こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
ケンウッドの「DRV-C770R」は、同社としては初の衝撃の前後の状況を録画する駐車監視モードを実装した、駐車監視向けの360°ドライブレコーダーです。
従来の同社の製品と比べると駐車監視の利便性が向上している事から、この製品での駐車監視を検討されている方も多いと思います。
そこで今回は「DRV-C770R」の駐車監視の仕組みと使い方について解説します。
「DRV-C770R」の駐車監視モードの仕組み
「DRV-C770R」の駐車監視モードは、エンジンがOFFになると自動で予め設定しておいたこちらの録画モードに切り替わるものです。
「衝撃の前5秒+後15秒録画」モードは、内蔵のメモリに常時録画データを一時保存しながら、衝撃を検知した時だけ、衝撃の前後の映像を切り取って保護する録画方式で、当て逃げの際の証拠が最も残り易いモードです。
従ってLaBoon!!では「DRV-C770R」で駐車監視を行う際には、この「衝撃の前5秒+後15秒録画」モードをおすすめしています。
「DRV-C770R」の駐車監視モードを使う為に必要な手順
「DRV-C770R」で駐車監視モードを使用する為には、こちらのOPの黄・赤・黒の駐車監視用3芯ケーブルが必要です。
このケーブルを使用する事で、エンジンをOFFにすると自動で駐車監視モードが起動し、エンジンをONにすると駐車監視モードが終了するようになります。
それぞれのケーブルの役割はこちらの通りです。
ドライブレコーダー側は駐車中も走行中も常に黄線から電力を貰えるような状態になっており、エンジンに連動する赤線の通電状況によって、①走行録画、②駐車監視モード、③シャットダウンの制御を行っているという塩梅です。
3芯ケーブルの取り付け方法
このケーブルの根元は黄・赤・黒の3色のケーブルに分岐していますが、これをこちらのようなヒューズ電源取り出しケーブルなどを使ってヒューズボックス内のヒューズに接続します。

このケーブルを使った上で駐車監視の設定をONにしておくと、エンジンのON/OFFに連動して自動で駐車監視に入り、常時録画モードに戻ります。
駐車監視の設定項目
「DRV-C770R」には、録画方式以外にも駐車監視に関する細かい設定項目があります。
オフ以外に設定しておくと、エンジンがOFFになると自動で選択した駐車監視モードに移行し、エンジンがONになると駐車監視を終了し、走行時の録画モードに戻ります。
駐車監視の設定をONにしてある場合には、外出先などでエンジンをOFFにすると自動で駐車監視モードに入りますので便利ですが、自宅駐車場で駐車監視をしない場合にはエンジンをOFFにする前後にこちらの「電源ボタン」を長押しする事で、強制的に電源を落とす事が出来ます。
このボタンを押し忘れると自宅駐車場でも延々と駐車監視を行い、無駄にバッテリーを傷める事になります。
その都度の電源オフの操作が面倒だ、という方には、こちらの「iZONE」との併用がおすすめです。
「iZONE」に自宅などの駐車監視が必要ない場所を登録しておくと、「DRV-C770R」の駐車監視の設定がONであっても、その場所ではエンジンをOFFにすると自動的に電源が落ちるようになります。

こちらは車のバッテリーの充電量が減った事で電圧が下がった時に、バッテリー保護の為に強制的に電源をOFFにする機能です。
ケンウッドの駐車監視システムは、過去には11.6Vが最低のカットオフ値でしたが、バッテリー上がりのトラブルが多かったらしく、現在では高めの設定となっています。
バッテリーの寿命が気になる方は、12.6Vに設定した方が良いでしょう。
高い電圧でカットオフすると駐車監視時間が短くなるというデメリットもありますので、バッテリーを傷めずに長時間の駐車監視をしたい方は、ドラレコ駐車監視専用の外部バッテリーを検討すると良いでしょう。

こちらは駐車監視のタイマー設定です。必要な場所では24時間が理想ですが、ドラレコの駐車監視は確実にバッテリーを傷めますので、バッテリー保護を優先する場合にはタイマー設定を活用して下さい。
「DRV-C770R」では駐車監視の際の衝撃感度を3段階で調整する事が出来ます。
コムテックの製品は最低値が0.02Gとなっていますので、「DRV-C770R」の感度調整幅は狭く、ドアパンチなどの小さい衝撃は検知しない可能性が高いです。
※また「DRV-C770R」はナンバー認識精度が致命的に低いので、ドアパンチと夜間の駐車監視も考慮する場合には3カメラのVANTRUE「N4」の5fpsタイムラプスモードがおすすめです。
こちらは設定のON/OFFはありませんが、駐車監視録画を行った際には音声アナウンスがあります。
駐車監視の消費電力と外部電源を使用した駐車監視
次に「DRV-C770R」の消費電力ですが、おすすめの駐車監視モード設定である「衝撃の前5秒+後15秒録画」モードでは4.4W程度でした。
ドラレコ専用の急速充電バッテリー「iCELL」ではこちらのような駆動時間の予測となっています。
型番 | B6A | B12A | B40A |
---|---|---|---|
容量 | 76Wh | 153Wh | 422Wh |
駆動時間 | 15.5時間 | 31時間 | 86時間 |
満充電 | 50分 | 100分 | 150分 |
※タイマ―設定の上限は24時間ですので、駐車監視モードは最大24時間までしか連続駆動出来ません。
iCELLと「DRV-C770R」との取り付け方法はこちらの3芯ケーブルパターンです。
まとめ
以上、「DRV-C770R」の駐車監視モードの使い方、取り付け・設定方法について解説しました。
「DRV-C770R」のレビュー本編についてはこちらの記事をご参照下さい。

コメント
電装等に関して全くの初心者でありまして、大変基本的な質問で恐縮ですが、ご教示下さい。
現在DRV-C770Rを使用していますが、icell を購入の上、同機で駐車監視を行いたいと考えています。
実は2ヶ月前、駐車中にドアパンチされたのですか、DRV-C770Rの衝撃検出録画は残念ながら作動しませんでした。
そこで、エンジン停止後の駐車中も走行中と同様の常時録画を最大10時間程度行いたいと考えているのですが、その場合、ドラレコ本体のACCを接続せずに2芯ケーブルのドラレコのようにして使用すれば、私の希望するような運用が可能になるように考えたのですが、その考え方は正しいでしょうか?
また、上記運用が可能な場合、自宅駐車場等、駐車監視が不要な場所ではドラレコ本体またはicellの電源を基本オフにしておこうと思いますが、例えば、ドラレコ本体のACCの配線にオンオフ用のスイッチをはさむ等して、ドラレコ本体の駐車監視モードも併用できるような設定にすることもできるのでしょうか?
ご教示のほど、よろしくお願いします。
1.>エンジン停止後の駐車中も走行中と同様の常時録画を最大10時間程度行いたいと考えているのですが、その場合、ドラレコ本体のACCを接続せずに2芯ケーブルのドラレコのようにして使用すれば、私の希望するような運用が可能になるように考えたのですが、その考え方は正しいでしょうか?
ACC線を繋がなければドラレコが起動しません。駐車中も常時録画を継続したい場合、ACC線とBATT線の2本をiCELLの出力黄線に接続して下さい。
2.>例えば、ドラレコ本体のACCの配線にオンオフ用のスイッチをはさむ等して、ドラレコ本体の駐車監視モードも併用できるような設定にすることもできるのでしょうか?
BATT,ACCの2芯からの通電状態では常時録画、この状態からACCのみ遮断されるとC770Rの駐車監視モードに入ります。
従って1,で説明した接続から、ACCをスイッチ制御すれば可能です。
icell の出力黄線を分岐させて、ドラレコ本体のACCとBATTに接続する必要があるということですね。
承知しました。取付業者さんにその旨伝え、相談してみます。
早々のご回答、ありがとうございました。