実機レビュー「A800SE」の評価 70maiの廉価版4Kドライブレコーダー

3.5

※2025年9月21日更新:実機レビューを追記しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

2024年モデルの70maiの4Kドライブレコーダー「A810」は予想外に高画質で、純粋に画質面のみでは当時のVANTRUEの4Kモデルを上回ると言う評価をしています。

一方でソフトウェアの面では日本向けに最適化されておらず、駐車監視の動体検知が上手く動作しないなどの問題点もありました。

「A810」は市場では比較的人気の高い機種のようですが、今回は7月に発売されている「A810」の廉価モデルである「A800SE」のレビュー要望を頂きましたので、取り急ぎ製品概要について解説します。

「A800SE」のスペックと特徴

「A800SE」のスペックは以下の表の通りです。

A800SE
25.07発売
フロント:3840×2160/?fps
リア:1920×1080/?fps
LED信号対応不明
レンズ視野角
前:対角140°
後:対角150°
リアカメラケーブル6m
延長ケーブル3.5m
microSD付属128GB/最大512GB
GPS対応
駐車監視モード
タイムラプス/衝撃検知
専用ケーブルはOP
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

「A810」ではフロントカメラのイメージセンサーにSONYの800万画素STARVIS 2センサー「IMX678」を採用し、3年保証としていました。

一方で「A800SE」はセンサーの型番の記述はなく、1年保証となっています。

おそらく、中華製のイメージセンサーを搭載していると思われ、保証期間が短い事からもチップセットの性能や熱対策、耐久性なども「A810」に及ばない可能性が高いと考えられますが、後日VANTUREの4Kモデルである「N4 Pro S」との画質の比較検証を実施する予定です。

セット内容とデザイン

今回は「A810」のサンプルを購入し、実機レビューを行いました。

セット内容についてはこちらの通りとなります。

・フロントカメラ筐体
・リアカメラ
・リアカメラ中継ケーブル(5.5m)
・Type C USB電源ケーブル
・シガーチャージャー
・128GBのmicroSD
・その他取付用品
・取扱説明書

フロント筐体

フロント筐体は正面に液晶ディスプレイと4ボタン配置

向かって左サイドに電源ボタン

右サイドにリアカメラ端子・Type C電源端子・microSDカードスロットが装備されています。

レンズ部分は上下のみの可動範囲、板型のマウントはスライド脱着が可能です。

リアカメラ

リアカメラはスタンダードな円筒型、レンズは360°可動。

ケーブルは5.5mの4PIN to TypeC規格です。(カメラ部分のケーブルと合わせての総長は6m程度)

ミニバンなどの場合にはリアカメラケーブルを車両の上側に這わせる必要があるでしょう。

※OPで延長ケーブル3.5mあり。

電源ケーブル

付属の電源ケーブルはType A to C+シガーチャージャーです。

WiFiアプリについて

WiFi通信については2.4GHz帯で技適認証が受けられているようです。

WiFi機能については、設定から自動開放・手動開放の切り替えが可能です。

全てのメニュー設定がアプリから変更出来る為、使い勝手は良いと感じました。

車内への取付けについて

今回はN4Pro Sとの比較の為に、MR-Sに「A800SE」の取り付けを行いました。(うっかり写真を撮り忘れたので、同デザインの「A810」をアクアに取り付けた際の画像を流用)

ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。

一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

【保存版】自分で前後2カメラドライブレコーダーを取り付ける方法について解説
※2021年6月7日更新~最新の情勢に合わせて全面的に内容を見直しました。一部車種に関しては以下に解説記事へのリンクあります。■ アルファード【30系】の2カメラドラレコ取り付け方法■ アクア【初代】の2カメラドラレコ取り付け方法■ S66...

ドライブレコーダーとしての画質について

ドライブレコーダーの画質については、前後カメラの映像を「A800SE」と同様にフロント4K画質である3CHのVANTRUE「N4Pro S」と比較しました。

比較ポイントはこちらの通りです。

・録画視野角
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ

※「N4Pro S」はOPの偏光フィルターを装着

録画視野角について

「A800SE」の録画視野角はこちらの通りでした。

【前】

【後】

リアカメラは「N4 Pro S」が外付けのリアスポ下へ取り付け、「A800SE」が室内への取り付けの為、計測していません。(水平100~110°程度かと思います)

逆光補正能力について

トンネル内での逆光補正能力は「N4 Pro S」と同様に高めとなっています。

【前】

【後】

※リアカメラは白飛び・黒潰れが出ており、最近のドアレコとしてはややダイナミックレンジが狭く感じます。

また、「N4 Pro S」はOPの偏光フィルターを装着していますので、ダッシュボードの映り込み具合にに差が出ています。

ナンバー読み取り精度について

「A800 SE」、「N4 Pro S」とも、フロントカメラの録画解像度は4Kですが、4Kなりの精細感の高さが確認出来ました

【前】

認識対象のナンバーとの速度差が少ない状態では、いずれも対向車のナンバーの読み取りは可能です。

一方で相対速度が上がると、「N4 Pro S」では読み取りが困難になりますが、「A800SE」では読み取れるシチュエーションもあります。

リアカメラに関しては、「A800SE」はフルハイビジョン、「N4 Pro S」は2.5Kの高解像度ですので、「N4 Pro S」に大きなアドバンテージがあります。

【後】

これは対向車のナンバーの読み取りにおいても同様です。

夜間のヘッドライトが反射した状態のナンバー認識精度も非常に高いものでした。

【前】

リアカメラはダイナミックレンジが狭く、全く読み取れません。

【後】

夜間の明るさについて

夜間の市街地での明るさは、「A800SE」は明るさが調整出来るVLC、「N4 Pro S」はVANTRUE VIEWERで補正した映像も合わせて比較しています。

【前】

【後】

前後カメラとも明るさの面では充分ですが、リアカメラのダイナミックレンジの狭さが目立ち、後続車のヘッドライトが強く白飛びするシーンが目立ちます。

「A800SE」の方が、「N4 Pro S」よりも高い位置にリアカメラを取り付けていますので、条件的には「A800SE」の方が有利です。

夜間の暗視能力では「A800SE」の方が、フロントカメラにおいて「N4 Pro S」を上回っていました。

【前】

【後】

LED信号の見え方について

「A800SE」のフレームレートは2カメラとも25fps出力となっていますが、設定で録画フレームレートを調整可能ですので、電力周波数が50Hzの東日本でも問題なくLED信号が撮影出来ました。

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ
ドライブレコーダーでLED信号を撮影すると一定時間信号が消えて映らなくなる現象が問題視されて久しいですが、最近ではLED信号対策済みのモデルが主流となっていますね。因みにLED信号は常時点灯しているように見えますが、1秒間に100~120回...

※アプリの説明が間違っていますので、東日本では60Hzを選択します。50Hzを選んだところ、LED信号が同期して数秒間消えました。(2025年9月15日時点の結果です。そのうち修正されるかも知れません。)

駐車監視について

「A800SE」の駐車監視については別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。

■「A800SE」の駐車監視の仕組みと使い方について解説

動画ファイルの再生方法について

動画の再生については以下の2つの方法をテストしました。

・スマホアプリでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生

※PC用の専用ビュワーは見当たりませんでした。

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」、汎用ビュワーで明るさが調整出来る「VLC」での再生も可能でした。

スマホアプリでの再生について

スマホアプリでの再生についてはストリーミングとスマホのアプリ内、またはアルバムにダウンロードしてから再生する方法があります。

2.4GHz帯を使ったストリーミング再生(5GHz帯は非対応)では、若干カクツキが見られますが、それほど問題には感じませんでした。

また、ダウンロードした動画を再生するとこのように走行軌跡が地図上に表示される仕様です。

今回はフロント4K/25fps撮影、動画ファイルの時間は3分に設定していたのですが、3分の動画のダウンロード時間は2分程度でした。

 地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズ干渉に関しては、アルファード+サイバーナビの組み合わせで起動テストを行いましたが、フルセグがギリギリ映る場所で電源をオンにしても変化はありませんでした。

ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

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「A800 SE」の総評

最後に「A800 SE」の総評です。

4Kのフロントカメラでは、対向車のナンバーの読み取り精度、夜間の暗視能力の面で「N4 Pro S」を上回っている事が確認されました。

一方でリアカメラはダイナミックレンジが狭く、夜間の状況認識、ナンバーの読み取りに大きな改善の余地があると感じています。

価格帯的には「A810」よりも下になりますが、やはり廉価版らしくスポイルされた性能もあるようですので、3年保証の上位モデルである「A810」を選んだ方が無難でしょう。

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とは言え、非SONYセンサー(センサーは非公開)?でここまで高画質な調整が可能であると言う点については参考になりました。

 

コメント

  1. オカモト より:

    記事にして頂きまして、ありがとうございます。
    更新され次第、読ませて頂きます。

  2. オカモト より:

    検証ありがとうございました。
    参考にさせて頂きます。

    70maiから、業界初の前後4k+車内カメラのモデルが発売されました。
    個人的にドラレコの中ではトップ性能なのでは?と思っていますし、ドラレコメーカーとしてもトップなのではと思いつつあります。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      70maiは最近は良い製品が多いですね。

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