ガソリンやエンジンオイルの添加剤は昔から色々な製品が売られていますが、ユーザー側としては今一つその効果を体感し難いところだと思います。
後付けの燃費改善パーツの効果はない
今はそのような製品があるかどうかは分かりませんが、添加剤ではなくガソリンタンクに投下したり、エアインテークパイプに装着したりする事で燃費の改善を謳うようなものもありました。
このような後付けのパーツでは、残念ながら燃費の改善は見込めないでしょう。
そんなに簡単に燃費が改善するなら、メーカーが純正パーツとして装着していますし、本当にそんなものがあれば私も欲しいです。
…と考えていましたが、最近テストして効果が体感出来たものがあったのでこちらの記事で紹介しています。
■ 怪しげな燃費改善グッズ ガイアパワーの効果を検証しました
ただし、添加剤の類は後付けのパーツとは違って、検証は難しいもののしっかりと燃費改善効果が確認出来るものもあります。
添加剤の中にも20年以上前には「マイクロフロン」やら「マイクロセラ」だとか言う粉末状の怪しい添加剤が有りましたが、全部オイルフィルターにつかまってフィルターの寿命を縮めるだけじゃないか?という代物もありましたね。
これから紹介するものはそういった怪しいものではなく、自分で効果が検証出来たものです。
ワコーズの添加剤はそれなりに効果があるのものが多い
和光ケミカルという会社をご存知でしょうか?
この会社はエンジンオイルなどの車に使われる各種オイルの専門メーカーで、モータースポーツへの積極的な支援からフィードバックされた情報をもとに、製品の改善を続けている職人気質の強いメーカーです。
このワコーズの添加剤の中で、私自身が実際に試してみて効果が認められたものがいくつかありますので紹介致します。
これから紹介するものは、新車にはあまり効果が無い筈ですが、逆に古くて走行距離が多い車に乗っている人には是非知って頂きたい内容です。
ガソリン添加剤「フューエルワン(F-1)」
車のエンジンは、ガソリンを燃焼させる度に燃焼室や、吸気・排気バルブ(空気を吸い込んだり、吐き出したりする弁)、インジェクター(燃料を噴射する装置)をカーボンなどの燃えカスで汚しながら走行しています。
この燃えカスは、メンテナンスをしない限りどんどん溜まって行く一方ですので、エンジンが本来持っている性能を100%発揮出来なくなって燃費が悪化します。
車の燃費が悪くなる要因はエンジンオイルの劣化や、タイヤの磨耗など、他にも様々な要因が考えられますが、「フューエルワン」は燃料の通り道を全て綺麗にしてくれる優れものです。
ガソリン添加剤である「フューエルワン」の使い方は、とても簡単で給油後にガソリンタンクに注入するだけです。
ガソリンタンクに投入する事で「フューエルワン」に含まれる洗浄剤が、燃料ポンプのフィルター➡インジェクター➡燃焼室・吸気バルブ・排気バルブに至る一連の経路を通り、各経路の洗浄と燃費改善効果が期待出来ると言ったところです。
燃焼室やバルブの内側に燃えカスが溜まっている状態を想像してみればわかると思いますが、これはエンジンの燃焼室の容積を圧迫し、排気量が下がるのと同じ事です。
排気量が下がれば燃費は改善されそうですが、燃料は本来あるべき排気量に合わせて噴射されますので、燃料だけ消費してパワーが得られない状態を招きます。
メーカーのカタログによると、新車時から2,000km走行した辺りからデポジット(燃えカスの塊)が増え始め、その後も走行距離に比例してデポジットが溜まって行くとの事です。
30~60ℓあたり1本の注入で、2回使用(800km走行)でデポジットが74%減少したとの測定結果ですが、通常は更に1本の使用が推奨されています。
イメージ的にはこれで新車から1000km走行時くらいまでデポジットが剥がれるといったところでしょうか。
検証結果については最後にまとめで行いますので、次は同じくガソリン添加剤のプレミアムパワー(PMP)を紹介します。
ガソリン添加剤「プレミアムパワー(PMP)」
「フューエルワン」と同じく、ガソリンに添加する「プレミアムパワー」は、洗浄剤ではありません。
ガソリンの不完全燃焼を防いで、完全燃焼させることで燃えカスを出しにくくする効果がありますが、単体で使用するよりも、3本目の「フューエルワン」と同時に使用する方法が推奨されています。
「フューエルワン」で剥がした燃えカスとしっかり吹き飛ばすイメージでしょうか。
こちらも「フューエルワン」と同様に30~60ℓあたり1本の注入が適量とされています。
エンジンオイル添加剤「スーパーフォアビークル(S-FV)」
「スーパーフォアビークル」は、私が3年間に渡り1度も欠かす事無く使い続けているエンジンオイル添加剤です。
エンジンはガソリンの燃焼の力でピストンを上下させ、ピストンの上下運動をクランクシャフトに伝えて回転運動に変える事で駆動力を生み出しています。
エンジンオイルの主な役割は、ピストンとシリンダーという、金属面同士の間に入り込み、薄い油膜を作る事で金属と金属の摩擦や磨耗を防ぐ事です。
従って「どれだけ摩擦係数を下げる事が出来るか?」という事が、エンジンオイルの性能を語る上で重要な要素の一つになります。
和光ケミカルという会社は、現場主義が非常に強く、営業マンが熱心に自動車整備工場を回って自社製品のデモンストレーションを行います。
一般的なエンジンオイルを潤滑油として回転する軸にレンチで徐々に圧力を掛けて行くと、一定圧力で金属音が大きくなり、油膜が切れて回転が止まります。
そこで「スーパーフォアビークル」を注入すると、先程止まった圧力でも全く油膜切れを起こさず、軸がヌルヌルと回転し続けます。
また、「スーパーフォアビークル」には、高い洗浄効果が備わっています。
ピストンの外側にカーボンが付着すると、それが抵抗になって部分的に油膜切れを起こしやすくなり、結果的にピストンが削られてしまう事があります。
「スーパーフォアビークル」に含まれる清浄分散剤がピストン周の汚れを取り込み、カーボンを付着させないことでエンジンの保護と燃費向上の効果が期待できるという訳です。
また、ターボチャージャーを搭載している車であれば、更にエンジンオイルの役割が重要になります。
ターボチャージャーは排気ガスの勢いでファンを回し、そのファンの軸の反対側には、吸気を圧縮する為のファンが付いています。
この両側のファンを結ぶ軸は、軸受けに乗っかっていますが、エンジンオイルが供給されると軸と軸受けの間に油膜が出来て分離された状態になります。
「スーパーフォアビークル」は摩擦軽減の効果が期待できますので、長期的に見ればターボ車におけるタービン保護の効果も期待が出来るという事です。
吸気系洗浄剤「レックス(RECS)」
最近の車は燃費の向上や、窒素酸化物などの有害物質を低減させて排ガス規制に適合させる為に、排気の一部を再度吸気側に導いて再燃焼させています。
その為、場合によっては吸気ポートに大量のカーボンやデポジットが溜まる事があります。
最初に紹介した「フューエルワン」では、インジェクター➡吸気バルブ(弁)のメンテナンスが可能であると説明しましたが、「RECS」ではインジェクターよりも手前のエアインテーク側も含めて、メンテナンスが可能になっている事が特徴です。
インジェクターから排気バルブまでの経路の洗浄は「フューエルワン」と重複します。(直噴エンジンの場合は、インジェクターが燃焼室に直接燃料を噴射する為、「フューエルワン」では不可能な吸気バルブ(弁)の外側の洗浄も「RECS」であれば可能です。)
燃焼室から排気バルブまでの経路の洗浄は「フューエルワン」と重複しますが、「フューエルワン」が燃料に混合して走行しながら洗浄するのに対して、「RECS」の場合インテーク側に点滴のような器具を使用して直接注入しながらアイドリング状態で30分程度の時間を掛けて洗浄を行います。(原則としてはガソリンスタンドやカーショップ、整備工場などでの施工になります)
従って、強力で即効性のあるのは「フューエルワン」よりも「RECS」であると言えます。
ただし「RECS」は一般向けには販売されていませんので、自分で施工できないのがマイナスポイントです。(よしんば売られていたとしても、最後にエンジンを吹かさなければならないので、住宅地だと確実に近所迷惑になります)
なお、1回の施工料は排気量や店舗にもよりますが、4,000~8,000円の間くらいだと思います。
なお、「RECS」施工後はエンジンオイルが滅茶苦茶汚れますので、オイル交換の前に施工して500~1,000km程度車を走らせてからエンジンオイルを交換する事が推奨されています。
ワコーズのガソリン・エンジンオイル添加剤の効果検証
実際にこれらの添加剤・洗浄剤を4,500kmの走行過程の中で検証してみました。
使用した順番は以下の通りです。
- 「フューエルワン」を2本使用
- 1000km程度走行後に「RECS」施工
- 「プレミアムパワー」と「フューエルワン」を同時注入
- エンジンオイルの交換と「スーパーフォアビークル」のエンジンオイルへの添加
もともと燃費の良くないランエボXで試してみました。
みんカラユーザーの燃費記録では、ランエボXの9,000回以上の燃費の平均値が8.22km/ℓとなっています。
私の場合は普段はあまりアクセルを開けないので、実験前の2,500km程度の燃費は8.80km/ℓでした。
それが4つの添加剤・洗浄剤を試した後には9.65km/ℓにまで改善しています。
エンジンオイルについては、この車には三菱純正の鉱物油しか入れたことがありません。
45,000km程度の段階で中古で購入している車なので、最初に入っていたエンジンオイルは不明ですが、オイル交換の際には毎回三菱純正オイル+「スーパーフォアヴィークル」という構成にしています。
(安いオイルですが、3,000kmごとに交換)
以下は、最初から入っていたオイルで2,500km程度走行したデータとの比較です。
※計測方法は満タン法による実燃費
ワコーズ 添加剤 | フューエルワン | プレミアムパワー | レックス | スーパーフォア ヴィークル |
---|---|---|---|---|
最新価格 | 施工店舗による | |||
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使用数量 | 3本 | 1本 | 1回 | 1本 |
投入・施工前 の燃費 | 8.80km/ℓ | 9.39km/ℓ | 9.47km/ℓ | |
投入・施工後 の燃費 | 9.39km/ℓ | 9.47km/ℓ | 9.65km/ℓ | |
燃費改善効果 | +0.59km/ℓ | +0.08km/ℓ | +0.18km/ℓ | |
トータル効果 | +0.85km/ℓ |
なお、「フューエルワン」の最後の1本と「プレミアムパワー」、「RECS」については計測期間が重なりますので「RECS」単体の効果は不明です。
「RECS」自体が「フューエルワン」と効果が被る部分が多いので、効果の程は今一つのような感じですが、直噴エンジンや、かなり走行距離が多い車などにはもっと効果が出るのではないかと思います。
全て施工後の最高燃費は、高速道路で13.2km/ℓ、一般道では4人乗りで11.5km/ℓを記録しています。(満タン方ではなく、車のインフォメーションパネル)
+0.85km/ℓという数字は微妙かと思うかも知れませんが、ランエボXはもともと燃費が悪い車です。
8.80km/ℓ➡9.65km/ℓであれば、10%近くの燃費の改善ですので、もともと低燃費の車であれば結構伸びるのではないかと思います。
結論としては「フューエルワン」+「プレミアムパワー」がおすすめ
上記の検証データによれば、余程エンジンのメンテナンス状態が悪い車でなければ「フューエルワン」+「プレミアムパワー」の組み合わせで充分ではないかと思います。
エンジンオイルに関しても、高価なものの場合様々な添加剤が入っていますので、追加で「スーパーフォアヴィークル」を添加してもあまり効果が無いばかりか、エンジンに悪い影響がないとも限りません。
燃費向上の一番の秘策は無駄な加速とブレーキングを減らす事
実は燃費向上に最も効果があるのは、添加剤などよりもドライバーの運転の癖に関わる部分が大きいのは周知の通りです。
車は速度を維持する状態よりも、加速する状態での燃料の消費が激しいものです。
従って、常に充分な車間距離を取り、目の前の車だけでなく進行方向の先の信号や車の流れを抑える事で無駄な加速とブレーキングを減らすことが出来ます。
以下に慣性に従って一定の速度で車を走らせることが出来るか、こちらの方が添加剤云々よりも抜群に効果があると思いますので、車の燃費が悪いと感じたら、まずは運転方法を見直してみる事をおすすめします。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
ステマ!!!
ステマ様
これは過去に趣味で自分で検証したデータを掲載しているものです。(かつてはみんカラでも公開していました)
ステマではないという認識ですが、ステマ様の仰るところの「ステマ」がどのようなものかお教え頂けると幸いです。
神戸のパームスさんで数年に一度セラミックパワーリキッドと言うオイル添加剤入れています。ワコーズも好きです。
kyuutarou様
「セラミックパワーリキッド」、ちょっと高めですが面白そうですね。
次回のオイル交換で投入して数値検証してみたいと思います。
コメント失礼します。
ブログを拝見させて頂き、エンジンオイル添加剤を入れてみました。エンジン音が静かにになり、滑らかになった様に感じます。
添加剤の投入はオイル交換の度に入れた方が良いのでしょうか。教えて頂けたら幸いです。宜しくお願いします
レオンぱぱ様
うちのランエボは2013年から5年以上毎回入れてますね。三菱純正オイルに入れてます。
特にシーリングの劣化等はないと思いますけど、ヘッドカバーなどは開けてないので確認した訳じゃないです。
行きつけの整備工場ではF-SVも取り扱っており(そこでは買ってないですけど…)、毎回入れでも問題はないと言ってました。
Omi様
教えて頂き、有難うございます。
今まで、乗ってきた愛車たちはメンテナンスらしい事はしてこなかったのて、現在所有しています愛車はキチンとメンテナンスして行こうと思います。
これからも色々と参考にさせて頂きたいと思います。
ありがとうございます。
レオンぱぱ様
今後とも何が不明点があれば遠慮なくご質問下さい。