※2023年7月30日更新:実機レビューを終了しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
Xaomiの70mai Dash Cam Omniについて、ちょくちょくご質問を頂いていますので現時点での所感を述べます。
この製品に関してはリリース直後に記事化を検討していましたが、ネタ作りには面白い製品ではあるものの、実用性の面ではイマイチである上、価格もやたらと高い為にそれほど魅力を感じず、そのまま掲載する事すら忘れていました。
今回改めて仕様を確認しましたが、現時点では購入してまでテストする価値を見出せていない為、レビュー前提ではありません。
70mai Dash Cam Omniのスペックと特徴
70mai Dash Cam Omniのスペックは以下の表の通りです。
70mai Dash Cam Omni |
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1920×1080/30fps/HDR 1920×1080/60fps |
レンズ視野角 対角140° |
西日本LED信号非対応 |
eMMC32GB/64GB/128GB |
GPS内蔵 |
駐車監視モード |
衝撃録画/タイムラプス |
自動起動 |
専用ケーブルはOP |
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店 |
カメラ仕様としてはこれと言った特徴がない、フルハイビジョンモデルですが、本機の特徴は以下の2つのポイントとなっています。
AIによる撮影方向の制御ですが、プロダクトページには詳しく掛かれておらず、衝撃を検知した後に不審者を検出とあります。
これを文面通り捉えると、これは当て逃げ対策向けの機能ではなく、イタズラ対策と言えそうです。
ドラレコの駐車監視は当て逃げ対策の需要の方が圧倒的に高い為、実用的な機能ではないと判断した経緯があります。
その他にもタイムラプスモードをサポートしているようですが、タイムラプスモードを搭載したシングルドラレコの価格としてはべらぼうに高く、LaBoon!!としてはおすすめする理由が見当たらないのが現状です。
セット内容とデザイン
ちょくちょくレビュー要望を頂いていたので、eMMC 128GBのサンプルを購入しました。
セット内容は至ってシンプルで以下の通りとなります。
・ドラレコ筐体
・Type C 電源ケーブル
・シガーチャージャー
・取扱説明書
・取付部材
カメラ筐体
カメラ筐体のデザインは、珍しいカプセルタイプですがそこそこ重量感があります。
筐体正面には小型のディスプレイ
左側面には3つの操作ボタン
右側面にはType C電源端子が装備されています。
電源ケーブル
電源ケーブルはType C USBケーブルとシガーチャージャーを組み合わせる形になります。
駐車監視の運用には別途専用の3芯常時電源ケーブルが必要です。
インターフェイスについて
電源ONから録画開始までの起動時間は19秒程度とドライブレコーダーとしては遅めです。
一応サイドのボタンでメニュー操作は出来ますが、基本的にはWiFiアプリを使用する前提で作られています。
WiFiアプリについて
WiFiアプリについては説明書のQRコードからダウンロードが可能です。
WiFiアプリを使用する為には、その都度WiFi機能をアクティブにする操作が必要になりますが、設定から起動時には常にアクティブに固定する事も可能です。
WiFiメニューの使い勝手は比較的良いと感じました。
WiFiアプリでの動画のストリーミング再生は、初めの読み込みに時間は掛かりませんが、フレームレートを落としたような滑らかさのない動きになります。
ただし、スマホへの動画のダウンロードにはそれなりに時間が掛かります。(1分の動画で40秒くらい)
車内への取付けについて
今回はアクアに「Omni」の取り付けを行いました。
ミラー裏に簡単に隠せますが、なるべくレンズが車の真ん中近くになるように設置したいところです。
※この機種は駐車監視の衝撃検知、動体検知機能が動いている際にはレンズ部分が360℃回転しますので、レンズ部分をミラー下から出す方法がスタンダードかと思います。
一般的ドライブレコーダーの取り付け手順はこちらの記事で解説しています。
ドライブレコーダーとしての画質について
画質についてはコムテックの「HDR801」と映像を比較しました。
比較ポイントはこちらの通りです。
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ
録画視野角について
「Omni」録画視野角は、ドライブレコーダーとしてはやや広めの水平120°程度でした。
逆光補正能力について
「Omni」のHDRモードでは、最近のVANTRUEなどの中華メーカーと同様に強烈なHDR補正が掛かります。
「HDR801」と比べると、やや黒潰れが気になりますね。
ナンバー読み取り精度について
「Omni」はフルハイビジョンモデルですが、水平130°の超広角の「HDR801」と比べるとナンバー認識精度はやや高めです。
夜のヘッドライトが強く反射した状態のナンバープレートの読み取り精度は、強烈なHDR補正の恩恵で非常に高いと言う結果です。
夜間の明るさについて
夜間の映像については、ドライブレコーダーとしては比較的明るめとなっています。
ドラレコ画質の総合評価は、「必要充分以上」と言ったところです。
景色撮影モデルとしての評価
本機には60fps/WDRの高フレームモードがありますので、景色撮影能力についてGoPro HERO 11と比較してみました。
結果は以下の理由から景色撮影には向いていないと判断しました。
フレームレートとLED信号の映り方について
「Omni」のフレームレートは30fps HDR/60fps WDRとなっており、フレームサンプリング等の処理が行われているようには見えませんので、電力周波数60Hzの西日本では、LED信号が同期して長時間消灯して映る可能性が高いと考えられます。
駐車監視について
「Omni」の駐車監視については内容が濃いので別途専用ベージを作り、こちらで解説しています。
PCでの動画の再生について
「Omni」はPCにUSBケーブルで接続すると、ドライブとして認識されます。
メディアプレイヤー、VLCなどの汎用のプレイヤーでの再生が可能です。
eMMCでの録画時間について
「Omni」の録画データサイズは以下の通りです。
内蔵のeMMCは最大で128GBとなっていますので、イベント録画などの領域を考慮しなければ、11時間程度の録画データの保存が可能です。
地デジへのノイズの影響について
「Omni」の単体使用では、アルファード+サイバーナビの組み合わせで影響は確認出来ませんでした。
ラジオへのノイズの影響も確認出来ませんでしたが、車種やカーナビの種類、アンテナの位置で状況は変わる事がありますので結果は参考程度に捉えて下さい。
「Omni」の総評
最後に「Omni」の総評です。
ドラレコとしての画質は、それなりに高画質で必要充分なクオリティなのは間違いありません。
ただし、それ以外の付加機能の部分、eMMCはともかくAI機能?による駐車監視の実用性は極めて低く、話題性だけが先行して使ってみてガッカリな製品になりそうな気がします。
実用性の観点から考えると、7,000円くらいの価値かなと…。
コメント
これ気になってました。駐車監視に面白そうだと思ってました。ドラレコとしてはちょっとかもですね。(^^;
機能的に変わってるだけで、実用性はほとんどないです(笑)