車を手放すとき、どんな方法で処分するかは人それぞれです。
多くのオーナーさんは、買い取り店に売却するか、次の車の購入時に下取りとして処分します。しかし、その「査定額」を決めているのが誰か、知っていますか?
実はその査定額を決めているのは「中古自動車査定士」という専門資格を持つ人たちです。
今回は、この中古自動車査定士の仕事と、資格の取り方について詳しく解説していきます。
中古車査定士とは?
中古自動車査定士は、中古車の価格や状態を適正に評価するプロフェッショナルです。
資格には「小型車査定士」と「大型車査定士」の2種類があり、普通車の査定なら小型車査定士の資格があれば十分です。
査定の際には、走行距離や装備の有無、外装・内装の状態などを細かくチェックし、車両の価値を見極めます。
受験資格と条件
査定士になるには以下の条件を満たす必要があります。
- 自動車普通免許(大型車査定士は大型第一種免許以上)を持っている
- 自動車の販売や整備の経験が半年以上ある
- JAAI(日本自動車査定協会)の研修を修了する
これらをクリアすれば、誰でも受験資格が得られます。
どうやって査定士になる?
中古車査定士を目指すなら、まずは中古車販売店やディーラーなどで半年以上働く必要があります。
実際には、資格がなくても車の価値を把握し、買い取り業務に就くことは可能です。けれども、資格があることで、お客様からの信頼度は一段と高まります。
車の価値を把握するためには、オートオークションでの相場を常に確認することが重要です。
車は「生もの」と言われるほど、日々価値が変わります。査定士として活躍するには、この「変化」を敏感に感じ取る力が必要です。
資格取得の流れと試験日程
中古車査定士の試験はJAAIが主催しており、毎年2回(大型車査定士は1回)行われます。2025年度は以下の日程です。
- 小型車査定士:6月15日(日)
- 大型車査定士:6月18日(水)
申し込みは4月1日から4月30日まで。提出書類には技能検定申請書、顔写真、免許証コピー、勤務先の経歴証明書などがあります。
必要書類が整えば、各都道府県のJAAI支所で申し込みが可能です。真面目に研修を受け、実務経験があれば合格は難しくありません。
査定士のやりがいと魅力
査定士の仕事は、車1台1台にドラマがあることを感じられる点が大きな魅力です。
オーナーさんの思い出や、買い替えの決断に寄り添うのも査定士の役割。自分が正しく価値をつけることで、お客様が納得し、次のステップに踏み出せる瞬間は格別です。
営業マンにとっても、査定士資格は武器になります。例えば下取り額の交渉では、自分の知識を活かして上司や本社に説明でき、商談の成約率アップにつながります。経験を重ねるごとに目利きが磨かれ、日々知識が増えていくのもやりがいの一つです。
仕事の厳しさと向き合う
査定士は、天候に関係なく査定をしなければなりません。
炎天下や雨の日、雪の日でも外装・内装の細かい部分をしっかりチェックします。
自殺車両や冠水車両など、特殊な車両を扱うこともありますが、それらすべてが経験値となり、自分の財産になるのです。
出会いと学びのある仕事
中古車査定士の仕事は、車に限らず人との出会いもあります。
お客様との会話や、1台1台の車にまつわるストーリーを知ることで、仕事に深みが出てきます。
自分が乗れないような高級車やスポーツカーを間近で見て査定できるのも、この仕事ならではの特権です。
これから中古車査定士を目指す方は、JAAIの公式サイトで最新情報をチェックし、しっかり準備を進めていきましょう。
自分の目で車の価値を見極める力を身につければ、きっと車業界でのキャリアがさらに広がるはずです。
(ライター:中古車査定士ryo)
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