こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
今回は最近ちょくちょくご要望を頂くようになった、自動車保険のドラレコ型のうち、三井住友海上のドラレコ型自動車保険について解説します。
因みに保険料が割り増しになるドラレコ型自動車保険については、私はもともと非推奨派です。
ドラレコ型自動車保険の解説を始める理由
私は割引ではなく、割り増しサービスになる「ドラレコ型自動車保険」なるものの内容については、積極的に解説するつもりはありませんでしたが、次の3つの理由から考えを改め、情報を必要とする人向けにこれらのサービスのメリットデメリットについて解説する事にしました。
・トヨタT-Connectなどのように、サービス内容そのものが車に標準装備となりそうな流れが見られる
・内容が似たサービスを展開するドコモから「DDR01」のレビューを依頼されている
この3つの理由のうち、直接的な影響が最も大きいのがドコモの「DDR01」です。
実はこの案件は有難い事に普通の人が聞いたら驚くようなプロモーション費用の提示を頂いていたのですが、LaBoon!!としてはプロモーション案件にしてしまうと忖度せざるを得ない状況になってしまう事から、今回は無料でご紹介する代わりにサービスを他社と比較の上で公平に採点・評価する事を快諾頂きました。
つまり、今回の自動車保険のドラレコ型についての解説には、ドコモの「DDR01」を評価する上でのベンチマーク基準を作成すると言う目的があるという事です。
三井住友海上の見守るクルマの保険(ドラレコ型)の特徴
三井住友海上のドラレコ型自動車保険である、見守るクルマの保険の主な特徴は以下の通りです。
なお、同じくMS&ADホールディングのあいおいニッセイ同和損保でもほとんど同様のサービスを展開していますが、三井ダイレクトにはドラレコ型の保険は存在しないようです。
・利用料金は月額850円(10,200円/年)、4年目以降は月額600円(7,200円/年)
・リアカメラを追加可能なケンウッドのドライブレコーダーが貸与される
・ドライブレコーダーが一定以上の衝撃を検知し、30秒以上の移動が確認出来ない場合に自動でオペレーターに通報の上、動画を送信。オペレーターによるの安否確認の際にはドラレコを通してのオペレーターとの相互通話が可能。
・ドラレコが検知した衝撃が自動通報の基準に満たない場合には、手動で通報を行うかどうかの選択画面を表示
・これらのサービスはエンジンがONでドラレコへの給電が維持されている状態、かつドラレコの通信圏内である場合にのみに有効・走行中にボタン操作でドラレコで撮影中の映像をクラウドサーバーにアップロード、後でスマホで視聴が出来る
・走行ルートや安全運転の評価をスマホで閲覧出来る
ポイントはドラレコの撮影機能に通信機能を組み合わせた事による、緊急時のオペレーターサポートになりますが、事故で揉めたの際の状況の確認は自身でドラレコの動画を確認すれば良いことですので、特に恩恵を感じるのは自分が動けないほどの大きな事故にあった際や、身の危険を感じる程の激しい煽り運転に遭っている最中の通報の際などでしょうか?
次にコスト面を考えてましょう。
日本メーカーのドラレコの一般的な寿命を4年と考えると、10,200円×3+7,200円=37,800円となりますが、日本メーカーのこのクラスのドラレコの価格は15,000万円程度が相場になりますので、普通にドラレコを取り付ける場合と比較すると、4年で22,800円ほど余分にお金が掛かる事になります。
必要な方にとってはそこまで高くはない?ような気もしますが、どうでしょう?
ドライブレコーダーとしての特徴
本サービスに使用されるケンウッド製のドラレコの特徴はこちらの通りです。
三井住友海上の見守るクルマの保険 |
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1920×1080/27fps |
LED信号対応 |
録画視野角 水平123° |
microSD付属?GB/最大128GB |
GPS内蔵 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
情報量が非常に少ないので良し悪しを判断するのは難しいのですが、イメージセンサーは200万画素の1/3.0型とドラレコの規格としては古い印象です。
※最近はSONYの1/2.8~1/2.7型が主流
このドラレコはOPで専用の100万画素のリアカメラ・インナーカメラを装着する事が可能ですが、価格は不明です。
現在のところ100画素のリアカメラはほとんど見かけない古いスペックですので、ドラレコとしてどうか?と問われたら「微妙です」とお答えします。
ただし、2カメラのOPが存在するという部分に関しては、他社の似たようなサービスと比較する際のアドバンテージにはなるでしょう。
その他、このドライブレコーダーにはこちらの4つの安全運転支援機能が搭載されています。
・車線逸脱アラート
・高速道路逆走注意アラート
・指定区域外走行アラート
なお、これはドラレコ全般に言える事ですが、これらの安全運転支援機能は精度面が怪しいものが多く、過度な期待は禁物です。
まとめ
以上、三井住友海上の見守るクルマの保険(ドラレコ型)の特徴について解説しました。
通常のドラレコと異なる点は、通信機能を使って衝撃を検知した際にオペレーターと会話ができる、と言った部分になり、通常のドラレコとのコスト差は4年で22,800円になります。
一方で他社でこの機能に該当するものとしては、トヨタのT-Connectのヘルプネットが挙げられますが、現状のトヨタ車では標準装備のディスプレイオーディオに5年間無料で付帯するパターンとなっていますので、この機能だけを切り取って価格を推しはかる事は困難です。
ただし、6年目からは3,630円/年で、ヘルプネット以外にもeケア/マイカーサーチがセットになって3,630円となりますので、見守るクルマの保険の4年目以降の7,200円は滅茶苦茶割高とも言えそうですね。
まあ、そもそもトヨタの場合には車両の販売で利益が出ているから安く出来るという側面もありそうですが、それを言ったら保険会社も保険料で充分利益を出しているという見方も出来るのでこの辺りは何とも言えない部分がありますね。
4年で22,800円ほど余分にお金が掛かる事になりますが、個人的な感覚からするとこの機能が必要だと考えている方にとってはそこまで高くはないと感じますので(私には必要ない機能ですが)、T-Connectで言うところのヘルプネット的な機能が欲しいと考える方は、契約を検討されても良いでしょう。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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