くなっています。
コメント
いつも楽しく拝見しております。父親が新車を購入し(納車待ち)、ドラレコの購入を検討しています。欲しい購入商品の詳細は、可能な限りコンパクトで取り扱いが分かりやすく、画像が鮮明な物だそうです。駐車監視は不要とのことです。価格も可能な限りリーズナブルな物でと。どのあたりのメーカー、商品になるか教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
ma-i様
使い方の分かり易さであれば日本のメーカーの製品、その中でもケンウッド・アサヒリサーチ辺りが最も分かり易いです。
コンパクトで分かり易く鮮明と言う3つの条件を備えているものはケンウッド・アサヒリサーチにはありませんので、何を優先するかにもよりますね。
一番分かり易いのはケンウッドのDRV-830ですが、コンパクトではなく価格も高いです。
http://car-accessory-news.com/drv-830/
時点でアサヒリサーチのGP-1ですが、こちらもコンパクトではなく価格も高いです。
http://car-accessory-news.com/gp1/
「分かり易さ」と言う部分については使う方によって大きく評価が分かれる部分ですが、機械系が全く苦手な方は上記2モデルが使い易いと思います。
「分かり易さ」について少し妥協できるのであれば、価格を落としてコンパクトなTA-Creaive「TA-011c」1.3万円、と言う選択もリーズナブルではありますね。(GPSなしなので時刻合わせは必要)
http://car-accessory-news.com/ta-011c/
このクラスでGPS内蔵になるとユピテル「DRY-ST7000c」などがありますが、価格が2万円に近くなります。
http://car-accessory-news.com/dry-st7000c/
いつもご丁寧に答えていただき、とても助かります。やはり、価格、コンパクトを考えるとTA-011cですかね。因みにこの商品の駐車監視無しで、裏取りで直結する場合、どのような配線コードを購入したらよいのでしょうか。配線コードのメーカーや品番を是非とも教えてください。
ma-i様
TA-011cについての裏取りは純正のシガープラグを使用するのであれば特に特殊なものは不要と思います。
こんなので大丈夫なはずです。
https://amzn.to/2udp9Q9
シガープラグを使わないのであればTA-010cと外回りの使用は同じですので、こちらのページのOP-E755、OP-E487が流用可能なはずです。
その場合は電源取り出しヒューズと鍬形端子が必要になりますが。
https://amzn.to/2G6kSzF
https://amzn.to/2HXHORX
https://amzn.to/2HYimvB
いつも楽しくは拝見さえていただいています。家内の仕事用に軽自動車を購入します。コンパクトで機能面でもある程度充実した機種を探しています。できれば、リーズナブルな物が良いですが。候補としては、ユピテルかなと思いますが是非、おススメなドライブレコーダーをいくつか教えてください。どうぞよろしくお願いします。
井出様
コスト的な面から考えると「SN-SV40c」が良いと思いますが、これは液晶がかなり小さいので操作性は良くありません。
その点が問題ないようであれば本機がおすすめですが、もう少し液晶が大きいのが良ければ「WD300」と言う手もありますね。ただ、これはネット専売モデルで説明書はダウンロード版になります。
12,000円くらいまでなら視野角が広い「DRY-ST1700c」も視野に入りますよ!
いつもためになる記事をありがとうございます。
私自身も今回で新車を購入することになりました。
車種は以前、記事にもされていたVN5レヴォーグなのですが、現在はY-400diを検討しています。
取付は直結、液晶の有無はどちらでも構いませんが、コスパよりも可能な限り高性能かつコンパクトな物をと考えています。
運転支援が肝のクルマなので、アイサイトXへの影響も心配です。
本体だけでなく取付ステーも含めたサイズや、性能で考えた場合、Omi様のオススメはありますか?やはりN4でしょうか?
SRT様
コンパクトさを追求するならN4はやめた方が良いですよ。
マウントの長さが結構ありますし、インナーレンズをルームミラーの外に出す必要があります。
また、ノイズの影響を気にされるなら中国メーカーの製品は避けた方が良いと思います。
となるとY-400diですね。