高いドライブレコーダーと安いトライブレコーダーは何が違うのか?

※2023年2月21日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

ドライブレコーダーを購入する際に、まずは予算感的な部分を考慮する方が多い事と思います。

また、従前より定期的に中華メーカーの激安ドラレコの評価についてご質問を頂いて言いますし、昨年来の円安の影響で、日本メーカーの製品と中華メーカーの製品の価格差がかなり広がっているように見えますので、この記事では改めて日本メーカーの製品が高い理由について解説します。

日本メーカーの製品が高い理由

コムテックやケンウッド、ユピテル、セルスターなどの国内の大手のドライブレコーダーは、amazonなどで販売されている中華メーカーの製品と比べると価格が高い傾向が強いですが、その主な理由として以下の5つが挙げられます。

・企画を日本で行い、独自企画となっている
・ネット販売の構成が低く、店頭との価格が大きく変わらないように配慮されている
・流通経路が複雑で中間流通マージンの割合が大きい
・製品のデバッグやサポートなどにコストを掛けている
・日本国内での法令を遵守し、スペック表記について第三者機関の定めるガイドラインに沿っている
・保証期間を長めに設定している

企画を日本で行い、独自企画である

製品の企画が独自である事を当たり前のように考えている方が多いかと思いますが、一部を除いて中国メーカーが販売する製品は独自性が薄いものが多い状況です。

それは中国内のドラレコの生産背景が強く影響している部分なのですが、中国メーカーのドラレコはそのほとんどがベースとなる基板、動画の処理をするCPU、レンズ、イメージセンサー、ケース、ディスプレイの構成を業界全体で共有しており、完全オリジナルな製品は、一部の規模の大きい専門メーカーしか作っていません。

BOTや自作のPCなどと近いものがあり、ドラレコ向けのパーツを集めて組み合わせるような生産方法が多いのが実情です。

例えば、このようにAlibabaなどで販売されているドラレコは、この構成ならうちでいくらで出来ますよ!とセールスしているものです。

AmazonでもAZDOMEから似たものが売られてますね。

Bitly

一方で日本メーカーに関しては、日本向けに企画と規格が独自で一から製品開発したものがほとんどとなっている為、オリジナリティは非常に高いものの、コスト面では圧倒的に不利になります。

ネット販売の構成が低い

日本メーカーのドライブレコーダーは、ネット販売以外もカー用品量販店、家電量販店、専門店、カーディーラーなど、販路が非常に多岐に渡り、ブランド力の維持の為にもある程度の価格統制は存在しています。

amazonなどで販売するものに関しては、一般販路と型番を変えて価格を落としていたりするものもありますが、最近の製品は生産コストも上がっている為に、高止まりしているものが多い様に思います。

一方で中国メーカーの製品は

・過去に他社のOEM生産を行っていた商社が自社ブランドを立ち上げて直接日本のamazonで販売しているケース
・過去に他社のOEM生産を行っていた工場が自社ブランドを立ち上げて直接日本のamazonで販売しているケース
・他の工場にOEM生産させた上で、自社ブランドをつけて日本のamazonで販売しているケース
・その他の業者が工場の企画製品を日本に輸入してamazonで販売しているケース

のいずれかに当てはまり、ほぼ100%がネット販売になります。

流通経路が複雑で中抜きが多い

日本メーカーのドライブレコーダーは、小売店までの間に卸しが介在するパターンが多く(規模が大きい小売は直で取引していると思います)、小売店側が利益を確保する為に価格が下がりにくいという背景があります。

一方で中国メーカーの製品はネット販売がほぼ100%ですので、中間の流通マージンが発生せず、価格は下がり易くなります。

デバッグやサポートなどにコストを掛けている

ドライブレコーダーを含む電子機器類は、日本国内で正常に動作するかどうかなどの動作チェックやプログラムのデバッグにある程度時間を掛けていますので、過去にテストしてきた限りでは初期不良やしょうもない動作不良は中国製品に比べて少ないように感じます。

※良く分からない業者が出品している格安ドラレコは、しょうもない動作不良がそこそこある

サポートに関してはほとんどの日本メーカーが電話窓口を設置しており、日本人スタッフが対応するのに対して、中国メーカーはメールで中国人スタッフとのやり取りのみになります。(日本に駐在員はいないので)

法令遵守やスペック表記の基準について

中国メーカーの製品で最も問題であると感じるのは、WiFiやBluetooth通信に対応している製品の技適認証の件です。

日本の電波法ではこれらの通信機能が搭載された電子機器を使用する場合、日本での使用基準を満たしている事を証明する「技適認証」を取得していなければ、そのガジェットでの通信は禁止されています。

販売は禁止されていませんが、通信機能の使用が禁止されており、違反したユーザーには罰則が科される可能性があります。

■ 総務省 電波利用ホームページ

技適マークが付いていない無線機を使用したらどうなりますか?

A:一部の無線機を除いて、技適マークが付いていない無線機を使用すると、電波法違反になる恐れがあります。

また、技適マークが付いていても無線局を開設するためには総務大臣の免許を受けなければならない無線機(アマチュア無線、パーソナル無線など)がありますので、使用には十分ご注意下さい。

(免許を受けずに無線局を開設若しくは運用した場合は電波法違反となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の対象となります。また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象となります。)

日本のメーカーではまず技適を通してない製品は販売されていないかと思いますが、中国メーカーの場合にはほとんどが技適未認証の製品を販売しています。

amazonでWiFiモデルを購入する場合には、セラーに技適の件について問い合わせた方が良いでしょう。法令に違反しようが気にしない方は個人の自由なので止めはしませんが、おすすめもしません。

 

また、中国メーカーのスペック表記についてですが、いくつか注意点があります。

・視野角
・解像度
・LED信号対策

視野角はグローバルではレンズ視野角を記載する

ドライブレコーダーのスペックの中で最も重要なのが、事故の際の幅広い範囲の証拠を抑える為の「録画視野角」です。

日本のメーカーは、実際に録画される視野角として「録画視野角」という表記項目を設けている事がほとんどですが、中国メーカーは「画角」などの表現で「レンズ視野角」を記載しています。

視野角170°と謳われているモデルでも、録画視野角は130°くらいしかないケースが多く、この数値を日本メーカーの「録画視野角」と比較してはいけません。

ドライブレコーダーの視野角は広いほどおすすめ!
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なんちゃって高解像度に注意

ドライブレコーダーの解像度とは、録画ファイルとして出力されるファイル解像度になります。

現状では「1920×1080」が主流ですが、「2560×1440」「3840×2160」などの高解像度のモデルもあります。

ただし、いくらファイルの解像度を上げても画像の元となるイメージセンサーの画素数が少なければ、ファイル容量だけ大きくなるというデメリットしかなくなります。

イメージセンサーが200万画素であれば「1920×1080」、400万だと「2560×1440」、800万だと「3840×2160」が高解像度出力のメリットをしっかり得られる目安となります。

200万画素のイメージセンサーで「2560×1440」、400万画素のイメージセンサーで「3840×2160」の高解像度を謳っている、なんちゃって高解像度モデルも存在しますので、「2560×1440」以上の解像度を謳っている製品については、イメージセンサーの画素数を確認した方が良いでしょう。

高いのと安いのは結局どちらがおすすめなの?

高いドライブレコーダーと安いドライブレコーダーのどちらがおすすめなのかは一概には言えませんので、個々のユーザーの知識や考え方次第かと思います。

とりあえず動けばいい、不良品に当たったら交換する手間も厭わない、もしくはまた買い直しても良い、と考えるなら安いものを試してみても良いのではないかと思います。

不良品の交換など、①出来るだけ面倒なことは避けたい、②分からないことはサポートに問い合わせたい、③ドライブレコーダーの事自体良く分からない、④出来るだけ手間を掛けずにドライブレコーダーを運用したい、と考えるならそこそこ価格は高くても日本のメーカーの製品を選んだ方良いでしょう。

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