※2022年10月11日更新:レーザー受信状況をテストしました。
こんにちは!Omiです。
ユピテルからユピテルの第4世代レーザー探知機構を搭載したレーダー探知機が発表されました。
2月に発売されているユピテルの2022年モデルのレーダー探知機は、旧機種のマップ更新版というマイナーチェンジモデルでしたが、今回発表されている製品はレーザー探知機構が第4世代にバージョンアップした、フルモデルチェンジモデルのようです。
「LS21」「GS1000」「A1000」「LS1000」「LS2000」「Z1000」「Z2000」の特徴
「GS1000」「A1000」「LS1000」「Z1000」は従来機では「LS330」などに当たる一体型モデル、「A2000」「Z2000」はレーザー・レーダー受信部とGPSアンテナを独立させたセパレートモデル、「LS21」はレーザー受信部だけを独立させた製品です。(型番が多いのは販路によって型番を変えている為)
いずれも2021~2022年モデルの第三世代と比べて、直線での探知距離は変わらないものの、水平方向の探知範囲が、従来の40°から60°まで広がったとの事です。
また、従来の一体型モデルでは通信機能を使う為にOPの無線LANカードを必要としていましたが、第四世代では無線LANモジュールが内蔵され、OPのカードが不要となりました。
これ以外のポイントに関しては従来機と同様で、私が最も期待していたコムテックの「ZERO 709/809LV」で実装されていた、Kバンドの誤報カット機能の実装は残念ながら見送られています。
第三世代までの評価のおさらい
今回発表されている第四世代の機種では、レーザーの探知視野が30°にアップしていますが、この改善を評価する前に第三世代の評価をおさらいしておきましょう。
直線での探知距離は600mオーバー
ユピテルレーザー探知モデルの第三世代では、直線においては600m台前半の探知距離を実現し、道路に勾配がない条件であれば、さらに長い探知距離が期待出来ます。
600m台の探知距離は、うっかりスピード違反に対する検挙を防ぐには必要充分なものである、と考えられますので、これ以上は直線探知距離を伸ばす必要性は薄いと考えています。
第三世代への脅威となる取締
第三世代までのレーザー探知機では、見通しの良い直線道路での取り締まりに対しては充分に対策出来ていると言えますが、次ようなケースが脅威となっていました。
【レーザー光が遮られ、受信部に当たらないケース】
【カーブの出口を目掛けて至近距離からレーザー光が照射されるケース】
このうち、「標識や電柱などによってレーザー光が遮られ、受信部に当たらないケース」では、受信部にレーザー光が当たっていない状態なので、受信部を増やして車両の左右に設置するなどの対策しか考えられません。
一方で「カーブの出口を目掛けて至近距離からレーザー光が照射される」ケースに関しては、「受信部の改良で探知距離が伸びるだろう」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、実はそうはなりません。
カーブ出口で探知距離が短くなる理由
カーブの出口で探知距離が短くなる事例としては、阪南の固定オービスでのテスト結果が最も分かり易い事例となります。
こちらの事例では、どのレーダー探知機もオービスまで100mを切った辺りで一斉に探知していますが、おそらくレーザーの照射範囲はこのようなものとなっていると考えられます。
探知機側の感度がどんなに優れていても、光が遮られていては検知出来ませんので、こちらも探知機側の感度や受信範囲の調整では対処不可能なケースです。
水平検知範囲を広げる事の効果
レーザー受信部の検知範囲を水平方向に広げた場合、どのようなメリットがあるかというと、このような斜め方向から飛んできたレーザーを受信出来る事が考えられます。
ただし、阪南の事例のようなコーナーの内側はブラインドになっている事が多く、私はこの改善はほとんど無意味なもので、取締りに対する実質的な探知距離は、従来モデルとほぼ変わらないだろうと予測しています。
※内側がブラインドではないコーナーでは、取締りがドライバーから丸見えです。
無線LANの搭載
従来のレーダー探知機のWiFi活用状況は、ユピテル・コムテックが別売の無線LANカードを要求し、セルスターのみがモジュール内蔵でした。
モジュールが内蔵される事で、価格がOPの無線LANカード以上に上がらなければ、これは最も堅実な改善であると言えそうです。
「LS1000」のセット内容とデザイン
今回は一体化モデルの「LS1000」を購入して実機テストを行いました。
セット内容はこちらの通りです。
・シガー電源ケーブル
・ダッシュボード用マウント
・フロントガラス用ステー
・取扱説明書
本体筐体
本体液晶筐は、正面からのぱっと見は従来の一体型と変わらないデザインのように見受けられます。
ただし、WiFiモジュールが内蔵された事でカードスロットはSDからmicroSDに変更されています。
背面のレイアウトも従来機と同様です。
天吊り用アンテナステー
レーザー対応モデルになってから、筐体をなるべく車両のセンター付近に寄せたい事情が出来てしまいましたので、これは嬉しい配慮ですね。
起動画面と音声のカスタマイズ
ユピテルのレーダー探知機は起動画面と警報音を任意の画像・音声にカスタマイズが可能です。
設定方法は以下記事にて解説しています。
センシス製固定式小型オービスでの警報の出方について
センシス製のKバンド24.1GHz帯を使用した小型オービスは可搬式と固定式の2種類が運用されていますが、狙ってテストが可能な固定式は埼玉県北本市と岐阜県大垣市の二箇所にしかありませんし今後も増える様子はありません。(従来のレーダー式オービス・ネズミ捕りのXバンドとは周波数が違います)
以下朝日新聞の記事に出ている小型オービスはは価格帯から予測して、東京航空計器のレーザー式ではなくセンシス製のKバンドレーダー式だと、オービス評論家の今井さんが解説してます。
今年度は未配備の山形、茨城、新潟、鳥取、山口、徳島、高知、鹿児島、沖縄の9県警に計10台を置く。すでに配備実績がある北海道や埼玉、千葉、岐阜、三重、大阪、兵庫、福岡、佐賀など18都道府県警にも計33台を追加する。費用は1台800万円ほどだ。
今回は埼玉県北本市にあるセンシス製の小型オービスで「TL311R」との探知距離の比較を行いました。
テスト車両は前回と同じく、NCロードスター、レーダーの警報設定はこちらの通りです。
撮影中にバイクがオービスを光らせてましたので、よく見てみて下さい。(バイクは前にナンバー付いてないので、お構いなしなんですかね)
結果はこちらの通りです。
前回までの他社製品のテスト結果と比較するとこのようになります。
なお、「TL311R」の受信距離が前回に比べて大幅に低下していますが、前回とテスト車両は変わらないものの、その他のガジェット類はこのように変更しています。
Kバンドの受信状況は車載機器の電磁波干渉を受けて極端に変動しますので、「TL311R」が不振だったのはノイズの影響を受けているからかも知れません。
レーザー式取締機の探知距離について
こちらは2022年9月のテスト実績です。
比較に使用した2機種
今回はこちらの2機種を使用してテストを行いました。
2022年発売の一体化モデル(ユピテルのレーザー探知モデルとしては第4世代)
2022年発売の一体型モデル(コムテック・ブリッツのレーザー探知モデルとしては第3世代)
こちらの4つのレーザー式固定オービスでのテストとなります。
・大阪府吹田市
・大阪府枚方市
・大阪府阪南市
※今回は各ポイントで1回のみの測定です。
車内のテスト環境
今回はNCロードスターでテストを行いました。機種配置はこちらの通りです。
レーザーの探知は電磁波による影響は受けないと考えていますので、電磁波を遮るアルミ板などは今回は設置していません。
また、固定オービスのGPS警報がならないようにレーダー探知機の設定を変更しています。
レーザー探知距離結果報告
テスト結果はこちらの通りです。
枚方のレーザー式固定オービス
枚方のオービスは手前が1km程度の直線ですので、前方がクリアな状態ではかなり手前から探知する事が出来る為、各製品の限界探知距離のチェックには最も適しています。
過去のテストではこのような結果が出ています。
しかしながら、今回はこのオービスは運用を休止していたようで、2台とも探知しませんでした。
おそらく、何れも600mを超える受信能力を備えているとは考えています。
豊中のレーザー式固定オービス
豊中のオービスは400m手前まで緩やかな左カーブが続き、その後はオービスまで直線になりますのでこちらは比較的早い段階での探知が可能でした。
何れも過去のテスト機種と大差ない結果です。(多少の誤差はあるので)
吹田のレーザー式固定オービス
こちらも豊中と似たようなシチュエーションで、左カーブを抜けた後に200m程度の直線となります。
ただし、3車線の道路を左右2つのレーザーでカバーしている為、カーブを抜ける手前から右側から飛んできたレーザーを探知可能です。
何れも過去のテスト機種と大差ない結果です。
阪南のレーザー式固定オービス
阪南のオービスは坂を下りながら100m手前付近まで続くカーブを抜けた先にあり、最も探知が困難となっています。
今回は雑草が邪魔で、いつもよりも探知距離が短くなっていました。
以下、過去の結果です。
対レーダー・レーザーの誤報の状況について
こちらは旧世代であるLS700/LS710と同等と考えられますので、敢えてテストはしませんが、誤報はかなり多い筈です。
「TL311R」では、10キロ当たり0.5回程度の誤報頻度でしたので、これは圧倒的な差です。
「LS1000」の総評
ユピテルの旧機種と比較すると無線LANモジュールが内蔵された為、追加のカードを必要とせず、動作も安定する傾向にあるようです。
一方でレーザー受信能力は既に旧世代で完成されたものとなっている上、ブリッツ製品と比べるとKバンドの誤報の多さがネックとなります。
なので、私はメインではユピテル製品ではなくブリッツ製品を使います。
ユピテルがブリッツ同様のKバンド誤報対策を実装するなら、ユピテル製品をメインで使いますが、どうもヤル気なさそうに見えますね。
やるなら2~3台分年会費払っても良いんだけどな…。
コメント
誤報カット機能が無いと食指が動きませんねぇ。
先日、久しぶりにLS700を設置した車を運転しましたが、なぜこんなところで?と思ったら、前方にマツダ車が。
普段、709LVを使用していると誤報が無いので。
LS700からブリッツの新型に買い換えようと思っているのですが、709LV並みなのかが気になります。
あと、ブリッツ純正の無線LANカードも品切れで、初期化アプリも提供されていないので。
水野様
個人的にはユピテルを推したい気分なのですけどね…。
ブリッツのは実は購入済みだったりします。
大阪には行きませんが、少し落ち着いたらKバンドの受信テストとコムテックのカードメーカーでどうにか出来ないか検証する予定です。
ユピテルで誤報カット性能が上がったら良いのですけどね。
ブリッツのテスト結果を楽しみにしています。
水野様
コムテック方式は何かやれない理由があるんですかね~。
レビューまでしばらくお待ちください。
LS720購入しようとしてましたが、A1000とLS21が発表されたので、待った方が良さそうですよね?
コースケ様
同じ価格ならA1000系のセパレートが良いと思います。
セパレートが出るまで待ちですね。
ユピテル社の同タイプのミラー型探知機を販売してほしいです。ミラー型はA530が最後ですね。レーザー探知機能がなくてもLS21を同時装着すれば問題ないですから。
ぱおすけ様
ユピテルはミラー型はやめる方向ですからね。
スマートミラーの普及などの影響もあって、ミラー型は利益が出るほど売れないのだと思います。
LS10使用していますが、LS21と何がちがうのですか?
かなり違う「ようなら、購入検討しますが。
おかぴー様
直線でのレーザー受信距離が少し違うと思います。(少しなので、買い替えは微妙に感じる)
https://car-accessory-news.com/car-radar-erabikata/#toc18
第二世代:LS10・LS700
第三世代:LS710
第四世代:LS21・A1000
この記事に書かれている理由から、第三世代と第四世代の受信距離はほとんど変わらないと思います。
omiさん、ありがとうございます。
現在AR-W81GAとLS10を使用していますが、これをA1000にみにするのはありですか?
おかぴー様
全然アリだと思います。
AR-W81GAってKバンド非対応機種ですよね?
レーザーよりもそこのメリットが大きいと思います。
Omiさん、ありがとうございます。
はい、AR-W81GAはKバンドもレーザーも非対応です。
ただA1000にするとOBDのケーブルを買わないといけないので、AR-W87LAを考えたのですがA1000の方がいいですか?
後、データー更新が有料なのが、きになりますが。
おかぴー様
セルスターの製品は直線でのレーザー受信距離が、他社と比べると明らかに短いので私はおすすめしてないです。
データ更新料については賛否があるので、最終的には個々のユーザーの好みですね。
omiさん。貴重な情報、いつもありがとうございます。ユピテルA1000ですが、ワンボディで吊り下げ用ステー(本体に対応するガイド)が付属して、フロント部に吊り下げ使用も可能になった様ですね。配線の簡便さもあり、将来、簡単に新機種(ワンボディ)に更新できることを考えて、この機種をフロント吊り下げで設置するのもアリでしょうか? それともやはり、受光部の理想的な設置を優先して、セパレート型が理想でしょうか。
northern様
車種によりますね。
吊り下げにしてレーザーの受信に問題がなさそうなら、吊り下げで一体型の吊り下げで良いと思います。
omi様
いつも有益なレポートをありがとうございます。
現在、乗り換え車の納車待ちでして、一連の半導体不足やらリコール騒ぎやらで納期がずるずる延びている状況です。
それはさておき、現在乗っている車に「A350α」を付けているのですが、車乗り換えに乗じて「A1000」にしようかと思っています。
ただメーカーではずっと品切れ中ですし、どうしようかと。
「A1000」に乗り換えはありでしょうか?
Tama*chang様
A350αはレーザー対応第一世代なので、乗り換えの価値はあると思いますよ。
第一世代とそれ以降では、レーザー探知距離に結構差がありました。
Omi様 いつも楽しく拝読・視聴させていただいてます。
移動式オービスも考え一体型ユピテル LS1000を購入してきました。背面にレーダー受信部があり、omi様の水平検知を参考にすると、なるべく中央寄りに吊り下げ、ガラス面にも近いほうが受信感度として良いのかな。と素人ながらに感じています。現在、実車にはユピテル GWR93sdが運転席右(皆様がよく取付するところ)に付いていますが普段、液晶を頻繁に活用することは少ないため吊り下げ式でも「液晶画面が見づらい程度」で安易に考えてしまっています。実車にレーダーブレーキはありません。omi様からみて、置き型と吊り下げで式で何かお感じになる点があれば ぜひご教示いただけると嬉しいです。
てっつー500様
私は液晶を吊り下げ設置はやらない派ですね(見えにくいので)
セパレートのアンテナだけを吊り下げる方式で運用してます。
この辺りは好みもあると思いますので、賛否がありそうですね。
相談です。
ポルシェ991エアコン吹き出し口の取付ステーを探しているのですが、ナビ男くんしか見つけられず。ナビ男くんはステー単品販売していないとの事ですので、どこかお薦めのステーあればご教示願います。宜しくお願い致します。
ノブさん様
汎用ステーに関しては詳しくないので良く分からないです。
amazonなどで探す、または既製品を加工するなどですかね。
お教えください。LS2000のセパレート型のアンテナ部分をダッシュボードの中などに隠して使用することは、レーザー探知にかなり支障が出ますでしょうか?
当方スポーツカーゆえ、モニターもアンテナ部分もなるべくダッシュボード上やガラス面には置きたくなく、モニター部分は、サンバイザーの袋状になっている部分にしまって、音だけで使用しております。
今までC552iというかなり古いセパレート機種のレーダー部分を同じような部分で使用し、特に問題なく使えていたのですが、今度の機種はレーザー探知がどうなるかわからずお教えいただければありがたいです。
ぽんぽこ2様
レーザー対応機はアンテナ部分にレーザー受信分が装備されているので、遮断したら全く受信しなくなりますよ。
https://car-accessory-news.com/radar-basyo/
ご返答のお礼遅くなってしまいました。ありがとうございます。
そうすると、今までのレーダー探知とは違って、レーザーはダッシュボードに使われてる素材は通さないということなのでしょうか?
ぽんぽこ2様
レーザーは光なので光を通さない物質はNGです。
いつも楽しく拝見しております!
一体型の天吊りが好みなので、今回のステー変更は嬉しいです♪
従来の底面から垂直に差し込む方法から、背面から水平に差し込む方法に変わったように見えますが、
ダッシュボード用ステーを天地逆に使っても、段差のショックで外れない程度の保持力はありそうでしょうか?
現状、GS303を上記方法で吊っていますが、溝を覆うようにテープを貼っても、段差の衝撃でしばしば落下します(^^;
硬い板をそれなりの面積で貼れば落下しないのですが、そうすると複数車両での使いまわしが…
コムテックのロック機構はありがたいです^_^
出張中なので手短に回答します。
結論としては可能だと思います。
かなり強固にロックされている感じです。
ユピテルのレーダー探知機が無線LAN搭載になったそうなのですが、もし、確認可能であれば、WiFi接続のパスワードに制限はありますか?
無線SDカードタイプはWiFi接続のパスワードが英数字のみで記号などがNGでしたが、内蔵になったことでWiFi接続のパスワードは記号等もOKになったのでしょうか・・・?
バラン様
こちらでは@a123456などのパスワードで接続出来ました。