※2025年7月24日更新:実機レビューを追記
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
コムテックから2025年モデルの高解像度2カメラドラレコ「ZDR065」が発表されました。
同社の「ZDR系」の末尾5番のモデルは、「ZDR015」「ZDR025」「ZDR035」「ZDR045」「ZDR055」と、全てスタンダード2カメラモデルの位置付けで、フルハイビジョンのセンサーを搭載して来ましたが、この系統の最新モデルの位置付けとなる「ZDR065」では、フロントカメラに370万画素対応のSTARVIS 2センサーが採用されています。
※おそらく、500万画素のIMX675かと思われます。
従来の500万画素センサーとしては、STARVIS対応のIMX335が使われて来た時期がありましたが、この世代の500万画素センサーは、200万画素センサーとの露光能力の差が大きく、200万画素モデルと比較すると、夜間映像がイマイチな製品が多い状況でした。
最近ではパイオニアから4KのSTARVIS 2対応センサー「IMX678」を採用した「VREC-DZ810D」が発売されていますが、明るさの面では従来機よりも随分改善された印象です。

従って「IMX678」よりも画素数が少ない「IMX675」を搭載する「ZDR065」では、「VREC-DZ810D」以上の夜間の明るさが期待出来そうです。
「ZDR065」のスペックと特徴
「ZDR065」のスペックは以下の表の通りです。
ZDR065 |
---|
23.10発売 |
フロント:2560×1440/27.5fps リア:1920×1080/27.5fps |
レンズ視野角 フロント:水平134° リア:水平138° |
LED信号対応 |
microSD付属32GB/最大128GB |
フォーマット不要 |
GPS内蔵 |
駐車監視モード |
衝撃クイック録画/常時録画+衝撃録画/タイムラプス |
自動起動 |
専用ケーブル HDROP-014 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
録画解像度はフロントカメラのみ2.5K、リアについてはフルハイビジョンとなっています。
解像度やフレームレートを上げると排熱の問題が出て来ますし、ハードウェアに負荷を掛け過ぎると動作が不安定になったり、製品寿命が短くなりますので、諸々のバランスを考えると現時点での個人的な見解としては、リアカメラはフルハイビジョンの方がベターな選択と言えそうです。
※中国系のメーカーでは、リアカメラも高解像度化する流れがあります。
セット内容とデザイン
「ZDR065」の実機を購入しましたのでレビューを追記します。
セット内容についてはこちらの通りとなります。
・リアカメラ
・カメラ接続ケーブル(9m)
・3PINシガー電源ケーブル
・32GBのmicroSD
・取扱説明書
・取付部品
フロント筐体
フロント筐体のデザインはスタンダードな箱型タイプで、サイズもスタンダードです。
液晶はドラレコとしてはやや大き目のな2.4型、液晶の左にはドラレコとしては珍しい十字キーと1ボタンが配置されています。
右側面にはmicroSDカードスロット
上側面には左から3PIN電源端子、リアカメラ接続端子が装備されています。
リアカメラ
リアカメラは最近のコムテック2カメラモデル「ZDR055」とほとんど同じデザインのコンパクトな正方形タイプとなります。
カメラ接続ケーブルはコムテック定番の9mの4極タイプです。
電源ケーブル
電源ケーブルはシガープラグタイプとなりますが、駐車監視の運用には別途専用の3芯常時電源ケーブルが必要です。(シガープラグや2芯の直結ケーブルだと駐車監視モードが起動しません)
インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は2秒程度と2カメラドライブレコーダーとしては非常に早めです。
メニューツリーは従来のコムテック機と同等です。
今回は夜間の操作性を考慮したのか、従来の下部4ボタンが廃止され、十字キーに変更となっています。
ボタンや方向キーの長押し等が要求される為、最初は戸惑いましたが、慣れるとこちらの方が扱い易いと感じました。
特に夜間は従来の4ボタンはどのキーがどの役割なのか視認が出来ませんでしたので、十字キーでこの問題を解決したものと考えらえます。
車内への取付けについて
今回は10系アクアに「ZDR065」の取り付けを行いました。
ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。
リアカメラケーブルは長めの9mですので、ミニバンなどでもケーブルをマット下などに這わせる事が出来るでしょう。
一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

ドライブレコーダーとしての画質について
画質については、現行の日本メーカーの2カメラドラレコとしては最高評価の「HDR801」と、前後の映像を比較しました。
比較ポイントはこちらの通りです。
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ
なお、「ZDR065」は、「ZDR055」、パイオニアの「VREC-DZ810D」も競合モデルになり得る為、必要な項目においては、合わせて「ZDR055」、「VREC-DZ810D」の画像も掲載しておきます。
録画視野角について
フロントカメラの録画視野角は水平134°程度で、現行のドライブレコーダーとしては最も広い部類に入ります。
リアカメラもかなり広めの水平138°程度です。
逆光補正能力について
「ZDR065」が従来機よりも最も改善されている点は、ダイナミックレンジの広さによる逆光時の補正能力です。
フロントカメラにおける、トンネル内での白飛びと黒潰れのバランスは
の順に優れています。
【リア】
リアカメラについては、
の順です。
ナンバー読み取り精度について
「ZDR065」はフロント2.5Kの高解像度ですが、フロント・リアともに録画視野角が非常に広めですので、ナンバー認識精度は全くの期待外れでした。
フルハイビジョンの「HDR801」と変らない…むしろ「HDR801」よりも低いかも知れないと感じるレベルです。
【フロント】
一方で「VREC-DZ810D」は4Kの解像度なりの精度となっていますので、フロントカメラのナンバー認識精度では以下の序列です。
【リア】
リアカメラについては以下の通りです。
夜のヘッドライトが強く反射した状態のナンバープレートの読み取り精度は非常に高めで、「ZDR065」の評価が最も高かったポイントです。
【フロント】
一方で「VREC-DZ810D」の最大の弱点がここです。
【リア】
リアカメラについては、後続車両の条件が合わせられませんでしたので参考程度ですが、各モデルにそれほどの差はありません。
夜間の明るさについて
夜の明るさについては素の動画ではドラレコ内で補正を掛けている「HDR801」には劣りますが、PCのVLCで補正を入れて再生した場合には、「HDR801」よりも補正の限界値が高く、明るくクリアな映像となっています。
ただし、VLCの補正ありきでは200万画素STARVIS 2センサーの「ZDR055」がダントツの明るさでした。
【フロント】
【リア】
【フロント】
【リア】
「ZDR065」は500万画素センサーなので、200万画素の「ZDR055」よりも暗い事は想定済みでしたが、800万画素センサーを搭載している「VREC-DZ810D」よりも暗い事は想定外でした。
VLC補正ありきでの序列は以下の通りです。
フレームレートとLED信号の映り方について
「ZDR065」のフレームレートは前後とも27.5fpsとなっていますので、日本全国でLED信号が高速点滅して映るでしょう。

安全運転支援機能について
「ZDR055」には、こちらの7つの安全運転支援機能が搭載されています。
・後続車接近おしらせ:後方から接近する車両を映像で認識し、お知らせを行います。また設定により後続車接近録画データとして記録
今回は安全運転支援機能の実機テストは行っていません。
「ZDR035」でのテスト結果を参考にして下さい。

駐車監視について
「ZDR065」の駐車監視については別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。

動画ファイルの再生方法について
動画の再生については以下の3つの方法をテストしました。
・PC専用ビュワーでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生
ドラレコ液晶での再生について
ドラレコ本体での動画の再生は、液晶サイズが2.4型で比較的大き目でデザインも箱型のスタンダードな為、ドラレコとしては見易い部類に入ります。
PC専用ビュワーでの再生について
PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード可能です。
機能的には以下のようにドラレコのビュワーとしては充実しています。
・映像の拡大縮小~〇
・地図への走行軌跡の表示~〇
・速度の表示~〇
・方位計の表示~×
・Gセンサーグラフの表示~〇
・再生速度調整~〇
・明るさの調整~×
・上下左右の反転~〇
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」、汎用ビュワーで明るさが調整出来る「VLC」での再生も可能でした。
microSDでの録画時間について
「ZDR065」の録画データサイズは以下の通りです。
microSDカードの容量は128GBまでサポートされています。(256GB以上のカードの動作は未確認)

地デジへのノイズの影響について
「ZDR065」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。
ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

「ZDR065」の総評
最後に「ZDR065」の総評です。
期待されていたナンバー認識精度については、おそらくビットレートの問題で「ZDR055」と同等、夜間のヘッドライトが反射したナンバー認識精度に関してのみ、若干のアドバンテージがある程度でした。
一方で「ZDR055」よりも低い事はある程度想定していた夜間の暗視能力についてですが、こちらもまさかの4Kモデル「VREC-DZ810D」よりも低いと言う結果。
…と、一通りのテストが終わって感じたのは、スタンダードグレードの「ZDR055」の後継モデルらしい特性であると言う点でした。
高解像度モデルとして高いナンバー認識精度を実現する製品であれば、「ZDRの5系」以外の型番が割り振られそうですね。
この製品はあくまでも「ZDR055」の後継モデルであって、上位モデルではなく、しかも「ZDR055」よりも明確に優れているとも言えません。
2カメラスタンダードモデルなら「ZDR055」の方が無難な選択でしょう。

また、高解像度の望むなら「VREC-DZ810D」も悪くありません。

コメント
こんにちは。
いつもわかりやすいレビューをありがとうございます。ドライブレコーダーを選ぶ際の参考にさせていただいております。
車両買い換えに伴い、ZDR055を購入しようと思っていたところにZDR065が発売されどちらにしようか悩んでいます。
ZDR065のレビューはいつ頃になりそうでしょうか?
7月の終わりに納車予定なので、7月中旬頃にはどちらかに決めて購入したいと思っているのですが。
中旬は難しいですが、月末にはレビュー出来ると思います。