New ottocast OttoAibox P3 【AI BOXを導入するメリットとUSBポート及びテレビキャンセラーによる制御系被害の見解】

11月30日更新 : ottocast及びデータシステムから声明が出ておりましたので、本ブログでもご紹介をしておきます。

・ottocast -JP Xより引用

・Data System 公式サイトより引用

こんにちは! 元エンジン要素研究員で、自称エンジニア上がりモータージャーナリストの大林寿行です。

10月に発売された新型ottocast P3ですが、緊急でソフトウェアに変更があり、販売までに1から2ヶ月遅れが生じるアナウンスがあり、発表後のレビューが遅れておりました。

現在では、アマゾンのottocast公式ストア等でも購入が可能となっており、現物が入手出来ましたので、皆様にレビューしたいと思います。

「そもそも導入するメリットってどういった所にあるのか?」とよく聞かれますので、ブログの方では、こちらの話題についてご紹介を致します。

また、現在、USBポート及びテレビキャンセラーによる車の制御系被害が出ていると巷で言われていますが、不具合有無の見解についても併せてご紹介を致します。

動画の方では、新しくなった注目機能についても触れていますので、こちらの方もご覧頂ければと思います。

テレビキャンセラーは、用途によってON/OFFが必要

現在私は、トヨタヴォクシー90系の10.5インチディスプレイオーディオにottocast P3を使用しています。よく視聴者様から聞かれる内容として、「テレビキャンセラーがなくても、走行中動画を流す事が出来るのか?」という質問が多々あります。

その答えはもちろん可能な訳ですが、このメリットを知る上で、テレビキャンセラーの機能と純正ナビに及ぼす影響を知る必要があります。

T-Connectの例で説明をすると、ネット、テレビ、DVD、音楽等を流す事が可能ですが、車が停止している状態でないと、モニターに映像が映りません。後席モニターは映るようになっています。

その為、今巷で問題視されている「テレビキャンセラーキット」を取り付けて、走行中でも車速がゼロである擬似的な信号をディスプレイオーディオに読み込ませる事によって、走行中でもモニターに映像を映す事が可能になります。

しかし、テレビキャンセラーキットを取り付ける際、いくつか問題点があり、AV機器の観点として、純正ナビが機能しなくなる問題があります。

具体的には、ナビの位置アイコンが動かなくなり、車の位置情報が更新されなくなるのですが、これは、前述した通り、走行中でも車速がゼロである擬似的な信号をディスプレイオーディオに読み込ませており、車速信号をカットしている状態になるので、ナビが機能しなくなります。

従って、現代のテレビキャンセラーキットは、簡単に車速信号のON/OFFスイッチが設けられており、ナビを使用する場合には、スイッチをOFF、ネットやTV、DVDをモニターに流したい場合は、スイッチをONにして使い分けをする必要があります。

自動運転支援系による制御系へのリスク

また、テレビキャンセラーを付けた不具合として、マツダ車の例で主に問題視されていますが、安全運転支援系の機能が正常に機能しなくなるリスクが言及されています。

古くからの友達が、現行のCX-5に乗っており、最近までテレビキャンセラーキットを付けていたそうなのですが、高速道路を走行中にマツダレーダークルーズを使用しての走行中、レーンキープの制御が正常に作動せず、車がフラフラするような症状だったような気がすると供述していました。

私自身もトヨタディーラーの担当営業マンに、テレビキャンセラーの話題をした事があったのですが、ディーラーでもテレビキャンセラーの取付は行っていますが、キャンセルスイッチONの時は、純正ナビが使えない事、セーフティーセンスの機能の一部が使えなくなるとお客さんに説明をしているそうです。

その一部ってなんだろうと気になったので、実際に高速道路でレーダークルーズコントロールを使用してみたところ、ACCやレーンキープは正常に作動しますが、アドバンスドドライブが使えなくなる時がある事が判明しました。

これらから言える事は、テレビキャンセラーを取り付ける事で、安全運転支援系に影響を及ぼすのは、正確な位置情報が高速道路と認識しないと使えない自動運転のアドバンスドドライブのみで、他社で言う所のレベル2自動運転制御において作動のON/OFF制御をしています。

従って、それ以下の運転支援系は問題なく使えますし、レベル2自動運転制御装置はオプションであったり、該当するのはまだまだ限定的な車となりますし、テレビキャンセルによって、作動のON/OFF制御の検知が正確に行えるか否かだけの問題だけなので、車の制御系に影響を及ぼすリスクは非常に少ないと言えるでしょう。

運転支援系に影響を受けず、純正ナビが使えて、動画も見れる

前置きが長くなりましたが、AIBOXの導入メリットは、ナビに備わるUSBポートに接続するだけで、CarPlay及びandroid auto、そしてAndroid OS上でネットや動画、音楽を楽しむ事が出来る事です。

そして、ナビや自動運転制御系に関わる車速をカットする必要もないので、走行中もネットや動画を流す事が出来ますし、同時に純正ナビを連動させる事も出来るので、車の制御系自体に悪影響を及ぼす事なく、AV機器の機能を拡張して使う事が出来る事が、AIBOXを導入する大きなメリットとなります。

ナビからのUSBポートによる制御系の影響

AIBOXは、テレビキャンセラーに対して導入するメリットが非常に大きい事がお分かり頂けたかと思いますが、最近あるクルマ系YouTubeチャンネルで、ガセネタが独り歩きしているようです。
内容は、USB-Cを使ったAIBOXやOBD IIを使ったレーダー探知機を使うと、クルマの制御系ECUがバグってしまい、最悪、クルマが壊れてしまい、高額な修理が発生しているという事案です。
幾つか動画を拝見しましたが、主にマツダ車を話題としており、テレビキャンセラーから運転支援系に問題が波及し、更にエンジン制御系が入り混じったごちゃごちゃな内容となっている動画である印象を受けました(笑)
私は、乗用及び商用自動車メーカーで、ECUを扱うエンジン実験エンジニアをしていましたが、退いてから数年以上経っているので、現役で乗用自動車メーカーで開発の仕事をしている仲間にも確認を取りましたが、 今でもUSB-Cなど使っておらず、また制御系ユニットと繋がっていないとの事で、OBD IIを使っているとの事でした。
また、OBD IIは、制御モニター用のコネクターになるので、書き換え用のECUとの繋がりはなく、データがバグる事は構造上一切ありません。
ロムの内部データを書き換えるためには、書き換え用のECUとの通信が必要で、専用のハード及び3つのプログラムファイル、その中の一つのファイルとして、暗号用セキュリティーファイルが無いと100%データを書き換える事が出来ません。
更に制御系は、ドイツのボッシュが独占しており、自動車メーカーでも勝手にデータを書き換える事が出来ないシステムの管理体制となっています。
従って、サードパーティーで売られている用品を繋いだとしても、ECU内部のプログラムデータ自体に悪影響を及ぼす事はありませんので、クルマは正常に作動します。

運転支援系のレーダークルーズの影響

また、テレビキャンセラーを取り付ける事によるリスクについて前述しましたが、ナビに取り込む車速信号が遮断され、ナビやレベル2自動運転が使えなくなりますが、ヴォクシー90系で確認をした所、その他の運転支援制御系は問題なく作動します。
その理由は、運転支援系のレーダークルーズ自体の制御は、車両のギヤボックスに実装される車速センサーその物を使っており、車速が問題なく機能するためです。
また、 メーカーでは各々のユニットに故障モード用プログラムをECU内に実装していて、例え車速センサーが壊れたとしても、運転支援系はフェールセーフが働きOFFカットされるでしょうし、エンジン制御及びミッション制御系は車が走れないと困るので、故障モードの制御プログラムによって作動します。
当然ながら、車速センサーが壊れていれば、チェックランプ及びエラーとして診断機から読み込む事が出来、部品交換及びエラーのキャンセルによって、クルマは正常に戻ります。
従って、ディスプレイオーディオのUSBポートにAIBOX を付ける事によって、重度な車のトラブルが出る事は極めて考え難いです。
しかし、AIBOXとナビとの適合性はまだまだ未知な領域があるので、AIBOXを取付した際にナビ自体がバグってしまったり、AIBOX自体が作動しない事は十分に考えられますので、量産実績があり、適合範囲が広いと考えられるottocastが安心して使用出来ると考えます。

まとめ

今回は、新しく登場したottocast P3を題材として、AIBOXの導入のメリット、テレビキャンセラーによるAV機器の観点の問題点、最近話題になっている運転支援系との関わり、USBポートと制御系の関わり、実装されている車のフェールセーフについてご紹介を致しました。

ottocast P3自体の新しい機能については、動画の方で紹介をしておりますので、こちらの方もぜひご覧になって頂けれると幸いです。

コメント

  1. としかず より:

    車両系の電機修理をしてるものです。
    OBDⅡ、TVキャンセラー問題が世に出回ってきてます。

    従って、ディスプレイオーディオのUSBポートにAIBOX を付ける事によって、重度な車のトラブルが出る事は極めて考え難いです。

    と文面がありますが全メーカー、全車両、年式が関係なく大丈夫なのでしょうか?
    AIBOXを取り付けし、何か問題が出た場合は、

    元エンジン要素研究員で、自称エンジニア上がりモータージャーナリストの大林寿行

    が修理補修するのでしょうか?
    明確にお答えください。

    • 前提条件として、トヨタ車での検証内容からの情報である事をこ認識下さい。
      また、今回の話題は、主にマツダ車で起きているトラブル事例のようで、一部の動画しか拝見しておりませんが、ナビがシャットダウンしない映像を拝見しました。

      まずこれについて、マツコネのナビ自体にスマホを繋いで、android autoを使用してフリーズしたと言われていましたが、
      ナビ自体がフリーズしたのか?また運転支援系の車の制御系までに至ったトラブルなのか?はっきりとした情報は出ていないように思います。

      そもそも、はっきりとトラブルが出ていると言及するのであれば、もっと明確な状況証拠を伝える義務があると考えます。
      それは、実際に起きている事象なのであれば、自分から棚に挙げている訳ですから、そのまま伝えれば良いだけの事で、特に難しい事はないと思うからです。
      しかし、我々からの情報は、機密に関わる内容が入って来るので、そのまま伝える事が出来ない難しいさが生じます。

      一方で私自身の検証では、USB-A及びテレビキャンセラーを1年程度扱ってきた事例を参考として掲載させて頂いております。
      動画を見て貰えばお分かり頂けると思いますが、AIBOXは、既に多くの国内仕様及び並行品をレビューで扱って来ました。
      また、適合性確認及びデバッグも行って参りましたが、ノア、シエンタ、クラウン、プリウス、アルファード、ヴェルファイア等試乗車及びヴォクシー90系においては、トラブルの前兆は全く出ていない事実があります。

      テレビキャンセラーにおいても、ヴォクシー90系に1年近く取付ておりますが、ON/OFFの現状起こっている作動をそのまま記事に掲載させて頂いておりますが、こちらもトラブルの前兆は全く出ていない事実があります。これらの事実確認を含めて、前職で携わって来た情報及び現在の情報と照らし合わせて、トラブルの有無について判断するとなると、トラブルが出る事は極めて少ないと言うのが私からの見解になります。

      最後に、根拠のない情報が流れている中で、不安を煽るような情報について、配信者はもっと責任を持つべきだと思います。
      可能な範囲内で実例に基づいて、該当される方々に少しでも判断の一部となり、解決に至れたらと情報発信をしているだけです。
      最終的な判断は、自動車メーカーまたは用品販売窓口の返答内容により、判断して行けば宜しいのではないでしょうか?

      • としかず より:

        コメントの返信ありがとうございます。

        AIBOXにおいては、すでに多くの国内仕様及び並行品をレビューで扱って来ました。
        また、適合性確認及びデバッグも行って参りましたが、ディーラー試乗車及びトヨタノアヴォクシー90系においては、トラブルの前兆は全く出ていない事実があります。

        了解しました。

        • ご返答をいただき、誠にありがとうございます。
          トヨタ車の中でも、グレードが低い車ですと、USB拡張ポートが付いていない車もございます。
          少なくともOBD IIは、2000年以降の車でしたら、メーカー及びグレード問わず使われていますから、
          仮にUSB拡張ポートが故障診断用として、フェールセーフをリセットするための端子として使っていると考えた場合、
          同じノアでも故障診断の端子の有無が生じ、統一性がなく明らかにおかしい話にもなるはずです。

          また、比較的高額な車ですと、センターコンソールボックス内部に付いています。
          第三者が診断で使う恐れのある端子をプライベートの用途で使われる可能性が高いセンターコンソールに設けるでしょうか?
          トヨタだったら、そんな設計をする人間はいないはずです。

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