こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
スマホアプリの普及と自動車メーカーのオーディオ標準搭載化の流れにより、市場が縮小し続けているカーナビ・オーディオ業界において、海外ではスマホと連動してアプリが使えるCarPlay/Android Autoに対応したディスプレイオーディオや、Android OSで動き、タブレットの様に直接アプリが使えるAndroidオーディオが普及しています。
一方で日本市場においては、特殊な道路事情を考慮しての従来型カーナビのガラパゴス的な進化などの要因で、これらの製品の普及が進んでいませんでした。
常に市場の先駆者であったのはパイオニア
そのような中で、唯一パイオニアが10年近い時間を掛けて辛抱強く展開していたCarPlay/Android Autoに対応したディスプレイオーディオのカテゴリーが2年くらい前に花開き、そ現在はアルパインが本格的に、ケンウッドは申し訳程度に市場に参入している状況です。
※ケンウッドはマーケティングが弱く、現在は的外れな製品でこの市場に再参入していますが、来年辺りにはマトモな企画で価格を下げて勝負してくるでしょう。
このような情勢から、私はこのカテゴリーにおいては一貫して先駆者であり、過去に開発リソースを投入して来たパイオニア製品をおすすめしています。
機能的にはAndroidオーディオの方が優れている
冒頭でCarPlay/Android Autoに対応したオーディオ、Androidオーディオの2つのカテゴリーに触れていますが、これらの最大の相違点は、動画アプリの使用の可否です。
CarPlay/Android Autoは、車載で使用される事を前提として開発されたシステムであり、安全面への配慮から動画アプリを使用する事が出来ず、YouTubeやPrime Videoなどのアプリを使って動画を視聴する為には、別途HDMIポートなどを使用してスマホのミラーリングであったり、Fire TVやChromecastなどを使用する必要があります。
このような事情を考慮すると、従来のカーナビの機能のうち、①ナビ、②音楽、③動画の3つの機能を全てアプリでこなしたい場合には、CarPlay/Android Auto対応オーディオにはハードルが高くなると言えます。
このような情勢の中、海外を中心に製品を販売しているATOTOなどの中華系のメーカーが、日本のamazonなどでもAndroidオーディオを数年前から販売しており、一部のユーザーの間で人気となってます。
パイオニアのAndroidオーディオ
前述のCarPlay/Android Autoに対応したディスプレイオーディオのカテゴリーにおいては、一定の成果が出ていると言えそうですが、一方でもう一つのカテゴリーである直接アプリが使えるAndroidオーディオに関しては、2020年にSDA-700TAB+FH-7600SCという形で展開しています。
これは、時代が進むことによるAndroid端末のハードウェアのバージョンアップに合わせて、全てのハードウェアの交換が必要になるのを避ける為、オーディオ部分の「FH-7600SC」は使いまわしが出来るように配慮したものと考えられます。
この商品、発想的には非常に優れたものだと評価していたのですが、どうも肝心のAndroid端末部分のスペックが壊滅的に低く、期待されていたような快適な動作は不可能とのレビューが散見されます。
amazonのレビューはボロボロですね。
ただし、今回は黒歴史になってしまったものの、今後このカテゴリーは製品の大幅なスペックアップとプロモーション次第で化ける可能性があると、私は見ています。
Androidオーディオの現状
現状のAndroidオーディオは、amazonなどで中国メーカーのATOTO製品などが人気ですが、これらの製品と特長はこちらの通りです。
このように万人向けでは全くなく、この手のガジェットに詳しく好奇心が旺盛なマニア向けの特性であり、それを分かったマニア層が購入していた為にそれほどシビアな評価もされない商品です。
このような万人向けの特性ではない為、それほど大きくブレイクはしないという事です。
日本でAndroidオーディオをブレイクさせられるのはパイオニアしかいない
このような事情から、動画アプリが使用出来る非常に便利なAndroid Audioは、日本ではマスアイテムにはならず、私も一般のユーザーにはおすすめしていないのが実情です。
では、一般のユーザーにおすすめ出来る条件は何なのか?と言いますと、今すぐ可能であるような改善は、単純なSDA-700TABのAndroid端末としてスペックをATOTOなどの最新機種と合わせる事です。
そもそも…ですが、普通は最初から動きがカクカクな端末を販売するなんて考えられないのですが、パイオニアは初物ではこのような事があるのは、一部のユーザーの間では有名な話だったりしますし、私も2016年モデルのサイバーナビでカクカク被害に遭いました。(30万越えの価格帯を考えるとあり得ないと思うんだけどなー!)
パイオニアの製品については色々不満に感じるところもありますし、過去にはかなりのディスり記事も書いて来てますが、新しい事にチャレンジしているのでまた買ってしまう、という不思議な魅力のあるブランドです(笑)
次期モデルでは、SDA-700TABでの失敗を活かして、ハイスペック端末としてリニューアルされる事を期待しています。
その先にあるものは?
次に期待したいのが、楽ナビ・サイナーナビと同等の案内の精度、丁寧さ、分かり易さを備えたパイオニアが開発するナビアプリです。
ドコモと共同で展開してたナビアプリは失敗に終わったようですが、カーナビ筐体が売れなくなる以上、メーカーとしてもディスプレイオーディオだけでは採算が合わなくなるでしょうでし、ユーザーが求めているものと、メーカーの蓄積された技術がマッチングするのはハードウェアではなく、むしろソフトウェアの方のような気がします。
これが最大のGoogle Mapとの差別化ポイントなんですし…。
そして…
こんな感じのものを私は期待していますがどうでしょうか?
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