2024年4月14日:実機レビューを追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
コムテックから2024年向けのコムテックアッパーミドルクラスの2カメラドラレコ「HDR701」が発表されています。
ここ1年位の各社のドラレコは性能向上よりも価格を重視した製品が増えている傾向が強く見られますが、HDRシリーズに関しても最上位モデルの「HDR801」のモデル更新を行わずに、スペックを下げて下位の提案を追加する形となっているようです。
「HDR701」のスペックと特徴
「HDR701」のスペックはこちらの表の通りです。
HDR701 |
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24.02発売 |
フロント:1920×1080/28.1fps/HDR リア:1920×1080/28.1fps/HDR |
レンズ視野角 フロント:水平115° リア:水平115° |
LED信号対応 |
microSD付属32GB/最大128GB |
フォーマット不要 |
GPS内蔵 |
駐車監視モード |
衝撃録画/常時録画+衝撃録画/タイムラプス |
自動起動 |
専用ケーブル HDROP-14 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
最上位モデルの「HDR801」は、従来の製品とは全く異なるマクセルの技術を使った「Recolize」と言うドラレコ内部での補正ソフトウェアが最大の特徴で、これにより夜間の飛び抜けた明るさを実現していました。
また、水平130°台の超広角の視野もその最上位モデルらしい特徴の一つでした。
「HDR701」ではこれら2つの特徴が無くなり、コンパクトさを売りにした普通のドラレコになってしまったようです。
「HDR701」は録画動画が公開されていませんので、どの程度の画質なのか想像がつきませんが、似たようなスペックの製品であれば「ZDR017」が存在していますので、車内での差別化要素と言った部分でも微妙な製品であると言えそうです。
自動車メーカーの純正品のベースにでもするのでしょうか?
セット内容とデザイン
「HDR701」の実機を購入しましたのでレビューを追記します。
セット内容についてはこちらの通りとなります。
・リアカメラ
・カメラ接続ケーブル(9m)
・3PINシガー電源ケーブル
・32GBのmicroSD
・取扱説明書
・取付部品
フロント筐体
フロント筐体のデザインは、コンパクトな貼付けタイプで、従来モデルよりもかなり軽量化されています。
ただし、ディスプレとボタン類が小さくなった事で操作性・視認性は悪化しました。
右側面にはmicroSDカードスロット
上側面には左から3PIN電源端子、リアカメラ接続端子が装備されています。
リアカメラ
リアカメラは最近のコムテック2カメラモデル「ZDR055」などとほとんど同じデザインのコンパクトな正方形タイプとなります。
カメラ接続ケーブルはコムテック定番の9mの4極タイプです。
電源ケーブル
電源ケーブルはシガープラグタイプとなりますが、駐車監視の運用には別途専用の3芯常時電源ケーブルが必要です。(シガープラグや2芯の直結ケーブルだと駐車監視モードが起動しません)
インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は14秒程度と2カメラドライブレコーダーとしては遅めです。
メニューツリーは一本化されており、ボタンの役割が液晶下にプリントされていますが、ボタンが小さく下から覗き込まなければならない上、ボタン数が同社の他機種と比べて少なく長押し操作を要求される事が多い為、操作性は良くありません。
またメニューボタンを長押しでメニュー表示となりますが、手元の個体では長押し→離す、の操作をしなければメニューに入らず、動作も不安定でした。
車内への取付けについて
今回は初期型のアクアに「HDR701」の取り付けを行いました。
ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。
リアカメラケーブルは長めの9mですので、ミニバンなどでもケーブルをマット下などに這わせる事が出来るでしょう。
一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。
ドライブレコーダーとしての画質について
画質については、コムテック最上位の2カメラドラレコ「HDR801」と、前後の映像を比較しました。
比較ポイントはこちらの通りです。
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ
録画視野角について
フロントカメラの録画視野角は水平115°程度で、現行のドライブレコーダーとしてはスタンダードな部類に入ります。
リアカメラも同様の水平115°程度です。
逆光補正能力について
「HDR701」は前後カメラとも強烈なHDR補正が掛かっていますが、露出も非常に高く調整されている為、白飛・黒潰れはよく抑えられており、全体としてはバランスの良いチューニングとなっています。
【リア】
ナンバー読み取り精度について
「HDR701」はフロント・リアともに録画視野角がスタンダードですので、ナンバー認識精度もフルハイビジョンモデルとしては標準的な部類となります。
夜のヘッドライトが強く反射した状態のナンバープレートの読み取り精度は非常に高めでした。
夜間の明るさについて
夜の明るさについては素の動画ではドラレコ内で補正を掛けている「HDR801」には劣りますが、PCのVLCで補正を入れて再生した場合には、「HDR801」とよく似た明るくクリアな映像となっています。
フレームレートとLED信号の映り方について
「HDR701」のフレームレートは前後とも28fpsとなっていますので、日本全国でLED信号が高速点滅して映るでしょう。
安全運転支援機能について
「HDR701」には、こちらの7つの安全運転支援機能が搭載されています。
・後続車接近おしらせ:後方から接近する車両を映像で認識し、お知らせを行います。また設定により後続車接近録画データとして記録
今回は安全運転支援機能の実機テストは行っていません。
「ZDR035」でのテスト結果を参考にして下さい。
駐車監視について
「HDR701」の駐車監視については別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。
■「HDR701」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
動画ファイルの再生方法について
動画の再生については以下の3つの方法をテストしました。
・PC専用ビュワーでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生
ドラレコ液晶での再生について
ドラレコ本体での動画の再生は、液晶サイズが小さく下から覗き込む必要がありますので、視認性は最悪の部類に入ります。
PC専用ビュワーでの再生について
PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード可能です。
機能的には以下のようにドラレコのビュワーとしては充実しています。
・映像の拡大縮小~〇
・地図への走行軌跡の表示~〇
・速度の表示~〇
・方位計の表示~×
・Gセンサーグラフの表示~〇
・再生速度調整~〇
・明るさの調整~×
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」、汎用ビュワーで明るさが調整出来る「VLC」での再生も可能でした。
地デジへのノイズの影響について
「HDR701」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。
ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。
「HDR701」の総評
最後に「HDR701」の総評です。
対「HDR801」で考えた場合には、素の動画では「HDR801」の方が断然高画質、VLCでの再生を前提とするとほどんど同等であると言う結果です。
ただし、録画視野角は「HDR801」よりも狭く、操作性・動画の視認性等も悪い為、基本的には「HDR801」の方をおすすめします。
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