※2023年2月26日更新:実機レビューを追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
2022年は最後の四半期でフルモデルチェンジが施されたドライブレコーダーの発売が相次いでいますが、コムテックも「HDR801」「ZDR045」に続いて360°モデルの「HDR362GW」を発表しています。
同社の360°モデルは、本来上位の位置付けである筈の「HDR360」系が、別系統のスタンダードグレードの「ZDR037」よりも画質が劣ると言う理由から、人気度はイマイチの印象でしたが、今回発表された新モデルの「HDR362GW」では、前後カメラともに明るさ重視の調整となってるようです。
「HDR362GW」のスペックと特徴
「HDR362GW」のスペックはこちらの表の通りです。
HDR362GW |
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22.11発売 |
1856×1856/27.5fps/HDR/WDR 1920×1080/28fps/HDR |
LED信号対応 |
前:180°×240° 後:水平130° |
microSD付属32GB/最大128GB |
フォーマット不要 |
GPS内蔵 |
駐車監視モード |
常時録画+衝撃録画/自動起動 |
専用ケーブル CDOP-01P |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
ベースは先代の「HDR361GW」である事は間違いありませんが、先代と比べると筐体サイズがコンパクト化されています。
また、「HDR362GW」は、2018年に発売された「HDR360G」→「HDR361GW」に続く第三世代となりますが、「HDR361GW」まででは下のグレードである「ZDR037」に画質の面で明らかに劣っていました。
具体的にはナンバー認識精度と夜間の明るさの面で「ZDR037」よりも劣ります。
今回発表されている「HDR362GW」は、360°のフロントカメラ部分は400万画素相当の解像度ですので、4Kクラスである「ZDR037」にはナンバー認識精度の面では全く及ばないでしょう。
一方でナイトビジョンの実装により、明るさの面では大幅な改善がはかられている模様です。
駐車監視を想定しない使い方では、セルスターの「CS-361FHT」と並んで事故対策特化型の製品と言えそうですね。
セット内容とデザイン
セット内容についてはこちらの通りとなります。
・リアカメラ
・カメラ接続ケーブル(9m)
・シガー電源ケーブル(3PIN)
・32GBのmicroSDカード
・ドラレコステッカー
・取扱説明書
・その他取付用品
フロント筐体
フロント筐体はスタンダードな箱型2カメラドラレコと比べるとやや大振りですが、一般的な360°モデルと比べると小型化されています。
ステーはサイドがツマミ式、背面がネジ式となっています。
ボタン類はフロントに4つ、液晶サイズはドラレコとしてはスタンダードな2.4型です。
左側面には2つの操作ボタン
右側面にはmicroSDカードスロット
上側面には電源端子とリアカメラ接続端子が配置されています。
リアカメラ
リアカメラは長方形のコンパクトタイプです。(HDR801と同様)
リアカメラ接続ケーブルは、片側がL字の4極プラグ、ケーブル長は9mとなっています。
電源ケーブル
電源ケーブルは「HDR801」と同じ形状の3PINのカプラータイプです。
車内への取付けについて
今回はアクアに「HDR362GW」の取り付けを行いました。
フロントカメラはミラー裏に隠してレンズ部分だけを下から出すようにするとスッキリします。
一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。
インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は19秒程度と、2カメラドライブレコーダーとしては非常に遅めです。
操作系のボタンにはそれぞれの役割が印字されており、液晶部分がルーフに対して垂直に近くなるようなデザインですので、液晶が見易くインターフェイスも分かり易いという印象です。
動画の再生方法について
動画再生に関しては、液晶サイズが2.3型と一般的なドラレコと変わらないので、再生動画の視認性は良くありません。
なお、microSDカードに保存された録画ファイルはPCの汎用ビュワーでも再生出来ますが、フロントが魚眼ですので原則としては専用ビュワーを使います。
PCの専用ビュワーはこちらのページからダウンロードが可能です。
基本はこのようにフロントカメラ、リアカメラ、Google Mapの3つのウィンドウが個別に表示される形となります。
フロントカメラの動画表示はマウスポインターで視点を動かすVR表示、視点が固定の前後分割表示、動画の左右がループするパノラマ表示の3つから選びます。
再生しているウィンドウの動画をダブルクリックする事で、その映像を全画面表示にする事も可能です。
虫眼鏡のアイコンをクリックすると、動画の任意の場所を拡大表示する事も出来ます。
再生速度は2/4倍速の早送り、0.5倍速のスロー再生への切り替えも可能となっています。
ドラレコのビュワーとしては多機能な部類に入りますが、明るさの調整などの機能はありません。
主な機能はこちらの通りです。
・映像の拡大
・再生速度の変更(1/2~4倍速)
・地図への走行軌跡の表示
・速度の表示
・Gセンサーグラフの表示
・上下左右反転再生
ドライブレコーダーとしての画質について
今回は比較する360°モデルが手元になかった為、単独撮影での評価になります。
なお、元動画が魚眼の為、ビュワーで形式を変更したものをキャプチャリングしていますので、映像にカクツキが見られますが、元動画では通常の27fpsクラスの滑らかさです。
フロントカメラ
まずはフロントカメラの画質についてです。
録画視野角
録画視野角は水平が180°、垂直240°との事ですので、このように前方の信号、後方のガラスまで撮影視野に入ります。
逆光補正
トンネル内での白飛びは、そこそこ出るものの、黒潰れが出にくいので360°モデルとしては標準以上です。
ナンバー認識精度
ナンバー認識精度は絶望的に低いので期待しないようにしましょう。
昼も夜もないレベルです。
夜間の明るさ
夜間の明るさは360°モデルの中ではかなり明るい方だと感じました。
「ZDR037」と概ね同等の明るさと見て良いと思います。
リアカメラ
リアカメラの映像はHDR補正強めで、白飛びはしにくいものの、市街地での明るさはイマイチと言ったろころです。(最近のコムテックリアカメラのどれとも似ていない)
西日本LED信号の見え方について
「HDR362GW」の録画フレームレートは27.5fpsですので全国のLED信号も同期することなくしっかり映る筈です。
駐車監視について
「HDR362GW」の駐車監視については内容が濃いので別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。
■「HDR362GW」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
地デジへのノイズの影響について
地デジへのノイズ干渉に関しては、アルファード+サイバーナビの組み合わせで起動テストを行いましたが、フルセグがギリギリ映る場所で電源をオンにしても変化はありませんでした。
ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。
「HDR362GW」の総評
最後に「HDR362GW」の総評です。
ナンバー認識精度以外の画質の面では、概ね「ZDR037」と近い印象で、ナンバー認識精度のみ「ZDR037」に劣ると言う、当初の予測通りの画質でした。
従って「ZDR037」ではなく、「HDR362GW」をおすすめする事はないと思います。
※耐久性などの面でHDR系の方が上かも知れない。
コメント
HDR362GWとN4またはN2Sの購入を検討しています。
HDR-751GとPIXYDA PDR900SPからの移行です。
・前方のナンバー認識能力
・暗視能力
・出先駐車場でのドアパンやイタズラの記録
・駐車監視時の乗車降車キャンセル機能
・速度監視路線の警告機能
を求めています。
HDR362GWなどのコムテックの2カメラドラレコは、駐車監視モードでリアカメラが記録される仕様でしょうか。
色々と調べましたが、明記されていないため、もしご知見があればお教えください。
須川様
コムテックの360°モデルを含む2カメラは、リアカメラでも駐車監視録画されますよ。
ありがとうございました。
購入・取付しまして、満足に使えております。
須川様
ご報告ありがとうございます。
また何かございましたらご相談ください。