2015年12月に発売された「OWL-DR01」「OWL-DR02」が、国内大手PCパーツメーカー「オウルテック」のデビュー作になります。
今まで1万円以下のドライブレコーダーは、積極的に取り上げて来なかったのですが、「OWL-DR02」は1万円以下ながら、スタンダードな機能+αで一風変わった特徴を持っていますのでご紹介致します。
価格は安いが中途半端な作りではない
「OWL-DR02」は、良い部分と悪い部分がそれぞれ目立つ感じで、賛否はあるものの中々面白いモデルです。
価格帯としてはユピテルの「DRY-AS350GS」、コムテックの「HDR-101」辺りが競合モデルになります。
まず、以下のスペック表を見て頂くと分かりますが、フルハイビジョンでWDRに被せる形でHDRの設定もオンにする事が可能です。(デフォルトでWDRがオン、更にHDRのオンオフの設定があるとの事)
OWL-DR02 |
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15.12発売 |
1920×1080/30fps/HDR |
西日本LED対応 |
レンズ視野角水平135° |
付属microSD8GB |
microSD最大32GB |
GPS非対応 |
駐車監視機能 |
動体検知 |
手動起動 |
専用ケーブルなし |
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また、ドライブレコーダーの処理系統の要となるチップセットがAmbarella社の「A7LA30」となっており、HPのハイエンドドライブレコーダーの「f530g」と同系統のものが使用されているようです。(枝番は分かりませんので、同じものではないと思います)
また、水平視野角が135°とこのクラスではほとんど見かけない位に広く、更にモーションセンサーによる駐車監視にも対応しています。
ただし、内蔵バッテリーが2分程度分しかなく、専用の常時電源ケーブルも発売されていない為、説明書には駐車監視が出来るとは記載されておらず、動体検出のオンオフの設定についての記載があるのみです。
最も特徴的なのがWDR+HDRの強烈な補正能力!
「OWL-DR02」の一番の特徴は、WDRとHDRによるダブル補正で(オウルテックの言うところのWDR、HDRの処理がどうなっているのか正直分かりませんが)、見えにくい部分を無理やり見え易くしている点です。
逆光下に置かれると、まるで異次元の世界に連れていかれるような強烈な補正が入り、二度とこの世には戻れなくなります。
というような事はありませんが、「これだけ補正を効かせれば、どんな女性も美人に見える」くらい強烈です。
そんな事を言っていると女性の読者が減るかも知れないのでこれくらいにしておきます。
とにかく、この強烈な補正を見て下さい。
かなりあからさまに補正が入っているので、この見え方が嫌いな人もいるかも知れませんが、ドライブレコーダーの最も重要な能力である、「いかなる時にも周囲の状況を把握出来るようにする」という点ではかなり実用性の高い仕様だと思います。
正直、「こんなの見たことねーよ!」と言いますか、「ドライブレコーダーでここまでやっちゃうのか!?」というのが率直な感想ですが、個人的にはここまでやっちゃうオウルテックの企業カラーは好きです。
夕方なのでトンネル以外の部分が若干暗く感じると思いますが、それでもドライブレコーダー業界で売れ水No.1のケンウッド「KNA-DR350」よりも明るいですね。
夜間に関してもケンウッドの「KNA-DR350」、パイオニアの「ND-DVR10」と比較しても周囲の状況は見え易いです。
視野角もこれらの2モデルと比べても格段に広いので、走行中に関しては抜群の証拠能力を誇っていると言えます。
「OWL-DR02」の残念なところ
ドライブレコーダーとしての本来あるべき性能に関してはかなりハイレベルではあるのですが、良いところも悪いところもはっきりしているのが「OWL-DR02」の特徴でもあります。
飛びぬけて素晴らしいところもけれど、バランスが悪く、「KNA-DR350」や「ND-DVR10」のような優等生タイプではないのです。
その「OWL-DR02」の残念なところは主に3点です。
ひとつ目は色々なところのレビューでも書かれているのですが、電源コネクタが本体の下側に付いている点です。
ドライブレコーダーは通常フロントガラスの上部から20cm以内の位置に設置しますので、下からケーブルが出ているとルーフパネルまでの距離が遠くなるのでどうしても目立ってしまいます。
二つ目はインターフェイスの問題で、画面上に日付と録画中のアイコンしか表示されないのでドライブレコーダーの設定状況などが分かりにくい点です。
三つ目は液晶が薄暗い点です。
他社モデルと比べてみると良く分かりますね。
【OWL-DR02】
【KNA-DR350】
【ND-DVR10】
こうやって見ていくと、【KNA-DR350】と【ND-DVR10】は中身もそうですが、エクステリアやインターフェイスまでソックリなのです。
優等生だからしょうがない…。
「OWL-DR02」の総評
まとめると「OWL-DR02」の残念な点は、電源ケーブルの収まり悪い、ドライブレコーダーの状態が把握しにくい、液晶がみにくい、の3点です。
素晴らしい点は、視野角の広さと強烈な逆光補正能力による広い範囲の状況の把握能力ですが、ドライブレコーダーの基本的な役割を考えるとこれで充分と考える人も多いと思います。
見た目はさほど気にせず、一度設定してしまえばドライブレコーダーはいじらない(そもそも普通の人は駐車監視モードを使用しない限りそんなにいじる必要はない気がします)という人であれば、この性能と価格を考えるとかなりのお買い得のモデルだと言えます。
そもそも本来は価格帯的には比べる相手が「KNA-DR350」や「ND-DVR10」ではなく、2ランク下のユピテルの「DRY-AS350GS」、コムテックの「HDR-101」辺りな訳ですから、同価格帯のモデルと比べると圧倒的なコストパフォーマンスを誇っていると言えるでしょう。
なお、「OWL-DR02」の残念な点は、同価格帯の「OWL-DR04」にて全て改善されていますので、こちらの記事もお読みください。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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