実機レビュー「TL312R」「TL402R」の評価 ブリッツ2023年モデルレーダー探知機発表

※2023年7月11日:実機レビューを追記しました。

こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

ユピテル・セルスターが2023年モデルのレーダー探知機を発表する中で、1社だけ発表が遅れていたブリッツが2023年モデルのレーダー探知機4機種を発表しています。

今回はこのうち主力になるであろう、「TL312R」「TL402R」の特徴について見て行きます。

「TL312R」「TL402R」の特徴

2023年のレーダー探知機業界の最大の注目ポイントは、レーダー式小型オービスMSSSによる、可変周波数に対する対応です。

先行して2023年モデルを発表しているユピテル・セルスターの2社は、この可変周波数に対応していると解釈可能な記述が見られる製品を発売しています。

センシスの小型オービス MSSSは周波数を変えて取締りを行っているのか?
...

「TL312R」「TL402R」のプロダクトページを確認したところ、残念ながらMSSSの可変周波数に関する記述は見られず、レーダー式小型オービスのKバンドを受信出来るという 従来の表現のままでした。

新たに追加された機能としては、速度に応じて不要な警報をカットする機能のみで、ハードウェア面での調整は行われていないようです。

従ってMSSSへの対応はユピテル・セルスターに劣り、24.1GHz帯の誤報カット機能のアドバンテージのみが残っている状態と言えます。

レーザー受信距離ではユピテルと同等ですので、誤報の少なさを重視する場合にはまだブリッツ製品を選ぶ余地は残っていると言えます。

現時点でユピテル製品を使用し、誤報の多さに辟易している場合にはブリッツ製品を選ぶと良いでしょう。

セット内容とデザイン

今回は「TL312R」を購入し、実機レビューを行いました。

セット内容についてはこちらの通りです。

・レーダー探知機本体
・マウント
・シガー電源ケーブル
・取付用品
・取扱説明書

過去のコムテックのこのクラスの製品にはリモコンが付属していた事がありましたが、「TL312R」には「TL311R」と同様にリモコンは付属しません。

見た目は「ZERO 709LV」「TL311R」と全く同じです。

レーダー探知の感度と誤報について

レーダー探知の感度調整は、従来の取締りの帯域の「Xバンド」、小型オービスの「Kバンド」の個別に行う事が可能で、警報音も別々になりますが、こちらの仕様も「TL311R」と同じです。

また、Kバンド識別機能についても「TL311R」と同様にサポートされています。

センシス製固定式小型オービスでの警報の出方について

センシス製のKバンド24.1GHz帯を使用した小型オービスは可搬式と固定式の2種類が運用されていますが、狙ってテストが可能な固定式は埼玉県北本市と岐阜県大垣市の二箇所にしかありませんし今後も増える様子はありません。(MSSSは北海道などの一部地域によっては、周波数を調整して取締りを行っているそうですが、「TL312R」は調整周波数の受信には対応していないと思われる)

逆に可搬式は増加傾向だそうです。(以下朝日新聞の記事に出ている小型オービスはは価格帯から予測して、東京航空計器のレーザー式ではなくセンシス製のKバンドレーダー式だと、オービス評論家の今井さんが解説してます。)

■ 神出鬼没の可搬式オービス 速度違反どこでも取り締まり

今年度は未配備の山形、茨城、新潟、鳥取、山口、徳島、高知、鹿児島、沖縄の9県警に計10台を置く。すでに配備実績がある北海道や埼玉、千葉、岐阜、三重、大阪、兵庫、福岡、佐賀など18都道府県警にも計33台を追加する。費用は1台800万円ほどだ。

今回は埼玉県北本市にあるセンシス製の固定式小型オービスSSSで探知距離を計測しました。

Kバンドの受信設定はいずれもこちらの通り

・Kバンド受信感度:最高
・Kバンド誤報識別:ON

結果は2回の計測とも探知せず…でした。

前回、ユピテルの「LS340」のテストの際にも感じたのですが、ひょっとするとSSSも取締周波数を調整する事が出来るのかも知れません。

レーザー式取締機の探知距離について

レーザーの受信距離は「TL311R」と同等と考えらえますので、改めて受信テストを行う予定は今のところありません。こちらは2022年9月の「TL311R」のテスト実績です。

比較に使用した2機種

今回はこちらの2機種を使用してテストを行いました。

①ユピテル「LS1000」
2022年発売の一体化モデル(ユピテルのレーザー探知モデルとしては第4世代)
②ブリッツ「TL311R」
2022年発売の一体型モデル(コムテック・ブリッツのレーザー探知モデルとしては第3世代)

こちらの4つのレーザー式固定オービスでのテストとなります。

・大阪府豊中市
・大阪府吹田市
・大阪府枚方市
・大阪府阪南市

※今回は各ポイントで1回のみの測定です。

車内のテスト環境

今回はNCロードスターでテストを行いました。機種配置はこちらの通りです。

レーザーの探知は電磁波による影響は受けないと考えていますので、電磁波を遮るアルミ板などは今回は設置していません。

また、固定オービスのGPS警報がならないようにレーダー探知機の設定を変更しています。

レーザー探知距離結果報告

テスト結果はこちらの通りです。

枚方のレーザー式固定オービス

枚方のオービスは手前が1km程度の直線ですので、前方がクリアな状態ではかなり手前から探知する事が出来る為、各製品の限界探知距離のチェックには最も適しています。

過去のテストではこのような結果が出ています。

しかしながら、今回はこのオービスは運用を休止していたようで、2台とも探知しませんでした。

おそらく、何れも600mを超える受信能力を備えているとは考えています。

豊中のレーザー式固定オービス

豊中のオービスは400m手前まで緩やかな左カーブが続き、その後はオービスまで直線になりますのでこちらは比較的早い段階での探知が可能でした。

・LS1000:370m
・TL311R:370m

何れも過去のテスト機種と大差ない結果です。(多少の誤差はあるので)

吹田のレーザー式固定オービス

こちらも豊中と似たようなシチュエーションで、左カーブを抜けた後に200m程度の直線となります。

ただし、3車線の道路を左右2つのレーザーでカバーしている為、カーブを抜ける手前から右側から飛んできたレーザーを探知可能です。

・LS1000:230m
・TL311R:230m

 

何れも過去のテスト機種と大差ない結果です。

阪南のレーザー式固定オービス

阪南のオービスは坂を下りながら100m手前付近まで続くカーブを抜けた先にあり、最も探知が困難となっています。

今回は雑草が邪魔で、いつもよりも探知距離が短くなっていました。

・LS1000:50m
・TL311R:50m

以下、過去の結果です。

対レーダー・レーザーの誤報の状況について

誤報についても「TL311R」と同等の結果となる筈ですので、改めてテストはしません。

以下、「TL311R」でのテスト実績です。

「TL311R」「TL311S」の誤報テストは、都内にて実施しました。

走行経路はこちらの125kmです。

・埼玉県久喜市から国道17号線で都内へ
・池袋から山手線に沿って内回りで品川へ
・品川から国道1号線→4号線で埼玉県久喜市へ帰還

繰り返しになりますが、以下の機能はプロダクトページの誤りで本機には実装されていません。ざっくりとした印象は「ZERO 808LV」みたいな感じでした。

結果はこちらの通りです。

都内テスト125km
TL311R6回
TL311S80回

「TL312R」の総評

「TL312R」は「TL311R」と機能的には全く同じであると言う前提で、今回はSSSの受信テストのみを実施しています。

実は今回「TL312R」を購入したのはレビュー目的ではなく、直近で使用していたユピテルとセルスターの製品を機種変更目的で処分しており、ブリッツ製品に入れ替えると言う明確な目的がありました。

今のところエボ10にはユピテルの「LS340」を装着しているのですが、あまりにも誤報が多く、不本意ながら警報設定をLV3以上、時速40キロ以上としています。

この設定ではいざXバンド、Kバンドの取締に遭遇しても減速が間に合わない可能性が高いのですが、そこはスマホアプリのオービスガイドの取締情報の共有機能も合わせて使用する事で補完しています。

レーダー探知機はGPS非対応で受信時に警報を鳴らすだけのシンプルなモデルが望まれているかも
...

なお、この前提で考えるのであれば、ユピテルのレーダー探知機ではなくブリッツ製品を選んだ方が取締回避率は高くなるであろう、と言うのが最近の私の見解です。

2023年モデルのブリッツ製品は、MSSSの調整後の周波数の受信には対応していませんが、この調整周波数は北海道が中心に使用されているようで、それ以外での都道府県での取り締まり実績の有無は不明です。

ブリッツの製品は、Kバンドの誤報切り分け機能は非常に実用的なものとなっている為、ユピテルのように警報感度を落とす必要はありません。

※ユピテルの警報感度の調整では、Xバンド・Kバンドが一括して変更される為、下手に調整をすると全てのレーダー式の取締に対して無力になる恐れがあります。

一方でブリッツ製品では、誤報が多いKバンドは高い精度で誤報カットされますので、感度を落とす必要はなく、MSSSの調整後の周波数のみが受信出来ないだけになります。

従って可能な限り取締回避率を上げたい場合には、ブリッツ製品+スマホアプリを併用される事をおすすめします。

因みに各社の2023年モデルが発売された時点では、どの製品をおすすめするか決め兼ねていましたが、久しぶりに最新のユピテル製品を使ってみて誤報の多さに嫌気がさしました…。

コメント

  1. 水野康彦 より:

    北本のオービスで反応なしとの事。
    たまたま動作していなかったのか、周波数が変わったのかはわかりませんが、ユピテル製品と同時テストだったらわかったかもしれませんね。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      水野康彦様
      ユピテルのテスト前に一度私用で「TL311R」搭載車で現地を通った事があり、その時も反応しなかった記憶があります。
      公式テストではないので公表してませんが、周波数調整の可能性が高いと考えています。

  2. teru_qq より:

    23/8/25にBlitzからMSSS新周波数対応モデルが出ますね。
    TL313R、TL403R、TL243Rです。
    https://www.blitz.co.jp/products/tb_laser/laser_top.html

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      teru_qq様
      お知らせありがとうございます。
      確かに出てますね。
      でも、従来モデルの誤報識別機能が無くなってしまったようですね…。
      —————————————-
      新周波数帯を含むMSSS(Kバンド帯)のレーダー波は、道路脇に見られる人感センサーを利用した自動販売機や、自動車のセンサーなどにも利用されており、取締がないのに「誤警報」が発生する可能性があります。さらに、新周波数帯にも対応することで受信の幅が広がるため、誤警報の発生頻度が上がる可能性もあります。

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