コペンを購入してオープンドライブを楽しもうと思っていたのですが、最近は整備が面白くてそちらにハマり気味です。(笑)
基本的には初心者なので、ほとんどの作業がほぼ初めての為、ネットや本などで情報を収集しつつ作業を行っています。
充分に調査して頭の中で手順をシミュレーションしつつ、万全の状態で本作業に入っているつもりなんですが、いざ実行してみると「そんなの聞いてねえよ!」と予想外のトラブルに巻き込まれる確率、今のところ100%です。
毎回なにかのトラブルでハマっているという事ですね。
今回はそんな整備初心者のOmiが、コペンのタイロッドエンドブーツを交換方法を説明しつつ、ハマったポイントとハマらないようにするチェックポイントを説明したいと思います。
タイロッドエンドブーツはネットで購入した
これは車種にもよるかと思いますが、そこそこ需要がある車種に関してはAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどでも販売されています。
ディーラーで注文した方が送料などの兼ね合いもあるので安くなるかも知れません。近くにディーラーがない、行くのが面倒という方はネット通販で購入するのがおすすめです。
タイロッドエンドブーツの交換手順
タイロッドエンドブーツの交換はタイヤを外す必要がある為、ジャッキアップする前にフロントの左右のタイヤのナットを緩めておきます。
タイヤを戻す際にはトルクレンチで90・N(軽自動車)~105・N(普通車)などと規定のトルクで締め付けを行う必要がある為、トルクレンチがない人は準備しておきましょう。
なお、これらのソケットを挿すレンチ類は、先端のスクエアのアタッチメント接続部分のサイズが、9.5mm・12.7mm角と2種類あります。
手持ちのソケットの接続部分に合わせるか、もしくは次のような変換アダプターがあると便利です。
また、ボルトが固着していた時の為の潤滑スプレーや、次のようなハンドルもあると安心です。
ナックル部分のナットを緩めてタイロッドエンドを抜く
ジャッキアップしてタイヤを外したら、ハンドルを左右に切って作業し易い位置に向けておきます。
タイロッドがナックルの上にある車種と下にある車種があります。(コペンは上です)
ラチェットレンチなどでナットを緩めますが、ナットを緩めてもブーツが固着していますので、ナックルからタイロッドのボルトは抜けません。
抜けるとこんな感じです。
タイロッドのボルトを抜く為には次のプーラーという工具が必要になります。
プーラーはタイロッドブーツから出ているボルトの先には、グリスに包まれたボールジョイントがあるので、ボルトとボールジョイントにダメージを与えずに抜くための専用工具です。
ナットを緩めて(完全に抜かずに)プーラーの二股に分かれている方をタイロッドエンドブーツとナックルの間に挿し、抑えの部分をナットの頭に当てます。
プーラー後方のボルトをレンチで時計まわりにねじ込んでいきつつ、後方をハンマーなどでコンコン叩く、という流れの繰り返しで「パン!」と音を立ててタイロッドエンドが抜けます。
ナットを付けておかないと思わぬ方向に飛ぶかも知れません。ナットは本来は不要なものを使用する、また車種によっては再使用が不可の場合がありますが、今回は再使用しました。
古いブーツを外す
エンドが抜けたらブーツを外します。
ブーツの構造は上の写真の底側の円の中に金属のリングが入っており、破れを防止するようになっている為、手で引っ張ってもまず抜けません。
この金属の部分が以下の写真のボルト付け根の上部の円周に被さっているのでなかなか抜けない訳ですね。
マイナスドライバーでこじると外れるような事がどこかに書かれていましたが、抜けなかったのでマイナスドライバーをブーツのリングの出っ張りに当ててコンコンと軽くハンマーで叩くと簡単に外れました。
ボールジョイントのグリスを拭き取り、新しいグリスを入れる
ブーツを外したらボルトとボールジョイント部分のグリスを布などで綺麗に拭き取り、新しいグリスを塗ります。
その際にパーツクリーナーなどを使用するとグリスの劣化が早まるそうなので、薬剤は使用しない方が良いと思われます。
もともと入っていたグリスは黒いモリブテングリスでしたが、今回はリチウムグリスを使用しました。
ボールジョイントと新しいブーツの中にグリスを塗ります。
ブーツをタイロッドエンドにはめ込む
ブーツを外す際にブーツの淵に金属のリングが入っていると説明しましたが、このリングの径が遊びが無くピッタリタイロッドエンドの径と合う為、簡単にははまりません。
以下のような専門の工具「タイロッドエンドブーツ インストールソケット」なるものも売られていますが、価格もかなり高いですし、必要ないものも付属してきます。(笑)
これと似たような円筒状の物としては、以下のような配管がDIYで使用されています。
これは車種によって径が変わると思いますので、ホームセンターにブーツの現物を持ち込んで大きさを確認した方が良いと思います。
今回はこの塩ビのパイプを使用して、以下のように馬に乗せてタイロッドの頭を軽くハンマーで叩いて挿入しました。
ブーツの淵をハンマーで叩いて入れる強者も多いようですが、私は失敗してブーツに穴をあける自信があったので塩ビパイプを使用しました。
均等に入らない時は馬の位置を変えるなどの工夫が必要です。
ここまでくれば後はナットを締めるだけ、楽勝だ…と考えてたのですが、ここで思わぬトラブル発生(笑)
ナットとボールジョイント先端のボルトが供回り
ボールジョイントの先端のボルト部分をナックルに戻して、ラチェットレンチで締め上げてみたのですが、ある程度までは締まるものの、途中からボルト(ボールジョイント)がナットと供回りしてしまい、一向にナットが奥に進まなくなってしまいました。
…で、色々調べた結果、ボールジョイントのボールの奥の部分を軸受に密着させるように圧力を掛けてナットを回すと良いとの事でした。
ボルト部分を奥に押しながらナットを回すという事ですね。
そこでボルトとナットの汚れをワイヤブラシなどで掻き出して清掃の上、潤滑スプレーを噴射し、ジャッキでボルト部分を上げてみたり…
プライヤーで挟み込んでみたり…
考えられるあらゆる方法でボルト部分に圧力を加えましたが供回りは改善されず…
この状態だとタイロッドを上下左右に揺するとガタガタする状態です。
プロはインパクトレンチを使用するとの事だったのですが、インパクトは持っていなかったので電動ドリルにソケットアダプダーを装着して試して手動で圧力を掛けてみるも、ナットが少し奥に進んだだけでトルク不足でドリルが火を噴きそうになりました。(笑)
…という訳でここは諦めて素直にインパクトレンチを購入!
急ぎだったので間に合わせでトルクを調整できない物を買ってしまったのですが、こいつを使った結果ものの数秒でナットが奥まで進んでタイロッドエンドをガッチリ固定する事が出来ました。
ジャッキアップした状態でタイヤを仮止めして、タイヤを前後・左右・上下に振ってみてもガタが出なかったので大丈夫そうです。
前もって準備するなら、トルク調整機能付きのインパクトを購入した方が良さそうです。
ナットが奥まで入った状態でもガタが出るなら、ボールジョイントがお亡くなりになっている可能性がありますので、そうなるとタイロッドエンドごと交換ですかね。
タイロッドエンドブーツの交換方法のまとめ
今回初めてタイロッドエンドブーツの交換にチャレンジしてみましたが、冒頭でも述べたように下調べをしたにも関わらず、ナットとボールジョイントの供回りという災厄に見舞われました。
また、色々ネットで調べてもタイロットエンドブーツの構造が(特にリング部分)分からず、外す際にちょっと手間取ってしまいましたので、これから初めてタイロットエンドブーツの交換をDIYでチャレンジしてみようと考えている人とって、私がハマったポイントが役に立てば幸いです。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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