NAGAOKA 4Kドライブレコーダー「MDVR108WDR4K」の評価

NAGAOKAの4Kドライブレコーダー「MDVR108WDR4K」についてご質問を頂きましたのでざっくりと特徴について解説します。

長岡という会社は山形県東根市にあるレコード針をグローバルに展開している由緒正しい日本の会社です。

■ NAGAOKA

その歴史は古く創業は80年前の1940年、レコードが全盛だった1970代くらいまでは順調に業績を伸ばしていたようですが、音楽再生メディアの主流がCDに以降するに伴い(これすらいつの時代だって感じですけど)、業容を大きく変化させつつ現在に至ります。

現時点ではレコード針の他にイヤホン、ヘッドホンなどのデジタル機器なども販売していますが、そもそもこう言ったデジタル機器は職人気質が活かせるレコード針の生産とは全く必要なノウハウも異なり、コスト面でも中華メーカーに対しては不利になりますので、イマイチ売れているようには見えませんし、ブランド力を活かせているようにも見えません。

ドライブレコーダーの「MDVR108WDR4K」についても、このような背景の中でレコード針の穴を埋める目的で展開されているいくつかのモデルのうちの一つです。

「MDVR108WDR4K」のスペック

「MDVR108WDR4K」のスペックは以下の表の通りです。

MDVR108WDR4K
18.10発売
4K
2.7K
2K
フレームレート30fps
LED信号対応不明
レンズ視野角 対角170°
WDR
microSD付属なし
microSD最大32GB
GPS非対応
駐車監視機能
衝撃検知
自動起動
内蔵バッテリー?
専用ケーブル
なし
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

「MDVR108WDR4K」のスペック表の記載は、工場側のセールススペックをそのままコピペしたような物が掲載されており、中国工場の現物にmovioのブランドを付けたもののように見受けられます。

「MDVR108WDR4K」の録画解像度について

「MDVR108WDR4K」の録画解像度は「4K」「2.7K」「フルハイビジョン」となりますが、こう言った表記を使うのはドラレコよりもアクションカメラ向上に多く見受けられる傾向で、主にアクションカメラを作っている工場から「ドラレコも生産したのでどうですか?」的な提案を受けて販売してるんじゃないかなぁ~という印象を受けます。

しかも最も重要なイメージセンサーの画素数の表記すらなく、1/4インチとドラレコとしてはかなり小さめのイメージのサイズのみが記載されています。

イメージセンサーが200万画素なのか、400万画素のなのか、800万画素なのかが最も重要なポイントで、中国工場では200万画素のイメージセンサーなのに4Kと謳われているモデルを数多く生産しており、しかも4Kなのに解像度は「2880×1440」などの謎仕様となっているケースがほとんどです。

仮に200万画素のイメージセンサーで4K「3860×2160」の解像度の動画を出力したとしても、録画ファイルが大きくなるだけで実質的にはナンバー認識精度はフルハイビジョンと変わりません。

ドライブレコーダーの画素数と解像度の目安について
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しかもイメージセンサーが1/4とかなり小さ目なので(最近のドラレコは1/2.7~1/3が主流)情報を取り込む能力の面でも通常のフルハイビジョンモデルより劣っている恐れがあります。

イメージセンサーの画素数の表記がないので何とも言えませんが、以下のアクションカメラのように出力解像度に見合った精細感が得られない可能性が高いと思われます。

「MC2 Pro1」のレビュー、評価
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以下の動画は一応4Kでアップロードされているようですが、やたらと粗さが目立ちます。

「MDVR108WDR4K」の駐車監視の仕様

「MDVR108WDR4K」の駐車監視の仕様は衝撃検知とのみ記載がありますので、おそらく内蔵バッテリーでGセンサーのみ起こしておき、衝撃検知時から数秒後に録画を開始するタイプのもののように思われます。

よくある中国メーカーのドラレコと同様に、手動切替の動体検知モードも搭載されている可能性はありますね。

「MDVR108WDR4K」のまとめ

イメージセンサーの画素数が公開されていない以上、「MDVR108WDR4K」の実力は未知数であるとしか言いようがありませんが、過去に100台以上のドラレコと一部アクションカメラのテストを行ってきた経験から言うと、「MDVR108WDR4K」はなんちゃって4Kドラレコである可能性が高く、高解像度の録画モードには期待しない方が良いでしょう。

さらに深刻であると感じる問題点は、「MDVR108WDR4K」はNAGAOKAという由緒正しいブランドを貶めるような宣伝・販売方法が取られている事であり、「ドライブレコーダーの事は良く分かんないけど、とりあえず販売してみました」的に扱われています。

それまでNAGAOKAというブランドに対して全く知識がなかった私としては「この会社大丈夫か?」という負のイメージを抱かざるを得ません。

「MDVR108WDR4K」がどうのというよりも、会社としてヤバくね?と感じるくらいの売り方だど思います。

NAGAOKAというブランドの歴史を考えると非常に残念ですね。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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