※2021年2月19日更新~ドコモの類似サービスである「ドコモ ドライバーズサポート」の実機レビュー予定につき、本機に関しても最新の調査結果に合わせて記述内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
パイオニアから「LTE通信機能を搭載するドライブレコーダー」を使用して、事故や交通トラブルの際などにオペレーターと通話が出来るサービス「ドライブレコーダー+」の提供が開始されています。
本サービスについては通信機能によるサービスが主体で、ドラレコ機能はオマケのような扱いになっていますので、個人的にはあまり興味のある分野ではありませんが、先行して行われたMakuakeでの販売とコメント欄を見ていて「結構このようなサービスを必要とする方がいるのだな」と感じましたので、このサービスの特徴について概要を解説します。
「ドライブレコーダー+」の3つの機能
「ドライブレコーダー+」は通信機能が付帯するドライブレコーダーを活用して次の3つのサービスを提供します。
・見守り機能
・事故防止機能
それぞれの機能特徴はこちらの通りです。
緊急通報機能
この機能はオペレーターとの通話の上、必要に応じて消防・救急・警察への通報や、JAFのロードサービスに連絡を代行して貰えるサービスです。
以下のシチュエーションでオペレーターとの通話が可能になります。
・事故や煽り運転などの交通トラブル、急病などの際にボタン操作をした時
最近では車の標準機能にしようという流れが見られる、トヨタのT-Connectで言うところのヘルプネット、または自動車保険のドラレコ型などに見られるサービスとほとんど同様の機能と見て良いでしょう。
※位置情報はオペレーターに送信されますが、ドラレコの映像が送信されるという事はないようです。
メリットは運転中に自分や家族の身に何か有った際の安心が買えるという点になりますが、ロードサービスは通常は自動車保険に付帯するものですので、別途JAFに頼んでしまうと高くつくというデメリットもあります。
自動車保険のドラレコ型では自社の保険に無料で付帯するロードサービスが使えますので、コスト面、または利便性の面でドラレコ型の保険の方に分がありそうです。
なお、JAFに加入していればこの費用は抑える事が出来ますが、代わりにJAFの年会費を払う事になります。
もともとJAF自体が自動車保険に加入している人にとっては無駄の多いサービスとなっていますので、コストよりも安心感を優先する方におすすめの機能と言えるでしょう。
見守り機能
見守り機能は先に解説した緊急通報機能による発報の際に、通報情報を家族などにメールやLINEなどでお知らせする機能です。
因みに私はパイオニアのサイバーナビで、一定上の衝撃を検知した時に登録したアドレスにメールで位置情報・静止画が送られてくるMAユニットを使っていましたが、お店の駐車場の入口の段差を超えただけで通知が来たりしますので、事故の際だけのピンポイント送信はなかなか難しいのではないかと感じる部分もあります。
事故防止機能
こちらはAIによる場所・天気・時間・速度などの分析から、ドライバーに事前に注意を促すシステムのようですが、「雨降ってるから気をつけて!」的な程度のものと予測され、今の段階では実用性はあまり高くない様に感じます。
コムテックやセルスターがやっているような、GPSによるヒヤリハットポイントのアナウンスに近いものではないかと考えられ、普通の人が使うと逆にうるさく感じかも知れません。
なお、パイオニアの報告によると、同社のテレマティクスを活用した安全運転支援システムを利用した7万人以上のドライバーで危険挙動が18~25%減少したそうです。
事故の発生率まで検証出来れば私も購入の後押しがし易いのですが、今の段階ではまだどうかな?と言ったところです。
「ドライブレコーダー+」の主な機能は緊急通報・見守り・事故防止の3つですが、このうち2つはオマケみたいなもので、セールスポイントになるのは、あくまでもトヨタのT-Connetのうち、今後は標準装備となりそうなヘルプネットに似た機能である「緊急通報機能」でしょう。
ドライブレコーダー機能について
本サービスのドライブレコーダー機能の仕様についてはこちらの通りです。
TMX-DM04-CS-FRC |
---|
フロント:1920×1080/23fps リア:640×480?/??fps |
LED信号対応 |
フロント録画視野角:水平122° リア録画視野角:水平137° |
microSD付属16GB/最大512GB |
リアカメラケーブル9m |
GPS内蔵 |
駐車監視モードなし |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
フロントカメラのフレームレートは23fpsと一般的なドラレコのそれよりもうやや低めなのは良いとしても、リアカメラの画素数が30万画素しかありませんので、一般的な2カメラドライブレコーダーと比べると画質は悪いと予測されます。
ドラレコ機能はオマケ、という位置付けだからなのかも知れませんが、ドコモの「ドコモ ドライバーズサポート」やドラレコ型の自動車保険のように、動画が送信されるような事はないのでそれならばドラレコ機能はいらないので通信モジュールとGPSアンテナ、Gセンサーなどがセットになった、T-ConnectのDCMみたいなものにして価格を下げた方が、私としてはおすすめし易いものとなっていたでしょう。
料金体系について
料金体系は事務手数料2,200円+月額課金タイプでドラレコの種類によって次の2パターンから選ぶ事が出来ます。
・2カメラタイプ:2,728円+事務手数料2,200円(3年だと100,408円)
一般的な2カメラドラレコは2~3万円台、寿命を3年と考えるとこの価格設定は滅茶苦茶高いと感じます。
因みに三井住友海上のドラレコ型保険は、1カメラだと850円/月、10,200円/年、30,600円/3年です。
これで当て逃げや車の盗難対策まで全てカバー出来るというなら話は別ですが、これではコスパが悪すぎる気がしますね。
ただ、この程度のコストよりも安心感を買いたい、というユーザーの方も結構いらっしゃるみたいで、Makuakeでは250台程度の売上が有ったようです。
ドラレコの性能が向上して、ドコモの回線を使用した車載WiFi「DCT-WR100D」を絡めてIPカメラ的に駐車監視が出来るように慣ればすごく良いなぁという気はするのですが、そこはドコモの「ドコモ ドライバーズサポート」の方に期待しようかなっと。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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