こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
今回はLaBoon!!の読者さんの寄稿により、ハスラーでの希少な4K2カメラドラレコのVANTRUE「X4S」+ドラレコ専用急速充電バッテリー「iCELL」の取り付け方法について説明します。
ご自身でハスラーに2カメラドライブレコーダーと外部バッテリーの取り付けをやってみようと検討されている方の参考になると思います。
—以下本文—
新型ハスラー(MR52S/MR92S)、新型と言っても2年以上前に発売されているのですが・・納期が非常に長い。私も7ヶ月待ってやっと納車されました。
待っている時間が長かったので、最新ドラレコについていろいろ勉強してから今回の機種に決めることができました。
VANTRUE X4S Duoに決めた理由
決めた理由はいくつかありますが、主なものはこちらの通りです。
macOS用のプレーヤーが欲しいと思うと、それだけでメーカーが限られます。
地デジのノイズ問題は車との相性もあるので付けてみるまでは分かりません。
ただし、X4Sのリアカエラ接続方式(イーサネット)は問題ないと考えました。
画質に関しても最高ランクだと思いました。
ただ一点だけ、残念というか車内撮影用のインカメラが付いているともっと良かったと思いましたが、そのような製品が無い以上仕方がないです。
ですが、取り付けてみてX4Sはベストの選択だったと今は思っています。
では早速取り付けていきましょう。
VANTRUE X4Sの同梱品について
同梱品はこちらの通りです。
・リアカメラ
・ 吸盤マウント
・ シガーソケット電源プラグ
・リアカメラ接続ケーブル(USB Type-C)
・PC接続用ケーブル(USB Type-A to Type-C)
・ステッカーなど
今回は同時にGPSマウントと直結電源ケーブルを買ったので、同梱品のうち、これら2つは使用しません。
なお、マウントには両面テープが2枚付属しているので、失敗しても大丈夫!(笑)
駐車監視対策のiCELLについて
ハスラーは軽四輪車なので、駐車監視を行うとバッテリーがすぐにダメになってしまいます。
そこで、今回はiCELL B6Aも購入したので、同時に取り付けをすすめていきたいと思います。
ケーブル類の事前処理
X4Sの設置は、直結電源ケーブルとiCELLを同時に利用するため、ケーブル加工が必要になります。事前に準備します。
VANTRUEの電源直結ケーブル
iCELLの詳細記事にも記載がありますが、電源直結ケーブルとiCELLを接続する際は、プラス側にヒューズを追加します。
こちらのケーブルは2本ともメスのギボシ端子を取り付けます。
電圧設定は、記事通り11.6Vに設定します。
iCELLの出力側ケーブル
iCELL B6Aの出力側ケーブルの先端は、このようになっています。
これに、ギボシ端子を取り付けます。
理由があって、全てオスにしてあります。
iCELL側の出力側端子を全てオスにしたのは、ドアパンチ対策の車内撮影用360度ドラレコを追加すること考えているからです。iCELLは電池容量が許す限り、複数機器の接続を認めています。(以下、後日追加用の分岐配線)
なお、端子を取り付ける際にはマイナス(GND)だけ長さを変えることをお勧めします。
これは手違いでショートしてしまわないようにするためです。
iCELLを運転席下に設置するため、床下にケーブルを通します。
そのため、コルゲートチューブで保護をします。
10φ2mのものが売っていますので、切らずにそのまま使います。両端は不織布テープで保護するのをお忘れなく。
iCELLの入力側しケーブル
VANTRUE 電源直結ケーブルを購入すると、ヒューズボックスから電源を取るためのアダプターがついてきます。また、iCELLにも付属しています。
新型ハスラーは低背タイプのヒューズなので、以下のものが該当します。
ただし、これらを使うとヒューズボックスの蓋が閉まりません。
また、電源を取り出すヒューズの場所によってはアダプタが大きすぎて差し込めない場合がありますが、このケーブルを使用せずに取り付けた場合には、保証の対象外になりますので注意が必要です。
そのようなケースでは個別にメーカーに問い合わせ下さい。
ケーブル類の接続イメージ
全体としては、iCELLとVANTRUEの両ケーブルをこのように接続します。
・赤線:20Aの常時電源へ
・黒線:アース(ボディの塗装面以外の金属部分へ)
・赤線:5Aアクセサリー電源へ
・黄線:VANTRUE常時接続ケーブルの赤と接続
・黒線:VANTRUE常時接続ケーブルの黒と接続
なお、今回の私は電源直結ケーブルを使用しましたが、このケーブルを使用しない場合は、このようになります。
実はこのシガープラグが曲者です・・私は白ラインが薄すぎて全く分かりませんでした。
ロゴを見ればプラス側を判別できるようです。
iCELL本体の設置
前置きが長くなりましたが(笑)、いよいよ設置を始めます。ここからは早いです、たぶん(汗)
車内にiCELLを設置するのですが、新型ハスラーはマイルドハイブリッドのため助手席下にバッテリーが鎮座しています。なにも置けません!
運転席下は・・
大丈夫です!私のハスラーはJ-STYLEなので後部座席へのエアコン吹き出しノズルがあります。
置いてみて、クリアランスを確認します。いけそうです。ここに決めました!
付属のマジックテープのオス側(硬い方)だけを使います。このように貼って、カーペットに貼り付けます。
前から見るとこんな感じです。
iCELLケーブルの引き込み
次にケーブルを通していきます。センターのカバーを外します。両側の奥にピンが1本ずつあるので、クリップクランプなどを使って外します。
次に、サイドシルフロントスカッフを左右とも外します。
引っ張り上げれば取れますが、1点注意点があります。
真ん中の出っ張り部分に爪があるので、パーツを握り込むようにして爪を外してから引っ張り上げます。
次に、フロントのカバー(ダッシュサイドトリム)を運転席、助手席とも外します。これも奥にピンが1本ありますが、マイナスドライバーか一円玉で回すと外れます。
配線を通していきますが、運転席下からセンターのドライブシャフト上部を通り、助手席へ抜けるルートを通します。
運転席下のセンター寄りに切れ込みがあります。そこから入って
こんな感じのルートを通します。
シート外さずに通す場合は非常に難しいので、私はシート下から通線ワイヤー、助手席側からiCELLのケーブルを手で押しこみ、運転席側で結合させて引っ張りました。
下に見えてるのが通線ワイヤー(配線ガイド)です。
助手席フロント奥、この金属パーツでアースを取りますが、その下側に垂れてるコルゲートチューブがiCELLの配線です。ここまで通してきます。
ここまで通せればiCELLのケーブル配線は完了です。
ヒューズボックスからの電源取り出し
電源を取り出します。助手席下にヒューズボックスがあります。グローブボックスの外し方は有名なので割愛します。
ヒューズボックスカバーの端に切れ込みがあるので、そこにケーブルを通して蓋が閉まるようにします。
製品添付のヒューズ電源取り出しアダプタを使われる場合、この蓋は不要になります。車検証入れか何かにいれて無くさないようにしましょう。
検電テスターなどでヒューズボックスの極性を確認します。私の場合は下側がプラスでした。
マニュアル(オーナーズマニュアル 9-17 記載)をよく確認して、どこから取るのか考えてみてください。
私はこのようなところから取りました。
取る場所によってはヒューズを外した時にエラーが記録されて、ディーラーでの点検時に指摘されるかもしれません。
なお、使用用途が書かれていない番号のヒューズは予備です。電気は流れていません。
誰も使っていないならそこから取れれば・・と思うかもしれませんが、使えません。私はここから取りました。
なお、新型ハスラー(MR52S/MR92S)のオーナーズマニュアルは、こちらの公式ページから参照できます
VANTRUEの直結電源ケーブルについている電圧設定ボックスは、ここに貼り付けました。
ケーブルの収まりは、このようになります。
フロントカメラの設置と配線引き込み
新型ハスラーのフロントガラスですが、スズキセーフティサポートのステレオカメラ(DCBS)の周囲に貼付禁止エリアがあります。(オーナーズマニュアル 5-52 記載)
ビルトインETCが右側にあるのに、なぜか左側にETCのアンテナが・・邪魔なんですけど・・仕方がないので、そのとなりに取り付けます。
ギリギリを狙う場合、標準のケーブルだとETCアンテナに干渉してしまって、寄せられません。
私はUSB Type-Cの30cm L型延長ケーブルを使いました。
X4Sの電源ケーブルはUSB Type-Cの形をしていますが、いわゆるレガシータイプと呼ばれているもので、56kΩのプルアップ抵抗が入っていることを確認しています。
なので、USB Type-Cの全ての線が結線されているタイプの延長ケーブルであれば何の問題もありません。(LaBoon!!では純正品以外のケーブルの使用にについてはデータ管理しませんので、最終的な合否については直接VANTRUEにお問い合わせ下さい)
なお、ノイズ対策と脱落防止のためアルミテープを接続部に巻いてあります。
フロントカメラの場所が決まったらケーブルを通していきます。おなじみのAピラーです。
ウェザーストリップ(ピラー横の黒いゴム)を引っ張って剥がし、ピラーを手前に引っ張れば簡単に外れます。
通線ワイヤーを上から下に通し、先ほど設置したケーブルを引っ張り上げます。
あとは、Aピラーを通って、フロントの天井カバーとフロントガラスの隙間にケーブルを押し込んでいくだけです。
この時に、リアカメラ用のケーブルも一緒に通すことを忘れないでください!えぇ、忘れましたよ私は。Aピラーを2回外しました(笑)
リアカメラの配線引き込み
新型ハスラーにドラレコを取り付ける場合、リアカメラの配線は下側を通さないといけません。
お手軽に天井の隙間に捩じ込んでいる記事を見たことがありますが、やめた方が良いです。
新型ハスラーにはカーテンエアバッグが付いています。側面への衝突時に、窓を覆うように開くアレです。
これがセンターピラー上部にあるため、絶対に上側を通してはいけません。なので、下側を通します。
ドアに沿って配線していきますが、内装を剥がす順番は
2. ダッシュサイドトリム左
3. サイドシルリヤスカッフ左
4. センターピラーロアートリム左
5. バックドアトリム
6. クォーターインナーロアートリム左
7. シートベルトのカバー
8. シートベルト固定ボルト
9. クォーターインナーアッパートリム左
になります。
サイドシルフロントスカッフと、ダッシュサイドトリムは先ほど外しました。もともと配線が通っているので、その配線に沿ってケーブルを通していきます。
サイドシルリヤスカッフはフロントと同じように引っ張り上げれば取れます。同じような場所に爪があるので注意してください。
センターピラーロアートリムですが、私は外しましたが・・外さずに下側の隙間からケーブルを押し込んだ方が良いかもしれません。
このカバー、もう一度はめるのがものすごく辛い。樹脂製の内張剥がしを何本も持っていないと最悪ディーラーに駆け込むことになります。ご注意ください。
バックドアトリムですが、上に引っ張れば取れそうなんですが、見えないところにピンが2本あります。
クォーターインナーロアートリムは浮かせる程度で大丈夫です。ピンを全部外すとあとが大変です。
上の三箇所はピン、下の二箇所はボルトで止まっています。あとは手前に引っ張れば外れます。
これぐらいの隙間があれば良いので、バックドア側だけ引っ張って一部のピンを外す程度で大丈夫です。
クォーターインナーアッパートリムを外す前に、シートベルトのボルトカバーを外し、シートベルト固定ボルトをゆるめて取り外します。
あとは引っ張れば外れますが・・クォーターインナーアッパートリムも浮かす程度で大丈夫です。
バックドアのグロメットを外して、通線ワイヤーを差し込みます。奥に見える穴を通さないと車内側へ通せません。
ここで注意点。私のハスラーは、バックドアルームランプ (DA93) を取り付けているのですが、このオプションの注意書きに「ドライブレコーダー (前後方録画タイプ)と同時装着はできません」とあります。
該当ドラレコ( CA9S )の説明にも不可となっている。
その理由は、この隙間にバックドアルームランプの配線が通してあるため、リアカメラケーブル先端の形状次第では絶対に通らないからです。
X4Sを選択していて良かった点は、ケーブルの先端がストレートコネクタであったことです。なので、通りました!良かった〜!
グロメットを通す時は、おなじみシリコンスプレーを吹き込んでから通します。
通線ワイヤーを使えば簡単です。
あとはバックドア内を通して窓枠の下側へケーブルを抜くだけです。
リアカメラケーブルの長さについて
作業前から想定はしていました。床下を通せば標準の6mでは足らないはずと思っていました。
はい。ここまでしか届きません(笑)
でも大丈夫です。事前にVANTRUEのサポートに確認済です。
USB Type-Cの延長ケーブル(ただし10Gbps対応品)であれば、延長して使っても良いと回答をもらっています。
これは、X4Sのリアカメラへの通信方式がイーサネットになっているから可能なことです。
会社などで有線LANケーブルを見たことがあると思います。
あれの通信方式です。リアカメラへの給電は、これも56kΩプルアップ抵抗を確認しているので延長しても問題ありません(PDではない)。
私は1.5mで、先端がL型になっている延長ケーブルを用意しました。
こちらも接続部をアルミテープでシールドして完了です。1.5m延長してピッタリの長さです。
リアカメラ設置
熱線の隙間に丁度はまる感じです。ハスラーのリアウインドウは、ほぼ垂直なので熱線が写り込むことはありません。
あとは窓枠に沿ってケーブルを固定していくのですが・・新型ハスラーのツートンを買う時は、天井がガンメタリックの方をお勧めします!白だとものすごく配線が目立ちます・・。
取付を終えてのまとめ
はっきり言って疲れました!床下配線はきつい(笑)でも楽しかったです。1日楽しめる?ので、ぜひ挑戦してみてください。
また、X4Sは筐体が大きいので運転をしていると邪魔かと思ったのですが、ミラーに隠れて見えません。
また、新型ハスラーJ-STYLEは後部ガラスがプライバシーガラスですが、リアカメラの画質に全く問題はありませんでした。フロントは当然、十分な画質に満足しています。
iCELLも正常に動作しています。
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