


こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
VANTRUEの「Element 2」は、2022~2023年向けのVANTRUE新規格のWiFi対応2カメラドライブレコーダーですが、2.5Kの高解像度モデルでナンバー認識精度も高いのが特徴ですので、この製品による駐車監視を検討されている方も多いでしょう。
そこでこの記事では「Element 2」で駐車監視をされる方向けに、「Element 2」の駐車監視の仕組みと使い方について解説します。
「Element 2」の駐車監視モードの仕組み
一般的なドライブレコーダーの駐車監視モードは、コムテックの「ZDR035」のようにエンジンのON/OFFを電流の流れによって検知して、駐車監視モードへの出入りを行いますが、「S2」と合わせて発売された、以下記事のVANTRUEとしては初の3芯ケーブルを使用する事で、「Element 2」を含む多くのVANTRUEドラレコも同様の動作を行う事になりました。

一方でこのケーブルを使わずに旧型の2芯ケーブル、「Element 2」付属のシガーケーブルで常時給電した場合にも、以下のような条件で駐車監視モードの開始・終了を行います。
「Element 2」の駐車監視モードの録画方式は次のエンジンのON/OFFに連動する自動切り替えの4つのモードからの選択式となります。
なお、衝撃検知のみの録画モードは、衝撃を検知してから数秒後の本体起動となり、低ビットレートモードでは録画画質が落ちてしまいますのでおすすめしません。
※衝撃検知モードの待機中の消費電力は0.1~0.2W程度
また、動体検知については周囲の明るさなどの条件による不確実性が残ります。
従って駐車監視を行う際には原則としてタイムラプスでの運用をおすすめします。
駐車監視キャンセル後の待機電力
VANTRUEのドライブレコーダーは、駐車監視の設定をOFFにしてエンジンOFF、または手動でドラレコをシャットダウンした場合にも、微電流が流れる仕様です。
この微電流は0.1~0.2Wの待機電力消費しますので、24時間で2.4~4.8Wh、7日では16.8~33.6Whの電力を消費する計算です。(iZONEでカットオフした場合、0.01Wの待機電力になります)
※車のバッテリーの容量は300~600Wh程度
「Element 2」の駐車監視行う為に必要な手順
「Element 2」で外部バッテリーを使わずに駐車監視を行う場合には、こちらのOPの赤・黄・黒の駐車監視用3芯ケーブルが必要です。
このケーブルの
に接続する事で、「Element 2」に常時電力が供給され、駐車監視モードの設定で「オフ」以外のメニューを選択しておくと、エンジンOFFに連動して選択したモードに切り替わります。

駐車監視用3芯ケーブルの取り付け方法
このケーブルにはこのように4種類のダブルヒューズが同梱されています。
このダブルヒューズのうち、自分の車に使われているヒューズと同じ形のものを選んで既存の常時電源ヒューズと差し替えますが、その際に車両側に挿さっていたヒューズはこのようにケーブルの下段スロットに挿し込みます。
なお、付属のケーブルのダブルヒューズをスロットに挿しこむ際には、必ずスロットの電流の流れを確認し、このような向きで取り付けます。
スロット電極のIN側(+)が「Element 2」に繋ぐケーブルが生えてない方です。
この挿し方とする事で、車両側の電装品に流れる電流はもともと車に使われていたヒューズに流れ、「Element 2」に使われる電流はケーブル付属のヒューズを流れて「Element 2」に向かいます。
もし、このヒューズの向きを間違えて、スロットのIN側(+)にケーブルがある方を挿してしまった場合にはこのような電流の流れになります。
もともと車両に挿さっていたヒューズに、一旦全ての電流が流れてからその後に車両側と「Element 2」のヒューズに分岐しますので、もともと車両に挿さっていたヒューズが切れ易くなりますのでくれぐれもヒューズの向きには注意しましょう。
アクセサリーヒューズに繋ぐ黄色のACC線は、何故かミニ平型のヒューズが付いていますが、容量が分かりません。
従って切断してギボシ処理を行い、エーモンなどの市販のヒューズケーブルを使用する方法を推奨します。
タイムラプスモードによる駐車監視の運用手順
タイムラプスモードによる駐車監視を行う場合には、駐車監視の設定から「タイムラプス録画」、1fps/5fps/10fps/15fpsのフレームレートを選択します。
録画データのサイズは、それぞれ以下の通りとなります。
25%はイベント録画用に割り当てられているようなので、5fpsのタイムラプスモードで256GBのカードに録画をする場合には78時間、512GBであれば156時間分のデータが保存できる計算です。
一度モードを選択しておくと以降は5分間の無振動を検知した事で、エンジンがOFFになったと判断し、自動でこのタイムラプスモードに切り替わるようになります。
または、手動で強制的に駐車監視モードを起動させる場合には筐体下側面のボタンを長押しします。
駐車監視モードに切り替わると一定時間ディスプレイにアイコンが表示され、その後にディスプレが消え、緑のLEDは点滅状態を維持します。
駐車監視モード中には、衝撃検知によるイベント録画は行いませんが、ドアの開閉程度の振動を検知すると、常時録画に戻り、5分間は常時録画を継続します。
駐車監視データ、常時録画データとも、こちらのNORMALフォルダに保存されますが…
駐車監視ファイルはファイル名の最後に「P」、常時録画ファイルは「N」と表示されますので、異常があった際の動画の確認は比較的容易ではないかと思います。
タイムラプスモードで録画を行う場合には、1fpsは1秒に1コマ撮影、5fpsは5コマ撮影したものを1秒27.5コマの27.5fpsの動画として保存します。
従って動画再生時には1fpsは27.5倍速、5fpsは5倍速の映像として再生されます。
通常の場合、車に乗り込む際のドアの開閉で駐車監視モードは解除されますが、万が一解除されなくても、エンジンを掛けて車を動かすと一定時間で走行時の常時録画モードに戻ります。
※手動で強制的に駐車監視モードを解除するには、筐体下側面の左のボタンを短押しします。
駐車監視をせず、ドラレコを強制シャットダウンさせる場合の操作
駐車監視の設定をONにしてある場合には、外出先などでエンジンをOFFにすると自動で駐車監視モードに入りますので便利ですが、自宅駐車場で駐車監視をしない場合にはエンジンをOFFにする前後に電源ボタンを長押しする事で、駐車監視をキャンセルしてドラレコをシャットダウンする事が出来ます。
※駐車監視キャンセル後の待機電力
VANTRUEのドライブレコーダーは、駐車監視の設定をOFFにしてエンジンOFF、または手動でドラレコをシャットダウンした場合にも、微電流が流れる仕様です。
この微電流は0.1~0.2Wの待機電力消費しますので、24時間で2.4~4.8Wh、7日では16.8~33.6Whの電力を消費する計算です。(iZONEでカットオフした場合、0.01Wの待機電力になります)
※車のバッテリーの容量は300~600Wh程度
このボタンを押し忘れると自宅駐車場でも延々と駐車監視を行い、無駄にバッテリーを傷める事になります。
その都度電源ボタンでの操作が面倒だ、という方には、こちらの「iZONE」との併用がおすすめです。
「iZONE」に自宅などの駐車監視が必要ない場所を登録しておくと、、「Element 2」の駐車監視の設定がONであっても、その場所ではエンジンをOFFにすると自動的に電源が落ちるようになります。

各モードでのmicroSDカードへの保存データサイズ
microSDカードは最大で512GBまでがサポートされていますが、手持ちのこちらの512GBカードでは1時間以上の録画と再生に異常は見られませんでした。
※データサイズが4K相当なので4K対応のU3規格でないとエラーが出る可能性があります。
※おすすめは5fps、録画データサイズは1分当たり36MB、1時間当たり2.2GB程度となります。
25%はイベント録画用に割り当てられているようなので、5fpsのタイムラプスモードで256GBのカードに録画をする場合には78時間、512GBであれば156時間分のデータが保存できる計算です。
駐車監視の消費電力
「Element 2」のタイムラプスモードでの消費電力の計測結果はこちらの通りでした。
外部電源を使用した駐車監視
上述の消費電力から、ドラレコ専用の急速充電バッテリー「iCELL」ではこちらのような駆動時間の予測となります。(タイムラプスモードの3.1Wでシミュレーション)
型番 | B6A | B12A | B40A |
---|---|---|---|
容量 | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 22時間 | 44時間 | 122時間 |
満充電 | 50分 | 100分 | 150分 |
iCELLと「Element 2」との取り付け方法は本来はこちらの3芯ケーブルパターンが該当します。
ただし、LaBoon!!では3芯ケーブルを使用しない方法での接続を推奨します。(降圧ケーブルのカットオフ機構が邪魔になる為)
この図のようにエーモンのシガーソケットと「Element 2」付属のシガープラグケーブルを組み合わせて接続します。
②「iCELL」OUT黄線~ソケットケーブルの+側に接続
③「iCELL」OUT黒線~ソケットケーブルの-アース側に接続
iZONEとの接続方法
「iZONE」との接続の際には以下のように指定の駐車監視用ケーブルを使用します。(外部電源なしの場合)

「iCELL」、「iZONE」との組合せ
「iCELL」、「iZONE」との組み合わせの場合には、「Element 2」付属のシガーケーブルとエーモンのシガーソケットを組み合わせます。

まとめ
以上、「Element 2」の駐車監視モードの使い方、取り付け・設定方法について解説しました。
「Element 2」のレビュー本編についてはこちらの記事をご参照下さい。

コメント
omi様
貴サイト普段より参考にさせていただいております。
さて、駐車監視中に衝撃検知や動体検知などした際、
次回通常録画画開始やACC起動時にそれがあった旨を通知してくれるドラレコメーカーはどの程度あるのでしょうか?
意外にないような気がしています。コムテックはあったような。vantrueもあるといいのですが。(あと本体での駐車録画時間設定)
omi様のおわかりになる範囲でご教示いただければ幸いです。
Q50s様
コムテックは以前からほぼ全搭載、セルスターは最新モデルなら全搭載していたように思います。
中国系はほぼ非対応ですね。
個別の製品に関しては、リスト化していませんのでLaBoon!!の検索窓で「駐車監視の使い方」と入力して調べて頂けると助かります。
omi様
いつも拝見しております。
先日、VANTRUE E2を購入し取り付けようと思っておりますが週末にしか乗らない為、バッテリー上がり等が気になります。
自宅ではさほど駐車監視は要らないと思いますが、出先では必要と感じております。やはり降圧ケーブルだけで運用するよりiZONEでの運用の方がいいのでしょうか?
外部電源は今は考えておりません。
s660様
手動で電源をOFFにするのは、私は面倒だと思っています。(感じ方には個人差があると思います)
面倒だ、と言う声が多かったのでiZONEを作りました。
omi様
返信ありがとうございます。
取り付けの際は降圧ケーブル3芯と電源直結ケーブル2芯?どちらなのでしょうか?そこからiZONEに接続し、ヤフオク等で販売しているオプションカプラーからACC.BATT取るのでしょうか?
エーモンのシガーソケットを購入しましたが使用しないのでしょうか?
質問ばかりで申し訳ありません。
s660様
E2だと2芯、3芯どちらも使えるみたいですね。
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iZONEと組み合わせる前提なら2芯で問題ないです。
2芯の場合、このように接続して下さい。
https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2022/04/2022y04m22d_191833592.jpg
>エーモンのシガーソケットを購入しましたが使用しないのでしょうか?
※このケースではシガーソケットは使いません
omi様返信ありがとうございます。
iZONEを使用する場合は降圧ケーブル(VANTRUE 直結電源ケーブル ドライブレコーダー用 Type-C ポート 3芯常時電源ケーブル ACC連動 タイマー設定 低電圧保護 アイドリング対策品 )にiZONEを繋いで電源からヤフオク等で販売されているオプションカプラーでそれぞれのACC、BATTに繋ぐのでしょうか?
エーモンのシガーソケットを購入しましたが使用しないのでしょうか?
質問ばかりで申し訳ありません。
s660様
1.iZONEには電圧カットオフ機能がありませんので、降圧ケーブルが必要です。(このケースではシガーソケットは使いません)
2.iZONEのIN側はヒューズ、またはオプションカプラーを使用してこのように接続して下さい。
https://car-accessory-news.com/wp-content/uploads/2022/04/2022y04m22d_190159253.jpg
omi様
書き込み出来ていないと勘違いをし2回同じような事を書いてしまい申し訳ありません。
3芯の方を購入します。
あとiZONE使用時は完全に電気を止めれてるのでしょうか?
E2のページでVANTRUEは少量の待機電力が流れているとの記事がありましたので…
s660様
E2は電源をOFFにしてもこの微電流は0.1~0.2Wの待機電力消費しますので、24時間で2.4~4.8Wh、7日では16.8~33.6Whの電力を消費する計算です。
※iZONEでカットオフした場合、その1/10の0.01Wの待機電力になります
omi様
返信ありがとうございます。
紹介していただいた2つのケーブルで取り付けした際にケーブルにより違いなどありますでしょうか?
s660様
3芯と2芯はこちらに違いが書いてあります。
https://car-accessory-news.com/e2-parking/#toc1