実機レビュー 2020年モデルセルスター最上位セパレートタイプのレーザー探知機「AR-7」の評価

※2020年8月5日更新~レーザー受信テスト結果を踏まえて総評を追記しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

セルスターのレーダー探知機は2019年後半からレーザー受信部が独立したセパレートタイプが主流となっており、2020年の年始にかけてもこのタイプの製品が続々とは発表されていますが、今回はレーダー受信部+レーザー受信部が一体化したセパレートモデルの「AR-7」が発表されています。

因みに直前までに出揃っていた同社の新規格のレーザー探知モデルは、全てリモコン操作の非タッチパネルで「AR-4」が欠番となっていた為、この型番で大型静電タッチパネル液晶を展開するものと予測していましたが、今回0発表されている「AR-7」は液晶サイズは通常版と同じ3.2型のまま静電式タッチパネルを採用しています。

おそらくですが、このまま「AR-7」が事実上の最上位モデルという形になりそうです。

「AR-7」の特徴

最近のセルスターのレーダー探知機はレーザー受信部が独立したセパレートタイプが主流ですが、「AR-7」はユピテルの「LS700」などど同様にレーダー受信部+レーザー受信部が一体化して独立している点が他のクラスと異なります。

ターミナル部分を含めると3ピースセパレートという形になります。

もともとセルスターには「AR-373GS」というレーダー受信機が分離したセパレートモデルがありましたが、2016年でモデル更新が止まっており、レーザ―対策として改めてこのグレードを復活させた事になりますね。

レーザー&レーダー受信部は先行して発売されている「AR-1/2」、「AL-01」に似たものとなっており、レーザー受信の仕組み自体は同様のようです。

小型オービスのKバンドレーダー波については相変わらず記載がありませんので、従来通り非対応かと思います。

因みに過去のテスト結果では、受信機を助手席の足元に設置してもレーダー波に対する感度はそれほど変わらなかったので、この3ピースセパレートタイプの優位性はあくまでも液晶部分の設置に制約がある車に対してのみに限定されそうですが、ユピテルも同様のモデルを展開している以上、商品構成としては必要という認識なのでしょう。

レーダー探知機としての機能をまとめるとこちらの通りです。

AR-7LS700ZERO 808LVZERO 708LV
20.05?発売19.10発売20.05発売20.06発売
3.2型モニター3.6型モニター4.0型モニター3.1型モニター
静電式タッチパネル感圧式タッチパネル
自動更新自動更新OP
情報共有情報共有OP
フルマップレーダースキャン-
-Kバンド探知
レーザー探知
無線受信
GPS19万/取締5.2万GPS16.2万/取締5.7万GPS18万/取締6.0万

コムテックの上位モデルの動向が気になるところですし、この状況でセパレートモデルを出さないというのも考えにくいので何か動きがあるかな?と期待していますが、どうでしょう…と思っていたら、セパレートではない最上位モデル「ZERO 808LV」が発表されていました(笑)

実機レビューコムテックレーザー探知性能「150%向上?」のレーダー探知機「ZERO 708LV」「ZERO 808LV」の評価
...

こちらは従来モデルから150%受信能力が向上したと謳われています。

ただ…、この状況でセパレートモデルを出さないという選択はあり得ないと考えていますので、900系のフルマップ+セパレートの登場を期待したいところですね。

デザインとセット内容

「AR-7」のセット内容はこちらの通り。

①液晶筐体

②レーザー&レーダー受信部+GPSアンテナユニット

③ターミナル部

④マウント類

⑤シガー電源ケーブル

⑥直結電源ケーブル

⑦その他取り付け用品

⑧取扱説明書

液晶筐体はコンパクトな3.2型

液晶筐体は3.2型とレーダー探知機としては小さめの液晶で2019年モデルの一体化最上位モデル「AR-W86LA」の3.7型と比べるとかなり小さく感じます。(ここ最近2年くらいは3.6~4.0型の製品をメインで使ってきたのでなおさら)

【左が「AR-W86LA」、右が「AR-7」】

液晶以外の装備が別体化していますので、抜群のスリム感です。(笑)

液晶サイズを他社の製品と比べるとこの通り。

私個人的には液晶サイズが大きい方が好みですが、レーダー探知機はコンパクトなものの方が人気がありますし、使い続けていると3.2型でも何の不便も感じないのも事実です。

アンテナ部は2種のマウントバーが付属

アンテナ部分はボールジョイントタイプのマウントと、長短2種類のバーが付属します。

インターフェイスと機能面での更新ポイント

「AR-7」は「AR-W86LA」と同様に静電式タッチパネルが採用され、リモコンは付属しません。

表示項目のレイアウト変更は左右フリック、音量調整は上下フリック操作となりますが、それ以外はタップからトップツリーで全てのメニューが一覧出来ますので操作性は良好です。

また、本機に関してはレーザー・レーダー・ステルスのGPSの警告音が3種類の音声から選べます。

※説明書を見る限り、「AR-3」も同様ですが「AR-1/2」については音声変更は不可のようです。

それ以外の部分では「AR-W86LA」との違いは見当たりませんでした。

起動画面と音声のカスタマイズ

ユピテルのレーダー探知機は起動画面と警報音を任意の画像・音声にカスタマイズが可能です。

設定方法は以下記事にて解説しています。

セルスターレーダー探知機の音声、オープニング画像のカスタマイズ方法
...

取付状況について

今回はランエボ10に「AR-7」を取り付けました。

レーダー探知機の取り付け位置・場所はどこが良い?
...

アンテナ部については設置場所の状況に合わせてバーを使い分けますが、若干盛り上がっているダッシュボードセンターに配置する場合には短い方のバーでも問題なさそうです。

フロントガラス側に寄せたい場合には、ワイパーが邪魔になる可能性がありますので状況に合わせて長い方のバーを使用すると良いでしょう。

なお、毎回テストの際にはダッシュボードセンターの手前にはこのように他の製品の液晶が並びます。

この状態でダッシュボードのセンサーにアンテナ部分を置いてしまうと他の探知機のレーザー感度に影響を与えそうですので、今回はこちらの汎用のステーを使用して天井から吊り下げました。

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フロントガラスに直接貼り付けるのは保安基準的にNGですが、ルーフとの境界線の黒い部分であればOKのようです。

マウントを使用しない前提であればルームミラー裏に取り付ける事も可能でした。(スマートではないですが)

天井吊り下げの場合にはこのようなステーを使う事も可能かと思います。

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固定オービスでの挙動テスト

セルスターのレーダー探知機は登録されたGPSのオービスポイントではレーダー波を受信していない状態でもレーダー受信警報が出る紛らわしい仕様です。

各社のレーダー探知機のオービスポイントでの挙動はこちらの通りとなります。

①ユピテル~GPS警報中にレーダー波を受信すると、レーダー波受信の警報が優先される

②コムテック~GPS警報中にレーダー波を受信してもGPS警報警報が優先され、レーダー波受信の警報は出ない

③セルスタ~GPS警報とレーダー波受信の警報がセットになっている為、レーダー波を受信していなくてもレーダー波受信の警報が出る

また、Kバンド対応とは書かれてるものの、Kバンドのうち24.1GHz帯を使用したセンシス製の小型オービスのレーダー波は受信出来ません。

今回はこちらの2つの仕様に変更がないか、運用が停止している群馬県太田市のHシステム、埼玉県北本市のセンシス製の小型オービスにて挙動をチェックしました。

①GPSのオービスポイントではレーダー波を受信していない状態でもレーダー受信警報が出る

②24.1GHz帯を使用したセンシス製の小型オービスのレーダー波は受信出来ない

結果はこちらの通り、従来機種と変わりませんでした。

相変わらず24.1GHz帯を受信しないので、コカコーラの動体検知自販機による誤報もありません。

レーザー式取締機に対しての警報の出方について

レーザー受信テスト結果についてはこちらの記事で7機種比較を行っています。

 

残念ながら最新7機種の中で「AR-7」のレーザーの探知距離は下から二番目でした。

セルスターの他機種とレーザー探知の仕様は変わらないと考えられますが、セルスターの3機種の平均値も低いので仮に幾分誤差があったとしてもユピテル「LS700」、コムテック「ZERO 807LV」との探知距離が逆転する事はなさそうです。

対レーダー・レーザーの誤報の状況について

こちらに関しては後日都内で「LS700」「ZERO 807LV」「ZERO 808LV」「AR-W86LA」「LS10」「AL-01」との挙動の比較を実施予定…でしたが、機種数を増やし過ぎた為に相互の電磁波干渉と思われるレーダー探知誤報が全ての機種で発生しました。

セルスターのレーダー探知機は24.1GHz帯を受信できない為、もともと誤報が少ないので今回の誤報テストからは除外します。

レーザーに関しては大阪でのテストの際に埼玉県から大阪府まで高速道路で往復、現地では500kmほど一般道を走行していますが正味三日間の行程で誤報は一度もありませんでした。

セルスターレーダー探知の誤報の傾向については、過去にこれらの動画で散々検証しています。

「AR-7」の総評

今回は明け方近くの前方がクリアな状態を含めて過去最大の12回もの計測を実施してますが、特に障害物がない状態での探知距離はセルスターの3機種が最も低いという結果になりました。

こちらの枚方でのテスト結果が探知機の限界性能に近いと考えられます。

平均ではなく個別の最大距離もユピテル・コムテックのモデルが600m前後となっているのに対して、セルスターの3機種の最大値は400mです。

枚方3回平均1回目2回目3回目
ZERO 807LV593590600590
LS10537600610400
LS700507610550360
ZERO 808LV440470360490
W86LA353400260400
AR-7347400240400
AL-01253260250250

「AR-7」を含めたセルスターのレーダー探知機の特性をまとめると

①Kバンドは探知不可なので最低

②レーザーは3社のうち最低

③Kバンドは探知できないので誤報は少ない

となります。

今後はレーザー式ではなく24.1GHz帯を使用したセンシスの小型オービス「MSSS」が増えるそうですので、今年はセルスターのレーダー探知機をおすすめしない事にします。(前からおすすめしてないですが…よりおすすめしない)

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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