車の走行性能や耐久性を保つためには、トランスミッションオイルやデフオイルなど、各種オイルの適切な交換が重要です。
今回は、ATフルード(ATF)、CVTフルード(CVTF)、ミッションオイルの交換目安と注意点について詳しく解説します。
マニュアルトランスミッション(MT)の交換目安
MT車のミッションオイルは、劣化が進むとギアの入りが悪くなり、運転時に違和感を覚えることがあります。
交換後はギアの入りがスムーズになり、加速性能が向上することも多いです。
交換の目安は車両の取扱説明書のサービスデータを参考にしてください。
オートマチックトランスミッション(AT)の種類と交換時期
ATには以下の3種類があり、それぞれ交換時期の目安が異なります。
- 従来型AT(トルコン式AT)
- CVT(無段変速機)
- デュアルクラッチトランスミッション(DCT)
従来型ATの場合
ATF(オートマチックトランスミッションフルード)は、変速のショック軽減や燃費に影響する重要なオイルです。
ATFが劣化すると変速ショックが大きくなったり、加速性能が落ちることがあります。
一般的な交換目安は2万〜3万kmごと。
交換しないまま長期間使用すると、変速不良や走行不能のトラブルに繋がる可能性もあります。ATFの色が赤色から茶褐色に変わるのも劣化のサインです。
CVTの場合
CVT車のCVTF(CVTフルード)は、変速ショックは少ないものの、劣化すると変速性能の低下や燃費悪化に繋がります。
交換目安は2万〜3万kmごと。CVTFの色も、劣化により薄い茶褐色に変わることがあります。
デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の場合
DCTは国産車だと日産GT-Rや三菱ランサーエボリューションXなどに採用されています。
トラブル防止のため、DCTオイル(ミッションオイル)の早めの交換が推奨されます。
交換時期は必ず車両の取扱説明書を確認してください。
ATF・CVTF交換時の注意点
純正オイル以外の汎用オイルを使うと、メーカー保証の対象外となる場合があります。
ガソリンスタンドや一部のカー用品店で使用されるオイルは、純正品ではなく汎用品のことが多いです。
「純正オイル互換品」として販売されていても、100%同じ性能ではなく、走行距離が短いにもかかわらず不具合が生じるケースもあります。
交換時は純正オイルを使うのが安心です。
デファレンシャルオイル・トランスファオイルの交換について
デファレンシャルオイルやトランスファオイルは、劣化してもすぐに不具合が出ることは少ないですが、交換することで燃費や走行性能の向上が見込めます。
特にLSD(リミテッドスリップデフ)搭載車両の場合は、取扱説明書に記載された交換周期を守ることをおすすめします。
LSDは、ランサーエボリューションやインプレッサWRXなど、スポーツタイプの車に搭載されています。
また、駆動方式(FF、FR、4WDなど)によってデフオイルやトランスファオイルの有無が異なります。
交換を検討する際は、必ず車両の取扱説明書を確認しましょう。
(ライター:自動車整備士 SkyLight)
コメント