コムテック 2017年モデルハイエンドレーダー探知機「ZERO 903VS」の評価

コムテックからフルマップレーダースキャン対応の2017年レーダー探知機、「ZERO 903VS」が発売されています。

コムテック レーダー探知機 ZERO 903VS 完全無料データ更新

先に発売されてる「ZERO 803/703V」の上位モデルのような型番ですが、スペックをよく確認してみると実はそうではないようです。

まずは「ZERO 903VS」で新しく搭載された機能について見てみましょう。(結論から先に言うと2014年モデルの「ZERO94VS」の後継機です)

「ZERO 903VS」の新機能

新機能という見出しにしていますが、これはあくまでも「コムテックのレーダー探知機としては新しい」という意味で、ユピテルやセルスターでは数年前から実装されている機能だったりします。

スマホのテザリングなどで取締りデータの共有

ユピテルやセルスターでは、随分前から専用サーバーを利用してユーザーが入力した取締り情報をリアルタイムで共有するシステムが存在しています。

一応、コムテックでも確か2014年モデルでは「ZERO94VS」という他社とは違った独自の共有システムを搭載したモデルを販売していた実績があります。

これは「ZERO94VS」を搭載した車がレーダー波をキャッチすると、それを周囲の「ZERO94VS」を搭載したユーザーに知らせるというものでした。

なお、このWiFiを使用した取締情報の共有に関しては「ZERO 903VS」と同様に2017年モデルの下位?機種「ZERO703V/803V」でも対応しています。(「ZERO703V/803V」は無線LAN SDカードがオプション扱い)

システムとしてはユーザーの入力を必要としない点でこちらの方がユピテルやセルスターよりも先を行っていると思いますが、問題点としては「ZERO94VS」「ZERO903VS」「ZERO703V/803V」を使用しているユーザー数が少なければ全く機能しないシステムになってしまうという事です。

しかもコムテックは2015~2016年はこの手のモデルを販売していませんので、2017年の3月の段階で「これどうですか?」とはなかなかおすすめし難いかなと…。

また、コムテックのレーダー探知機は誤報が多いので、その誤報に基づいた共有データで警報されるもの如何なものかと思います。

これは誤報かどうかの検証がユーザーには出来なさそうなので、誤報であることには気が付かないかも知れません。(お、ちゃんと機能してるな!と満足して終わりかも?)

そもそも2014年モデルの時点で「ZERO94VS」は「失敗した」という評価のモデルなのでしょうし(売れているたなら2015~2016年に後継機が出てるはず)、このデータ共有のシステムについて「ZERO94VS」から大きく改善された点はなさそうです。

「ZERO 803/703V」ではOP扱いのスマホのテザリングを使用してのデータの自動更新にも、「ZERO903VS」の方は標準で対応していますので、「ZERO 803/703V」との価格差が最も気になる部分かと思います。

フルマップレーダースキャンに対応

コムテックにフルマップレーダースキャンのレーダー探知機はありますか?という質問を何度か受けた事があるのですが、2015~2016年モデルにはありませんでした。

ユピテル・セルスターのミドルクラス以上のモデルには標準搭載されている機能なので、選択肢の一つとしてフルマップ搭載のモデルを復活させた点はユーザー視点ではありがたい部分だと感じます。

地図はあまり綺麗ではないですが、ないよりはあった方が取締り対象の位置が分かり易いです。

やはり地図はポータブルナビのトップシェアメーカーだけあって、ユピテルが一番綺麗ですね。

【ユピテル フルマップ】

【セルスター フルマップ】

「ZERO703V/803V」と同様の部分

ここ数年のレーダー探知機のトレンドである、ドライブレコーダーとの連動性については「ZERO 703/803V」と同様で、ドライブレコーダーの動画の出力・ドライブレコーダーの操作・GPSやOBD信号の送信などに対応しています。

ここは2016年モデルでの新機能ですので、あえて大きく取り上げる部分ではないかと思います。

「ZERO 703/803V」より劣っている部分

型番からすると「ZERO903VS」が最上位モデルの扱いになっているようですが、実は「ZERO 703/803V」にあって「ZERO903VS」にはないものが2つあります。

移動小型オービスのレーダー波に対応していない

2017年のレーダー探知機の最新トピックは「移動小型オービスのレーダー波のキャッチ」で、ユピテルはもちろん、コムテックの「ZERO 703/803V」もこの機能を搭載しています。

「ZERO903VS」はこの2モデルよりも後に発表されていますし、型番も上位モデルの位置付けですので移動小型オービスのレーダー波への対応も実装されているのかと思ったのですが、どうやらそうではないようです。

「移動式小型オービス対応 NEW!」と書かれていますが、確か2015年モデルからGPSでの対応は実装されている筈ですので、断じて「NEW!」ではないと思います。

超速CPUを搭載していないらしい…

コムテックの「ZERO 703/803V」は2016年モデルの「ZERO 702/802V」時代から起動やGPUの更新処理が早くなる「超速CPU」に切り替えた模様です。

「ZERO 802V」については実際に使用していますが、前は他社よりも遅かった起動が同じくらいになったという印象です。

これが「ZERO 903VS」には搭載されていない模様です。

結論としては「ZERO94VS」にドラレコ連動機能を付けただけ

冒頭でも述べていますが、「ZERO 903VS」は基本設計は2014年モデルの「ZERO94VS」に近く、このモデルにドラレコ連動機能をプラスしただけ?と言ったところではないかと思います。

小型移動式オービスのレーダー波への対応が実装されているようなら、「ZERO703/803V」との価格差次第では面白いなーと思ったのですが、手抜き感満載な感じがするので積極的におすすめは出来ないかな…と感じています。

「ZERO 903VS」よりも「ZERO703/803V」の方が機能・性能面では上な感じがします。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

【2024年版】実機レビューの結果に基づくおすすめレーダー探知機
...

コメント

タイトルとURLをコピーしました