※2023年1月30日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
Googleの検索エンジンで「ドライブレコーダー」+「エンジン」+「停止」+「録画」などのキーワードで検索されている方がそこそこいらっしゃるようです。
これらのユーザーは、当て逃げやイタズラ対策の一環として、駐車中にもドライブレコーダーの録画を継続させたいと言った目的をお持ちだと思いますので、この記事ではその方法について解説します。
エンジンOFF後に駐車中にも録画を行う「駐車監視」
エンジンOFF後の駐車中にもドライブレコーダーの録画を継続させる事を一般的には「駐車監視」と呼びますので、この記事でもそれを「駐車監視」と定義します。
「駐車監視」を行う方法については、過去にはドラレコ筐体に小容量の内蔵リチウムバッテリーを搭載し、その電力でドラレコを駆動させる製品もありました。
ところが、これらの製品は熱による電池の膨張・発火などの問題が相次いで発生した事で、現在では絶滅寸前の状態です。
このような背景から、現在では駐車中にも車のバッテリーから電力を貰い、駐車監視を行うものが主流となっています。
駐車監視中の録画モードについて
車のバッテリーから電力を貰い、駐車監視を行うドライブレコーダーの中にも、いくつかの録画方式が異なるケースがありますが、概ね以下の4通りの録画方式のいずれか、または全てをサポートする形となっています。
いずれの方式にもこのようにメリット、デメリットがありますので、一概にどの方式が優れているとは言い切れません。
駐車中に常時録画を行うドラレコ
まず初めに「駐車中に常時録画を行うドラレコ」について解説します。
コムテックの主要モデルがこの方式を採用しており、駐車監視中に常時録画を行いながら、それに加えて当て逃げの際の衝撃イベント録画を行います。(走行中の録画モードよりも衝撃感度が上がる)
常時録画データと合わせて、衝撃イベント録画も残りますので、長時間の駐車監視で衝突時の常時録画データが上書きされてしまっても、衝撃イベント録画データが残る仕組みです。
ただし、車に衝撃が加わらないイタズラに対しては衝撃を検知する事が出来ませんので、当て逃げ対策としては充分ですが、イタズラ対策には向いていません。
また、電力の消費が大きいというデメリットもあります。
動体を検知した時だけ録画を行うドラレコ
次に動体を検知した時だけ録画を行うドラレコについて解説します。
ケンウッドの主力モデル、ユピテルとセルスターの一部のモデル、VANTRUE、VIOFO、パパゴのモデルには、画面の動きを検知して「動体検知」による録画を行うドラレコがあります。
動体検知対応モデルでは、エンジンがOFFになると、常に動画をmicroSDに保存する訳ではありませんが、当て逃げの際の加害車両の動きを検知して、衝突前から衝突後の状況までを連続して撮影できる可能性が高いのが特徴です。
また、画面に映っている範囲内で車にイタズラをされた場合には、その証拠も残せる上、microSDカード容量も節約できますので、証拠の動画が上書きされにくいというメリットがあります。
常時録画と比べた際のデメリットとしては、周囲の環境によっては小さい動きが検知出来ない為、確実性が下がる点が挙げられます。
電力消費については常時録画よりも若干少ないものの、常に内部メモリ内に録画データを一時展開しながら、動体を検知した時だけそのデータをmicroSDカードに書き込むという処理を行いますので、それほど省電力性は高くありません。
衝撃を検知した時だけ録画を行うドラレコ
次に衝撃を検知した時だけ録画を行うドラレコについて解説します。
こちらはコムテック、ケンウッド、セルスター、中国系のメーカーのスマートミラーなどで採用されている録画方式です。
この方式ではエンジンがOFFになると、ドライブレコーダーの衝撃センサー以外の機能を全停止させ、微電力で待機する衝撃センサーが衝撃を検知してからドラレコ機能を起動させます。
このタイプのメリットとしては省電力性が圧倒的に高い点が挙げられますが、衝撃を検知してからの録画開始となる為、当て逃げの際の衝突の瞬間、下手をすればナンバーも映らない可能性があるというデメリットもあります。
録画フレームレートを落としてタイムラプス撮影を行うドラレコ
次にタイムラプス撮影を行うドラレコについて解説します。
タイムラプスという録画方式は、ドラレコの通常時である1秒に27~30回のシャッター回数を1~15回程度に落として、コマ数を減らした上での常時録画を行うものです。
※通常の場合には撮影コマ数はフレームレート、fpsで表現されます。1fpsは1秒1コマ撮影
メリットは常時録画を行っているので、衝突の瞬間の取り逃がしが少ない点が挙げられますが、1秒1コマの1fps撮影では衝突、イタズラの瞬間を詳細に捉えるには心許ないと感じる部分がありますので、3fps/5fps/10fpsなどとフレームレートが調整できる製品があらゆる面で強いと言えます。
VANTRUE、VIOFOの製品はフレームレートの調整が可能です。
なお、このタイプも常時録画を行っている事には変わりませんので、駐車監視中の消費電力はそこそこ高いものとなります。
まとめ
以上、エンジンが切れている状態でもドラレコで録画を行う方法、即ち「駐車監視」についてご紹介しました。
「駐車監視」は考えれば考えるほど奥が深い機能ですので、興味のある方はこちらの記事もご参照下さい。
コメント
こんばんは。興味深い記事に感謝いたします。
結局、駐車監視で最強なのは個人的には「常時録画の継続」に思えます。
されどそれにはOmi様の仰るように難点があって、「大電力の消費」と「(長時間録画の場合の)メディアの上書き」ですよね。
となると電力消費に対しては車両のバッテリーに頼らないドラレコ専用バッテリーということになるのでしょう。
メディア問題は、ドラレコ側での大容量サポートが必要であることから、最低でも256GB対応のドラレコを選択しなければなりませんね。それでもせいぜい2日くらいの録画データが限界ですが…でもバッテリーの方も限界でしょう。
上記のことを本気で取り組むと…私にはお金が足りません(泣)
私事で恐縮ですが、現在はLIFEPO4(リン酸鉄リチウム)のポータブル電源を車載してそこからドラレコの電源を取り常時録画の運用をしております(MDR-I002A)。もちろんシガーソケットから走行中に充電し、ドラレコの電源線には手動スイッチを設けて必要に応じてオンオフしてます。
運用効果はまずまずですが、LIFEPO4といえど熱対策に注意しなければならないところが難点です(設置位置や保冷バッグ等)。
貧乏性の私はこのポタ電を非常時に家庭で使おうなどと目論んでおりますが(笑)
すこし話が逸れましたが満足できる駐車監視や、はたまたクラウド化等の理想の「ドラレコ道」というのはお金が、もとい時間がかかりそうですね…(笑)
ドラレコマニア様
仰る通り、クラウドが最強なのだと思うのですが、問題は通信費ですよね。
ロングスパンで見ると下がっていくものだと思ってましたが、昔と大して変わらないですよね。