ドライブレコーダーが起動しない時に疑うべき原因と対処法

※2023年3月6日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

ドライブレコーダーが購入時から起動しない、または今まで正常に動作していたものが起動しなくなった、というご相談を頂く事があります。

ガジェット類に詳しくない方は、それが不良や故障であるのか、それとも取り付けや運用面の問題であるかの原因の切り分けが難しいのではないかと思います。

私は過去に200台以上のドラレコのテストをして来ましたが、新品時に起動すらしないというような悲しい状況に陥った事はありませんが、使用環境が原因で一時的に電源が入らなくなるような製品はありました。

そこでこの記事では、ドライブレコーダーの電源が入らない時に疑ってみるべき原因と対策についてご説明します。

ドライブレコーダーの電源が入らない時に考えられる原因

ドライブレコーダーの電源が入らない、または入らなくなった時に疑われる主な原因ピックアップすると以下の7つになります。

・ヒューズ切れなどによる電力の遮断
・取り付け時の配線処理に起因する接触不良
・内蔵バッテリーの充電不足
・microSDカードの故障
・熱暴走対策としての保護
・ドラレコのファームウェアの不具合
・ドライブレコーダー本体の故障

これらの原因は、簡単に切り分けが可能なものもあれば、検証が難しいものもありますので、切り分けが簡単な順に見極め方を解説します。

ヒューズ切れなどによる電力の遮断

ドライブレコーダーをどのようなに取り付けた場合であっても、ドラレコに流れる電流は車両の回路やドラレコを保護する為に、いくつかのヒューズを経由します。

例えばシガープラグタイプの電源ケーブルが付属するドライブレコーダーの場合には、何かの拍子に予期せぬ大電流が流れる事で、本体を破損させないようにプラグ部分にヒューズ管が入っています。

私の場合にはドラレコのヒューズ管は切れた事がないですが、ドラレコのプラグを挿しているシガー分配器側のヒューズ管が切れていた事があります。

ドライブレコーダーのシガープラグの形状はメーカーやモデルによって様々ですが、大抵の場合には分解はそれほど難しくはなく、キャップなどを回せば簡単に分解可能です。

上の画像のガラス部分がヒューズ管ですので、これを取り出して中のヒューズが切れていないか確認してみましょう。

かなり細いのでちょっと見えにくいですが…。

もし、ガラス管内のヒューズが切れているようであれば、ヒューズ管を交換する事で電源が入るようになるでしょう。

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なお、ヒューズ管にはアンペア数の指定がありますが、多分ドラレコ用は2Aではないかと思います。(一部の使用電力が大きいスマートミラーなどは、5Aが入っているかも知れません)

因みにシガープラグではなく、駐車監視用の直結ケーブルを使用している場合には、ケーブルの途中のホルダー内にヒューズ管が仕込まれています。

また、ケーブルラインの内のヒューズについては、ヒューズ電源取り出しケーブルにもこのようなホルダーが付いている事が多いのでこちらも確認が必要です。

これ以外にもドラレコ電源を取り出している、ヒューズボックス内のヒューズが切れている可能性もありますね。

取り付け時の配線処理に起因する接触不良

業者に取り付けをお願いして配線処理に起因する接触不良があった場合、自分では原因は切り分けられないと思います。

※自分で取り付けた場合にはエレタップやギボシの銅線巻き込み不良を確認しましょう。

余程特殊なお願いをしているのでなければプロは単純なミスなどしないと思いますので、製品の不良を疑って見るべきでしょう。

※ごく稀にプロでもミスります…私はiCELL、iZONE、MAXWINのスマートミラーのWEBサポート、現場サポートもやっていますが、プロのにマジっすか?と言う状況に出くわす事が稀にあります。

また、レアケースではありますが、過去にドラレコ付属の純正ケーブルの絶縁が不充分で、ショートしていたというご報告も頂いた事があります。(取り付けではなく、ケーブルの不良)

内蔵バッテリーの充分不足

最近のドライブレコーダーにはリチウムポリマー電池を搭載した内蔵バッテリーで録画中のデータを保護するモデル、またはコンデンサに微量の電気を蓄えるキャパシタタイプの2種類のモデルが存在します。

キャパシタタイプのモデルの場合にはこう言った不具合は発生しにくいですが、内蔵バッテリータイプでは駐車監視などでバッテリーを使い切ってしまうと、エンジンを掛けてもある程度バッテリーが充電されるまで電源が入らないものもありました。(最近は内蔵バッテリーで駐車監視を行うモデルが少ないので、レアなケースではあります)

こう言った場合には充電されるまでしばらく待つしかありません。(5分くらい)

microSDカードの故障

microSDカードの故障で電源が入らないようなケースはほとんど起こり得ず、大抵の場合にはカードが死んでいても電源は入ります…がエラーメッセージを吐いたり、何も音が出ずに録画が開始されない状態となるケースが多いです。

ただ、ごくまれにmicroSDカードが原因で電源すら入らなくなるモデルもありますので、ドライブレコーダーに電源が入らない場合にはまずmicroSDカードを抜いてからエンジンを掛け直してみましょう。

熱暴走対策としての保護

これは夏場に起こり得る現象で最近のモデルではあまり見られませんが、ドライブレコーダーを含む全ての電子機器は熱に弱く、夏場の炎天下で直射日光を当て続けたり、サンシェードなどでドライブレコーダーの周囲の空間を塞いでしまうと、熱暴走による基盤の焼け付きを防ぐ目的でドライブレコーダー保護機能を働かせて電源を落とします。

最近のドラレコはエアコンがついている状態であれば大丈夫かと思いますが(昔のドラレコはエアコンが付いていても落ちる事はあったが)、炎天下で駐車した後にエンジンを掛けても電源が入らない事があるかも知れません。

そう言った場合にはエアコンをつけて車内が冷えるのを待つしかありません。

ドライブレコーダー本体の故障、またはファームウェアの不具合

これは消去法でしか特定できない原因ですので、ここまでに説明した何れのケースも当てはまらないようであれば、自信を持ってドライブレコーダーの故障やファームウェアの不具合であると考えてよろしいかと思います。

メーカーのサポートに状況を報告すれば、代替品を送って貰えたり修理に応じてくれるでしょう。

ドライブレコーダーが起動しない時に疑うべき原因と対処法のまとめ

以上、ドライブレコーダーが起動ない場合の原因と対処法についてご説明しました。

なお、メーカーサポートに問い合わせを行う場合には、ここで説明した内容をまとめて状況を報告すると話がスムーズに進むでしょう。

コメント

  1. 菅原武芳 より:

    R535を購入し取り付けてみましたが、電気が本体に送電されません。取り付け直後は本体のバッテリーで作動したのですが、電源不足で消えてしまいました。その後、本体との繋ぐ部分を指で押さえてみましたところ再稼働しました。しかし再び消えてしまいました。その後は瞬時に映っては消えるため使えていません。シガーソケットは電源が赤く点いていますので電力は問題ないと思います。本体のソケットか、電源の差し込み口が故障していると思うのですが、如何なものでしょうか。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      菅原武芳様
      ミラー型の場合、そこは他社品でもよく壊れますよ。

  2. まーくん より:

    大変勉強になりました。
    電気系統の不具合は、ヒューズ切れ、エレクトロタップの接触不良の原因が多いのですね。

    以前ヒューズ切れ、接触不良もなく原因がわからない時があったのですが、結果電流が逆流して不具合を起こしていたと言う事もありました。

    電気は難しい

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      まーくん様
      中華ドラレコの場合、電源系が良く壊れますね。
      ただ、そこまで判断するには、各種の儀式が必要です(笑)

  3. 三井 より:

    360度回転&駐車監視機能付きのドラレコをDIYで取り付けました。バッテリーが痛むのが嫌なので常時電源線はぶらんとさせたまま接続せず、ACC線と20Aヒューズ電源の接続とアース線と車体の接続だけしましたが電源が入りません。どこが原因か推測できますでしょうか?付属のコードでシガレットソケットから本体へ接続すると電源は入ります。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      ACCは常時電源に電流を流すスイッチですので、常時を繋がなければ起動しません。

  4. 中村昌二 より:

    ミラー型ドラレコ購入して据え付けましたが、電源はいらず、メーカーに症状と各電源取り出し方法を報告のうえ再度新品を送ってもらい検証いたしましたがだめでした。取付前には事前に「B+」ラインと「ACC」ラインをテスターで確認済みです。説明書通りの接続を行ってます。
    商品の電源ケーブルはヒューズ付きで、直接ヒューズボックスの各電源に接続するようにできてましたが、
    バッテリー電源及びACC電源取り出し用ハーネスが市販されていたので購入し、所定の位置に接続しました。

    私の電源取り出しミスかと思い、もう一度電圧の確認をいたしましたところ、私なりに気になる点が出てきました。教えてもらいたいです。

    バッテリーのラインが、商品のケーブルを接続しなければ、エンジン始動前、12ボルト、ACCモード及び始動後12ボルトの電圧確認できるのですが、

    商品ケーブルを接続後、始動前は12ボルト、ACC状態にすると、なぜか6ボルトに下がり、さらにエンジン始動状態でも6ボルトのままになります。

    エンジンをOFFにすると5から10秒くらいの間だったと思いますが、6ボルトから12ボルトに戻ります。

    この状態は正しいのでしょうか?

    万が一、ヒューズボックス内のバッテーリー電源取り出し用にこのヒューズ付き「B+」線を接続すると
    そのライン全部も6ボルトになることになるのですか?テストの段階で実際にそういう値が出ています。

    ACCのラインは、エンジンOFFで0ボルト、ACCモードで12ボルトの電圧が発生し、もちろんエンジン始動後でも12ボルトのままです。

    エンジン停止後、0ボルトになります。
    以前、別の車に他メーカーのミラー型ドラレコ自前で据付経験あります。
    一応電気的な職業についているので、何が原因なのかわからず、困ってます。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      ドラレコのケーブルにも抵抗がありますので、ケーブルラインの抵抗異常があるとそのような現象が見られます。

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