こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
コムテックから初のWiFi対応の2カメラドライブレコーダー「HDR953GW」が発表されています。
型番的には最上位モデルの「HDR963GW」の下のグレードようですが、ざっくりと特徴を解説します。
「HDR953GW」のスペック
「HDR953GW」のスペックはこちらの通りです。
HDR953GW |
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20.11?発売 |
フロント:1920×1080/27.5fps/HDR/WDR リア:1280×720/28fps/HDR |
レンズ視野角 フロント:水平136° リア:水平114° |
LED信号対応 |
microSD付属32GB/最大128GB |
GPS内蔵 |
フォーマット不要 |
駐車監視モード |
衝撃録画/常時録画+衝撃録画/タイムラプス |
自動起動 |
専用ケーブル HDROP-014 |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
フロントカメラは最上位の「HDR963GW」と同じスペックのようですが、リアカメラは最近では珍しい100万画素の低解像度となっています。
フロント200万画素+リア100万画素の構成では同社には「HDR951GW」という製品がありますが、この製品の後継機の位置付けのようです。
カメラ性能的にはハイエンドではないので、この製品をおすすめする事はないと思いますが、おそらく…コムテックはユピテルの液晶なしWiFiモデルのゾーンを狙っており、いずれ前後フルハイビジョンの液晶なしのWiFiモデルを出してくるのではないか?…と勝手に予測しています。
ドライブレコーダーは購入可能性があるユーザーには概ね行き渡った感がありますので、今後は売上を上げるには他社のユーザーを奪うしかありません。
WiFiモデルを得意としているのは5年以上前から同ゾーンの製品を展開しているユピテルですが、コムテックから「ZDR025」「HDR963GW」クラスの液晶なしのWiFiモデルが出るのであれば、そこそこユーザーが流れそうな気がします。
付加機能的には上位の「HDR963GW」に準ずる
最近のコムテックのドライブレコーダーは各種安全運転支援機能や、GPS警報が搭載されている製品が多いのですが、これらの警報セットは後方警報がある「ZDR025」「ZDR026」の系統、後方警報がない「HDR963GW」の系統の2系統があります。
「HDR953GW」付加機能は「HDR963GW」ものと同様で、こちらの通りとなっています。
「HDR963GW」にはこちらの5つの安全運転支援機能が搭載されています。
①先行車発進お知らせ~先行車の発進を検出しお知らせします。
②先行車接近お知らせ~先行車への接近を検出しお知らせします。
③車線逸脱お知らせ~走行車線の逸脱を検出しお知らせします。
④ドライブサポート警報~急加速や急減速、急ハンドルを検出お知らせします。
⑤車速アラーム~設定車速を超えた場合にお知らせします。安全運転支援機能を使用するにはこちらの手順でキャリブレーションが必要です。今回はキャリブレーションの前にテスト用に筐体をフロントガラス中央に移設しました。
③ドラレコを設置した高さを選択する
安全運転支援機能についてはこちらの3つのみ評価を行いました。
先行車発進お知らせ
「ZDR025」ではお知らせタイミングを調整できましたが、本機では調整不可です。
結果は誤検出が多く、少々うるさいと感じました。お知らせタイミングを調整できる下位グレードである筈の「ZDR025」の方が快適です。
先行車接近お知らせ
時速60km以上でアクティブになります。
高速道路で前方車両との車間を詰めてみましたが、お知らせは出ませんでした。誤報もありませんでしたが役に立つかどうかは不明です。
車線逸脱お知らせ
時速60km以上でアクティブになります。
高速道路で車線変更時にお知らせがありましたが、タイミングが遅く豪快に車線からはみ出さなければならない事が多い状況でした。一方でそこそこ誤報もあります。
本機の安全運転支援機能は、精度の面でも種類の面でも後方からの煽り運転のファイルロックが行える「ZDR025」に劣ると感じました。
駐車監視の仕様について
駐車監視の仕様についても「HDR963GW」同系統で以下の通りとなります。
「HDR963GW」の駐車監視モードはシングルモデル最上位の「HDR852G」と同じ仕様で、「ZDR025」とは微妙に異なります。(赤枠が相違点)
駐車監視の起動には別売のケーブル「HDROP-14」を使用し、エンジンのON/OFFに連動して駐車監視モードを自動で起動・終了させます。
①駐車監視モードはON/OFF以外にもエリアONという設定があり、これは手動で登録したポイントのみで駐車監視をアクティブにする設定です。(「ZDR025」にはない)
②録画方式は衝撃/常時+衝撃/タイムラプスの3種類ですが、この製品はクイック起動タイプではないので衝撃録画のみの設定でも常時内部メモリに録画データを保存していますので、消費電力はそれほど下がりません。ただし、衝撃5秒前からのデータを保存できるメリットがあります。
③タイマーについては30分~12時間の範囲、または常時ONの設定が可能
④衝撃録画停止のON/OFF~駐車監視中に衝撃録画を行った場合、それ以降の録画を停止するかどうか(「ZDR025」にはない)
⑤衝撃お知らせのON/OFF~駐車監視中に衝撃録画を行った場合、復帰時に衝撃アナウンスをするかどうか(「ZDR025」にはない)
⑥衝撃感度~3段階で調整、(「ZDR025」の方が細かく設定できる)
⑦盗難多発エリア~GPSデータに登録された盗難多発エリアでは、駐車監視の設定がエリアONになっている際には自動で駐車監視を行う(「ZDR025」にはない)基本的には従来のコムテックの駐車監視に関する便利機能全部ありのパターンで、上位機種の差別化ポイントとしてGPSによる駐車監視の「エリアON」機能が追加されています。
また、「ZDR025」と同様にPARKINGボタンで駐車監視ONの設定状態から1度だけ駐車監視キャンセル、駐車監視OFFの設定状態から1度だけ駐車監視を実施する事も出来ます。
なお、エリアONの設定を有効にした場合、登録ポイント以外では自動で電源が落ちますが、PARKINGボタンを押すとポイント登録が行われ、次回からその地点では自動で駐車監視が実施されます。
駐車監視機能の面では「ZDR025」よりも多機能ですが、エリアON機能は登録ポイントをいちいち覚えるのが面倒ですし、本来必要なのは自宅駐車場などで自動的に電源を落とすエリアOFF機能かと思います。
「ZDR025」と比較した場合の運用上のメリットはほとんどないと言えるかも知れません。
まとめ
以上、「HDR953GW」の特徴について解説しました。
基本的にはハイエンドのWiFiモデルの試金石的な製品の様に感じますので、この製品自体はおすすめしませんがコムテックの動向には要注目ですかね。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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