※発売から1年経過していますが、ようやくRECO Classicを使用する機会を頂きましたので後半にレビュー報告を記載します。
ASUSは2015年8月からドライブレコーダー市場に参入してきた、タブレットやパソコンの周辺機器、マザーボードなどの老舗台湾メーカーです。
カタカナだと、「エイスース」と読みますが「アスース」と言っても大概の場合、意味が通じてしまうくらい有名です。
パソコンやタブレット関連の業界では知らない人はいないくらい、その実力は折り紙付きですので、初のドライブレコーダー市場参入という事でとりあえず試してみたくなる信頼性の高いメーカーです。
個人的にはASUS製のマザーボードを使用してパソコンを自作したり、ASUS製のタブレットやノートパソコンを使用している私にとっては、メーカーとしての印象はかなり良いです。
ハイエンドのRECO Classic Car Cam
ASUSが市場に投入してきた「RECO Classic Car Cam」は、現状のドライブレコーダー業界ではハイエンドに括られるスペックを持っています。
RECO Classic |
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15.08発売 |
1920×1080/30fps/HDR |
西日本ではLED信号同期 |
視野角対角140°(レンズ) |
付属microSD8GB |
microSD最大対応64GB |
常時/Gセンサー |
GPS外付け付属 |
駐車監視機能 |
動体検知 |
手動起動 |
専用ケーブルなし |
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解像度はもちろんフルハイビジョン対応で、逆光補正のHDRも搭載しています。
更にmicroSDは64GBまで対応していますので、長時間の録画にも耐えられますね。
このモデルは内蔵バッテリーと専用の常時ケーブルはないものの、モーションセンサー録画自体には対応している為、汎用品の常時ケーブルを使用する事で駐車監視が可能です。
水平視野角140°は魅力的
さて、このASUSの「RECO Classic Car Cam」ですが、水平視野角が飛びぬけて広いという特徴を持っています。
フルHDの解像度のドライブレコーダーの中では最大級の視野角です。
上の表で見比べて貰えれば一目瞭然の差ですが、視野角が広いという事は、横方向からの接触に強いという事です。
交差点で出合い頭に前方横から突っ込まれた場合などに、力を発揮してくれそうなスペックで、走行中の事故の状況を把握するドライブレコーダー本来の役割を徹底的に追求しているモデルと言えるでしょう。
実は西日本LED信号機にも対応している?
メーカーサイトには西日本LED信号機への対応については記載がないのですが、メーカーによると対応済みとの事です。
実際に実機で試してはいないのですが、後日検証する予定です。
※メーカー情報では西日本LEDに対応済みとの事でしたが、長野県にてテストしたところ、信号消灯の現象が確認されています。
メーカーによる西日本での撮影サンプルでは消灯状態はありませんのでしたので、サンプルのファーウェアの問題かも知れませんが、現在確認中です。
ソフトウェアも洗練されている
また、このモデルで関心したのは、ハードウェアだけでなくソフトウェアの部分も洗練されているという点です。
例えばHDRの処理ですが、かなり早め、強めに効いてくるにも関わらず、色合いが自然でノイズも少なく、昼・夕方・夜を問わず、安定的に明るく映っており、ハードウェアとソフトウェアのバランスが良く取れていると感じます。
また衝撃センサーによる録画については、通常録画を維持しながら衝撃前の30秒と衝撃後の30秒を別途保存する仕様となっていますので、なかなか使い勝手の良い仕様となっていると思います。
拡大時の精細感は標準レベル
文字などの認識精度は標準的なレベルです。
本来であれば視野角が広い分、通常のドライブレコーダーの1.3倍くらいの情報を録画していますので、拡大した時に文字がぼやけ易いのですが、ケンウッドの「KNA-DR350」と同程度の精細感を保っています。
駐車監視は汎用品の常時ケーブルで可能
残念ながら「RECO Classic Car Cam」はモーションセンサーを搭載していながら、内蔵バッテリーも専用の常時電源ケーブルもありません。
ただし、INBYTEのシガープラグタイプの常時ケーブル「FineSafer S」を使用する事で駐車監視が可能になります。(記事の最後にリンクを貼ります)
また、説明書やメーカーサイトには詳細が記載されていないのですが、モーションセンサーによる「動体検知モード」とは別に、「監視モード」というものもあり、この「監視モード」は一定時間動体を検知しない状態が続くと、1fpsの録画モードに切り替わり、動体を検知すると30fpsの通常のフレームレートで録画を行うモードです。
開始時は30fpsでの録画ですが、停車時と駐車時に1分間周囲の動きがなくなると1fpsの録画モードに入り、動きを検出すると30fpsの録画モードに戻ります。
停車時であればmicroSDカードの容量の節約、駐車時であれば動体検知の合間を補完する効果があります。
安全運転支援機能も搭載
更に、この「RECO Classic Car Cam」は、車線逸脱・前方衝突警報の2つの安全運転支援機能を搭載しています。
2つの警報とも時速60km以上で作動し、前方衝突警報については前方を走行する車両との車間距離が数mになると警報を発します。
日本の一般道は60キロ制限ですので、主に高速道路用の機能となります。
この機能はまだ試していないので後日追記します。
「RECO Classic Car Cam」の残念なポイント
性能・機能面では申し分ない「RECO Classic Car Cam」ですが、やはりメーカー指定の駐車監視用の常時ケーブルが発売されていないのが最大のマイナスポイントでしょう。
駐車監視用の常時ケーブルがない為、日本の公式サイトでは駐車監視を前提としていないような打ち出し方ですし(説明書に記載あり)、「監視モード」についても同様です。
「RECO Classic Car Cam」の総評
「RECO Classic Car Cam」の特徴を一言で表現すると、ハードウェアとソフトウェアのバランスが良く、高い次元でまとまっている、そつのないドライブレコーダーだと言えるでしょう。
フルHDで1万5千円程度の価格帯という事を考えると、かなりおすすめ出来るモデルではありますが、現状のドライブレコーダー市場自体が駐車監視ありきという方向性に変わって来ていますので、社外品の常時ケーブルを使用する点をどう評価するかがポイントかと思います。(使用する事に問題はないですが、自己責任となります)
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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