「T800」70maiの実機レビューと評価 2025年向けハイエンドドラレコ 前後4K+室内FHD

5.0

※2025年11月17日更新:実機レビューを追記

こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

ここ数年間で中華メーカーのドラレコはVANTRUE製品が最も性能や多様性の面で業界をリードしていると感じていましたが、最近では70maiが「A810」「A800SE」などの高画質ドラレコをリリースし、その勢力図が変わろうとしてるいます。

廉価モデルの「A800SE」はイマイチな部分もありますが、「A810」は4Kモデルとしては画質の面では業界最高峰、ただし録画視野角の面で3カメラ以上の製品には及ばずとの評価でした。

そこで今回登場したのが、録画視野角の欠点を補う為に3カメラ化しつつ、前後カメラを4Kとした「T800」です。

私はリアカメラのナンバー認識精度はそれほど重要視しておらず、その部分のリソースを他の機能・性能に回すべきとの考えを持っていますが(マージンを多く取る日本メーカーはどこもその考え)、同社の「A810」、「A800SE」のフロント4Kカメラの画質を見る限り、VANTRUEの競合モデルの画質を超える可能性が大きいと感じています。

そこでこの記事では10月中のVANTRUE製品との比較レビューを前提に「T800」の製品概要について解説します。

「T800」のスペックと特徴

「T800」のスペックは以下の表の通りです。

T800
25.08?発売
フロント:3840×2160/25fps?
リア:3840×2160/25fps?
インナー:1920×1080/25fps?
LED信号対応不明
レンズ視野角
前:対角146°
後:対角146°
中:対角147°
リアカメラケーブル6m
延長ケーブル3.5m
microSD付属512GB/最大512GB
GPS対応
駐車監視モード
タイムラプス?/衝撃検知
専用ケーブルはOP
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

イメージセンサーは前後カメラのみ800万画素のSONY STARVIS 2対応のIMX678、インナーカメラは未表記となります。

※私の知る限り、STARVIS 2センサーの3CH化に必要なプログラムがSONY側から配布されていない為、STARVIS 2×3CHは現在のところ不可

レンズ視野角が3CHとも対角146~147°との事ですので、水平録画視野角は110°~120°程度になろうかと思います。

インナーカメラの録画視野角は、水平140°~150°程度ないと前席のサイドガラスが半分程度しか映らない為、録画視野角の面ではまだVANTRUEのN5Sにアドバンテージがありそうです。

駐車監視については詳しい説明がありませんが、おそらく「A800SE」と同様の衝撃検知、タイムラプスに対応していると考えられます。

保証期間が3年となっていますので、そろそろVANTRUEも考えるべき時に来ていると感じます。

セット内容とデザイン

今回は「T800」のサンプルを購入し、実機レビューを行いました。

セット内容についてはこちらの通りとなります。

・フロントカメラ筐体
・リアカメラ
・リアカメラ中継ケーブル(6m)
・Type C USB電源ケーブル
・シガーチャージャー
・512GBのmicroSD
・その他取付用品
・取扱説明書

フロント筐体

フロント筐体は正面に液晶ディスプレイと4ボタン配置

向かって左サイドに電源ボタン

右サイドにリアカメラ端子・Type C電源端子・microSDカードスロットが装備されています。

レンズ部分は上下のみの可動範囲、板型のマウントはスライド脱着が可能です。

リアカメラ

リアカメラはレンズが180°回転するスタンダードな円筒型

ケーブルは6mのType C

ミニバンなどの場合にはリアカメラケーブルを車両の上側に這わせる必要があるでしょう。

電源ケーブル

付属の電源ケーブルはType A to C+シガーチャージャーです。

WiFiアプリについて

WiFi通信については2.4/5.2GHz帯で技適認証が受けられているようです。

WiFi機能については、設定から自動開放・手動開放の切り替えが可能です。

全てのメニュー設定がアプリから変更出来る為、使い勝手は良いと感じました。

 

車内への取付けについて

今回はVANTRUEの「N4 Pro S」が設置されているMR-Sに「T800」の取り付けを行いました。

※レンズが右側なので本来は助手席側に付けたいところですが、既に「N4 Pro S」が設置されているため、この位置としました。

一般的なドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。

【保存版】自分で前後2カメラドライブレコーダーを取り付ける方法について解説
※2021年6月7日更新~最新の情勢に合わせて全面的に内容を見直しました。一部車種に関しては以下に解説記事へのリンクあります。■ アルファード【30系】の2カメラドラレコ取り付け方法■ アクア【初代】の2カメラドラレコ取り付け方法■ S66...

ドライブレコーダーとしての画質について

ドライブレコーダーの画質については、3つのカメラの映像を「T800」と同様にフロント4K画質である3CHのVANTRUE「N4 Pro S」と比較しました。

比較ポイントはこちらの通りです。

・録画視野角
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ

録画視野角について

「T800」の録画視野角はこちらの通りでした。

フロントカメラは一般的なドラレコと比較するとやや広めの水平122°。

【前】

MR-Sはオープンカーですので、「N4 Pro」のリアカメラは車外のリアスポ下に設置しています。

そのため、視野角の単純な比較は出来ませんでしたが、当然ながらリアガラスに取り付けた方が後方視野の範囲が広がります。

【後】

【中】

インナーカメラは「N4 Pro S」よりは広めの水平135°ですが、これでもサイドは映らなない部分がかなり多いので、視野角重視の場合には「N5S」「E360」をおすすめします。

逆光補正能力について

トンネル内での逆光補正能力は、現行の各社のドラレコと比べても秀逸で「N4 Pro S」よりも若干高めです。

【前】

【後】

【中】

ナンバー読み取り精度について

「T800」、「N4 Pro S」とも、フロントカメラの録画解像度は4Kですが、4Kなりの精細感の高さが確認出来ました

【前】

特に対向車のナンバーのにじみが少なく、「N4 Pro S」との差が大きく感じられます。

リアカメラについては、後続車のナンバー読み取りに大きな差はないものの、同様に対向車のナンバー認識に強いと言った印象です。

※「N4 Pro S」は2.5K、「T800」は4Kですが、「N4 Pro S」はリアスポ下に設置しているため後続車との距離が近く、後続車のナンバーは「N4 Pro S」の方が認識し易い。

【後】

夜間のヘッドライトが反射した状態のナンバー認識精度も同様に非常に高いものでした。

【前】

夜間の明るさについて

夜間の市街地での明るさは、「T800」は明るさが調整出来るVLC、「N4 Pro S」はVANTRUE VIEWERで補正した映像も合わせて比較しています。

【前】

【後】

フロントカメラ、リアカメラともVLCで補正した「T800」の方が限界値が高く、明るく補正する事が可能でした。(レンズ性能が高いため、ダイナミックレンジが広く低照度性能が高いと考えられる)

「T800」のインナーカメラは赤外線をオフに出来ないため、「N4 Pro S」も赤外線モードオンの設定で比較していますが、見え方に大きな差はありません。

街灯が少ない場所では補正後の明るさは特にフロントカメラで「N4 Pro S」を大きく上回っています。(やはりレンズの差かと…)

【前】

【後】

【中】

画質の面では「N4 Pro S」の上位互換と言える特性で、世代が一つ違うくらいの差がありました。

LED信号の同期について

「T800」のフレームレートは3カメラとも25fps/27.5fps/30fpsの選択式となっているようです。

メニューが間違っているため分かりにくいのですが、録画のリフレッシュレートを東日本であれば55/60、西日本であれば50/55に設定すればLED信号の同期はないと考えられます。

ドライブレコーダーのLED信号対策のまとめ
ドライブレコーダーでLED信号を撮影すると一定時間信号が消えて映らなくなる現象が問題視されて久しいですが、最近ではLED信号対策済みのモデルが主流となっていますね。因みにLED信号は常時点灯しているように見えますが、1秒間に100~120回...

動画のデータサイズとビットレートについて

1時間あたりの動画のデータサイズは以下の通りです。

  • 前カメラ:14.1GB
  • 中カメラ:5.6GB
  • 後カメラ:12.6GB
  • 3カメラ計:32.3GB

1フレームピクセル当たりのビットレート

  • 前カメラ:0.128bps
  • 中カメラ:0.202bps
  • 後カメラ:0.115bps

駐車監視について

「T800」の駐車監視については別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。

■「T800」の駐車監視の仕組みと使い方について解説

動画ファイルの再生方法について

動画の再生については以下の2つの方法をテストしました。

・スマホアプリでの再生
・PC汎用ビュワーでの再生

※PC用の専用ビュワーは見当たりませんでした。

PC汎用ビュワーでの再生について

PC汎用ビュワーでの再生については、Windows 10のメディアプレイヤー、OSにデフォルトで搭載されている「フォト」「映画&テレビ」、汎用ビュワーで明るさが調整出来る「VLC」での再生も可能でした。

スマホアプリでの再生について

スマホアプリでの再生についてはストリーミングとスマホのアプリ内、またはアルバムにダウンロードしてから再生する方法があります。

5GHz帯の接続ではストリーミング再生にカクツキは見られませんでした。

また、ダウンロードした動画を再生するとこのように走行軌跡が地図上に表示される仕様です。

 

今回はフロント4K/30fps撮影、動画ファイルの時間は3分に設定していたのですが、5GHz帯の接続では3分の動画のダウンロード時間は20秒程度でした。

 地デジへのノイズの影響について

地デジへのノイズ干渉に関しては、アルファード+サイバーナビの組み合わせで起動テストを行いましたが、フルセグがギリギリ映る場所で電源をオンにしても変化はありませんでした。

ラジオへの干渉も確認できませんでしたが、ノイズ干渉に関しては車種やカーナビ、アンテナの位置により影響が出る場合もありますので結果は参考程度に捉えて下さい。

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「T800」の総評

最後に「T800」の総評です。

画質の面では画質の面では「N4 Pro S」の上位互換と言える特性で、世代が一つ違うくらいの差がありました。

一方でメニューの日本語表記が分かりにくい事や、メニューの内容に一部誤りが見られるなど、雑な部分があるため、日本メーカーの製品に慣れている方はとっつきにくく感じる部分があるかと思います。

また、4カメラモデルや360°モデルに比べるとサイド方向の認識が弱いため、私自身はN5SかE360がドラレコとしての実用面ではよりバランスが取れていると感じますが、ナンバーの読み取り精度を重視する方には「T800」がおすすめと言えるでしょう。

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