※2021年3月25日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
この記事では長時間の録画データをmicroSDカードに保存できるドライブレコーダーと、長時間録画の必要性ついて解説しています。
現在販売されているほとんど全てのドライブレコーダーには、衝撃を検知して上書き不能なファイルを作成する「イベント録画」機能が標準搭載されています。
従ってドライブレコーダーに保存された事故の際の証拠動画が上書きによって消えないように、長時間の録画データを保存する必要性は薄いと言えます。
ただし、中にはそうではなく次のような目的で長時間の録画データを保存しておきたいと言った方もいらっしゃるようです。
・常時録画による長時間の駐車監視を実施した
・ドライブ中に景色を長時間撮影したい
これらの目的を果たす為にはmicroSDカードには出来るだけ長い時間の録画データを残せる事が条件となります。
そこでこの記事ではフルハイビジョン以上の解像度の2カメラドライブレコーダーのうち、大容量のmicroSDカードを扱える製品についていくつかご紹介します。
ドライブレコーダーの1時間当たりのデータサイズは?
録画時間が長いドライブレコーダーをご紹介する前に、まずは録画時間について業界の平均値的な部分に触れておこうと思います。
ドライブレコーダーの録画データのサイズは、解像度・フレームレート・ビットレート(圧縮率)・コーデック(圧縮形式)などに左右されますが、フルハイビジョンのドライブレコーダーであれば1カメラ/1時間当たりのデータサイズは6GB程度が標準的です。
一方でmicroSDカードは表記の容量が100%使用できる訳ではありません。
実際に保存領域として使用できる割合は表記の90%程度ですので、32GBのmicSDカードであれば概ね5時間程度の録画が可能な計算です。
前後フルハイビジョンの2カメラモデルでは2.5時間という事になります。
日本の大手メーカーは32GBまでが主流だったが…
日本の主力メーカーの2カメラドラレコおけるmicroSDカードのサポート容量については、1年位前まではケンウッド・コムテック・ユピテルの3社は32GBまで、セルスターは64GBまでとなっていました。
このような背景から、日本の主力メーカーのドライブレコーダーは長時間の録画データの保存には向いておらず、主に海外メーカーの製品をご紹介していましたが、最近では一部のメーカーにおいて128GBまでの大容量microSDカードを扱えるように改善しようという傾向が見られます。
仮に「一日のドライブ風景を全て録画しておきたい」と考えるのであれば、最低でも8時間程度のキャパは欲しいところですが、128GBのカードが使えれば10時間程度の録画データの保存が可能な計算ですので、128GB以上が大容量の一つの基準になろうかと思います。
※サポートしていなくても大容量のカードが使えるの製品もありますが、何かあっても自己責任です。(そもそもサポート範囲内のカードで不具合があっても、メーカーはほとんど対応しませんが)
128GBまでのmicroSDカードが使えるドライブレコーダー
次に128GBまでのmicroSDカードが使用出来る主要な2カメラドラレコと録画時間の目安をご紹介します。
ユピテル「SN-TW9900d」「Y-300C」「Y-300R」「Y-210R」
ユピテルの「SN-TW9900d」「Y-300C」「Y-300R」「Y-210R」 は、ほぼ共有するハードウェアを使用した販路で型番が分かれている、スタンダードま箱型デザインの前後フルハイビジョン2カメラモデルです。
これらの製品はユピテルの2カメラドラレコとしては第5世代に当たる2021年3月時点での最新規格ですが、LaBoon!!ではレビュー未実施です。
常時録画の録画時間の目安は、最高画質の設定で512分(8.5時間)です。
ユピテルは今まで頑なに扱えるmicroSDカードの容量アップを拒んで来たように見受けられますが、今後は128GBがベースになりそうな雰囲気です、
ケンウッド「DRV-MR8500」
ケンウッド「DRV-MR8500」は前後2.5Kの高解像度2カメラモデルです。
本機ではフルハイビジョンのおよそ2倍の画素数の高解像度での録画を行いますが、最高画質での常時録画時間は508分(8.5時間)とフルハイビジョンモデルとそれほど変わりません。
また、本機には解像度は落とさずにフレームレートだけを落として撮影する機能もありますが、この機能を使えば更に録画時間を延ばすことも可能です。
・2560×1440/9.7fps:659分
・2560×1440/3.2fps:960分
パイオニア「VREC-DZ700DLC」
パイオニアの「VREC-DZ700DLC」はWiFi対応の前後フルハイビジョン2カメラモデルです。
こちらはフルハイビジョンモデルとしてはデータサイズがやや大きく、128GBのカードでは7時間20分までしか保存できません。
パパゴ「GoSafe S70GS1」
台湾メーカーパパゴの「GoSafe S70GS1」はスタンダードな箱型筐体に、防水加工が施された車外・車内共用のリアカメラが付属する、前後フルハイビジョンの2カメラモデルです。
データサイズはやや小さめですので、128GBのカードでは13時間30分の録画データ保存が可能です。
256GBまでのmicroSDカードが使えるドライブレコーダー
最近では中国メーカーを中心に256GBまでのmicroSDカードが扱える製品も増えており、日本のメーカーの製品い比べると長時間録画が可能な製品が多いです。
VANTRUE「S1」
中国メーカーVANTRUEの「S1」は、フロントカメラに日本ではセルスターの1モデルでしか採用されていない「IMX327」というフルハイビジョンでは最高ランクの低照度STARVISセンサーを搭載した夜間特化型の2カメラモデルです。
こちらは前後フルハイビジョンモデルとしてはデータサイズはそれほど大きくなく、256GBのカードでは23時間程度の録画データの保存が可能となっています。
VANTRUE「N4」
こちらは2カメラではなく3カメラですが、フロント・インナー・リアと500万画素/200万画素/万画素のSONYの夜間特化型STARVISセンサーで3CH録画を行う全方位モデルです。
フロント2.5K、インナーフルハイビジョン、リアフルハイビジョンと、3カメラともそこそこ高解像度の為データサイズが大きく256GBのカードでも15時間程度の録画時間になります。
VIOFO「A129 Duo」
中国メーカーVIOFOの「A129 Duo」はWiFi対応の前後フルハイビジョン2カメラモデルです。
前後フルハイビジョンではありますが、データサイズがやや大きく256GBのカードでは17時間程度の録画時間になります。
GARMIN「46Z」
GARMINの「46Z」はフロントカメラ、リアカメラが物理的に接続されないWiFiとBluetoothによるネットワークを構築する珍しいタイプのドラレコです。
前後カメラにそれぞれ128GBのカードが使用可能ですが、それぞれのデータサイズがやや大きい為、128GB×2枚では14時間程度の録画時間となります。
録画時間が最長のドライブレコーダーのまとめ
以上、録画時間が最長のドライブレコーダーについて8つ紹介しました。
それぞれ本体サイズや視野角、液晶の大きさ、デザイン、画質などが全く異なりますので、その他の条件も考え合わせた上で好みのものをお選びください。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
初めまして。ドラレコ選びで参考にさせていただいております。
会社の駐車場内で2回も右フロントを当て逃げされ、絶対に証拠を押さえたく思慮しています。
出社~退社まで15時間程度ですが、出社後3時間、退社前4時間が出入りのある時間のため被害はその時間帯に発生したと思われます。
そこで、駐車監視のため、タイマーで録画がon,offできる方法はないでしょうか?
あと、通常の走行中での使用は重視しないので、高性能の広角ドラレコ、もしくはその金額で、2台購入できるドラレコで左右を録画しようかと悩んでおります。
いずれにしても長時間の録画が必要になるのは必須です。
アドバイスを頂けるとありがたいです。
今、気になるドラレコがケンウッドの「DRV-830」なのですが、実機テストの予定はありませんでしょうか?
よろしくおねがいします。
sam様
「DRV-830」については今月中にテストする予定ですのでしばらくお待ちください。