※2025年4月12日更新:実機レビューを追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
このところ、日本メーカーの2カメラドライブレコーダーは各社ともこなれた価格でそこそこ高画質な製品に集約されているように見受けられ、モデル更新のスパンも長くなっています。
2024年11月に発売されたケンウッドの「DRV-G50W」についても、基本コンセプトは同様のようですが、この製品はコムテックの「HDR801」「ZDR055」辺りを競合モデルとして捉えて似たよう価格帯で日本製の3年保証モデルとして展開しています。
「DRV-G50W」のスペックと特徴
「DRV-G50W」のスペックは以下の表の通りです。
DRV-G50W |
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24.11発売 |
フロント:1920×1080/27.5fps リア:1920×1080/27.5fps |
LED信号対応 |
フロント録画視野角:水平122° リア録画視野角:水平122° |
microSD付属32GB/最大128GB |
microSDカードフォーマット不要 |
リアカメラケーブル9m |
GPS内蔵 |
駐車監視モード |
動体検知(フロントのみ検知)/衝撃検知/自動起動 |
専用ケーブル別売 CA-DR100 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
機能面で特筆すべき部分は見当たらず、安全運転支援警報付きのハイエンド~アッパーミドルクラスのモデルとしてはスタンダードな構成です。
前後2カメラともSTARVIS対応と謳われていますが、一部のメーカーではSTARVIS 2への移行が進みつつありますので、ハードウェア構成の面でも目新しさはありません。
とは言え、大部分のユーザーはそこまで目新しさを求めてないでしょうから、画質が一般的なSTARVIS対応モデル以上であれば、安心の良モデルと言えるでしょう。
セット内容とデザイン
今回は「DRV-G50W」を購入し、実機テストを行いました。
こちらは箱に日本製と書かれた3年保証の製品となり、ようやくスタンダードなクラスのモデルがコムテック・ユピテル・セルスターの主力モデルと同等の保証期間になりました。
セット内容についてはこちらの通りとなります。
・リアカメラ
・カメラ中継ケーブル(9m)
・3PINシガー電源ケーブル
・32GBのmicroSD
・取扱説明書
フロント筐体
フロント筐体のデザインはスタンダードな横長タイプで、一般的な2カメラドライブレコーダーと比べるとスタンダードなサイズ感となっています。
筐体正面には2.7型のラージサイズの液晶、操作ボタンは右側面に4つ
左サイドにはリアカメラ端子
筐体下部にはmicroSDカードスロット
筐体上部には3PIN電源端子が装備されています。
リアカメラ
リアカメラは同社で良く使われている横長タイプのデザインです。
リアカメラケーブルは両側がminiUSB形状の9m
電源ケーブル
付属の電源ケーブルはシガープラグタイプの3PIN端子です。
車内への取付けについて
今回はアクアに「DRV-G50W」の取り付けを行いました。
本体部分はミラー裏に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。
一般的な2カメラドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は15秒程度と2カメラドライブレコーダーとしては遅めです。
メニューツリーは一本化されており、操作ボタンは下側にアイコンの目印がありますので操作性はまずまず良好です。
ただし、最近はタッチパネル操作に慣れてしまったので、出来る事ならタッチパネルが好ましいとは感じています。
ドライブレコーダーとしての画質について
画質については2カメラベンチマーク基準としている、コムテックの「HDR801」と比較しました。
比較ポイントはこちらの通りです。
・逆光補正能力(白飛び・黒つぶれ)
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ
カメラの明るさは「HDR801」「ZDR035」とも、フロント・リアともに標準に設定しました。
録画視野角について
前後カメラの録画視野角は、「HDR801」の水平130°を正とした場合、仕様表よりもやや広い水平124°程度でした。
2カメラドライブレコーダーとしては、やや広めの視野角となっています。
※私はLaBoon!!を始めた当初から、録画視野角は広ければ広いほど良いと考えており、その評価基準は今でも変わりませんので、対「HDR801」の評価であれば視野角の項目では「HDR801」の方が高評価になります。
逆光補正能力について
トンネル内での逆光補正については、前後カメラとも白飛び・黒潰れが非常に良く抑えられています。
リアは2機種とも黒潰れが出ています。
逆光補正の総合評価は「HDR801」と同等と言えるでしょう。
ナンバー読み取り精度について
このクラスの製品のナンバー読み取り精度については、録画視野角に大きく左右されますが、最大クラスの視野角ですので、ナンバー認識精度は「HDR801」と同様にフルハイビジョンクラスの真ん中よりやや下という結果でした。
夜間のヘッドライトが反射したナンバー認識精度は、「HDR801」と同様に強いHDR補正の効果で非常に高めとなっています。
【フロント】
【リア】
ナンバー認識の総合評価は「HDR801」と同等と言えるでしょう。
夜間の明るさについて
夜間の明るさについては、ドラレコ本体内部でPC並みの補正を加えている(ドーピングみたいなもの)「HDR801」には敵わないものの、STARVIS 2センサーの性能を良く引き出せていると思います。
センサー構成がコムテックの「ZDR055」と同じで、チューニングもクリソツです。
おそらくPCソフトのVLCで補正を掛ければ、「ZDR055」と同様に「HDR801」を超える明るさになると思われます。
【リア】
リアにに関しても「ZDR055」と同様に「HDR801」よりも暗めですが、VLCの補正ありきで考えた場合には「HDR801」と同等以上になる筈です。
街灯が少ない場所での走行時にも「HDR801」よりもやや暗めですが、VLCの補正ありきで考えた場合には「HDR801」と同等以上になる筈です。
【フロント】
画質面での総合評価は、ほぼコムテックの「ZDR055」と同等で、PCでの補正ありきなら「HDR801」を若干上回る画質と言えますが、ドラレコで録画されたファイルをそのまま比較した場合には「HDR801」>「ZDR055」=「DRV-G50W」となるでしょう。
PCに詳しい方なら「DRV-G50W」がおすすめと言いたいところですが、録画視野角が水平138°の「ZDR055」の方が総合評価は上です。(他に理由はなし)
https://car-accessory-news.com/zdr055/
西日本LED信の見え方について
「DRV-G50W」のフレームレートは前:27.5fps、後:27.5fpsとなっていますので、日本全国でLED信号が高速点滅して映るでしょう。

駐車監視について
「DRV-G50W」の駐車監視については専用ベージを作り、そちらで解説しています。
■「DRV-G50W」の駐車監視の仕組みと使い方について解説
動画ファイルの再生方法について
動画の再生については以下の3つの方法をテストしました。
・PC専用ビュワーでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生
ドラレコ液晶での再生について
ドラレコ本体での動画の再生は、液晶サイズが2.7型でやや大き目のサイズの為、一般的な2.0型液晶のディスプレイの製品と比べると見易いと言う評価です。
PC専用ビュワーでの再生について
PCの専用ビュワーは以下のページからダウンロード出来ます。
ビュワーとしてはスタンダードな機能、操作性で主な機能の有無はこちらの通りです。
・映像の拡大縮小~×
・地図への走行軌跡の表示~〇
・速度の表示~〇
・方位計の表示~×
・Gセンサーグラフの表示~〇
・再生速度調整~〇(1/4~2.0倍)
・明るさの調整~不可
PC汎用ビュワーでの再生について
PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」、汎用ビュワーで明るさが調整出来る「VLC」での再生も可能でした。
地デジへのノイズの影響について
「DRV-G50W」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。
ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

「DRV-G50W」の総評
最後に「DRV-G50W」の総評です。
今回はコムテックの「ZDR055」が手元になかった為、「HDR801」と比較をしましたが、視野角を除く画質面ではほぼ「ZDR055」と同等でした。
保証期間も3年、画質はほぼ同等、視野角は「ZDR055」の方が1割程度広い為、特に理由がない場合には、PCに詳しい方向けには「ZDR055」、そうでない方向けには「HDR801」、ケンウッド製品が好きな方には「DRV-G50W」をおすすめします。
保証期間は全て3年、画質の差も僅差ですので、好みで選んでも良いレベルです。


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