実機レビュー「YK-2000」の評価 ユピテルから新型移動オービス「JMA-520」とKバンド識別警報対応のレーダー探知機

※2024年8月17日更新:実機レビューを追記しました。

こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

最近1年くらいで従来のレーダー探知機では受信出来ないとされる新周波数に対応した新型のレーダー式移動オービス「JMA-520」や、レーダーパト「JMA-401」に関する目撃情報の報告が増えているようですが、今回ユピテルからこれらの受信に対応したレーダー探知機「YK-3000」、「ZK3000」が発表されています。

今回発表されている2型番はレーダー&レーザー受信部のセパレート型ですが、最近のユピテルレーダー探知機は、セパレート型の先行発売→一体化モデルと言う流れが多くなっていますので、近い将来に一体化モデルも発表されると予測されます。

※後日、一体化モデル「YK-2000L」「YK-2000」「VK2000」「ZK2000」「YK-2000T」「YK-2000A」が追加発表されました。

現在、私は同社の2024年前期モデルの一体型モデル「A1200L」を複数の車で使い回していますが、夏モデルの一体化が発売され次第、機種入れ替えとレビューを行う予定です。

2024年後期モデルの特徴

2024年後期モデルでは、前期モデルの機能に加えて以下の4つの機能が追加されているようです。

・新型移動オービス「JMA-520」の電波を受信
・Kバンド受信性能が50%以上向上
・Kバンド識別による誤報切り分け機能
・エリア別の自動Kバンド感度切り替え機能

新型移動オービス「JMA-520」の電波を受信

新潟県警などで先行して導入されていた「JMA-520」は、2024年春モデルまでの各社のレーダー探知器では探知出来ないとされていましたが、後期モデルではこれに対応するそうです。

これは、新Kバンドで取締りを行うMSSSやレーザー式の移動オービスに対応したレーダー探知機が発売された時と同様に大きな差別化ポイントとなり、ブリッツ・セルスター製品が同機能を搭載しない限り、LaBoon!!としてはユピテル製品を一択でおすすめして行くでしょう。

Kバンド受信性能が50%以上向上

今回のモデルチェンジではレーダーモジュールとアンテナをバージョンアップした事で、Kバンド探知性能が従来機から50%アップしたとの事です。

ただし、「JMA-520」を探知する為にはKバンド識別機能を無効にしなければならないようですので、その状態では受信感度の上昇に伴い従来機よりも更にKバンドの誤報が増える恐れもあります。

Kバンド識別による誤報切り分け機能

従来のレーダー探知器では、コムテック・ブリッツ製品以外は、コカ・コーラ自販機のモーションセンサーや、マツダ車の後方ミリ波を識別する事が出来ず、誤警報を出しまくっていました。

今回のモデルチェンジでは、これらの電波を識別して警報しないようにする事が可能になったようです。

※実際に製品を使用してみた感じでは、電波を識別しているのではなくエリアを識別してKバンド受信機能をオン/オフに切り替えていると思われます

エリア別の自動Kバンド感度切り替え機能

今回のモデルチェンジでは、MSSSや「JMA-520」の都道府県別の導入実績をレーダー探知機側で管理させる事で、Kバンドの受信感度や受信周波数帯を切り替える仕様となってると見受けられます。

※実際に製品を使用してみた感じでは、電波を識別しているのではなくエリアを識別してKバンド受信機能をオン/オフに切り替えていると思われます

詳細は不明ですが、以下の記述を見る限りMSSS導入エリアでは受信感度を上げ、「JMA-520」導入エリアでは対応周波数帯を広げるような動作をするのでしょうか?

※Kバンド警報タイプが自動切替(識別優先時)または「識別優先固定」の場合、警報しません。

MSSSと「JMA-520」の両方が導入されているエリアでは、感度も受信帯域もマックスになりますので、誤報がかなり多くなるかも知れませんね。

とは言え、「JMA-520」を受信出来る製品は今のところユピテルからのみ発表されていますので、他に選択肢がありません。

「YK-2000L」のセット内容とデザイン

今回は一体化モデルの「YK-2000L」を購入して実機テストを行いました。

セット内容はこちらの通りです。

・本体筐体
・シガー電源ケーブル
・ダッシュボード用マウント
・フロントガラス用ステー

本体筐体

本体液晶筐は、正面からのぱっと見は従来の一体型と変わらないデザインのように見受けられます。

センシス製固定式小型オービスでの警報の出方について

MSSSでの受信テストを実施したいところですが、移動式はそう簡単に遭遇出来ないので今回は埼玉県北本市にあるセンシス製の小型オービスSSSで、前期モデルの「A1200L」と合わせて受信テストを行いました。

受信感度設定は2機種ともこちらの通りです。

新型の「YK-2000L」のみに存在するKバンド警報タイプは「自動切替」ですので、MSSS・SSSが導入済みの埼玉県内においてはKバンドの受信機能がアクティブ状態です。

今回は何度か測定したのですが、前方がクリアだったのが1回のみでしたのでその映像のみ公開します。(先行車がいる状態でも結果はほとんど変わりませんでしたが…)

結果は驚異の550m手前で検知、前期モデルの「A1200L」は直前の50mでした。

後期モデルのKバンド受信感度は大幅に向上していると考えられます。

対レーダー・レーザーの誤報の状況について

以下2024年8月16日の都内での誤報テストの結果です。同様に前期モデルの「A1200L」と合わせてテストしました。

何れも探知感度は最高の設定、走行経路はこちらの125kmです。

結果は以下の通り。

■MSSS導入済の埼玉県内
  • YK-2000L:45回
  • A1200L:14回
■MSSS未導入の東京都内
  • YK-2000L:2回
  • A1200L:26回

MSSS未導入の東京都内では、Kバンド受信機能がオフになっている為、Xバンドの誤報が2度あっただけですが、MSSS導入済みの埼玉県内では従来機の3倍の誤報の多さとなっており、埼玉県民の私としては少々微妙な結果と感じます。(頻繁ツーリングに出かける群馬・栃木方面では快適ですが)

レーザー受信性能について

こちらはここ2年位は各社とも進化がありませんので、おそらく3社とも横並びの性能ではないかと考えられます。(今回はテストしません)

ユピテルレーザー探知モデルの第三世代では、直線においては600m台前半の探知距離を実現し、道路に勾配がない条件であれば、さらに長い探知距離が期待出来ます。

600m台の探知距離は、うっかりスピード違反に対する検挙を防ぐには必要充分なものである、と考えられますので、これ以上は直線探知距離を伸ばす必要性は薄いと考えています。

ユピテルの2024年後期モデルレーダー探知機の総評

今回のテスト結果では、以下のポイントが確認出来ました。

・Kバンドの受信距離が大幅に伸びた
・MSSS導入済みのエリアでは誤報が大幅に増えた
・MSSS、SSS未導入のエリアでは、ほとんど誤報は出ない

従ってMSSS、SSSなどのKバンドの取締りが行われていない都道府県では快適に使える一方で、埼玉県などの導入済みのエリアでは誤報が非常に多く、100m以上先行しているマツダ車のミリ波を余裕で検知しますので、マツダ車が嫌いになってしまいそうです。

これではブリッツ製品も試してみたくなりますね。

「TL314R」「TL404R」ブリッツからKバンド誤報識別を強化したレーダー探知機発表
...

コメント

  1. 水野 より:

    お久しぶりです。
    この数週間更新が無かったのでどうされたかと少々心配していました。

    今回、ユピテルで誤報軽減機能がやっと搭載されたので、レビューお待ちしています。

    ここ数年、ずっとブリッツ製品を使用しているので、無線LANカードがそのまま使えるブリッツがどのような製品を出してくるかが楽しみですね。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      実は最近は他の事業の方に軸足を移そうとしておりまして、今後の更新は気まぐれになるかも知れません(-_-;)
      ブリッツはコムテックの遺産で勝負してる感がありますのでどうですかね。
      コムテックが見切った事業なので、収益性の良し悪しも怪しいですし…。

タイトルとURLをコピーしました