こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
今回はLaBoon!!の読者さんの寄稿により、ノートオーラ(2022年式)での現行最強ドラレコであるVANTRUE「N4」+ドラレコ専用急速充電バッテリー「iCELL」の取り付け方法について説明します。


ご自身でノートオーラに2カメラドライブレコーダーと外部バッテリーの取り付けをやってみようと検討されている方の参考になると思います。
—以下本文—
初めに
電装品装着における成否は事前調査にかかっている。
幸いな事に昨今はGoogle先生に聞けば、先人達の見本回答が散見する。
勿論記載がない事もある故、それらに見当たらない点に焦点を絞り以下記載する。
本解説に抜け落ちている点、不備等多々あると思うが各位検索賜りたい。
今回取り付けるドライブレコーダー
当初、皆大好きVANTRUE N4だけの設置予定だった。
しかし、下記URLの2022年2月26日更新のN4記事を拝見し、車室内は前と後ろ両方撮影した方が望ましいと考えた。

このため、コストを考えN4の通常設置に加え、後硝子に安物を1台車室撮影用に前向き設置を考えた。(安物としたのは日中事故のみを想定)そして選択したのが、下記URLのHP f660g Kit(約\13,000)である。
当然にLaBoon記事を事前確認したかったが当時はなかった。
尚、機種選定に至ったポイントがいくつかあるため以下記載する。
撮影性能を求めるならば執筆時(2022年3月)の最強は、d’Action 360D DC400Rである事に異論はあまり入らないと下記URLより認識する。
しかし、\55,000超の価格に、性能比で疑問を感じた。

なぜなら、VANTRUE N4(約\25,000)を2台設置した方が安価である。
又、万一の故障も2つに分かれている方がリスクヘッジできる。
このため、VANTRUE N4「+one」が金額とのバランスが取れていると判断した。
「+one」は前述の通り日中事故のみ想定のため安ければ何でもよいという見地から選択が始まった。
安ければ何でもよいとはいいつつも、2009年にDash Cam (Drive Recorder)と呼ばれる製品が日本に殆どない頃、韓国より個人輸入し設置した経験よりGPSとスーパーキャパシタは外せないと考えた。
なぜならこの種の製品は、昔はリチウム系電池で日時等を記憶していた。
このためしばらくすると電池劣化に伴い必ず日時情報が飛んで毎回デフォルト値になり、運転都度再設定の苦行がある。
このためGPSが必要で自車位置記録というより日時補正目的という方が正しい気がする。
又、安全性を考慮するとリチウム系電池よりスーパーキャパシタ採用製品を選択したい。
そのような見識で徘徊すると、\9,000程度からが相場と判断したが、そんな中2カメラ製品は撮影部位が2倍に増えるためお得感を感じた。
但し、あくまでもVANTRUE N4を主とするため録画動画の品質までは要求しない。

電源はヒューズボックスではなくオプションカプラーから?
ドライブコーダー・レーダー探知機等の電装品増設時の電源取出方法として、ヒューズBOXからの分岐が極めて一般的という見解に異論のある方はあまりいないだろう。
しかし、E13ノート系の場合、ネットを徘徊してもヒューズBOXから取る方法を見つける事は困難だった。
代わりに下記URL等で販売されている、助手席足元日産純正オプション用ハーネス部分からの分岐等(\3,300)が一般的だった。
グローブボックスを取り外した時点で、ヒューズBOXが丸見えであるにも関わらず、わざわざ、純正オプション電装品用ハーネスから分岐する事に疑問を感じ、調査を進め以下判明したので報告する。
ノートはヒューズの規格が特殊
従来、ヒューズBOXで使われているヒューズは、平型(Standard)・ミニ平型(Mini)・低背(Micro)の3種のため、どれかを特定しようとするが、E13ノート系やデイズ等の最近の日産車は、Micro2と呼ばれる比較的新しい規格のヒューズが使われている。
Micro2は、当然ディラーは在庫しているが、カー用品店・ホームセンター等では、まだ販売されてない。
なぜならこの種の製品老舗のエーモン工業ですら本執筆時(2022年3月)でまだ製品化してない事が下記URLにて確認できる。
当然ディラーでヒューズのみの販売はしてるが、ヒューズと電源取り出しケーブルが一体化された製品ではない。
このためディラーでドライブレコーダー等取付を依頼すると前述の純正オプション用ハーネス部分からの分岐はお決まりだ。
但し、問題なのがこの純正オプション用ハーネスは何A迄の電流に耐えられか情報を見つける事はできなかった。
単純にレーダー探知機の0.5A未満や、ドライブレコーダーでも1.5~2A程度迄である事より特段問題ないとは思えるが、取り出し部の限界電流値を知らずに接続するのは気持ちの良い行為ではない。
従って、ヒューズと電源取り出しケーブル一体型の下記URLのような製品(\759÷4本=\189単価)を入手するしか方法がないのだが、
ご存じ大陸品質のため、「ヒューズが固くて差し込めない。」頑張って差し込んだら今度は「抜きたくても抜けない、無理して抜くと破損する」等多々問題を抱えた製品ばかりで、トラブルに巻き込まれたくないならば大陸古典の教えに従い、「君子危うきに近寄らず」と考えた。
iCELL B6Aの入力電源の取り方
iCELL B6Aは前述の普及三種のヒューズ電源取り出しケーブルは製品に付属されている。
しかし、肝心のMicro2は未添付だ。苦労の末、モノタロウでRIZDE製マイクロ2ヒューズ電源10A AWG18(0.75sq)\2,959(税込)÷10本入=\295(単価)を入手。
—以下LaBoon!!より補足—
※micro2タイプのヒューズケーブルが必要な場合、ikeepサポートまでご連絡頂ければ無償提供しています。(4月16日以降の小売店販売分では同梱されているとの事)
付属する入力ケーブル・ヒューズケーブル以外の使用はサポート対象外になりますので、個別にメーカーに問い合わせ下さい。
因みにiCELLは指定ケーブル以外の使用はサポート外ですが、理論上で最もトラブルが起こりにくいのは、0.75sqのケーブルで+-端子ともバッテリー直で接続する方法です。
社外品ケーブルを使用して延長する場合には、サポート外扱いになりますが、延長時のケーブル接点をはんだ付けすると接点不良がおきにくくなります。
因みに純正のアースポイントでも塗装されているケースが多いので、アース側はバッテリーの-端子に設置すると動作が安定します。
※iCELLのサポート対応で圧倒的に多いのが、取付の際の接点不良に起因するLCの点灯です。
—補足終わり—
本製品は前述と異なり、車両から抜いたヒューズを転用刺し込むタイプでなく、車両から抜いたヒューズと置換するタイプで、電装品用のヒューズは別途新設するため、「差し込みが異常に固い」「一度差し込んだら二度と抜けない」という問題等は発生しない。
その代わり1本しか必要なくても10本組販売だ。
これは友達の車の取付も手伝えというモノタロウの教えだろう。
本事案の最大の難点はiCELLの常時電源15Aを確保する事だった。
同製品の取扱説明書の仕様で8Aと記載されながら、QA等を詳しく読み込むと注意書きで15Aの常時電源に接続するように要求される。
恐らく車体側の純正電装品が使用する電流も考慮の上と思えるが、このため常時電源15Aを求めて車体回路図確認もしたが、最終的に走行に支障がないと断定できる常時電源15Aは存在しなく「バッ直」しかないという結論に達した。
幸いE13系ノートは鉛バッテリーをボンネットでなくトランクに積んでいる。
故に通常バッ直時最大障害となるエンジンルームから車室内への引き込み作業が発生しない。
ハッチバック故、荷室は車室と一体なので、iCELLの入力線を前席迄引けば良いと安直に考えた。
しかし、iCELLの入力ケーブルは2mである。
ケーブルなんか延長すればよいと通常は考えるが、メーカー的にはそれは容認しないらしく5m \3,980のオプションケーブルを購入させたいとの事。(指定ケーブル以外の使用はサポート外)
ケーブル5mとヒューズボックス1個セットで\3,980と言われると購入意欲を失うと同時にケーブル仕様が大変気になり、製品付属ケーブルをまじまじと確認した。
すると18AWG(0.75sq)だが200度耐熱だった。

確かに、ボンネットの内部を引き回す場合は耐熱である事は重要だ。
しかし今回それは関係ない。
でも入力延長NGだが出力延長は問題ない、しからば出力延長と考えた。
幸い鉛バッテリーの隣に設置空間があるのでそこに設置する事にした。
尚、このiCELLだが常時電源がどうしても取れない場合、アクセサリーからの供給でも稼働との事だ。
しからば走行が少ない車両は、定期的にiCELLを車両から降ろし安定化電源等にて充電も可能のようだ。
但し、当然だがメーカーはそんな使い方を保証するわけない。(保証外です)
それでも挑戦したい猛者のために報告するが、iCELLの入力端子コネクターはXT60というラジコン等でメジャーな規格のため容易に入力ケーブルの自作も可能だ。
半田に不慣れで自作は敷居が高い場合、下記のようなXT60とBanna Plugとの接続ケーブル等も販売されている(約\700÷2本=\350)当然だが自己責任だ。(保証外です)
iCELLのアクセサリー電源
iCELLはエンジン稼働監視にACC電源も必要だ。
このため、助手席足元のUSB用の10Aヒューズを前述RIZDE製マイクロ2ヒューズ電源と差し替える。
内装材のばらし方
E13ノートのグローブボックスを外すのは多少癖がある。
通常グローブボックスを歪ませ取り外す車種が多いがその概念は捨てないとグローブボックスを壊す事になる。
キッキングプレートを外したら、T20トルクス5本を取り外せば根こそぎ外せる。
文章や写真で説明するより下記に日産プリンス名古屋が動画をupしているので見たが望ましい。
又、\3,800と有料だが下記のようなメンテナンスDVDもネット検索時間節約には有効だ。
Aピラーの外し方も下記動画を参考にするべきだ。
サイドウェルトから外す基本的な外し方で問題ない。動画中緑クリップ切断を勧めている。
基本的な事だが、Aピラー等エアーバックが入っている部位に、事故に備えたドライブレコーダーの通線にエアーバックが引っかかり、肝心な時にエアーバックが開かないならばドライブレコーダーなんか無い方がよいという事になる。
故に通線処理には特に気を使いたい。
ネット上では、純正配線に「タイラップで止めろ」だとか、「テープで止めろ」だとかいろいろ記載されているが、下写真のように単純巻き付けがシンプルで最強だ。
センターピラーは樹脂爪を外す。詳細は下記URLの日産のリチウム電池回収のためのPDFマニュアルのP24が参考になるだろう。
外したクリップが飛んで車体の穴に落ちやすいので十分気をつけて欲しい。
Cピラーカバーはシートベルが出ている黒カバーを先に外す。
前述通り既存配線に巻き付け、巻き付け、進むのが鉄則だ。
ネット上には一部だけ外してねじ込むという横着技も存在するようだが可動部付近では特に推奨しない。
ハッチバックの宿命の最後の通線はシリコンスプレーをかけて根気よく且つ、丁寧に頑張れとしか言えない。
但し、注意点として、下記写真に写っている黄色の通線ケーブルだが、必ず「エーモン工業の1161配線ガイド」を購入しよう。
Amazon等で大陸製が安価に出回っているが使えばその差は分かる。
通線工具は腰の固さとしなりが重要だが、それはネットの写真からは分からない。
結局購入して使用してみる迄分からないのだ。
ワイパーブレードで代用だとか、針金を使うだとかネット上には有象無象の横着技がある。
しかし、こればかりは「苦労したくなければ黙ってエーモン教に入信しとけ」申し上げる。
又、「エーモン教には定期的に上納金を収めておけ」とも申し添える。
何台もやっていると引っかかり傷つき、滑りが悪くなるからだ。
これで、リアカメラで後方車両と車内と両方同時録画できる。めでたし。めでたし。
microSDカードについて
最後にVANTRUE N4、HP f660g KitこれらのmicroSDカードについて記載する。
microSDについてメーカー仕様を貶す気持ちはない。
しかし、これら選択時、価格とのバランスで悩む諸兄も少なくない。
コスト優先を望むならばメーカー純正は論外だ。
—以下LaBoon!!より補足—
microSDカードには相性問題も存在し、ドラレコメーカー側は全てのカードでの適合を確認している訳ではありませんので、純正カード指定はカードの相性由来の不具合が出た際の免責と言う側面もあります。
私自身は製品に付属する純正カード以外に、純正OPのカードを購入した事はありませんが、ドラレコを始めて購入し、PCやガジェット関係に詳しくない方には純正カードの使用をおすすめします。(カードの相性問題で使えなかった率は1%未満です)
ある程度知識がある方で、純正OPのカードを購入される方は少ないと思いますが、これは使用される方の知識やスキルに大きく依存します。
—補足終わり—
求めるべき速度がそこそこ出る製品を選ぶべきだ。この「そこそこ」の定義は以下だ。
UHS Speed Class | UHS-I Class3 |
Speed Class | Class10 |
Vedeo Speed Class | V30以上 |
この程度を選べば昨今はあまり相性問題も存在しないように感じた。
メモリー容量は当然容量が大きい程同領域の上書き回数が少なく望ましいが、最終的に予算との相談というのが答えだ。
尚、メーカーはVANTRUE N4は256GB迄、HP f660g Kitは32GB迄と定義している。
これらは単にその容量まではメーカーにて動作検証済。という程度に考えるのが望ましいだろう。
今回下記3種のmicroSDXCカードをそれぞれ検証した結果、どのような組み合わせでも正常録画された。
動作検証は24時間以上、安定化電源を用いて行った故、ある程度信頼できるだろう。
尚Crystal Disk Markの結果はそれぞれ下記となる。購入時の参考にされたし。(尚、当然だが執筆者は録画されてない等のトラブルがあっても責任はとれない。)
・ESSENCORE_KLEVV CRAS K512GUSD6U3-CA 約\7,000
2011年設立の香港企業、韓国SK Hynixのグループ会社、即ちSAMSUNGのCompetigatorと認識すればよい。
・Lexar_LMSPLAY512G-BNNNG 約\7,000
中国深圳のメモリーメーカー、元々は米国Micron Technologyの一ブランドだったが、中国Longsysに2017年に買収された。
・SanDisk_SDSQQNR-256G-GN6IA 約\4,000
SanDiskを知らない人はいないだろう。
2015年に米国Western Digitalに買収され同社の一ブランドになったが、最も信頼できるメーカーの一つと言ってよいだろう。
KIOXIA(旧東芝メモリ)との経営統合の関係で最近では日本国内工場生産、中国か、マレーシアでパッケージングと言われている。
コメント
ノートオーラ取り上げていただき、ありがとうございます。
ノートオーラは売れているので、アクセス数が増えることを祈っております。
HCR32様
ありがとうございます!