※2023年7月21日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
最近はトヨタの主力車種でCarPlayに対応したディスプレイオーディオが標準装備となった事で、一気に知名度が高まりつつありますが、ここ何年かでアフターパーツ製品も各社から販売され、以前と比べると選択肢が増えて来ました。
そこでこの記事では、これからCarPlayに対応したカーナビ、ディスプレイオーディオの導入を検討されている方向けに、各社の製品をご紹介します。
そもそもCarPlayとは?
CarPlayは、iPhoneのアプリをカーナビ画面から、車載専用のインターフェイスで操作・制御する事が可能な、Appleが開発したシステムです。
2014年にAppleから発表されて以降、Android Autoと合わせて輸入車を中心に純正カーナビへの搭載が開始されました。
CarPlay普及の歴史
これらのシステムは、当初から海外ではそれほど抵抗なくユーザーに受け入れられて来たようですが、日本においては従来型のカーナビの機能が秀逸であった事から、無料ナビアプリの雑な案内は受け入れられにくく、知名度が上がって来たのはこの4~5年です。
※アフターパーツのカーナビでは、それより前に数年間に渡って各社の最上位モデルでサポートされていた事もありますが、価格が高過ぎた為に多くのユーザーに受け入れられる事はなく、2020年には一度全てのメーカーからCarPlay対応カーナビが姿を消しています。
しかしながら、カーナビよりも下の価格帯で展開しているディスプレイオーディオにおいては、パイオニアが過去数年に渡って販売してきたCarPlay対応品が好調だった事もあり、2020年以降にはアルパインやケンウッドもCarPlay対応のディスプレイオーディオの販売に力を入れ始めています。
個人的には「エントリーグレードのカーナビにCarPlay機能を追加したような製品があれば良い」と考えていますが、2023年春の段階では、アフターパーツのカーナビでCarPlayに対応しているのは2023年モデルのアルパインとイクリプスのハイエンドカーナビのみとなっています。
CarPlayで出来る事
CarPlayは車載オーディオの液晶からiPhoneを操作・制御するシステムで、最大のコンセプトは「車内で安全にiPhoneを使う!」です。
iPhoneの映像をカーナビに出力するだけなら、ミラーリングという方法でも可能ですが、ミラーリングでは液晶画面からiPhoneを操作する事が出来ませんので、安全面を考えると現時点ではCarPlayの方に分があるでしょう。
また、スマホ内の全てのアプリが使用出来る訳ではないので、必ずしもミラーリングよりも便利であるとは言えませんが、操作性や安全性などを考慮するとCarPlayの方を選んだ方が良いケースもあると思います。
CarPlayは動画アプリが使用出来ないが、解決方法もある
CarPlayは、車内で安全にスマホのアプリを使う事が基本コンセプトですので、動画アプリを使用する事が出来ません。
そこで最近注目されているのが、CarPlay対応のカーナビ・オーディオで動画アプリを使用する事が可能なAI BOXと呼ばれるAndroidドングルです。
このドングルを使用する事で、原則としてAndroidに対応しているアプリはそのほとんどを使用する事が出来ます。
CarPlayに対応するカーナビ
2023年春の時点では、CarPlayに対応した現行品のカーナビはアルパイン・イクリプスのみとなっています。
アルパインのカーナビは液晶サイズで型番が分かれており、機能面ではどの製品も同等となっています。
その為、これらの製品では全機種がCarPlay対応となります。
ただし、価格が高いのでCarPlayを試してみたい、という目的の方には不向きであると考えています。
イクリプスの製品に関しても最上位の扱いですので、価格は高めです。
CarPlayに対応したディスプレイオーディオ
次にカーナビソフトを搭載しないCarPlay対応のディスプレイオーディオをご紹介しますが、先に注意点をお伝えしておきます。
これらを使用する場合にはカーナビ機能はスマホのカーナビアプリとの併用が前提になりますが、今までカーナビメーカーのナビソフトを使って来た人の場合だと、スマホのナビアプリの案内精度に戸惑う事もあると思いますので、カーナビソフトを搭載しないガジェットのCarPlayはまだまだ万人におすすめ出来るようなものではない事をご理解下さい。
■ CarPlayでのGoogle Mapの使い方とレビュー
CarPlayを試すならATOTO「F7」がおすすめ
CarPlay対応品はパイオニア、アルパイン、ケンウッドなどからも発売されていますが、最低クラスの製品でも価格は3万円台半ばです。
そんな中で価格面で日本メーカーを圧倒しているのが、2万円~の低価格を売りにしているATOTOの「F7」シリーズです。
LaBoon!!では「F7XE」の実機レビューを行っていますが、いくつか気になる部分はあるもののオーディオに特に高音質を求めない限りは普通に使えるコスパの高いCarPlay対応品という印象です。
中華メーカーなので故障率は気になるものの、とりあえずCarPlayがどんなもんか試してみたい方にはこの製品がおすすめです。
なお、本製品のメディア対応は必要最低限となっており、CD・DVDドライブドライブは搭載しません。
対応メディア構成はこちらの通り
・Bluetooth
・USB
・AV IN
・バックカメラIN
・EasyConnectionミラーリング
・CarPlay(有線/無線)/Android Auto(有線/無線)
機能面で熟成されたパイオニアの「DMH-SF700」「DMH-SZ700」
「DMH-SF700」「DMH-SZ700」は過去数年に渡り、コツコツと国内でCarPlay対応品を展開してきたパイオニアの2020年発売のモデルです。
「DMH-SZ700」はスタンダードな2DIN筐体の6.8型40万画素液晶、「DMH-SF700」は1DIN筐体と9型100万画素のフローティング液晶を組み合わせた上位モデルですが、機能面では同等品となっています。
対応メディア構成はこちらの通り
・USB
・ハイレゾ:USB/Bluetooth(LDAC)
・WiFi
・WEBブラウザ
・HDMI IN
・AV IN
・バックカメラIN
・CatPlay/Android Auto/Alexa
ATOTOの「F7」と比べると地図アプリと音楽アプリの音量が個別に調整可能であったり、WiFi接続とWEBブラウザからの動画の再生に対応していたり、HDMI INポートを搭載している事からFire TV、ChromeCast、Apple TVなどのネット動画再生ガジェットをポン付け出来るというメリットがあります。
実際に使用してみたところ、過去数年に渡ってこのカテゴリーの製品を展開しているだけあって流石に完成度が高いと感じました。
なお、これらの製品には前身である、CD/DVDドライブを搭載し、HDMIポートはサポートしない「FH-8500DVS」という過渡期モデル的な製品も存在します。
パイオニアの最新モデル「DMH-SF500」
パイオニアの「DMH-SF500」は、型番的には前述の「DMH-SF700」の下位モデルのような印象を受けますが、2023年向けの最新モデルです。
機能構成は以下の通り。
DMH-SF500 | DMH-SF700 | |
---|---|---|
ディスプレイ | 9型 | 9型 |
CarPlay/Android Auto | 有線 | 有線 |
Bluetooth | 〇 | 〇 |
USB | 〇 | 〇 |
CD/DVD | - | - |
ハイレゾ | 〇 | 〇 |
HDMI入力 | - | 〇 |
alexa | - | 〇 |
WebLink® | 〇 | - |
WebLink® Cast | 〇 | - |
「DMH-SF700」と比較すると、ディスプレイサイズや対応メディアは同等ですが、HDMI入力ポート・alexa機能がカットされています。
一方でスマホとの親和性を高める機能として、WebLink®が追加されました。
WebLink®はCarPlay・Android Autoの登場以前の2012年頃からのパイオニアの取り組み「スマホリンク」の復活と言えそうな機能で、ディスプレイオーディオの画面上からいくつかのスマホの対応アプリが操作・使用可能になるものです。
WebLink®では、YouTubeを含むいくつかのアプリをディスプレイオーディオから起動させる事が出来ますが、どうやら今のところPrime VideoやNetflixなどの有料アプリは対応していない模様です。
また、スマホの画面をミラーリング(mirroring)ではなく、ミラリンク(mirrorlink)が出来るWebLink®Castにも対応しており、この機能を使うとiPhone、Androidスマホの画面をディスプレイオーディオに出力しつつ、その操作までもが可能になります。
HDMIを廃止して、よりスマホとの親和性を高めた製品であると言えそうです。
アルパインの直販ディスプレイオーディオ
アルパインは2020年モデルのBIG DAから、直販形態に限りCarPlay対応のディスプレイオーディオ市場に参入していましたが、これが好調だった為か2022年モデルは更に機能面をブラッシュアップした以下の一般モデルを投入しています。
・「DAF9Z」:フローティング9型ディスプレイ
・「DAF11Z」:フローティング11型ディスプレイ
従来機との差別化機能はこちらの6つです。
その他、従来の最上位モデルで採用されていた以下機能は全てサポートされています。
従来機と合わせて考えると、カーナビソフトなしのディスプレイオーディオとしては、全ての機能を網羅しつつ、必要最小限の機能のみをカバーしたエントリーモデルの選択肢も提供するという、オールレンジでの展開となりました。
特に無線CarPlayは、国内で展開している製品では初物ではないかと思いますし、今の段階でパイオニアとアルパインのディスプレイオーディオのどちらかを選べ、と言われれば、アルパインを選んじゃいそうです。
出直しのケンウッド「DDX5020S」
ケンウッドは2018年に地デジやDVDドライブなど、ほとんどフル装備のCarPlay対応ディスプレイオーディオ「DPV-7000」を販売していますが、価格がユーザーのニーズに合わなかったらしく、短期間で販売停止となりました。
その後、パイオニアが主導して盛り上げたCarPlay対応のディスプレイオーディオ市場の情勢を見て2020年には「DPV-7000」の機能を絞って価格を下げた廉価モデルの6.8型液晶モデル「DDX5020S」を発売しています。
機能構成的にはエントリーカーナビからカーナビソフトと地デジを外したようなもので、こちらの通りとなります。
・USB
・ハイレゾ(USB)
・CD/DVD
・AV IN
・バックカメラIN
・Androidスマホのミラーリング
・CatPlay/Android Auto
HDMIポート非搭載ですのでネット動画メディアとは相性が悪いですが、CDは必須と考えている方向けの製品です。
Android OSを搭載したディスプレイオーディオ
最初にご紹介したATOTOからはAndroid OSを搭載し、タブレットと同様に単体でAndroidアプリを使用可能な製品もあり、日本国内ではCarPlay対応品よりもこちらの方が人気だった期間が何年か続きました。
最近ではこれらのAndroidオーディオでも、デフォルトでCarPlayに対応させているモデルも増えており、YouTubeの他にもAmazon Videoなどの有料アプリがFire TVなどの追加ガジェットなしで再生出来る点が魅力です。
まとめ
以上、CarPlayに対応したカーナビ・ディスプレイオーディオについてご紹介しました。
ここ3年くらいでこのカテゴリーの品揃えが急激に増えていますので、従来のカーナビは高すぎる、機能的に必要ないものが多い、と感じる方は検討してみて下さい。
コメント
この内容でも9インチの記事でもクラリオンは出てこないんだな
あさ様
以前は各記事にきっちり掲載してましたが、クラリオンは2~3年モデル更新してない時期があり、現行品も旧製品の地図更新版になっていますので昨年中盤から除外しています。
当方、もはやクラシックカーとも言えるユーノスロードスターに乗っており、iPhoneをCarPlayを繋ぎたいと思ってます。
2DINのスペースがあるのですが、シフトノブの前で見にくいので、個人的には1DINのユニットからセパレートのディスプレイ(ダッシュボードに設置)に出力したいと思ってます。
昔はこのようなタイプのナビ(1DINでディスプレイセパレート)があったように思うのですが、今はもうないのでしょうか?
Panasonicのゴリラのようなものでもいいのですが、CarPlay対応のものがありません。
何かいいものありませんでしょうか??
くわどり様
セパレートタイプの製品はないですが、これと1DINオーディオを組み合わせたら大概の事は出来そうですよ。
https://car-accessory-news.com/coral-vision/
管理人Omiさま
これ、夢に見たような商品でとても嬉しいです!
カロッツェリアのDEH-4200という古い1DINオーディオを使ってますが、これはこのまま使いたいと思ってましたので、ちょうどいいです。
しかもこのCoral Visionには、Bluetooth接続できるタイプもあるみたいですので、スッキリ接続できて完璧です!
情報ありがとうございました!
くわどり様
コレ、私も使ってみたいんですけど、あんまりレビュー要望ないんですよね。
ニッチ中のニッチですからね(笑)
2DINでドラレコ機能の付いた物って無いのでしょうか?
海外向けにはありそうな気がします。
探すのに少々根気がいりますが(-_-;)
https://ja.aliexpress.com/w/wholesale-carplay-2din.html?spm=a2g0o.best.search.0