「ZDR-850R」コムテックの2025年向け360°ドラレコ 実機レビューと評価

※2025年8月9日更新:実機レビューを追記

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

先日、コムテックの2021年モデルの360ドラレコ「ZDR037」に関するご質問を頂いていたのですが、この製品がモデル末期と言う事で少し待った方が良いですよと回答しています。

実際のところ、私はコムテックから金銭や商品だけでなく、新製品発売の情報の提供すら受けた事が無いため、これは完全に私の勘でしたが、今回はその勘がバッチリ当たり、2025年モデルの360°ドラレコ「ZDR-850R」が発表されています。

この製品に関しては「ZDR065」と同様に多くのユーザーの関心を集めていると考えられますので、後日のレビューを前提に「ZDR-850R」の製品特徴を見ておきます。

「ZDR-850R」のスペックと特徴

「ZDR-850R」のスペックは以下の表の通りです。

ZDR-850R
25.07発売
前:2880×2880/27.5fps
後:1920×1080/27.5fps
LED信号対応
前:180°×230°
後:水平138°
microSD付属32GB/最大128GB
GPS内蔵
駐車監視モード
常時録画+衝撃録画/自動起動
専用ケーブル
HDROP-014
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

仕様を見る限りでは、先代の「ZDR037」との差異はあまり大きくなく、以下の通りとなっています。

  • 前後イメージセンサー:STARVIS→STARVIS
  • フロント部の最大録画解像度:2880×2880/17.5fps→2880×2880/27.5fps
  • リアカメラの見た目の仕様:1920×1080/27.5fpsと変わらず

仕様を確認するまでは、STARVIS 2センサーを搭載しているものと予測していましたが、コストが合わない為か、イメージセンサーは従来版のSTARVIS、CPUの処理能力とシステムの冷却能力を上昇させて、最高解像度時のフレームレートを17.5fps→27.5fpsに上昇させた(だけ?)のもののようにも見えます。

録画解像度が4K相当で、半天球+αの広範囲を録画するタイプの為、ナンバー認識精度にやや難があろうと予測され、先代の「ZDR037」では夜間の明るさが一昔前のモデルの性能になっていましたので、この部分の改善に期待したいところです。

セット内容とデザイン

今回は「ZDR-850R」を購入し、レビューを実施しました。

セット内容についてはこちらの通りとなります。

・フロントカメラ筐体
・リアカメラ
・カメラ接続ケーブル(アナログ4極  9m)
・シガー電源ケーブル(3PIN)
・32GBのmicroSDカード
・取扱説明書
・その他取付用品

フロント筐体

フロント筐体はスタンダードな箱型2カメラドラレコと比べるとやや大振りですが、360°モデルとしては普通のサイズで、デザイン面は先代の「ZDR037」とほとんど同じです。

※以下先代の「ZDR037」

ステーの部分は2つのつまみ式ネジを緩める事で前後、左右に回転させる事が出来るようになっています。

ボタン類はフロントに6つ、液晶サイズはドラレコとしてはスタンダードな2.3型で先代と同じサイズ

右側面にはmicroSDカードスロット

上側面には電源端子とリアカメラ接続端子が配置されています。

リアカメラ

リアカメラも先代と同様の正方形のコンパクトタイプです。

リアカメラ接続ケーブルは、両側がL字の4極アナログプラグ、ケーブル長は9mとなっています。

電源ケーブル

電源ケーブルは最近のコムテックのドラレコと同じく3PINのカプラータイプです。

車内への取付けについて

今回は10系アクアに「ZDR-850R」の取り付けを行いました。

フロントカメラはミラー裏に隠してレンズ部分だけを下から出すようにするとスッキリします。

 

リアカメラのケーブルは9mと長めですので、ミニバンなどの場合でも配線をマット下などに這わせる事が出来るでしょう。

一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

【保存版】自分で前後2カメラドライブレコーダーを取り付ける方法について解説
※2021年6月7日更新~最新の情勢に合わせて全面的に内容を見直しました。一部車種に関しては以下に解説記事へのリンクあります。■ アルファード【30系】の2カメラドラレコ取り付け方法■ アクア【初代】の2カメラドラレコ取り付け方法■ S66...

インターフェイスについて

電源ONから録画開始までの起動時間は3~4秒程度と、2カメラドライブレコーダーとしては非常に速めです。

操作系のボタンにはそれぞれの役割が印字されており、液晶部分がルーフに対して垂直に近くなるようなデザインですので液晶が見易く、インターフェイスも分かり易いという印象です。

液晶に表示されるライブビュー映像はこちらの中から選択が可能です。

・半天球の魚眼
・半天球部分の前後2分割
・半天球部分の前方だけ
・半天球部分の後方だけ
・リアカメラだけ
・半天球部分の前方+リアカメラ
・半天球部分の前後2分割+リアカメラ

動画の再生方法について

動画再生は左側のボタンで

  • 魚眼
  • 前後分割表示
  • 前後単独表示
  • リア単独表示

から選ぶ事が可能ですが、液晶サイズが2.3型と一般的なドラレコと変わらないので、再生動画の視認性は良くありません。

なお、microSDカードに保存された録画ファイルはPCの汎用ビュワーでも再生出来ますが、フロントが魚眼で保存されますので原則としては専用ビュワーを使います。

PCの専用ビュワーはこちらのページからダウンロードが可能です。

■「ZDR-850R」専用ビュワー

基本はこのようにフロントカメラ、リアカメラ、Google Mapの3つの枠が表示される形となります。

フロントカメラの動画表示はマウスポインターで拡縮と視点を動かすVR表示、視点が固定の前後分割表示、視点が固定の魚眼表示の3つから選びます。

再生しているウィンドウの動画をダブルクリックする事で、映像を全画面表示にする事も可能です。

虫眼鏡のアイコンをクリックすると、動画の任意の場所を拡大表示する事も出来ます。

再生速度は1/4から4倍速の範囲で調整が可能です。

ドラレコのビュワーとしては多機能な部類に入りますが、明るさの調整などの機能はありません。

主な機能はこちらの通りです。

・2カメラ同期再生
・映像の拡大
・再生速度の変更
・地図への走行軌跡の表示
・速度の表示
・Gセンサーグラフの表示
・上下左右反転再生

ドライブレコーダーとしての画質について

今回は「ZDR-850R」のフロントカメラ・リアカメラの画質を同じく360°+リアカメラの中では業界最高画質と考えられるVANTRUE「E360」と比較しました。

比較ポイントはこちらの5つの項目です。

・録画視野角
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ
・暗視能力

※「E360」の夜間の映像に関しては、VANTRUEの専用ビュワーで明るさを補正しています。

録画視野角について

録画視野角はこちらの通り、垂直方向が230°となっていますが、

 

至近距離での信号の写りを考慮すると、もう少し広い方が好ましいと感じました。(レンズをもっとフロント上側に傾ける事でも、前方の上方の視野を広げる事は可能)

リアカメラは充分広めの水平138°ですが、360°モデルの特性を考えると、リアカメラは水平100°程度の視野角にとどめてナンバー認識精度に振った方が良い様に思います。

逆光補正能力について

先代の「ZDR037」から最も進化した部分が、ダイナミックレンジの向上に伴う逆光補正能力です。

ただし、E360に比べると映像の鮮明さには欠け、全体的にぼんやりした映像です。

ただ、これでも先代の「ZDR037」と比べるとかなりの進化が見られますし、ケンウッド製品に対する優位性も大きいです。

VANTRUEの「E360」がそれだけ高画質であると言う事です。(こちらは保証期間が最大1.5年と短いのが難)

ナンバー認識精度について

昼間のナンバー認識精度については先代と同等で、至近距離の先行車のナンバーがどうにか読み取れました。(E360は若干余裕があります)

リアカメラはぼんやり滲んだ映像ですが、至近距離であれば余裕でナンバーの読み取りが可能です。

また、本機では先代から逆光補正能力が向上していますが、夜間のヘッドライトが反射したナンバーの読み取りは不可でした。

先代はもっと酷かったので、これでも進化はしています。

リアカメラは問題のないレベルです。

夜間の明るさについて

夜間の明るい市街地では車内・車外とも充分明るく、白飛びが少なく映っています。

街灯が少ない暗い場所では、先代よりも明るさが落ちた印象で、「E360」の足元にも及びません。

画質面では確かに先代に比べてダイナミックレンジが向上し、白飛びしにくくなっていますが、画質の総合評価は現行品のカーメイトの「DC4000R」、VANRUEの「E360」に大きく水を開けられると言う残念な結果でした。

4年分の進化が感じられなかったと言ったところです。最近の市場の情勢に合わせて、コストとのバランスを取ったらこうなったのでしょうか。

西日本LED信号の見え方について

「ZDR-850R」の録画フレームレートは27.5fpsですので全国のLED信号も同期することなくしっかり映る筈です。

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駐車監視について

「ZDR-850R」の駐車監視については別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。(準備中)

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 地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズ干渉に関しては、アルファード+サイバーナビの組み合わせで起動テストを行いましたが、フルセグがギリギリ映る場所で電源をオンにしても変化はありませんでした。

ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

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「ZDR-850R」の総評

最後に「ZDR-850R」の総評です。

本機は2021年モデルの「ZDR037」の後継機と言う位置付けですが、この4年の間にカーメイトやVANTRUEの360°モデルが大幅に進化しています。

残念ながら、「ZDR-850R」は「ZDR037」からの大幅な進化が見られず、保証と価格面以外でおすすめ出来る要素に乏しいモデルと言えそうです。

結論としては、「ZDR-850R」を選ぶくらいなら「DC4000R」、更に画質重視なら保証期間が短い「E360」がおすすめです。

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