こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
ドライブレコーダーの動画の記録媒体はmicroSDが定番で、一部の古い製品でSDが使われていた事はあるももの、それ以外で非microSDカードモデルを見た事はありません。
ところが最近では内部ストレージとしてeMMCを搭載した製品がぼちぼち登場しています。
果たしてeMMCを搭載したドラレコは「買い」なのでしょうか?
そもそもeMMCとは?
eMMCはハードディスクやSSDなどのように主にガジェット類の内部ストレージに使われる記録媒体で、読み書き速度の性能はSSDとHDDの間、SSDと比べると省電力性に優れるという特徴があります。
また、SDカードとの互換性がある事からも、ドラレコの内部ストレージとして適しているようです。
データの転送速度は400MB/sとSSDには及ばないものの、microSDカードと比べると圧倒的な速さですので、4Kマルチカメラなどの大きなデータサイズを扱うハイエンドモデルとの相性は良さそうです。
ただし、過去のテストしたマルチカメラで最もデータサイズが大きかったのはVIOFOの「A139」の1時間当たり26.4GBでしたが、これをMB/sに直すと7.3MB/s程度なので性能面ではU3規格の最低書き込み速度30MB/sで充分であり、eMMCの性能はオーバースペック過ぎると言えます。
eMMCのドラレコでの使われ方
一見するとほとんどメリットがなさそうなドラレコにおけるeMMCですが、現状では次の二つの使われ方をしています。
eMMCをメインストレージとして使うドラレコ
メインストレージとして使われているのは、こちらのYAZACO「P4」ですがこちらは64GBのeMMCを搭載する事でmicroSDカードの相性問題を解決できるとされています。
ただし、日本のメーカーのドラレコに関してはmicroSDカードの相性問題は一部の不具合ロットを除いてほとんど聞きませんし、逆に4K+リアカメラというP4のスペックを考えると64GB縛りは厳しいと感じます。
そもそも4Kモデルを選ぶユーザーは、長時間の駐車監視や景色撮影能力などを求める層なので4~5時間の録画データしか保存できないのは痛すぎると思います。
従ってメインストレージとしてeMMCを使う場合には前後フルハイビジョンのスタンダードクラスの製品が最も多くのユーザーのニーズにマッチングするでしょう。
このクラスだとガジェット苦手系のユーザーの方も多そうなので、microSDカードなんてない方が良いかも知れません。
ただし、PCで動画を再生するにはちと面倒な気がしますね。事故に遭った時にPCにデータを吸出しでからmicroSDにコピペってのはガジェット苦手系に人には難しいのでは?
eMMCを緊急ストレージとして使うドラレコ
一方でこちらのVIOFO「A129 Plus Duo +16GB eMMC」は、メインストレージは512GBまでの超大容量のmicroSDカードに対応し、16GBのeMMCはmicroSDカードのエラーが発生した時の緊急用の用途のみに留められています。
※無印「A129 Plus Duo」とは別物です。
「A129 Plus Duo」の画質の良し悪しは別として、microSDにエラーが出た時に緊急保存先としてeMMCを使うのがこのクラスに求められるeMMCのあるべき姿と感じます。
あとはエントリーモデルに32GBのeMMCを積んでカード要らず、として打ち出すもの良さそうですね。(私はエントリーモデルには興味ないですが)
まとめ
以上、ドラレコのeMMCのあり方とeMMCを搭載したドライブレコーダーについてご紹介しました。
eMMCは別としてYAZACOの4Kモデルはテストするかも知れませんが、超高画質=景色撮影に使いたい=ストレージが足りない、という悲しい結果になりそうな予感がします。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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