※2023年10月19日更新:都内での誤報テストを実施
こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
2023年のレーダー探知機市場では、主に北海道で運用されている従来とは周波数を変更したMSSSの取締に対応した製品が主力となっていますが、ブリッツからもMSSSの調整周波数に対応した「TL313R」「TL403R」「TL243R」の3機種が発表されています。
従来のブリッツ製品は他社にはない、Kバンドの誤報切り分け機能が実装されていますので、この機能が有効であれば、2023年モデルのレーダー探知機はブリッツ一択になりそうです。
「TL313R」「TL403R」「TL243R」の特徴
「TL313R」「TL403R」「TL243R」は、MSSSの調整周波数に対応している点ですが、他社よりもより詳しく対応状況が記述されていて面白いです。
ただし、レーダー波識別による誤報大幅低減のアイコンは表示されているのですが…
調整後の新周波数に対応した事で、自販機や車のミリ波レーダーの誤報が切り分けられないような記述が見られます。
これに対する対策が、感度調整となっていますので、これでは昔に逆戻りですね。
ただ、ユピテルのようにXバンド、Kバンドを一括して調整する訳ではないので、序列をつけるのであれば、ブリッツ>ユピテル>セルスターになりそうな気もします。
セット内容とデザイン
今回は「TL313R」を購入し、実機レビューを行いました。セット内容についてはこちらの通りです。
・マウント
・シガー電源ケーブル
・取付用品
・取扱説明書
過去のコムテックのこのクラスの製品にはリモコンが付属していた事がありましたが、「TL313R」には「TL312R」と同様にリモコンは付属しません。
見た目は「ZERO 709LV」「TL311R」「TL312R」と全く同じです。
レーダー探知の感度と誤報について
レーダー探知の感度調整は、従来の取締りの帯域の「Xバンド」、小型オービスの「Kバンド」の個別に行う事が可能で、警報音も別々になりますが、こちらの仕様も「TL312R」と同じです。
また、Kバンド識別機能についても「TL312R」と同様にサポートされています。
これに加えて「TL312R」では、新たにMSSSの受信感度を選択できるようになりました。
センシス製固定式小型オービスでの警報の出方について
センシス製のKバンド24.1GHz帯を使用した小型オービスは可搬式と固定式の2種類が運用されていますが、狙ってテストが可能な固定式は埼玉県北本市と岐阜県大垣市の二箇所にしかありませんし今後も増える様子はありません。
逆に可搬式は増加傾向だそうです。(以下朝日新聞の記事に出ている小型オービスはは価格帯から予測して、東京航空計器のレーザー式ではなくセンシス製のKバンドレーダー式だと、オービス評論家の今井さんが解説してます。)
今年度は未配備の山形、茨城、新潟、鳥取、山口、徳島、高知、鹿児島、沖縄の9県警に計10台を置く。すでに配備実績がある北海道や埼玉、千葉、岐阜、三重、大阪、兵庫、福岡、佐賀など18都道府県警にも計33台を追加する。費用は1台800万円ほどだ。
今回は「TL311R」と合わせて、埼玉県北本市にあるセンシス製の固定式小型オービスSSSで探知距離を6回計測しました。
最初の3回のレーダーの受信設定はこちらの通り
次の3回ではMSSSの受信設定を低にしています。
結果はこちらの通り。
受信距離(m) | TL313R | TL311R |
---|---|---|
1回目 | 220 | 190 |
2回目 | 220 | 140 |
3回目 | 140 | 10 |
4回目 | 150 | 40 |
5回目 | 160 | 160 |
6回目 | 160 | 150 |
どちらも毎回の計測結果にバラツキがあり、MSSS受信感度の設定がSSSの受信距離に影響を及ぼしたかどうかの判定は難しい状況です。
レーザー式取締機の探知距離について
レーザーの受信距離は「TL311R」「TL312R」と同等と考えらえますので、改めて受信テストを行う予定は今のところありません。こちらは2022年9月の「TL311R」のテスト実績です。
比較に使用した2機種
今回はこちらの2機種を使用してテストを行いました。
2022年発売の一体化モデル(ユピテルのレーザー探知モデルとしては第4世代)
2022年発売の一体型モデル(コムテック・ブリッツのレーザー探知モデルとしては第3世代)
こちらの4つのレーザー式固定オービスでのテストとなります。
・大阪府吹田市
・大阪府枚方市
・大阪府阪南市
※今回は各ポイントで1回のみの測定です。
車内のテスト環境
今回はNCロードスターでテストを行いました。機種配置はこちらの通りです。
レーザーの探知は電磁波による影響は受けないと考えていますので、電磁波を遮るアルミ板などは今回は設置していません。
また、固定オービスのGPS警報がならないようにレーダー探知機の設定を変更しています。
レーザー探知距離結果報告
テスト結果はこちらの通りです。
枚方のレーザー式固定オービス
枚方のオービスは手前が1km程度の直線ですので、前方がクリアな状態ではかなり手前から探知する事が出来る為、各製品の限界探知距離のチェックには最も適しています。
過去のテストではこのような結果が出ています。
しかしながら、今回はこのオービスは運用を休止していたようで、2台とも探知しませんでした。
おそらく、何れも600mを超える受信能力を備えているとは考えています。
豊中のレーザー式固定オービス
豊中のオービスは400m手前まで緩やかな左カーブが続き、その後はオービスまで直線になりますのでこちらは比較的早い段階での探知が可能でした。
何れも過去のテスト機種と大差ない結果です。(多少の誤差はあるので)
吹田のレーザー式固定オービス
こちらも豊中と似たようなシチュエーションで、左カーブを抜けた後に200m程度の直線となります。
ただし、3車線の道路を左右2つのレーザーでカバーしている為、カーブを抜ける手前から右側から飛んできたレーザーを探知可能です。
何れも過去のテスト機種と大差ない結果です。
阪南のレーザー式固定オービス
阪南のオービスは坂を下りながら100m手前付近まで続くカーブを抜けた先にあり、最も探知が困難となっています。
今回は雑草が邪魔で、いつもよりも探知距離が短くなっていました。
以下、過去の結果です。
対レーダー・レーザーの誤報の状況について
「TL313R」は、従来機と同様にKバンド誤報対策は実装されているものの、周波数調整後のMSSSを受信する為に、受信帯域が広がった事から、Kバンド誤報対策は実装される以前のコムテックのモデル、現行のユピテル・セルスターのモデルと同様に大幅に誤報が増えています。
体感的には誤報の多さは3社横並びになった印象です。
誤報チェックは後日都内にて実施の予定。
※以下2023年10月17日の都内での誤報テストの結果です。今回はユピテルのMSSS対応2023年モデル「LS340」と合わせてテストしました。
何れも探知感度は最高の設定、走行経路はこちらの125kmです。
・池袋から山手線に沿って内回りで品川へ
・品川から山手線の外回り→4号線で埼玉県久喜市へ帰還
結果は以下の通り。
10キロあたりの誤報回数では
となりました。
体感的には「TL313R」の誤報回数もかなり多いです。
「TL313R」の総評
最後に「TL313R」の総評です。
レーザー受信距離が他の2社に劣るセルスターを外した場合、ユピテル・コムテックの二択になりますが、仕様上はこれらの2社の製品はほとんど同等です。
ただし、都内での誤報テストの結果では「TL313R」の方が40%程度誤報が少なくなっており、データ更新費用の面でもユピテルは有料ですので、おすすめはブリッツとなりそうです。
コメント
今年は「312R」が発売されたので、新周波数対応機は来年かと思っていました。
今月末発売との事なので、ちょうど来月初めの納車に間に合います。
「311R」でも良いのですが、やはり新製品を使いたいですね。
ちなみに発売されたらレビューしますか?
水野様
自分もユピテルからの乗り換えの為に使いたいのでレビューはする予定ですが、誤報の出具合を見るだけの感じになると思います。
普段よく走行する道路は「低」、旅行等では「高」、に感度調整がワンタッチ(に近い感じ)で出来ると、便利なんですけど、メニューの深い階層だと面倒ですね。
水野様
ユピテルのiキャンセルみたいな機能があると良いですね。
私は普段良く走る道でもうっかり捕まりそうです(-_-;)
MSSS対応のセパレート型レーダー探知機が出ないかなと、淡い期待をしています
コムテックなら出していたと思いますが、ブリッツだと期待薄かな?
伊藤様
レーダー探知機自体が斜陽産業な気がしますのでどうでしょう…。
鈴木様
いつもとても参考にさせていただいております。ありがとうございます。
ブリッツ新機種(TL313R,403Rなど)の誤報チェックのレビュー、楽しみに待っています(^^)。
それをまた参考にして、ユピテルにするかブリッツにするかを決めたいと思っています。
ところで、鈴木様、ブリッツに限らないことですが、
「OBD2との接続」についてのご意見を賜れればと思います。
最近の車はECUも高機能化・機能集中化されていて、
レー探については、
OBD2と接続して常時電源をとるタイプのものは、
バッテリーやECUへの影響を考え、
レー探メーカー側で動作確認が取れているものであってもディーラーとしては推奨はしていない、との立場をとっているところがほとんどと思います。
ユーザー側としては、
レー探をOBD2と接続することで得られるさまざまな表示機能や、正確な車速把握は魅力的である一方で、バッテリーやECUへの影響は抑えたいところです。
そこで、
アマゾンなどで売られているような「常時電源をアクセサリー電源に切り替える」加工がされたOBD2分岐ケーブルなどを使おうかと考えています。
これについてのご意見、気をつけるべき点などのご見解を賜れれば幸いです。
Masa様
実は私も過去に危うくバッテリーが上がりそうになりました。
https://car-accessory-news.com/obd-battery/
最近のブリッツのアダプタは、ACCから駆動電源を取るようになっているみたいですよ。
ユピテルは分かりません。
ご返信ありがとうございます!!
そうなんですか!
そうすると、
今回の誤報テストを参考にさせてはいただきますが、BLITZに傾いてきました。
テスト結果、楽しみにお待ちしてます!
いつもありがとうございます。
Masa様
誤報はユピテルと変わらないくらい多いですが、更新無料ですし、ブリッツ>ユピテルは変わらなそうですね。
Omiさま
参考までに、
上記の件、自分自身でもユピテルさんのカスタマーサービスに電話して聞きました(導入検討はLS2100かLZ2100、と伝えた上で)。
ユピテルさんはOBD2アダプターへの接続で、微弱ですがレー探に暗電流が流れることを認められてました(常時電源)。また、ブリッツのように電源だけACCから取るようなケーブル等のオプションはないそうです。ただし、車載バッテリーへの影響はほぼないことをテストし確認したものは適合表に上げているとのことでした。(あくまでメーカー見解)
ちなみに、Amazonなどで売られている「電源だけACCからとるOBC2のケーブル」をかませば解決できそうですが、メーカー保証外と言われました(そりゃそうでしょうね)。
さらにちなみに、「ナビ男くん」でも、その別ケーブルを使っての取付はできない(理由は「メーカー保証外」だから)、とも言われました。
当方、導入予定はHV車ですし、ECUも含めて、OBD2接続での車への影響が怖いので、ユピテルは完全に見送り、とします。
ユピテルのレーダー受光部がセパレートタイプであることとフルマップは魅力的でしたが。。。(心配だったのはOmiさんも評価していた「誤報の多さ」ですね)
ということで、現時点ではBLITZ一択ですが(当方検討はTL313R)、少し気になるのは「一体型」ですので、取り付け位置です。
ダッシュボードのセンターをあまりごちゃごちゃさせたくなくないのと、操作するにも遠いので、やはりハンドル右上のダッシュボード上が第一選択肢ですが、ここに置くことでレーダーへの反応性能に影響しないかが心配です。
この「BLITZの一体型」の取付位置について、ベストはセンターとしても、運転席右上、というのは許容範囲だと思いますか?Omiさんのご意見を伺えればと思います。
Masa様
OBD2はなかなか難しいところがあるんですね。
取付に関してはドラレコなどのガジェットが邪魔にならなければ、天吊り方式が良いような気がします。
最近は面倒なのでダッシュボード中央に置いちゃってますが。
Omiさま
本当にご親切な返信ありがとうございます。
当方、車両はVOXY90系ハイブリットで、
おっしゃる通りセンターミラー横にはドラレコ(それも、パイオニアNP1=つまり少し大きめ)があるので、ごちゃごちゃしちゃうので迷ってます。
吊り下げ式なら、理想は中央部に近い位置でしょうが、やはり難しければ、
右側(Aピラーに近いところ)で、
▼ダッシュボード上(ハンドル右側=Aピラー左)
▼天井吊り下げ(こちらも同じく天井部のAピラー左)
のどちらが、受信精度がを考えると良い選択ですかね。
(ちなみに、NP-1はリアカメラが出たので早速注文しました!)
NP1は結構大きいですから、並べるとゴチャゴチャするかもしれないですね。
いつも参考にさせてもらっております。
先日TL313Rを購入し、店に取り付けて頂いたのですが、取り付け位置が運転席側の右前に、モニターがやや運転席側に向けられて取り付けられていたのですが、問題は無いでしょうか?
受信におおきな問題があれば位置を修正しようかなと思いました。
モニターはなるべく正面に向けた方が良いと思いますが、水平方向の受信角度は結構広い筈ですよ。
何度まで許容範囲かはメーカーにご確認下さい。