車載WiFiにおすすめ? ドコモ回線対応のSIMフリーUSBドングル「PIX-MT100」の実機レビュー

この2ヶ月くらいでスマホやモバイルルーター、固定回線などの各種通信料金の大幅な見直しを行っているのですが、WiMAXの契約が10月一杯で切れる為、格安のデータSIMを試してみる事にしました。

まぁ、現在の環境であればデータSIMはなくてもそれほど困る事はないのですが、理想的な車載WiFiの環境を構築する為にはどのようなガジェットがベストであるのか?というテストの一環として、ドコモ回線対応のSIMフリーUSBドングル「PIX-MT100」と、ドコモ回線対応の格安データSIM、エキサイトモバイルを選択しました。

通常の車載WiFi環境であれば、スマホのテザリングやモバイルルーターでも構わないのですが、乗車時のWiFiアクセスポイントの開放操作や、ドラレコの駐車監視には通信速度よりも使用料金と通信エリアの広さ、省電力性が重要であると最近感じており、「PIX-MT100」とエキサイトモバイルの組み合わせは車載WiFiとしてはかなり優秀だろうという結論に至りました。

「PIX-MT100」とは?

「PIX-MT100」は格安モバイル回線を提供している通信事業者(MVNO)であるピクセラが、自社のSIMカード用に販売している、USBタイプのWiFi・SIMフリードングルです。

この手のSIMフリードングルとしては価格は高めなのですが、以下の理由からこの製品を選びました。

・日本語対応が完璧でそこそこ人気もある事から、トラブルに見舞われた時の情報が取り易い

・ドコモがモバイル回線に使用しているB1、B3、B19に対応してる

 

なぜドコモなのか?というと、車載でナビアプリや音楽再生などのアプリを使用する際には、最もエリアが広いドコモ回線が適していると感じているからです。(過去に長距離ドライブでテストした結果、私が走る様な民家の少ないようなワインディングコースでは、2番目にエリアが広いソフトバンクとの差が体感出来た)

「PIX-MT100」のスペック

「PIX-MT100」のスペックは以下の通りです。

・対応SIMサイズ~マイクロSIM

・LTE(4G)対応バンド~B1、B3、B19

・無線LAN~2.4Ghz帯/IEEE 802.11b/g/n

・通信速度~下り 最大 150Mbps/上り 最大 50Mbps

 

一応、下り最大速度は150Mbpsとはなっていますが、使用する回線によって大幅に速度は下がりますので、この手のモバイル通信ガジェットの最大速度はあまり気にする必要はありません。

「PIX-MT100」のデザインとセット内容

「PIX-MT100」のデザインはこれと言った特徴もない、ベーシックな白いUSBドングルで大きさはiPhone 7と比べると以下のような形となります。

セット内容はドングル本体、USB延長ケーブル、固定用マジックテープ、日本語説明書となります。

USB端子の部分は収納状態から逆側に180°の範囲で角度の調整が可能ですので、①USBポートに直接挿して立たせる、②寝かせる、③延長ケーブルを使用する、の3つの設置方法が選択できます。

延長ケーブルの長さは約60センチですので、車載でもそこそこ設置の際の汎用性は高そうです。

まぁ、長さが足りなければ長い延長ケーブルを使用すれば済むことですが、あまり長くするとケーブルの抵抗値が増えて動作が安定しなくなる可能性もありますね。(試してないですが)

「PIX-MT100」の初期設定

「PIX-MT100」の初期設定は割と簡単です。

まずは通信業者から送付されたマイクロSIMを側面のスロットに挿します。

設定についてはパソコンでもスマホでも可能で、パソコンならUSBポート、USBチャージャーやモバイルバッテリーから給電し、「PIX-MT100」の起動を待ちます。(WiFiポイントの開放には30秒近く掛かりますが、車載の場合にはエンジンオンで自動でWiFiポイントが立ち上がるので楽です)

「PIX-MT100」が起動して背面のLEDがブルーに点灯したら、WiFiアクセスポイントを探してSSID「MT100_xxxx」に接続し、背面のシールにプリントされているパスワード(KEY)を入力すれば、WiFi接続が確立される筈です。

WiFi接続が確立されたら、何らかのブラウザを開いてアドレスバーに「192.168.0.1」入力して実行すると「PIX-MT100」の管理画面に入ります。(メニューはPCもスマホも同じ)

ユーザー名、パスワードの両方に「admin」を入力し、ログインを押します。

ログイン後に上部のメニューの「設定」を押します。

MVNOから送付されたAPN、認証タイプ、ユーザー名、パスワードを入力します。

エキサイトモバイルの場合は、vmobile.jp、PAPまたはCHAP、ユーザー名空欄、パスワード空欄、の設定でネットに繋がりました。

エキサイトモバイルと「PIX-MT100」の通信速度について

エキサイトモバイルと「PIX-MT100」の組み合わせでは、回線の方のスピードが弱く、23時頃の計測では下りで3.91Mbpsでした。

同じくドコモの回線を使っているが、回線が細いイオンモバイルのLTEの3.30Mbpsとほぼ同等の数値と言えますね。

まぁ…大体予想した範囲内の速度ではありますが、カーナビアプリや音楽配信アプリではそれほど問題とはならないかと思います。

また、クラウド監視タイプのドライブレコーダー、BlACKVUE「DR750S-2CH」での駐車監視などでも問題のない速度です。

クラウド対応ドライブレコーダー BLACKVUE「DR750S-2CH」のレビュー・評価
...

動画の視聴は微妙ですが、車載で動画をリアルタイム受信しながらストレスなく視聴したいなら、コストの掛かる三大キャリアの回線を使うか、電波状況の良い場所でWiMAX2+の回線を使うしかないだろうな…と思います。

格安SIM自体が不要な目的をカットした上でコスパを上げる為に選ぶ通信事業者なので、この部分は仕方ないですね。

「PIX-MT100」の消費電力について

「PIX-MT100」の消費電力は思った通り、かなり良い感じでした。

電力を消費するのは、立ち上がりの動作や通信を行っている際だけで、子機類がWiFiに接続されていてもLTE通信を行っていない時は5V/10mA未満の電流しか流れていないらしく、チェッカーでの計測は不可でした。

BlACKVUE「DR750S-2CH」を子機として接続してクラウドサーバーに繋いだ状態で駐車監視を行った場合、スマホでライブビューの視聴を行わなければ、30分間で僅か5.04V/43mAhの電力しか消費していません。

Wh換算だと0.44Wh程度になりますので、やはり期待通りのかなりの省電力である事が分かりました。

 

一方でWiMAXとWX02を使用してBlACKVUE「DR750S-2CH」をクラウドに繋いで駐車監視を行った場合、WX02の充電量が100%の状態からスタートしたにもかかわらず、30分で5.04V/187mA、Wh換算だと1.88Whの電力を消費してました。

1時間動作させた場合には「PIX-MT100」が0.44Wh(モバイルバッテリーの3.7V/mAh表記換算だと119mAh)なので、外部バッテリーに対しての負荷はかなり小さいものとなります。

その他の車載ガジェットでの使用感

その他の車載ガジェットとしては、android OSを搭載しているカーオーディオ「ATOTO A6」と、コムテックのレーダー探知機「ZERO 704V」にてテストを行いましたが、WiFiポイントとして問題なく認識されネット接続できています。

エンジンオンで自動的にWiFiポイントが立ち上がるのが便利な感じです。

エキサイトモバイルを選んだポイント

今回エキサイトモバイルの通信SIMを選んだポイントをより詳しく説明すると、以下の2点となります。

・ドコモ回線を使用している

・500MB~の従量制に対応しており、価格もそれほど高くない

 

エキサイトモバイルはエリアが最も広いドコモ回線を使用しており、500MBまでの通信量なら月間630円、1GBで660円となっており、通信SIMについては契約月数の縛りもなく、好きな時に解約が可能です。

■ エキサイトモバイル公式サイト

車載WiFiして使用する場合、ネット上の動画を再生するのはまだまだお財布に優しくないので、使用はカーナビ・音楽再生アプリ、ドラレコのクラウド再生に限定します。

また、長距離ドライブで車載WiFiが必要なのはandroid OSを搭載したカーナビを積んでいるコペン号のみになるのですが、どれくらいの頻度でどこに出かけるのかが全く以って分からない車なので、現在の状態で定量制にすると間違いなく損をします。

Android OS搭載のカーナビとディスプレイオーディオのまとめ【2022年版】
...

スマホの回線を有効に使うという手もありますが、現在契約しているイオンモバイルは音声SIM5枚MAXの契約になる予定で、データ通信量は4GBです。(笑)

イオンモバイルも同じくドコモ回線を使用しており、データ通信量は1GBプランで480円/月、2GBだと780円/月なので1GBまでであればこちらの方が安いです。

イオンモバイルのレビュー、評価
...

なので、今後の様子を見ながら毎月のデータ使用量が1GBに満たなければ乗り換える可能性もありますが、とりあえずデータSIMの解約手数料が掛からないのがMVNOのもう一つの魅力でもありますね。

ピクセラモバイルを使う手もある気がしますが…

そもそも「PIX-MT100」自体は同じくドコモ回線を使用しているピクセラモバイルの純正USBドングルな訳なので、素直にピクセラモバイルを使えば良いんじゃね?って話もあるんですが、ここは定額の使いたい放題系なんですよね。(笑)

しかも回線速度は全然速くないという評判なので、動画をガンガン再生したい人にも微妙かも知れません。

因みに回線だけの契約だと1,980円/月、「PIX-MT100」も合わせてこちらで購入すると1,480円/月になるのですが、「PIX-MT100」は9,980円で購入する事になります。

■ ピクセラモバイル 高速定額SIM LTE端末セット 月額1,598円(税込)プラン

ただまぁ、回線速度を求めずにドコモ回線の容量をそれなりに使いたい人にとっては結構お得な気もしますね。

「PIX-MT100」のまとめ

とりあえず現段階では、ドコモ回線の格安回線+省電力のSIMフリーUSBドングルが車載WiFiの構築にはベターな気がします。

■ エキサイトモバイル公式サイト

※「PIX-MT100」はナノではなくマイクロSIMです。

MNOやMVNOについては、総務省の意向でまだまだどのように変化するか分からないですし、通信回線の質は今後さらに向上する筈ですので、もっと良い組み合わせがあれば試して行こうかな?と考えています。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

おすすめの車載WiFi、ルーターを3つ紹介!
...

コメント

タイトルとURLをコピーしました