このところ日本国内のドライブレコーダー市場が活性化しており、海外メーカーが相次いで市場に参入し続けています。
ANKER もその中の一つですが、メーカー規模と取扱い品目を考えるとタイミング的にはちょっと遅いかな?と個人的には感じています。
ANKER というブランドについて
アマゾン界隈で買い物をする方にとってはANKER は超有名ブランドで、その信頼性からモバイルバッテリーなどでは他社よりも一格上の値段でも商品が売れているようです。
本業はスマホ周りのガジェットですので、ドライブレコーダーに関してはOEM生産を行っているのではないかと思いますが、注目したいのはANKER のドライブレコーダー開発に対する本気度です。
2017年のドライブレコーダー市場の流れ
2017年を振り返り、私が個人的に良いと感じているメーカー、また市場で人気となっているメーカーは、コムテック・ユピテル・AUTO VOXの3社です。
この3社は社内の人的リソースのかなりの部分をドライブレコーダーの開発に注いでいる為、市場での機能性や価格面での優位性が他のメーカーよりも総じて高いと感じています。
市場のマスの部分を狙っているのがコムテック・ユピテルの2社で、AUTO VOXはマーケティングよりも工場直販の形態により、そこそこの性能と安定性のあるモデルを他社よりも価格を下げて販売しています。
「餅は餅屋」という言葉がありますが、マーチャンダイジングであるとかバイイングを考える上でこれを意識しないととんでもない製品が出来上がってくる事があります。(これは私がバイヤー時代に強く感じた事)
日本のドライブレコーダー市場のメーカー構成
企画~生産の流れを考えると今の日本のドライブレコーダーメーカーは以下の7パターンに分類されます。
- ドライブレコーダーを専門的に扱っている比較的規模の大きいメーカー(コムテック・ユピテルなど)
- 超大企業でそこそこドライブレコーダーにも力を入れているメーカー(パイオニア・ケンウッド・パナソニックなど)
- 他の業界から流れてきてドライブレコーダーを取り扱っているメーカー(ガーミン・オウルテック・AUKEY・ANKER ・YIテクノロジーなど)
- 海外でドライブレコーダーを専門的に販売しているメーカー(パパゴ・THINKWARE・FineVu・COWONなど)
- 他社のOEM製品を販売してきた工場が自社ブランドを立ち上げたメーカー(AUTO VOX、VANTRUEなど)
- よりユーザーに近い位置で要望を吸い上げ、特定のユーザーにピンポイントで商品を提案しているメーカー(スマートレコ・TA-Creativeなど)
- 出所が良く分からない中国格安ブランド
このうち、ANKER は3番目カテゴリーの他の業界から流れてきたメーカーに分類されるのですが、このカテゴリーのメーカーのドライブレコーダー処女作は、とりあえず出してみちゃった系の匂いが強く、どれもイマイチな完成度に終わっており、2発目からはなかなか良いモデルが仕上がっています。
初期の完成度の低いモデルの例
YIテクノロジーはまだ2モデル目が発売されていませんが、オウルテック・AUKEYに関しては2モデル目以降は問題点を修正して人気モデルとなっています。
ANKER はドライブレコーダーへの本気度が低そうに見える
ANKER の商品紹介ページを見ると、ドライブレコーダーにあまり力を入れているようには感じられず、とりあえずOEM生産で低価格で出してみちゃった系の匂いが感じられますね。
商品説明ページの情報がこれしかないし(笑)
「ブランドネームと価格だけでそこそこ売れるんじゃね?」と考えているのかも知れません。
この背景を考えると現時点での「Roav C2」の機能・性能は日本市場にはマッチしないイマイチなものであろうという予測をしています。
現段階ではテストしていなので100%そうであるとは言い切れませんし、意外と本気度は高い可能性もありますが、あくまでも状況判断と今までの他社の実績に基づく予測です。
ANKER 「Roav C2」のスペック
ANKER 「Roav C2」のスペックは以下の表の通りです。
Anker Roav C2 |
---|
17.12発売 |
1920×1080/30fps/WDR |
LED信号は非対応の可能性大 |
対角145°(レンズ) |
microSD付属なし |
microSD最大128GB |
GPS非対応 |
駐車監視モード |
衝撃検知 |
内蔵バッテリー(470mAh/3.7V) |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
説明書には廉価版のSONY ExmorとAmbarellaのA12チップが使用されていると書かれているので、ハードウェア的な素養は問題なさそうです。
Exmor IMX323が大量生産されるようになってから、このCMOSセンサーを使用しているモデルが増えていますね。
ドラレコの組み立ては中国ですがやはり基幹パーツではSONYやパナソニックなどの日本メーカーの物が使われているケースが多くなっています。(特に日本向けでは)
従って画質面ではかかなり良さそうな印象を受けますね。
また、このモデルにはエンハンスドナイトビジョンモードという機能があるようですが、その都度切り替えが必要らしいので、他社モデルの露出調整機能のようなものかも知れません。
なお、視野角はレンズが145°となっていますので、水平で105~110°程度の録画視野角はありそうです。
駐車監視に関しては内蔵バッテリーで衝撃検知後の起動となりますので、録画開始までの時間がどれくらい掛かるかは不明ですが、あまり期待はしない方が良いように思われます。
ANKER 「Roav C2」のまとめ
基本的には最初に説明した通り、「Roav C2」はANKER初のドライブレコーダーの為、起動時間や動作の安定性・操作性などがイマイチである可能性はあります。
これらの部分がクリアされており、水平録画視野角が110°程度以上確保されているようならば、価格帯を考えるとなかなかコスパの高いモデルかも知れません。
なお、以降に発売された同社の第2弾のドラレコ「ROAV C1」については以下の記事でレビュー報告を行っています。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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