※2025年5月5日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
従前からユーザーの関心度の高い事案として「後付け可能なアラウンドビュー的な全方位モニターについて」が挙げられるのですが、アラウンドビューを搭載していない車両にお乗りの方の中には、アラウンドビューモニターの導入を夢見ている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これを踏まえて、実は2021年頃にLaBoon!!では某メーカーの中国製の既製品の展開候補の製品をテスト&デバッグした経緯があります。
その後も別のルートから韓国製の既製品のテスト&デバッグも実施しているのですが、アラウンドビューは4つのカメラの映像をソフトウェアで校正して出力する関係上、映像のズレなどが発生し易く、製品によっては実際には存在しない位置に障害物のゴーストが発生するなどの問題が確認されました。
また、海外向けに製品化されているサンプルでも、ソフトウェアのバグや不具合などが修正しきれていない、デバッグ中の短期間でハードウェア的な故障に見舞われるなど、不安要素が多い製品が多いと感じられました。
最終的に以下の問題点が解決出来る見込みがない事から、これらの製品の展開は見送られています。
仮にこれらの問題が解決されたとしても、アラウンドビューは最低でも前後左右の4か所にカメラを取り付けなければならず、特にフロントカメラについては取り付けられそうな場所がない車種も多い為、今後も簡単に導入できるようにはならないと考えらます。
3年保証込の取り付けまでのセット価格を20万円オーバーにしなければ、利益が出ない構造です。
流石にこの費用を出してまでアラウンドビューを後付けしようと考える方は少ないのではないでしょうか?
ただし、バックカメラとカーナビの取り付けが自分で出来る方に関しては、DIYでの取り付けを前提に安価な中華製の後付けアラウンドビューシステムを導入してみる価値はあると思われます。
そこでこの記事では、中華製の後付けアラウンドビューシステムの仕組みと取り付け手順についてざっくりと説明します。
過去にLaBoon!!でテストした製品は、中国製と韓国製の2種類でしたが、いずれも似たようなハードウェア、ソフトウェア構成でしたので、amazonで販売されている代表的なアラウンドビューモニターである、以下製品を例として仕組みや取り付け手順などを解説します。
後付けアラウンドビューのハードウェア構成
後付けアラウンドビューの構成は、概ね以下の通りとなっています。
- 前後左右のカメラ
- コントローラー
- ケーブル類
- リモコン&受信機
- ショックセンサー&USBメモリ(ドラレコ機能がある場合)
後付けアラウンドビューの映像出力の仕組み
後付けアラウンドビューは、ナビ筐体のリアカメラ映像の出入力系統を利用してナビ画面に映像を表示させます。
4つのカメラの映像を入力したコントローラー部で映像を合成し、それをナビ筐体に出力させますが、通常の場合には車両から出るリバース信号をコントローラーからナビ筐体にパススルー出力させる方式となります。
また、ウィンカー連動で映像をサイドカメラに切り替えるような機能がある製品の場合には、ウィンカー信号線をコントローラーからナビ筐体にパススルー出力させます。
校正布を使ったキャリブレーション
4つのカメラを取り付けた後は、製品に付属するであろう校正布を使ってキャリブレーションを行います。
布を指定位置に敷いて、キャリブレーションの項目を選ぶだけですが、布がズレているとキャリブレーションに失敗する事があります。
ズレていなくても謎にキャリブレーションに失敗する事もあり、この辺りが日本業者がパッケージを組んで販売する際の障害になると考えらえます。
最初から車種専用の物を車につけて売るのと、後付けで汎用品を取り付けて正確に合成させて販売するのとでは、難易度が大きく異なりますので…。
キャリブレーションが成功すれば、どうにか正常に使えるかと思います。
腕に自信がある方は試してみてはいかがでしょうか?腕に自信がない方は間違っても手を出さないで下さい(笑)
コメント