※2022年4月17日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
Android Autoは、Androidスマホのアプリをカーナビ画面から、車載専用のインターフェイスで操作・制御する事が可能な、Googleが開発したシステムです。
2014年にGoogleから発表されて以降、AppleのCarPlayと合わせて輸入車を中心に純正カーナビ・オーディオへの搭載が開始されました。
最近では、トヨタの主力車種でAndroid Autoに対応したディスプレイオーディオが標準装備となった事で、一気に知名度が高まりつつあります。
一方で、アフターパーツのカーナビでは、過去数年間に渡って各社の最上位モデルでサポートされていた事もありますが、価格が高過ぎた為に多くのユーザーに受け入れられる事はなく、2020年には一度全てのメーカーからAndroid Auto対応カーナビが姿を消しています。
しかしながら、カーナビよりも下の価格帯で展開しているディスプレイオーディオにおいては、パイオニアが過去数年に渡って販売してきたAndroid Auto対応品が好調だった事もあり、2020年以降にはアルパインやケンウッドもAndroid Auto対応のディスプレイオーディオの販売に力を入れ始めています。
個人的には「エントリーグレードのカーナビにAndroid Auto機能を追加したような製品があれば良い」と考えていますが、2022年春の段階では、アフターパーツのカーナビでAndroid Autoに対応しているのは2021年モデルのアルパインのハイエンドカーナビのみとなっています。
そこでこの記事では、カーナビだけでなく最近流行りのディスプレイオーディオのうち、Android Autoに対応した製品をご紹介します。
Android Autoで出来る事
Android Autoは車載オーディオの液晶からAndroidスマホを操作・制御するシステムです。
Androidスマホの映像をカーナビに出力するだけなら、ミラーリングという方法でも可能ですが、ミラーリングでは液晶画面からスマホを操作する事が出来ませんので、安全面を考えると現時点ではAndroid Autoの方に分があるでしょう。

また、スマホ内の全てのアプリが使用出来る訳ではないので、必ずしもミラーリングよりも便利であるとは言えませんが、操作性や安全性などを考慮するとAndroid Autoの方を選んだ方が良いケースもあると思います。
Android Autoに対応したカーナビ
2022年の春時点では、Android Autoに対応した現行品のカーナビはアルパインのみとなっています。(2021年モデル)
アルパインのカーナビは液晶サイズで型番が分かれており、機能面ではどの製品も同等となっています。
その為、これらの製品では全機種がAndroid Auto対応となります。
ただし、価格が高いのでAndroid Autoを試してみたい、という目的の方には不向きであると考えています。

Android Autoに対応したディスプレイオーディオ
次にカーナビソフトを搭載しないAndroid Auto対応のディスプレイオーディオをご紹介しますが、先に注意点をお伝えしておきます。
これらを使用する場合にはカーナビ機能はスマホのカーナビアプリとの併用が前提になりますが、今までカーナビメーカーのナビソフトを使って来た人の場合だと、スマホのナビアプリの案内精度に戸惑う事もあると思いますので、Android Autoはまだまだ万人におすすめ出来るようなものではない事をご理解下さい。
■ Android AutoでのGoogle Mapの使い方とレビュー
Android Autoを試すならATOTO「F7」がおすすめ
Android Auto対応品はパイオニア、アルパイン、ケンウッドなどからも発売されていますが、最低クラスの製品でも価格は3万円台半ばです。
そんな中で価格面で日本メーカーを圧倒しているのが、2万円~の低価格を売りにしているATOTOの「F7」シリーズです。
LaBoon!!では「F7」シリーズの前身である「SA102」の実機レビューを行っていますが、いくつか気になる部分はあるもののオーディオに特に高音質を求めない限りは普通に使えるコスパの高いAndroid Auto対応品という印象です。
中華メーカーなので故障率は気になるものの、とりあえずAndroid Autoがどんなもんか試してみたい方にはこの製品がおすすめです。
なお、本製品のメディア対応は必要最低限となっており、CD・DVDドライブドライブは搭載しません。
対応メディア構成はこちらの通り
・Bluetooth
・USB
・AV IN
・バックカメラIN
・EasyConnectionミラーリング
・CatPlay/Android Auto

機能面で熟成されたパイオニアの「DMH-SF700」「DMH-SZ700」
「DMH-SF700」「DMH-SZ700」は過去数年に渡り、コツコツと国内でAndroid Auto対応品を展開してきたパイオニアの2020年発売のモデルです。
「DMH-SZ700」はスタンダードな2DIN筐体の6.8型40万画素液晶、「DMH-SF700」は1DIN筐体と9型100万画素のフローティング液晶を組み合わせた上位モデルですが、機能面では同等品となっています。
対応メディア構成はこちらの通り
・USB
・ハイレゾ:USB/Bluetooth(LDAC)
・WiFi
・WEBブラウザ
・HDMI IN
・AV IN
・バックカメラIN
・CatPlay/Android Auto/Alexa
ATOTOの「F7」と比べると地図アプリと音楽アプリの音量が個別に調整可能であったり、WiFi接続とWEBブラウザからの動画の再生に対応していたり、HDMI INポートを搭載している事からFire TV、ChromeCast、Apple TVなどのネット動画再生ガジェットをポン付け出来るというメリットがあります。
実際に使用してみたところ、過去数年に渡ってこのカテゴリーの製品を展開しているだけあって流石に完成度が高いと感じました。

なお、これらの製品には前身である、CD/DVDドライブを搭載し、HDMIポートはサポートしない「FH-8500DVS」という過渡期モデル的な製品も存在します。
アルパインの直販ディスプレイオーディオ
アルパインは2020年モデルのBIG DAから、直販形態に限りAndroid Auto対応のディスプレイオーディオ市場に参入していましたが、これが好調だった為か2022年モデルは更に機能面をブラッシュアップした以下の一般モデルを投入しています。
・「DAF9Z」:フローティング9型ディスプレイ
・「DAF11Z」:フローティング11型ディスプレイ
従来機との差別化機能はこちらの6つです。
その他、従来の最上位モデルで採用されていた以下機能は全てサポートされています。
従来機と合わせて考えると、カーナビソフトなしのディスプレイオーディオとしては、全ての機能を網羅しつつ、必要最小限の機能のみをカバーしたエントリーモデルの選択肢も提供するという、オールレンジでの展開となりました。
特に無線CarPlayは、国内で展開している製品では初物ではないかと思いますし、今の段階でパイオニアとアルパインのディスプレイオーディオのどちらかを選べ、と言われれば、アルパインを選んじゃいそうです。

出直しのケンウッド「DDX5020S」
ケンウッドは2018年に地デジやDVDドライブなど、ほとんどフル装備のAndroid Auto対応ディスプレイオーディオ「DPV-7000」を販売していますが、価格がユーザーのニーズに合わなかったらしく、短期間で販売停止となりました。
その後、パイオニアが主導して盛り上げたAndroid Auto対応のディスプレイオーディオ市場の情勢を見て2020年には「DPV-7000」の機能を絞って価格を下げた廉価モデルの6.8型液晶モデル「DDX5020S」を発売しています。
機能構成的にはエントリーカーナビからカーナビソフトと地デジを外したようなもので、こちらの通りとなります。
・USB
・ハイレゾ(USB)
・CD/DVD
・AV IN
・バックカメラIN
・Androidスマホのミラーリング
・CatPlay/Android Auto
HDMIポート非搭載ですのでネット動画メディアとは相性が悪いですが、CDは必須と考えている方向けの製品です。

Android OSを搭載したディスプレイオーディオ
最初にご紹介したATOTOからはAndroid OSを搭載し、タブレットと同様に単体でAndroidアプリを使用可能な製品もあり、日本国内ではAndroid Auto対応品よりもこちらの方が人気だった期間が何年か続きました。
最近ではこれらのAndroidオーディオでも、デフォルトでAndroid Autoに対応させているモデルも増えており、YouTubeの他にもAmazon Videoなどの有料アプリがFire TVなどの追加ガジェットなしで再生出来る点が魅力です。

まとめ
以上、Android Autoに対応したカーナビ・ディスプレイオーディオについてご紹介しました。
ここ2年くらいでこのカテゴリーの品揃えが急激に増えていますので、従来のカーナビは高すぎる、機能的に必要ないものが多い、と感じる方は検討してみて下さい。


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