こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
ハードウェアの偽装販売が大得意なJADOさんの4K2カメラドラレコ「D530」について、何件かご質問を頂いたので解説します。
amazonのレビューを見ると結構騙されている方が多い気がするので、これは問題だな~と個人的には感じています。
またまたハードウェア構成が怪しい4Kモデル
まず、JADO、Changer、PORMIDOの中華三大ブランドは、ハードウェアの偽装販売を行う悪質中華メーカーとして認定しましたので、この記事の内容は「JADO製品をおすすめしたくないバイアス」が掛かっている可能性がある事をご了承下さい。
amzonの販売ページに書かれている内容を見ると、JADOの「D530」は、WiFi対応の前後2カメラドラレコのようです。
主な仕様はこちらの通りとされています。
・チップセット:NTK96670
・前4K/28fps
・前1440P/25fps+後1080P/25fps
・WiFi対応
「D530」の注意点
「D530」には購入時に注意して欲しい点がいくつかあります。
東日本のLED信号が消えます
まずは仕様表記を正とした場合ですが、2カメラ録画時のフロントカメラのフレームレートが25fpsとなっていますので、電力周波数が50Hzの東日本エリアにおいてはLED信号が同期して長時間消える現象が発生します。
WiFi機能を使うと違法になる可能性が極めて高いと考えられる
また、本機はWiFi対応製品ですが十中八九、日本国内での使用に必要な技適認証を受けていないと予測します。(認証費用は結構高いので、この価格帯で販売すると割に合わない)
技適認証を受けていない製品については、販売者ではなく使用者が罰せられる事になっていますので注意が必要です。
■ 総務省 電波利用ホームページ
技適マークが付いていない無線機を使用したらどうなりますか?A:一部の無線機を除いて、技適マークが付いていない無線機を使用すると、電波法違反になる恐れがあります。
免許を受けずに無線局を開設若しくは運用した場合は電波法違反となり、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の対象となります。また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象となります。
業界唯一の4K高画質?
「D530」にはSONYの800万画素STARVISセンサー「IMX415」が使用されていると書かれていますが、これは嘘である可能性が極めて高いと考えています。
そのように考える理由は以下の通りです。
・「IMX415」を使用した場合にはこの価格では割に合わない
また、録画解像度の表記には3840×2160/28fpsというものも見られる一方で「フロントエンド解像度は2560*1440 P(2 K)に固定され、後方解像度は1080 Pに固定されています。」とありますので、これでは「そもそも4Kですらない」という事になります。
高性能チップ Hisilicon Hi3559をディスっているが?
amazonの販売ページにはこのように他社の製品が使っているチップセットをディスるような表記があり、そしてこれに比べて弊社は最高!と自慢するお約束の悪徳中華業者の販売手法がとられています。
分かり易いこの手法は、JAPAN AVEなどの悪徳中華業者と共通していますが、詳しくない人はまんまと騙されてしまう事が多いようです。
市場上には4 Kまたは2 Kの同種の製品がたくさんありますが、NTK 96670のCPUは現在非常に安定しており、放熱量が非常に低く、寿命が1番長いCPUチップです。
注意:同類の製品の多くはH 3556/Hi 3559チップの製品です。
費用は低いですが、非常に高い発熱量が発生し、製品の寿命に深刻な影響を与えます。
因みにHi3556/Hi3559とは、ファーウェイの子会社の半導体メーカーが生産するチップセットですが、多くの高解像度ドラレコでは現状としては最高の部類に入る処理能力を誇るHi3559が採用されています。
・VANTRUE「N4」4Kor2.5K+2K+2K:Hi3559(Hisilicon/中国)
・BlackVue「DR900」4K+2K:Hi3559(Hisilicon/中国)
・VIOFO「A129 Pro」4K+2K:NT96685(Novatek/台湾)
・THINKWARE「U1000」4K+2.5K:型番非公開(Ambarella/アメリカ)
一方でJADOの「D530」はNT96670を採用しているとの事ですが…
このNT96670は本来は4K向けではなく、頑張って2.5K+2Kまで対応が可能なチップセットで、同じくNovatekのチップを採用しているVIOFOではこのような序列となっています。
・A129 Plus 2.5K+2K:NT96670(高性能/D530と同じ?)
・A129 Pro 4K+2K:NT96685(超高性能)
そもそも「D530」に採用されているチップセットが本当に「NT96670」であるかどうかも怪しいと感じますが、Hi3559はアメリカのHuaweiへの制裁の影響であと数か月は生産出来ない状況だという情報が入ってきており、使いたくても使えない存在になっています。
また、「Hi3559」は放熱量が大きいとも書いてありますが、そりゃ4K対応なら2.5K用のチップと比べれば放熱量が大きいのは当たり前ですし、NT96685を使用したVIOFO「A129 Pro」も駐車監視中の放熱を抑える為に解像度を落とすファームアップデートを行っていますので、下のクラスのチップで低解像度の録画を行うJADOの「D530」に比べれば全体としての放熱量大きくなるのが自然かと思います。
まとめ
以上、JADOの「D530」をおすすめしない理由について解説しました。まとめると以下の通りです。
・25fps録画では東日本のLED信号が同期して消える
・イメージセンサーのがSONYの「IMX415」と書かれているが嘘である可能性が極めて高い
・チップセットには「NT96670」が使われているとの事だが、これが本当であっても4K向けではない
・イメージセンサーの偽装が過去に2つ以上の製品で発覚した
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
OMI様。
d530の早速のレビューありがとうございます。
タイムラプスモードが使えず、あれからjadoサポートセンターと何度もやりとりし、試行錯誤しましたが、諦めました。
駐車監視ケーブルも買ったのに。
やはり中華製品は辞めた方が良さそうですね。
これからはメイドインジャパンにします!
古田様
中華メーカーでも品質やサポートの差がありますので、全てがNGではありませんが、JADOは典型的な大陸価値観で運営してますのでおすすめしないですね。