※西日本LED信号対応ファームウェアアップデートについて、ページ最後に追記しました。
パパゴから6月17日にフルハイビジョンを超える解像度、「2304×1296」「2560×1080」に対応したハイエンドドライブレコーダー「GoSafe 520」が発売されました。
「GoSafe 520」と言えば、既に北米などで販売されているモデルのようですが、今まで日本国内で販売されていたどのモデルよりも高性能であることは間違いなさそうです。
「GoSafe 520」と競合するのは、ケンウッド「DRV-610」とHP「f530g」
ケンウッド「DRV-610」とHP「f530g」は、ともに「2304×1296」の解像度を誇り、日本国内のドライブレコーダーの中でのハイエンドクラスにおいて人気を二分しているモデルです。
この両者は似たようなスペックではありますが、「DRV-610」は実用性のみをとことん追求したモデル、「f530g」は景色の撮影も視野に入れたスーパーワイドモードを搭載した趣味寄りのモデルと感じています。
個人的には「f530g」の方が色味や映像のシャープさが気に入っていますが、その辺りはドライブレコーダーに求める機能や性質によって使う人との相性がありますので、優劣の問題とは言えませんがナンバーの読み取り精度に関わるようであれば別です。
GoSafe 520 |
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16.06発売 |
2304×1296/30fps/WDR 2560×1080/30fps/WDR 1920×1080/30fps/HDR |
LED信号対応 |
録画視野角 水平120° 対角146° |
付属microSD16GB |
microSD最大対応32GB |
GPS非対応 |
安全運転支援 |
駐車監視機能 |
動体検知 |
手動起動 |
専用ケーブル A-JP-RVC-1 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
※「GoSafe 520」の西日本LED対応は後日ファームウェアのアップデートで実施
「GoSafe 520」は画質に特化したモデル
ざっと見ていくと「GoSafe 520」にはGPS測位機能が無い事が分かりますが、西日本において「2560×1080」のスーパーワイドに対応しているのは「GoSafe 520」のみとなります。
HP「f530g」は45fpsを選択出来るのは「1920×1080」の解像度のみです。
また、「GoSafe 520」はHP「f530g」でも使用されているA7チップ(バージョンによって様々なものがある)を搭載しており、6層のガラスレンズを使用しているのがポイントのようです。
「DRV-610」は風景を撮影するのにはあまり向いていないと思います。(私はYoutubeに「DRV-610」で撮影した風景を投稿しようとは思わないので)
因みに樹脂製のレンズは熱に弱く、設計によっては曇り易くなるなどのデメリットがあるようですが、あまりレンズの枚数や種類を公開しているメーカーは多くないので、ドライブレコーダーにおける6層のガラスレンズがどの程度の効果を発揮するのか私には判断出来ません。
手元にこのモデルがないので、単純比較は出来ませんが、下の動画を見る限りかなり映像がシャープな感じがします。
※実際に動画を「f530g」、「DRV-610」と比較してみましたが、「GoSafe 520」はかなり綺麗です。(詳細は後述)
色味の方も青過ぎず黄色過ぎず、バランスが良い感じだと思います。
トンネル出口の白飛びもかなり手前から補正が効いている印象です。
安全運転支援機能の比較
この3モデルともに何かしらの安全運転支援機能を搭載していますが、「f530g」は車線逸脱、「DRV-610」は出発遅延、前方衝突、車線逸脱、「GoSafe 520」は速度制限標識、出発遅延、ライト点灯、ドライバー疲労の4つとなっています。
車線逸脱警報は「f530g」、「DRV-610」ともに精度が今一つ、「DRV-610」の出発遅延、前方衝突も反応して欲しい時に反応しない、しなくて良い時に反応するなど、まだまだ改善の余地が見られます。
「GoSafe 520」の方は試していませんが、「GoSafe S30 PRO」の方では比較的精度が高い印象でしたので、それ以上の精度であれば、かなり実用的になると思います。
※実際に試した結果、昼間は7~8割程度の確率で反応してくれますので、実用性は極めて高いです。
流石に夜はほとんど読みませんが、この辺りは仕方のない部分でしょう。
「あれ?ここ広いけど制限速度40kmなの」というシチュエーションもしばしば・・・。
駐車監視について
メーカー保証で対応できるmicroSDカードは「DRV-610」のみ128GBまで、「f530g」と「GoSafe 520」は32GBまでとなっていますが、今までの経験上、128GBまで何らかの方法で使用出来なかったドライブレコーダーはありませんので、この点はどうにかなるのではないかと思います。
※SanDisk、TOSHIBA、Transcend、Teamの128GB、microSDカードを「I-O DATA ハードディスクフォーマッタ」にてFAT32形式でフォーマットし、起動・録画が確認出来ました。
■ ドライブレコーダー用「64~128GBのmicroSDXC」カードにおすすめのFAT32フォーマッター
「GoSafe 520」を実際に使用してみてのレビュー
画質はヤバいレベル
「GoSafe 520」を実際に使用してみたのですが、画質がかなりヤバいレベルです。
「DRV-610」はともかく、今までハイレベルだと思っていた「f530g」をあらゆる面で凌駕しています。
6層ガラスレンズのおかげなのかどうなのかは分かりませんが、あらゆるシチュエーションで「GoSafe 520」の方がくっきり、ハッキリ映っています。
例えば昼間の標識などの文字認識だと・・・
※なるべく大きな画面で解像度を上げてみた方が違いが分かります。
建物の外壁の細かい凹凸や模様まできっちり拾っているのが分かりますか?
スマホサイズだと違いが分かりにくいかも知れませんが、27インチ4Kディスプレイで見ると「GoSafe 520」の動画が断然綺麗です。
昼間よりも、夕方や夜の方が違いが分かり易いのですが、「GoSafe 520」をスタンダードに考えて行くと、「DRV-610」~暗い、見づらい、「f530g」~明るいが滲む、雑な感じがする、という風に感じます。
Youtubeでも最近は4Kまでの動画を扱えるようになっているので、4Kで上げている動画も多いのですが、パソコンのフルスクリーンで再生するとかなりの差が感じられます。(スマホだとこの細かさと滑らかさは体感できないと思いますが・・・)
「GoSafe 520」はくっきり映っているだけでなく、動画もヌルヌル動く感じですね。
夜間も同様に「GoSafe 520」が一番見易く、標識なども読み取り易いです。
分割だと細かさや滑らかさが伝わりづらいので、全画面の切り替え仕様と分割仕様の動画を用意しています。
以上の動画を見て頂いて伝われば良いとおもいますが、画質の面では「GoSafe 520」があらゆるシチュエーションでダントツで良いです。
夜間のにじみが少ないのは、やはりガラス6層レンズの恩恵を受けているのでしょう。
今まで10種機種のドライブレコーダーを使用していますが、「GoSafe 520」の画質は一言で表現すると「ヤバい」あるいは、「スゴい」という言葉がピッタリです。
HPの「f520g」「f530g」は個人的にはかなり画像が良いと感じていたので、景色を撮影する時にはこれらのモデルを使用していた事が多かったのですが、今後は「GoSafe 520」がプライベート用のメイン機種になると思います。
なお、当機の画質については以下のモデルとも比較を行っています。
水平視野角は「f530g」と同レベル
「GoSafe 520」の水平視野角は「f530g」よりもほんの少しだけ狭く、「DRV-610」よりもやや広いと言った感じです。
ただし、「f530g」や「DRV-610」が画面の端を魚眼レンズのように円形に歪ませているのに対して、「GoSafe 520」は真っすぐになっていますので、こちらの方がよりリアルに近い映像と言えます。
液晶画面の大きさと操作性
液晶画面は3.0インチと、ドライブレコーダーとしてはかなり大きい方です。(写真左側)
録画された動画もさることながら、この液晶自体も明るく発色が良いので、かなり綺麗に映ります。
「DRV-610」よりも一回り大きく、液晶の映像も綺麗と言った感じです。
【DRV-610】
操作性に関しては、操作系のボタンが全て前面にある為、非常に押しやすく分かり易いのが特徴です。
(RV-610はボタンがサイドの為、よく押し間違える)
また、電源ケーブルの端子が直線タイプで、本体上部に電源差し込み口がありますので、配線の取り回しは割とスッキリさせられます。
マウントが吸盤タイプなので設置位置の微調整や、他の車への移設も簡単で良いと思いますが、マウントがもう少しスリムで細い物であれば、なお良しと言ったところです。(吸盤が黒なのは良いところだが、マウントがちょっとごつい)
駐車監視について
モーションセンサーにより駐車監視については、車の往来だけでなく、目の前を人が横切れば即座に反応します。
1分間変化が無ければ録画を終了しますが、録画中に動きがある場合は動画を途切れさせる事無く、録画を継続します。
感度がかなり高いので、車や人通りが激しい場所では実質的には録画しっ放しになる可能性がありますが、この辺りは止むを得ないところでしょう。
「GoSafe 520」の取付(常時電源ケーブル)
このモデルは専用の常時電源ケーブル「A-JP-RVC-1」が使用可能です。
※こちらの記事からの引用 パパゴのドライブレコーダー
モーションセンサーによる駐車監視を行うモデルのうち、「GoSafe 350」以外のモデルは全て専用ケーブルA-JP-RVC-1による常時給電が必要になります。
このケーブルは車のバッテリーの残量が減り、電圧が一定以下に下がると自動で給電を停止してバッテリー上がりを防止する機能を持っています。
また、電源はヒューズボックスから取る形になりますが、使用するヒューズスロットの形状に合わせて、このようなヒューズ型給電ケーブルが必要になります。
エーモン E512 ミニ平型ヒューズ電源 15Aヒューズ交換用
常時給電ケーブルの接続手順
では、常時電源ケーブルの接続手順について、流れに沿って説明します。
ヒューズボックスを探す
まず最初に、ドライブレコーダーを設置する車の説明書を用意して、メンテナンス系のヒューズ交換についての項目を探します。
ヒューズボックスの位置と、各スロットルに刺さっているヒューズの役割とアンペア数が記載されている表がある筈です。
では実際にヒューズボックスを探してみて下さい。(説明書通りに)
実際のヒューズボックスはこのようなものです。
どの回路から電源をとるか決める
次に、説明書の表を見ながら常時通電している回路を探します。(車にキーを挿さなくても通電している回路)
この場合は「ラジオ/ルームランプ」「ホーン/非常点滅等」などがそれに当たります。
どちらから取っても良いのですが、ハザードランプを点滅させた時にそれに合わせて電圧が変化するとドライブレコーダーの映像にノイズが入りそうですので、今回は「ラジオ/ルームランプ」から給電する事にします。
ヒューズを抜いてアンペア数と種類を確認する
では「ラジオ/ルームランプ」の系統のヒューズを抜いてみましょう。
場所は説明書とヒューズボックスを見比べて確認します。
この場合は17番なのでここです。
ヒューズボックスには、ヒューズを抜く為の専用のクリップが備え付けられている筈ですが、見つからなければラジオペンチなどでも全く問題ありません。
この形のヒューズはミニ平型と呼ばれています。
「15Aのミニ平型」ですね。
アンペア数は説明書とヒューズ本体に掛かれていますが、これ以外にも「平型」「低背」の2タイプがあります。
ミニ平型 平型 低背 ヒューズの形 ヒューズ電源10A
ミニ平型ヒューズ電源 10A 平型ヒューズ電源 10A
低背ヒューズ電源 10A
ヒューズ電源15A
ミニ平型ヒューズ電源 15A 平型ヒューズ電源 15A 低背ヒューズ電源15A ヒューズ電源20A
ミニ平型ヒューズ電源 20A 平型ヒューズ電源 20A 低背ヒューズ電源 20A 必要になるのは、抜いた物と同じ形で同じアンペア数のヒューズ電源です。
ヒューズ電源を挿してボディーアースする
手配したヒューズ電源を挿したら、常時電源ケーブルの赤い方のプラスの端子をヒューズ電源に接続します。
次にマイナス側を車の金属部分にアースします。
ボディーアースは、車のボディに刺さっているボルトならどれもOKです。
【ボディアースの例】
本体に接続して動作確認
パパゴのドライブレコーダーの駐車監視モードは、常時通電している状態から手動で設定画面から「動体検知」を起動させます。
通常録画に戻す時には設定画面から、「動体検知」をオフにします。
機種によってボタンの配置やメニューの順番が違いますが、基本操作はほとんど共通です。
「GoSafe 520」の総評
アメリカのアマゾンでは「f520g」(f530gは販売されていないが中身は同じ)よりも「GoSafe 520」の方が3倍近くの評価がされていて、評価も高いです。
実際に「GoSafe 520」を使用してみた結果、画質の面では「f530g」を圧倒しているという印象を受けました。
にじみが少ない、文字の認識レベルが高いという点は証拠能力に直結しますので、好みの問題ではなく単純にドライブレコーダーとしての基本性能が優れているというべきかと思います。
それだけでなく、「2560×1080」のウルトラワイドを搭載しつつ、景色の色調や明暗の差をしっかり捉えていますので、趣味としてドライブの動画を撮影したり、Youtubeへの動画の投稿に対しても向いていると言えます。
GPSアンテナは搭載していないのですが、それを差し引いても基本性能が素晴らしいので、高画質なドライブレコーダーを探している人は「f530g」よりも「GoSafe 520」をおすすめします。
安全運転支援機能についても、速度標識の読み取り精度が高いのでかなり実用的ではないかと思います。
西日本LED対応ファームウェアアップデート
パパゴジャパンより、「GoSafe 520/268/110」の西日本LED信号対応アップデートがリリースされています。
出荷のロットにより西日本LED信号に対応しているもの、していないものがありますので全ての個体が該当する訳ではありません。
手順書が同じページにありますのでその通りにやってみました。
「GoSafe 520」のファームウェアアップデート手順
1⃣まずは手持ちの「GoSafe 520」のファームウェアのバージョンを確認(Ver.1014以降であればアップデートは不要)
2⃣zipファイルをダウンロードします。
3⃣このファイルを解凍(Windows 10であれば右クリック➡「全て展開」)すると「GS520_V1014」というフォルダが作成されます。
4⃣「GS520_V1014」の中に「firmware.bin」というファイルがありますので、microSDカードをパソコンに繋いでその中に「firmware.bin」を入れます。
5⃣microSDカードをドライブレコーダー本体に挿して電源を入れると「ファームウェアのアップデート」というメニューが出ますので、矢印キーの▼をおして「確定」を赤文字にします。
6⃣「確定」が赤文字の状態で「OK」ボタンを押すと更新が始まり、完了すると再起動します。
7⃣設定が工場出荷状態に戻っていますので、各種設定を行います。
8⃣バージョンを確認して「Ver.1014」になっていれば無事終了です。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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