こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
ドラレコ型の自動車保険について、前回の三井住友海上、東京海上日動に続いて今回は東京海上日動のサービスをご紹介します。
念の為に最初にお断りしておきますが、これは既にこのようなサービスを検討されている方に向けた解説であって、私自身はこれらのサービスは非推奨派ですので「このようなサービスがありますがどうですか?」と言った具合にセールスするつもりは毛頭ございません。
ドラレコ型自動車保険の解説を始める理由
私は割引ではなく、割り増しサービスになる「ドラレコ型自動車保険」なるものの内容については、積極的に解説するつもりはありませんでしたが、次の3つの理由から考えを改め、情報を必要とする人向けにこれらのサービスのメリットデメリットについて解説する事にしました。
・トヨタT-Connectなどのように、サービス内容そのものが車に標準装備となりそうな流れが見られる
・内容が似たサービスを展開するドコモから「DDR01」のレビューを依頼されている
この3つの理由のうち、直接的な影響が最も大きいのがドコモの「DDR01」です。
実はこの案件は有難い事に普通の人が聞いたら驚くようなプロモーション費用の提示を頂いていたのですが、LaBoon!!としてはプロモーション案件にしてしまうと忖度せざるを得ない状況になってしまう事から、今回は無料でご紹介する代わりにサービスを他社と比較の上で公平に採点・評価する事を快諾頂きました。
つまり、今回の自動車保険のドラレコ型についての解説には、ドコモの「DDR01」を評価する上でのベンチマーク基準を作成すると言う目的があるという事です。
損保ジャパンのDRIVING!の特徴
損保ジャパンのドラレコ型自動車保険である「DRIVING!」の主な特徴は以下の通りです。
なお、同じくSOMPOホールディングのセゾン自動車火災保険にはドラレコ型の保険は存在しないようです。
・ドラレコが検知した衝撃が自動通報の基準に満たない場合には、手動によるボタン操作で損保ジャパンや登録した指定の連絡アドレスに事故発生を通知。(ドライバーにはショートメッセージが送られ、そこからロードサービスやその他のサービスの依頼が可能)
・必要に応じてALSOKの警備員が現場に駆け付けて事故処理のサポート。
・安全運転診断レポートをPCで閲覧出来る
・ドライブレコーダーから得られる走行情報から得られたスコアによっては、翌年の保険料割引が5%割り引きになる
三井住友と東京海上のサービスでは、事故の際にオペレーターによる安否確認と通話が可能であり、場合によってはオペレーターに警察や消防への通報を依頼する事も可能となっていますが、損保ジャパンではオペレーターによる介入はありません。
事故で揉めたの際の状況の確認は自身でドラレコの動画を確認すれば良い事ですが、他社のサービスで特に恩恵を感じるのは、自分が動けないほどの大きな事故にあった際や、身の危険を感じる程の激しい煽り運転に遭っている最中の通報の際などでしょう。
T-Connectのヘルプネットなどでも、特にこの部分に魅力を感じている方が多いようなので、緊急時のオペレーター介入がない損保ジャパンの「DRIVING!」はこの手のサービスとしては片手落ちのように感じます。
生死を争うような緊急時に一刻も早く到着して欲しいのは、警備員ではなく救急車ですよね(笑)
次にコスト面を考えてましょう。
日本メーカーのドラレコの一般的な寿命を4年と考えると、9,720円×4=38,880円となりますが、日本メーカーのこのクラスのドラレコの価格は15,000万円程度が相場になりますので、普通にドラレコを取り付ける場合と比較すると、4年で24,000円ほど余分にお金が掛かる事になります。
必要な方にとってはそこまで高くはない?ような気もしますが、どうでしょう?
なお、「DRIVING!」にはドラレコのGセンサー・ジャイロセンサーから得られた加速度・減速度情報から運転診断を行い、パソコンからレポートを参照する事が出来るようです。(他社とほとんど同じ)
この診断でスコアが80点以上の場合には、翌年の保険料が5%割引になるそうなので次の条件に当てはまる車は「DRIVING!」のコストと相殺できる可能性があります。
ただし、この手のサービスを検討される方は保険の等級が20等級に近い方の割合が多そうなので12万円はなかなか行かないですよね(笑)
ドライブレコーダーとしての特徴
「DRIVING!」に使用されるドラレコの特徴はについては「高性能」としか書かれていない為、詳細は全く不明です。
最近は2カメラドラレコが主流ですし、2カメラがない時点でどうかとも思いますが、そう言う部分を気にしない層に向けたサービスですね。
まとめ
以上、損保ジャパンの「DRIVING!」の特徴について解説しました。
通常のドラレコと異なる点は、通信機能を使って衝撃を検知した際に自動でスマホにメールが送られ、そこから各種サービスを申し込める、と言った部分になり、通常のドラレコとのコスト差は4年で24,000円になります。
三井住友海上や東京海上日動のドラレコ型では、緊急に対応が必要な事故や病気に際にはオペレーターとの会話が可能となっていますが、損保ジャパンの「DRIVING!」は自分で依頼してくれというスタンスです。
また、他にも類似サービスとしてトヨタのT-Connectのヘルプネットが挙げられますが、こちらは三井住友海上や東京海上日動のドラレコ型と同様にオペレーターとの会話サービスに対応していますので、業界全体から見ても損保ジャパンの「DRIVING!」は緊急サービス面、ドラレコの機能・性能面でも微妙なサービスと感じますね。
唯一差別化出来ているのが運転診断による5%の保険料の割引ですが、こちらも普段から安全運転を心がけている方はベースの保険料が安いはずなのであんまり恩恵はないかな?と…。
CMなどで訴え易い差別化ポイントではありますけど、良く計算したら大してお得じゃなかった系のような?
そもそもこの業界自体が、事故が増えたら談合してベース保険料の値上げ!、事故が減ったら一部の安全運転支援機能が搭載された車種限定で値下げ、その他は何故かまた値上げ!…なんて事を平気でやってくるので信用ならん…と個人的には感じてます。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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