※2022年10月16日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
日本でドライブレコーダーの一般化が始まってからそろそろ6年が経とうとしていますが、ほとんどの方がドラレコを設置する目的として①事故の際の証拠の確保と、②煽り運転などの交通トラブルによる被害に遭った際の証拠の確保を挙げています。
ドライブレコーダーは2017年以降には後方も撮影できる2カメラタイプや、全方位が撮影できる360°タイプが注目を集めましたが、後方の状況を詳細に撮影できる従来型の2カメラタイプは横方向に弱く、一方で全方位の撮影に強い360°タイプはナンバー認識に致命的な弱点を抱えていますので、どちらも一長一短と言え、これで完璧だと言えるような製品は存在しませんでした。
ところが、これらの問題を克服すべくここ1~2年くらいでドラレコ市場の新しい流れとして次の2つのカテゴリーが出てきています。
・4カメラドライブレコーダー
そこでこの記事では、2022年向けに事故や煽り運転の被害に遭ったの際の状況証拠、ナンバー認識精度のどちらにも優れた万能型のドライブレコーダーを8機種ご紹介します。
カーメイト ダクション360D「DC4000R」
カーメイトのダクション360Dは、筐体中央の360°カメラに前方を撮影するフロントカメラ、後方を撮影するリアカメラを追加した、360°+2カメラのハイエンドモデルです。
従来の360°ドラレコは、一般的な2カメラドラレコと比べると広範囲の録画が可能な為に事故の際の状況証拠を捉える目的では有利でしたが、ナンバーの認識能力が致命的に低い点が弱点でした。
本製品では筐体下部の400万画素カメラで360°の全方位の録画を行った上で、前後は200万画素のカメラでフルハイビジョン録画を行うという理想的な仕様となっています。
駐車監視モードにはやや癖がありますが、その他は万人向けの特性ですので駐車監視をしないユーザーはまずこの製品を検討すると良いでしょう。

ユピテル「Y-3000」
ユピテルの「Y-3000」は、スタンダードな箱型のフロント筐体+円筒型のリア筐体の前後にカメラの搭載する、珍しい1+2タイプの3カメラドラレコです。
従来型の3カメラドラレコは、3ピースのセパレート、またはフロントカメラ筐体の前後にカメラを搭載した2+1タイプが主流でした。
「Y-3000」ではリア筐体に2つのレンズを搭載する事で、運転の邪魔にならない位置にフロントカメラ筐体を取り付けられる上、取付の手間も通常の2カメラドラレコと変わらないというメリットも備えています。
録画視野角が前:水平138°、中:水平138°、後:水平128°と、特にインナーカメラの視野角を従来モデルよりも広げた事で、ドアパンチの撮影能力も高くなっている点が最大の特徴です。

VANTRUE「N4」
前述の2機種が発売される前までは最強の高画質を誇っていたのが、VANTRUEの3カメラモデル「N4」です。
本製品はフロント筐体の前後とリア用の筐体に、それぞれ500万画素・200万画素・200万画素のSONYのSTARVIS対応のイメージセンサーを搭載し、2.5K/フルHD/フルHDの高解像度録画を行います。
フロントカメラは2.5Kの高解像度録画を行いますので、ナンバー認識精度が非常に高い上、動画の明るさを自在に調整できるPCのVANTRUEビュワーを使って再生する事で、従来のドラレコの明るさの限界値を余裕で振り切る明るさを実現しています。
従来の感覚からするとちょっとおかしいだろう?と感じるくらいの暗視能力で、前後と合わせて室内・左右の録画も可能ですので、現行のドラレコとしては走行時の事故、運転トラブル、駐車監視のあらゆるシチュエーションで最強クラスの証拠能力を誇ると言っても過言はありません。

ただし、ドラレコやガジェットの操作が苦手であったり、機械系が全般的に苦手という方にはユピテルやセルスターなどの日本メーカーの製品をおすすめします。
VIOFO「A139 3CH」
VIOFOの「A139」は2021年に発売されたWiFi対応の液晶なし3カメラドライブレコーダーです。
3カメラともにSONYの夜間特化型STARVISセンサーを搭載し、フロントカメラは2.5Kの高解像度とVANTRUEの「N4」によく似た仕様で、全体の状況認識、ナンバーの認識精度とも非常に高めとなっています。
※「N4」は2ピースセパレートだが、「A139」は3ピースセパレート構造なので、フロントカメラの設置の汎用性はこちらの方が高い。
VANTRUEのPCビュワーの性能を考えると、ドラレコとしての実用性で「N4」を上回る事は難しいと考えていますが、VIOFOのドラレコには景色撮影能力が高い製品が多いので、美しく綺麗な映像を撮影した方向けの製品になりそうです。

VANTRUE「S2」
これまでに他社に先駆けて3カメラモデル「N4」を販売し続けて来たVANTRUEが、2022年8月に新たにラインナップに加えたのがWiFi対応の「S2」です。
「N4」と同じくフロント筐体に前後2カメラを搭載するものの、インナーカメラが筐体下部に設置されるなど、ルームミラーを回避し易い構造となっており、取付の際の汎用性では一定の改善が見られます。
画質面ではフロント、インナーカメラはほぼ「N4」と同等、リアカメラは明るさの面で「N4」に劣ります。
3カメラとしての括りの中での画質面での総合力は、僅差ではあるものの、「N4」>「A139」>「S2」と言った印象です。

GARMIN「47Z」
GARMINは言わずと知れたアメリカのGPSメーカーでガジェットメーカーとしては抜群の信頼性を誇ります。
同社の「47Z」は2019年6月に発売された、WiFiとBluetoothでネットワークを構築する2カメラドライブレコーダー「46Z」の2021年向けの後継機ですが、このネットワークリアカメラ相当の単品モデル「mini2」を2台まで追加する事で、最大で4台の構成が出来ます。
3台構成の場合には3台目を車内向きに、4台構成なら左右のクォーターガラスに外向きに取り付けるなど方法でユーザーの要望に合わせて撮影範囲を調整する事が可能です。
本機はSTARVISセンサーを採用している訳ではありませんが、ソフトウェアによるチューニング技術が優れており、昼間の白飛びを抑えながら夜間も比較的明るく撮影できるのが特徴です。

AKEEYO「AKY-Z3GT」
AKEEYOの「AKY-Z3GT」は現在市販されている個人向けのドラレコとしては珍しい最大4カメラ録画に対応した最新モデルです。
5.5型の大型液晶にセパレート型の4つのカメラを接続する事でフルハイビジョン×4カメラでの録画に対応していおり、それぞれのカメラの逆光補正能力やナンバー読み取り精度、夜間の明るさのいずれの面でも、ドラレコとしての必要な水準は余裕でクリアしています。
走行中の事故や煽り運転に遭った際の状況証拠を残すという目的においては現行機としては最強の性能と言えるでしょう。
サイドカメラを車外に取り付ける為、証拠能力では最高と言えますが、取り付け難易度が高いのが問題点です。

TCL「WHSR-1040」
TCL「WHSR-1040」も「AKY-Z3GT」と同様に4つのカメラで全方位録画を行うタイプのドラレコです。
「AKY-Z3GT」との最大の違いは、サイドカメラを車内に取り付ける点です。
また、液晶タッチパネル操作に加えて、WiFiにも対応していますので操作性や使い勝手に優れた特性となっています。

まとめ
以上、3カメラ以上のドライブレコーダーについて8つご紹介しました。
マルチカメラ構成はナンバー認識精度を犠牲にせずに広範囲の録画を行う事が可能な点が魅力ですが、マルチカメラモデルと並行して360°+リアカメラのモデルも徐々に性能が上がって来ていますのでどちらを選ぶべきかの判断が難しいところですね。

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