※2022年8月27日更新:駐車監視の不具合について追記
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
MAXWINのスマートミラー「MDR-A001」は、過去にレビューした数十機種のスマートミラーの中で、私が最も高い評価をしてきた製品ですが、その後継機である「MDR-A002」はスマートミラー機能やドラレコの駐車監視機能において「MDR-A001」の、更に上を行く評価となりました。
従って「MDR-A002」での駐車監視を検討されているユーザーも多いと思いますので、この記事では、「MDR-A002」での製品の駐車監視の仕組みと使い方について解説します。
「MDR-A002」の駐車監視モードの仕組み
「MDR-A002」の駐車監視モードは、エンジンがOFFになると自動で予め設定しておいたこちらの録画モードに切り替わるものです。
衝撃検知モードは、衝撃を検知した数秒後に録画を開始する方式ですので、衝突の瞬間が映らず、確実性に欠ける為にLaBoon!!ではこのモードの運用はおすすめしません。
タイムラプスモードは、1fps/2fps/4fpsのフレームレートで常時録画を行うモードで、更に衝撃録画の設定をONにしておくと、タイムラプス中の録画ファイルをイベント録画として保存します。
従ってLaBoon!!では「MDR-A002」で駐車監視を行う際には、最も確実性の高い4fpsのタイムラプス+衝撃録画モードをおすすめしています。
「MDR-A002」のの駐車監視モードを使う為に必要な手順
「MDR-A002」で駐車監視モードを使用する為には、こちらの黄・赤・黒の駐車監視用3芯ケーブルが必要です。
このケーブルを使用する事で、エンジンをOFFにすると自動で駐車監視モードが起動し、エンジンをONにすると駐車監視モードが終了するようになります。
それぞれのケーブルの役割はこちらの通りです。
ドライブレコーダー側は駐車中も走行中も常に黄線から電力を貰えるような状態になっており、エンジンに連動する赤線の通電状況によって、①走行録画、②駐車監視モード、③シャットダウンの制御を行っているという塩梅です。
3芯ケーブルの取り付け方法
このケーブルの根元は黄・赤・黒の3色のケーブルに分岐していますが、ケーブルに繋がっているヒューズの形状と容量が合わない場合には、ヒューズ部分を切断し、こちらのようなヒューズ電源取り出しケーブルなどを使ってヒューズボックス内のヒューズに接続します。
このケーブルを使った上で駐車監視の設定をONにしておくと、エンジンのON/OFFに連動して自動で駐車監視に入り、常時録画モードに戻ります。
駐車監視の設定項目
「MDR-A002」には、録画方式以外にも駐車監視に関するいくつかの設定項目があります。
タイムラプス録画のタイマーは、30分/1時間/2時間/3時間/4時間/3時間/12時間/24時間のうちから、任意の時間を選択出来ます。
1/2/4fpsから選べますが、原則としては4fpsがおすすめです。
1~4段階から選択出来ますが、最高の4に設定し、検知し過ぎるようなら下げて調整する方法がおすすめです。
カットオフ電圧は低/中/高の3段階から選択できます。
説明書には、低(12.2V)/中(12.0V)/高(11.8V)との表記が見られるが、こちらで検証した結果ではこのような挙動を示しました。
仕様上は以下の設定なのだそう。(+-0.2Vが誤差)
検電するテスターの誤差もあるのですが、やや誤差が大きい特性である点、ご了承ください。
駐車監視をしない場合の操作
なお、駐車監視の設定をONにしてある場合には、外出先などでエンジンをOFFにすると自動で駐車監視モードに入りますので便利ですが、自宅駐車場で駐車監視をしない場合にはエンジンをOFFにする前後にこちらの「電源ボタン」を長押しする事で、強制的に電源を落とす事が出来ます。
このボタンを押し忘れると自宅駐車場でも延々と駐車監視を行い、無駄にバッテリーを傷める事になります。
その都度の電源操作が面倒だ、という方には、こちらの「iZONE」との併用がおすすめです。
「iZONE」に自宅などの駐車監視が必要ない場所を登録しておくと、「MDR-A002」の駐車監視の設定がONであっても、その場所ではエンジンをOFFにすると自動的に電源が落ちるようになります。
iZONEと「MDR-A002」の併用の際の注意事項
iZONEと「MDR-A002」を組み合わせて使用する際には、いくつか注意点があります。
他のドラレコと併用した場合の電圧降下
「MDR-A002」の常時録画モードは一般的な2カメラドラレコの消費電力の3倍に相当する12W程度と、非常に大きいものとなっています。
「MDR-A002」単体+「iZONE」の組合せなら問題ないですが、更に2カメラドラレコを追加するような場合、通常の電圧降下が0.2V~0.3Vのところ、0.7V近くまで下がる現象が確認されています。
「MDR-A002」は走行中の電圧降下を警告する仕様ですので、場合によってはこのような電圧異常のメッセージが出る事があります。
このようなメッセージが出る場合、設定から警告をOFFにする事も出来ますが、製品の運用ととしては好ましくないそうなので、以下のリレーを使うなどして主電流をiZONEを通さずに制御するようにして下さい。
キャパシタの能力の問題
「MDR-A002」のキャパシタは、電源から切り離された状態では4時間程度しかカレンダー機能を保存する事が出来ません。
あくまでも事故の際に車両との接続が遮断された場合でも録画を正常に終了させる為のものですので、駐車監視の項目で解説するiZONEと併用する際には、登録ポイントで強制的に電源を遮断し、4時間以上放置した場合にはカレンダー機能が飛びます。
ただし、カレンダー機能以外の設定は維持されますし、本機はGPS対応なのでその後自動で日時が補正されます。
駐車監視の消費電力と外部電源を使用した駐車監視
次に「MDR-A002」の消費電力ですが、4fpsのタイムラプスモード+衝撃検知では7.3W程度でした。
1fpsのタイムラプスモードでは、6.5W程度です。
4fpsのタイムラプスモードの場合、ドラレコ専用の急速充電バッテリー「iCELL」ではこちらのような駆動時間の予測となっています。(タイマーは最大で24時間までです。)
型番 | B6A | B12A | B40A |
---|---|---|---|
容量 | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 9.3時間 | 18.8時間 | 52時間 |
満充電 | 50分 | 100分 | 150分 |
駆動時間(充電30分) | 5.5時間 | 5.5時間 | 10.4時間 |
駆動時間(充電40分) | 7.4時間 | 7.4時間 | 13.8時間 |
iCELLと「MDR-A002」との取り付け方法はこちらの3芯ケーブルパターンです。
既知の不具合
駐車監視については不具合が多く見られます。原因を特定してファームアップデートが必要だと考えています。(ここは購入者の皆さんのフィードバックを必要としています)
延々とイベント録画が継続される
10~20%程度の確率でタイムラプスモード+衝撃検知の駐車監視モードに入ると、1分程度ごとに延々とイベント録画が行われているような挙動が確認されています。
何故かは分かりませんが、このイベントファイルは常時録画フォルダに保存されており、実質的にはタイムラプスではなく、常時録画での駐車監視行っている事になっていました。
これはメーカーでは再現出来ていない症状で、原因調査中です。(iCELL、iZONEを使わずに車両とのヒューズ接続でも発生)
ここは購入者の皆さんのフィードバックを必要としています。
駐車監視モードに入っているように見えて全く録画されていない事がある
タイムラプスモードではLEDが短い間隔で点滅しますが、このLED動作を行っている状態で全く駐車監視録画が行われていない事があります。(結構な頻度で)
パターンとしてはLED点滅→ドアの開閉の衝撃録画でLED点灯しっぱなし→何故か駐車監視録画ファイルは一切保存されず、と言うのもあり。
iZONEが原因の可能性も否定できないが、それにしてもMDR-A002の駐車監視の動作は不安定だと感じる。併用しているN2Sは動作に全く問題なく、MDR-A002の挙動をよく録画していた。
以下動画で「N2S」が「MDR-A002」のLEDの状態を捉えています。
常時録画、イベント録画とも10:44~13:56までの駐車監視データが全て欠損している。
iZONE経由で「N2S」と「MDR-A002」の2台のドラレコを駆動させている為に、電圧が不安定になっている可能性もゼロではなく、タイムラプス+衝撃検知モードで衝撃を検知した時に動作がおかしくなるような気がします。
衝撃検知録画で「MDR-A002」の出力が上がり、カットオフ電圧を一時的に下回ったか?(後日電圧をモニタリングしながら、動作を再現してみます)
点検結果
やはり、予測通り「N2S」と「MDR-A002」の2台のドラレコをiZONEを通して駆動させていた事が原因と確定しました。
電圧をモニタリングしながら駐車監視に入れたところ、駐車監視に切り替わる瞬間に電圧の下降が見られ、そのタイミングでカットオフ制御が働き、衝撃検知のみの駐車監視モードに切り替わったようです。
エンジンOFFで電圧が下がり、iCELLのバックアップ出力に切り替わる際に上昇します。
この一時的な電圧の谷でカットオフ制御が働いたと言う事です。
問題の動画では、LED高速点滅の後にLED点灯に切り替わっていますので、これは一瞬だけタイムラプス→すぐにカットオフ制御で衝撃検知のみの駐車監視モードに切り替わった事を意味します。
iZONEを経由させるのを「MDR-A002」だけにしたところ、電圧は12.5Vまでしか下がらず、正常に動作しました。
今回はデバッグとして敢えて2台以上のドラレコをリレーを介さずに駆動させましたが、そのようなケースではこちらのようにリレーを使ってドラレコ用の駆動電流をiZONEの外から流して下さい。
※LaBoon!!、MAXWINのコラボ企画からMDR-A002をご購入された方には、無償でリレーを配布します。
こちらのフォームから申請して下さい。
駐車監視モード以降、操作不能になり、録画もされていなかった
この症状は前述の「駐車監視モードに入っているように見えて全く録画されていない事がある」の後に発生したものです。
こちらの通り、ディスプレイの録画アイコンが消えた状態になっており、電源のON/OFF以外の操作を受け付けなくなりました。
スマートミラーとしては使えていますが、駐車監視→常時録画→操作不能に気が付く、までの間の録画ファイルは全くなし。
こちらも駐車監視がされなかった原因は、前項目と同じであると考えられます。
ただし、電圧が下がるとカットオフされるのは仕方ないとしても、その後操作不能になるのはMDR-A002側の問題でしょう。
まとめ
以上、「MDR-A002」の駐車監視モードの使い方、取り付け・設定方法について解説しました。
「MDR-A002」のレビュー本編についてはこちらの記事をご参照下さい。
コメント
コムテックが新しく発売したHDR801はどうでしょうか?
また、前後タイプのカメラでおすすめランキングを1位〜5位くらいまで教えて頂けますか?可能であれば理由も教えて頂きたいです。
本当はN4が欲しいんですが、ディーラーが対応してないのでm(._.)m
まめしろ様
HDR801については、MAXWIN、ATOTO、VANTRUE依頼レビュー、その他秋に向けて既に購入済みのサンプルもありますので、その辺りが終わる頃、ひょっとしたら年明けに以降のレビューになるかも知れません。
現状だとこんな感じです。
https://car-accessory-news.com/drive-recorder-2camera/
HDR801は画質面だけならDRV-MR570を凌ぐと予測しています。
HDR801について了解です(^^)
良ければ現時点でのドラレコランキングを教えてくださいm(._.)m
まめしろ様
先ほどの記事に色々書いてあります。
https://car-accessory-news.com/drive-recorder-2camera/